株式会社manebi 代表取締役執行役員CEO 田島 智也

人材開発と企業成長のために、学びのプラットフォームを提供する株式会社manebi。「自分らしく輝くためのプラットフォームをつくる」という目標を掲げ、最高のチームが一丸となって学びの機会を提供しています。

今回は、そんな熱い志を掲げるmanebiCEOの田島氏に、実際にどのような事業を展開しているのか、特に力を入れていることは何か、仕事におけるこだわりポイントなど貴重なお話をお伺いしました。

企業や人の向上につながる、テクノロジーを活かした大人の学び

事業の内容をお聞かせください

manebiは、企業の人材開発をテクノロジーで支援している会社です。
オンライン社員研修システムである「playse.(プレース)」事業と、派遣業界に特化したeラーニングサービス「派遣のミカタ」事業をメインに展開しています。

現在、特に成長しているのが「playse.(プレース)」事業で、新入社員向け研修・階層別研修など、汎用性の高い5,000以上の教材が使い放題のサービスです。また、この5,000以上の教材と各企業様の自社教材を組み合わせることも可能です。

組み合わせた教材はコースマップ(※1)に落とし込みができ、学習のゴールやステップの可視化もできます。

サービスの使いやすさや幅広いニーズに対応するカスタマイズ性の高さが、弊社の売りですね。

(※1)オンライン研修システム「playse.ラーニング」のコースマップ画面

さまざまな研修教材を提供していますが、特に他社に負けないと考えているのは、企業のコンプライアンス教育です。コンプライアンスとは法令や社会規範にそって公正に業務を行うことを指します。

 

企業はコンプライアンス違反が起こることで、大きな損害や社会的信用を失う可能性があり、最悪の場合には倒産することもあります。だからこそ、そのようなリスクをいかに減らすか、いかに早く対処するかが企業の成長の礎になると考えます。

 

社内へのコンプライアンス教育は、主に人事関係者が対応するかと思います。一方で、経営者が直面するのは、さらに範囲を広げたコーポレートガバナンスに関する問題です。

 

企業には、透明性の高さが求められ、社員へのコンプライアンス教育が徹底していると示すことは、コーポレートガバナンスに当たります。弊社は、ここを強化するための学びにも力を入れています。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

自身が学びを通して自己変革をしてきた実体験があり、そこから「教育」に関する事業を始めたいという気持ちが芽生えました。

 

私は学生時代、特に勉強熱心ではなく、夢も持たない人間でした。大学4年生になっても、「社会人にはなりたくない、バイトでなんとか暮らしていこう」と思っていたくらいです。

 

 しかし、何気なく参加した学生向けの経営者講演会で、「お金はありがとうの対価」「会社を通じて社会貢献をすること」「夢は立てただけで終わらせるものではなく、叶えるためのもの」という言葉を聞き、あまりのかっこよさに衝撃を受けたんです。

 

そこから考えが変わり、「自分も社会人として輝きたい」と思い始めました。その時の「かっこいいな」と感じた経営者の姿もですが、女手一つで育ててくれた母親に恩返しをしたいという想いもあり、就活ではなく起業する方向で動き出しました。

 

そこからは、今までなら選ばなかったビジネスや経営に関する本を読んだり、起業塾に参加する日々。学ぶことで人生が変わったという私自身の経験が、事業のルーツです。

 

ちなみに、社名の「まねび」は学びの語源です。会社のロゴは旧漢字の「 學」をモチーフにしています。

 

お客様のことを深く理解することで、初めて解決策の提供ができる

仕事におけるこだわりを教えてください。

お客様の気持ちや悩みを理解すべく、ヒアリングに力を入れています。弊社のバリューの1つ目が、「顧客から始める」です。その上で、弊社が提供できる解決策を考えます。

 

事業が軌道に乗るまでは、この点を意識できていませんでした。「お客様が大事」ということは、もちろん当時から理解していたのですが、「判断・決断・行動」のプロセスにおいて、お客様を置けておらず、当然サービスは受け入れられませんでした。

 

現在は、その時の教訓を活かし、常にお客様ファーストでお客様の課題や声を最優先に考え、サービスに反映しています。

起業から今までの最大の壁を教えてください

最大の壁は、起業後2、3年目あたりです。後ろ盾がなく、資金調達にとても苦労しました。当時提供していた個人間の学び合いのプラットフォームは、成長するまである程度の時間を要する事業だったので、資金繰りがとにかく大変で。法人口座の残高が数万円しかなくて、翌月の給料が払えなくなりそうな時もありました。

