株式会社PIXEL HEARTS 代表取締役 浪岡 大貴

 

エンジニア派遣業を中心にWEBの受託制作やマーケティング支援を行う、株式会社PIXEL HEARTS。

同社の代表取締役である浪岡大貴氏は、バンドマンからエンジニアへと転身した異色の経歴の持ち主です。未経験でエンジニアとして働くことの難しさを実感したことから、未経験でエンジニアを目指す人を積極的にサポートする会社を設立しました。

一人ひとりの挑戦したい気持ちを大切に、望むキャリアが積める環境作りまでも考えて、事業を展開。そんな浪岡氏に起業のきっかけや、仕事のこだわりなどを伺いました。

SES事業をメインにWeb制作や運用、コンサルティングも行う

早速ですが、事業の内容をお聞かせください。

弊社は、エンジニアが不足するクライアント企業へ技術者を出向させるSES(システムエンジニアリングサービス)事業をメインに、受託制作事業やマーケティング事業、WEBコンサルティング事業を行う企業です。

受託制作事業ではクライアントの要望を受けて、ホームページやランディングページ、メディアなどを制作し、マーケティング事業ではランディングページの運用やホームページでの集客、広告運用などをしています。

WEBコンサルティング事業は、受託制作とマーケティングの2つを束ね、お客さまが求めるゴールに対して、さまざまな角度からアプローチ方法を提案する部門です。ここでは、ただホームページを作るだけではなく、お客さまとお話しした上で、ゴール到達までの設計を一緒に行っています。 

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

14歳の時にバンドを組み、高校時代はほとんどバンド活動にあてていました。20歳の時にインディーズデビューのオファーをもらったのですが、方向性の違いなどから解散してしまい、就職を考えることになったんです。

 

しかし、学歴と職歴がないことからどこからも採用されず、手に職を付ける必要があると感じたので、エンジニアを目指して勉強を始めました。とはいえ、プログラミングスクールに通う余裕もなく、独学です。幸い、母親が個人事業主でホームページ制作の仕事をしていたので、プログラミングを学べる本が家に大量にありました。

当時21歳でその年齢だと専門学校生だったら卒業して、現場で働いている人もいます。大学生ならすでに3年間プログラミングを学んでいる年齢です。その人たちを押しのけて採用してもらうには、それ以上の勉強が必要と思い、自宅の本を片っ端から読んで猛勉強しました。月240時間は勉強にあてましたが、結局、学歴と職歴がネックになって、エンジニアとして就職先を見つけられず、未経験で挑戦するのは本当に難しいと実感したんです。

 

そこで実績作りのために、ホームページ制作の仕事をくださいと営業していたところ、友だちのバンドマンから依頼があり、そこから他のバンドマンにも声をかけていったら、2~3個仕事が取れて、少しずつ稼げるようになりました。

そのタイミングでたまたま再会した高校の同級生が、フリーランスで十分な収入を得ていると知ったんです。自分も同い年だし、個人で受注した制作実績もあるので、フリーランスでいけるんじゃないかと思い、フリーランスエンジニアとして独立しました。

 

そのあと実力を試そうと東京に出て、プログラミング教室の非常勤講師やベンチャー企業での業務委託を経験するなかで、自分と同じように未経験からエンジニアを目指したい人から相談を受けるようになったんです。それが自分の経験とも重なり、未経験のエンジニアを育てられる会社を作れないかと考えるきっかけになりました。

フリーランスになってから実績も積めていたので、普通に就職しようかと悩みましたが、一緒に仕事をしていたある方から「就職するのでは面白くないから、会社を作れ」とアドバイスされ、思い切って起業しました。

 

チャレンジする人を応援できる会社でありたい

仕事におけるこだわりを教えてください。

自分自身が未経験からエンジニアになったこともあり、新しいことに挑戦する人を応援する姿勢を常に持つようにしています。未経験者をエンジニアとして育てるのはもちろん、他の分野のスキルを身に付けたいエンジニアもサポートできる環境をつくっています。

エンジニアの仕事にもさまざまな領域があって、例えばフロントエンドの経験者がサーバーサイドの仕事をしたいって思っても、サーバーサイド案件の出向実績がないと、お客さん側も不安を感じて受け入れてくれないこともあるんです。それだと「未経験だからエンジニアとして就職できない」現象と同じじゃないでしょうか。

