株式会社KNOCK 代表取締役 加藤 芳郎
2014年7月に代表取締役加藤芳郎は、株式会社KNOCKを設立。
大学3年の時に同年に東アフリカ一周の旅の際に貧困の現状に衝撃を受けた事が学生起業のきっかけ。現在は、企業×インフルエンサーコラボプロデュース、所属インフルエンサーの育成・運営事業WEBマーケティング全般のノウハウを活かし、企業の商品やサービスのPRを行っています。2022年4月には、YouTube運用解説動画講座「KITEN.」の提供も開始。
今回は加藤氏に人生観を変えたアフリカ旅行から起業への経緯や思い、世界を視野に入れたビジネス展開などをお聞きしました。
本当に良いものを届けるために、インフルエンサー×映像マーケティングを軸にPR
事業の内容をお聞かせください
現在は、様々な事業をしており、その中で主になっているものは、所属事務所兼育成事業です。「食」に関して携わるインフルエンサーを複数、提携・育成しております。(SNS上で活躍できる状態まで育て、彼らがその仕事でごはんを食べられる、生活できるところまで成長させるといったこともしています。)
現在は食系のYouTuberやインフルエンサーから幅が広がっており、食系の人たちだけではなく、エンタメ系であったり、観光系の方々も提携しており、そのプラットフォームを運営しています。そこでコンテンツを作り、配信をすることで広告収益を得るという収入源があります。それから、企業様から頂くPR案件のお仕事があります。人気のあるインフルエンサーがPRすると確かに商品は売れます。当社で言えば、江頭2:50さんのエガちゃんねるは商品が売れるとてもいい例だと思います。
ただ当社は、「商品をPRし、販売し売れればいいよね。」というわけではなく、企業様と実際に話をしながら当社の強みであるYouTubeのノウハウを活かし商品開発していくというシナジー効果が期待できる。そんなことに取り組んでいます。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
大学生の時にブライダルカメラマンのバイトをしていて、バイト先の社長が、従業員5人で数億円を売り上げる敏腕経営者だったんです。その方を見て起業は自分にもできたりするのかな、と興味を持ったことがきっかけでした。でもその頃は、まだ将来起業して会社を経営していくんだという強い気持ちは全然なかったです。
そんな中、東アフリカに行き、貧困地域の衝撃的な体験をして人生観が変わりました。
「 映像」というものを軸に仕事をして行くと決め、帰国後すぐ起業をしたのがはじまりですね。
三か月ぐらいは社長のカバン持ち的なことをしながら、動画制作をしてたりしてました。
そこから社長から紹介を頂いたりして、今があります。
世の中の不条理を感じた。不自由のない国に生まれた自分にできること
東アフリカ一周の旅では、どのような経験をしたのでしょうか?
比較文化学科に在籍していて、貧困関係に興味があったので、それに関しての論文を書いたり研究していました。ボランティア活動もしてましたが、そこでいただいた募金の送金後の使われ方やその送金先の国の実態がわからないので、実際にバックパッカーとして東アフリカ一周の旅に行くことを決心しました。
そこで、ケニアの「キベラスラム」などのスラム街に行きました。現地の人と一緒に生活をしましたが、六畳一間に家族全員が住んでおり、寝る場所もなく、親に利用され傷つけられ瀕死の子もたくさんいました。悲惨な現実をたくさん目の当たりにしました。
そんな国の経済や貧困層を支援していたのが、トヨタ自動車でした。200人くらいの子供達をトヨタの学校に通わせ、衣食住を与え卒業後は整備士に育て、壊れた車を修理ができるということで結果、街の中はトヨタの中古自動車が沢山走っています。「こうして経済が回っているのか。」ということを実感し、「貧困の根本的な解決はこういうことなんだ。」と思いました。
資本主義経済社会において資本力、組織力を持つ存在の凄さを改めて感じ、改めてトヨタ自動車に感銘を受けました。自分は三大経済都市「東京」がある国に生まれたので、「自分もその組織力や経済力を持つ存在を作ることができるのだ」と思い、帰国後に起業しました。
仕事におけるこだわりを教えてください。
こだわりは、価値ある仕事なのだと胸を張ってできる仕事をしたいと思っています。
そこは仕事におけるゆずれない軸であるとも言えますね。ある程度事業を続けて行くと色んな仕事の話が来ます。儲け話も、おいしい話もあったりします。でもその仕事は本当に価値があるものなのかと常に考えています。そう考える理由としては、本質的に人のため、世のためになることをしたいと思っているからです。一方で、本質的なことだけじゃ稼げないと思う方もいるかもしれませんが、自分は本質的なことをして稼げると思っています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
死にかけたことです。25歳の時に、原因不明の後天性の腎臓病にかかりました。