 

どうやって社員の雇用を守るか、当時はとても悩み苦しみました。売上は伸び悩み、投資家からの資金も集まらない状態で、いったいどこに抜け道があるんだと、途方にくれました。

 

そんな状態で思いついたのが、個人向けサービス(BtoC)から、企業向けサービス(BtoB)に転換することでした。

そして方向転換をした結果、まとまった売り上げが入ってくるようになり、なんとか資金繰りがうまくいくようになりました。

創業して2、3年目までは、どうやって生き延びていくのかを考えるのにとにかく必死でしたね。

原点回帰と自問自答を繰り返して今のミッションに立ち向かう

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

原点回帰し続けることです。今でも苦しい時には「なぜやっているんだろう?」と何度も自問自答しています。


私たちは会社のミッションとして、「世界縁満」を掲げています。世界が良い縁で満たされ、幸せで溢れるようにという願いを込めています。自分の生き方に大義を持っているカッコいい大人が、互いに良い影響を与えあって、世の中がもっと明るくなったら良いなって。創業当時から変わらない、私の願いです。


そんな理想の世の中を目指すためには、まず自分が、さまざまな局面を乗り越え、1つ1つの事業を通して輝ける大人にならないといけないと思っています。自分が突破しなければ、示しがつかないのでね。

 

会社のミッションを何度も思い出し、まずは自分自身が良い影響を与える大人になりたいと思います。

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

現在は国内向けに展開していますが、いずれは、世界10億人の人々の自己実現と持続的成長に貢献したいです。

 

現在のお客様の中には、すでに海外展開している方もいらっしゃいます。私たちも、もっと力をつけていき、いずれは海外拠点の運営のお手伝いをさせていただきたいと考えています。もちろん、今後新たな企業様とのご縁も大歓迎です。


世界中の人々が、インプットするだけに留まらず、学び合いや対話を通してお互いに成長していけるように、今後もサービスを進化させていきたいですね。

 

今の目下の目標は、まずは企業様の信頼や信用の向上に努め、コーポレートガバナンス教育で国内1番を目指すこと。そして、人の労働生産性を最も向上させる社員教育プラットフォームを提供することです。これらの目標をまずは実現していきます。 

 

問題が降り掛かっても、大義を胸に乗り越えられると信じ続けること

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

起業すると、常に何かしらの問題が降り注いできます。しかし「絶対乗り越えられる」という信念と、「なぜ今このフィールドでバットを降ろうとしているのか」という原点回帰ができれば、突破し続けられます。

 

現在は、自分の出身大学の社長会の大義作りに奮闘しています。やはり大義があるところに人は集まりますし、いざという時に自分を奮い立たせてくれるので大切な工程です。

 

明るい未来を作るプロセスを力強く登っていくためには、自分の大義をしっかり持っておくことに加えて、度々原点回帰することが重要です。そして、問題に直面した場合は、自分には乗り越えられるものであると強く信じ続けましょう!

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:

12歳の時、父が他界し家業が倒産。その後母の背中を見て育ち、親への恩返しの想いと就活中に出会った経営者への志に触れ23歳で起業。 2010年1月クリエイティブ企業を共同創業、共同代表に就任。 2013年8月株式会社manebiを創業、代表取締役CEOに就任。 2016年にスタートした派遣業界特化のキャリア形成支援プラットフォーム 「派遣のミカタ」は業界で日本No.1のシェアを持ち、パッションリーダーズアワード2016準大賞を受賞。ダイヤモンド社「ザ・ファーストカンパニー2017」の30社に選出。日経BP社「続 日本のベストベンチャー15社」に選出。目標は一人ひとりが自己実現するために、個人のキャリア形成に寄与するエコシステムを構築し、世界一のHeart Tech Companyになる事。

企業情報

法人名

株式会社manebi

HP

https://manebi.co.jp/

設立

2013年8月23日(大安)

事業内容

ラーニングエクスペリエンスプラットフォーム「playse. (プレース)」

人材派遣業界特化型教育eラーニング「派遣のミカタ」事業

 

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