だから我々がサーバーサイドの言語を学べるカリキュラムを用意し、社内でその分野の案件に携わってもらったり、フロントエンドとサーバーサイドの両方を担当できる案件を新規で探しに行ったりして、その人が望むキャリアを積めるように会社としてサポートしています。
たとえ社内の業務だったとしても社員が少しでも実務実績を作れたら、クライアントにも同じ業務を任せてもらえるようになるんです。やりたいことがあるのに「経験がないから実務を任せてもらえない」ということがないよう、社員の挑戦を後押しできるようにしています。

 

同じ後悔をしないため、大きな壁にぶつかっても進み続ける

起業すると壁に直面することも多いと思いますが、進み続けるモチベーションは何でしょうか?

 

実はいまだにバンドを解散したことを後悔していて、同じ後悔を二度としたくないという気持ちが会社を続けるモチベーションになっているように思います。

バンドをやっていたときはインディーズデビュー目前で少しずつ人気も出ていたのですが、バッシングも相当されました。あることないこと誹謗中傷されて、心が折れてしまったんです。結局はメンバー内で方向性の違いもあって、解散しました。

 

でも、いま振り返るともしデビューしていたとしても、自分たちを好きでいてくれる人ばかりではなかったと思います。結局「このバンドは嫌いだ」っていう人も出てきただろうし、何ごとにも賛否両論あるのは当然です。ですがそのときの自分は乗り越えられず、本当にやりたいことだったのに、辞めてしまったんですね。

 

起業して間もない頃、「もう会社をつぶしてしまいたい」って1日に何度も思うことがありました。でもここでやめたら、また何年後かにバンドを辞めた時と同じように後悔すると思ったんです。それが事業で大きな壁にぶつかっても進んでいくモチベーションになっている感じがします。

本当にやりたいことは、心底やめたいと思うまでやる

今後起業しようとしている方へアドバイスをお願いします。

やめるのはいつでもできますが、もう一度やり直すのはけっこう難しいんです。なので、心の奥底から「もうこんなこと、絶対にやりたくない!」って思うまでは続けた方がいいと思います。

結局、稼げるから起業するっていう人は少ないんじゃないでしょうか。稼げなくても自分はこれがやりたいからやってる、って人の方が多いと思います。稼げるからやってるんだと、稼げなくなったらやめちゃうと思いますけど、やりたいことだったら稼げなくても続けられるでしょう。起業する上でこの情熱は結構、大事だと思います。

 

最後にオフィスのこだわりを教えてください。

こだわりはオフィスの一角に靴を脱げるスペースを設けたことです。そこは勉強スペースにもなっていて、22時まで解放して社員が自由に入れるようにしています。ここで月2回ぐらい勉強会を開いているのですが、全社員の半分にあたる20名ほどが毎回参加してくれます。たまにお酒を飲みながら楽しくやっていることもあり、強制参加ではないのに毎回参加率が高いですね。

 

あとは、知識を増やそうと頑張る社員の後押しになればと思い、役立ちそうな本を揃えた本棚をオフィスに入れました。社員が持って帰ってゆっくり読めるように、自由に借りられるようにしています。

本日は貴重なお話ありがとうございました!

 

起業家データ:浪岡 大貴 氏

20歳までバンド活動をしていたが、インディーズデビュー目前で解散。その後21歳からアパレルで働きながら独学で毎日8~16時間勉強して個人事業でエンジニアとして独立。某プログラミングスクールの講師や大手ベンチャーでのエンジニア/デザイナーを経験。

2015年5月、個人事業としてWEB制作を行う PIXEL HEARTSを創業。

 

企業情報

法人名

株式会社PIXEL HEARTS

HP

https://pixel-hearts.co.jp/

設立

2016年4月16日

事業内容

SES事業/クリエイティブ事業

沿革

2016年4月 株式会社PIXEL HEARTSとして法人化。世田谷区に法人登記

2019年8月 新宿区四谷にオフィスを移転

2020年4月 渋谷区神南にオフィスを移転

2021年9月 株式会社ACパートナーズに代表の保持する過半数の株式を売却し子会社化

2021年10月 渋谷区恵比寿にオフィスを移転

2021年11月 資本金を1180万円に増資

2022年4月 労働者派遣免許取得

2022年9月 品川区五反田にオフィスを移転

 

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