痛みや不調は感じてはいたんですが、大学もクライアントでしたし、休学中のままで親の手前、大学をやめるわけにもいかず気合で仕事を続けながら7年かけて卒業しましたが、無理も重なり倒れてしまいました。病院に運ばれ手術も上手くいかず、意識不明でICUに入り一か月半ぐらい入院してました。死んでしまったら何もできないので、「死」に直面したことが人生においても最大の壁だったと思います。
生き返れて本当によかったです。
生かされた命、命ある限り尽くしていきたい
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
みんなとの関わりがモチベーションになっています。まず、当社の理念には、人の可能性をひらくというものがあります。海外支援もしていますが、まずは目の前にいる大切な人たち、社員の幸せをすごく大事にしていきたいと考えています。
そのために、ハッピービジョン面談というものを行っています。その内容は50歳になった時にどんな状態になっていたら幸せなのかを一人ひとり全員に考えてもらうというものです。例えば、仕事や経済、収入は勿論のこと、生活、趣味、人間関係、住環境や健康状態など細分化したシートがあるんですが、それを基に将来どうなりたいか、自問自答します。
最初はなかなか出てこなかった答えも細かく見ていくと、やってみたいことが出てきたりするんですよね。これを何回も継続してやります。逆算してどんなキャリアアップをしていけば理想の未来に近づけるのかを一緒に考えます。
また、当社のコンテンツも月間7000万人ぐらいの方が見てくれています。ご覧いただいているみなさんから、「人生の楽しみの1つです。」とか、「大食いの映像を見て満足してなんとかダイエットを頑張っています。」などのユーザーの声は癒しになります。
ボクシングの井上尚弥さんも当社コンテンツのヘビーユーザーで、「減量のときは必ずみています。」と喜んでいただいてます。視聴者様からいただく声に応えてもっと頑張りたいと思いますし、このコンテンツが誰かの救いになっていると思えることが、大きなモチベーションになりますね。
外国人視聴者に向けて、日本の伝統文化や商品を配信していきたい
今後やりたいことや展望をお聞かせください
日本の文化や商品を海外に発信していきたいと思っています。
28歳の時に、渋谷の109の近くで「Japanese Sake and Whisky BAR」というBARに出資し、運営していました。日本の伝統文化を伝えるべく、店内には、刀や甲冑など日本の歴史を語るものを飾りました。
その時に提携していた「文武甲冑」を唯一オーダーメイドできる会社が、丸武産業さんでした。先祖代々、この日本伝統の「甲冑」を守り続けている企業さんです。
コロナ禍で厳しい状態もあったのですが、大谷翔平選手のホームラン後のパフォーマンスで使われた兜はまさしく丸武産業さんのものでした。そこからまた業績もV字回復し、現在は当社が販売代理店をしています。文武甲冑というものを世界にアピールできたらと思ってます。鹿児島に「侍ミュージアム」というのもあります、そんなところも活性化していけたらいいなと思っています。
コンテンツでの支援もありますし、海外支援をしながら、様々なところとアライアンスを組んで、本当に良いものを世の中に広めていきたいですね。
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
まず、やってみる。それが一番の学びになると思います。
起業するために準備することは、色々あると思いますが準備よりも起業をしてみる。
準備してる間は、守られているんですよね、守られていない環境になる方がいいと思いますね。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
【起業家データ】:加藤 芳郎氏
KNOCKの代表。人の心を「ノック」する動画制作を信条とするクリエイティブディレクター。大学在学中にKNOCKを創業。クライアントが期待する成果に焦点を当て、集客数や成約率を促進する動画プロモーションに特化した「動画×マーケティング」の両基軸でダイレクトに売上に直結させる施策を専門とする。
動画を見てもらうまでの導線や、閲覧後のアクションまでを設計するといったマーケティングロジック先行の企画を打ち出し、経営者やサービスを輝かせる企業VPや、即日成果が反映されるライブコマースの企画構成を指揮、Youtubeでは1動画で600万回再生を達成。
映像の魅力を日本だけではなく世界に伝えるべく、次世代のクリエイターの育成、インバウンド事業、別会社の立ち上げ(株式会社ブランニューミール)、日々奮闘している。
【企業情報】
法人名 |
株式会社KNOCK |
HP |
|
設立 |
2014年7月 |
事業内容 |
YouTubeマーケティング (商品開発・YouTube運用・動画制作・動画配信・写真撮影・Web制作・広告運用) その他関連事業 |
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