株式会社GenAi CEO 三浦 一起/COO 菅原 拓也/CTO 平賀 祐介

日本に住む人々の生活を少しでも良くしたいという想いから、「創意工夫により、日本を着実に強くする」をミッションに掲げる株式会社GenAiスコープレスをモットーにコンサルティング事業を行いながら、リーダーがチームメンバーの声を聞ける世の中を実現することや就活生・転職希望者の悩み解決に向けて、新規事業の「Rolmo(ロルモ)」を提供しています。今回は、株式会社GenAiの代表取締役の三浦一起氏・菅原拓也氏・平賀祐介氏のお三方に、事業内容や起業の経緯、今後のビジョンについてお伺いしました。

 

「コンサルティング事業」と「ひよこ事業」の両輪経営

さっそくですが、事業内容をお聞かせください。

三浦様:

弊社では、ひよこ事業と呼ばれる自社サービス事業とクライアント企業様向けのITコンサルティング事業の2つの事業を両輪で進めています。ひよこ事業については菅原から、ITコンサルティング事業については三浦からお話させていただきます。

 

菅原様:

ひよこ事業は卵から事業が生まれてくることの比喩で、鶏になる前段階で種となる事業をいろいろつくっています。具体的には、ChatGPT-4を駆使した次世代型ロゴデザインサービスである「Aden(エデン)」や、自家製のコーヒー豆「月の兎珈琲」のEC販売などがあります。

 

また、今1番力を入れている新規事業が「Rolmo」です。Rolmoは実際に現役で働いているプロのコンサルタントをOB/OG訪問先として、オンライン上で就活生や転職希望者とつながれるようになっています。

 

この事業ができた経緯の説明の前に私自身の話をさせていただきたいのですが、Future株式会社に新卒入社するきっかけになった先輩がいまして。インターンシップに参加した際にその先輩からMacBookを貸してもらって、エンジニア業務を教えてもらいました。

 

入社後は私がOB訪問を受ける機会があったのですが、その際いろいろな就活生と出会うなかで就活に悩んでいる方がたくさんいたんです。私の場合はインターンシップのなかで先ほど話したように尊敬できる先輩がいて、その方が生き方や夢を語ってくれて、その生き方が良いなと思えたので入社する会社を決めることができました。

 

その経験から、現場で働いている素敵なOB/OGに出会える機会を作りたいと考え、ひよこ事業ができました。ひよこ事業でコーチングに注目しているのには理由がありまして、プロジェクトの成功と内部で働く方の幸せって必ずしもイコールになっていないと思うのです。

 

世の中には会社勤めに疲れて体調を崩してしまったり、モチベーションを見失ってしまったりする方もいます。その原因は上が言っていることが下に伝わらないことや、下が言っていることを上が理解してくれないことなど、コミュニケーションロスにあると思うのです。そのため、リーダーとチームメンバーが一体感を抱くことが大切なのではないかと考えました。

 

「Rolmo」はOB/OG訪問のためのマッチングアプリなのですが、今お伝えした理由もあって、実はコミュニケーショントレーニングも目的に組み込まれています。社会人がコンサルタントとして登録して、OB/OG訪問だったり転職したい方だったり、悩んでいる方に人生の先輩としてアドバイスしてもらうことで、コンサルタント自身はコーチングを学べて、その利用者も成長することができます。

そこでコーチングを学んだ管理職の方が増えていったら、リーダーがチームメンバーの声を聞ける世の中になっていくのではないかなと思っています。

 

一般的にコーチングを学ぶのに50~100万円程かかります。そのハードルをグッと下げてコーチングを「民主化」して、深いつながりをもった関係性を構築できれば、文化祭のように働ける社会ができるのではないかなと、そのような期待も込めて提供しています。

 

「Rolmo」の内容として、利用者は「単数回コース」「複数回コース」「定期コース」の3種類から選べ、コンサルタントと長期的に1on1で就活や転職の相談が可能です。

 

単数回コースは、1回の面接練習セッションを提供しています。限られた予算や時間のなかで面接の準備やスキル向上をしたい方におすすめのコースです。複数回コースは、複数のセッションを受けられるので、コンサルタントと相談者の関係を築きながら継続的に学習できます。定期コースは、一定の頻度や期間でセッションが行われるのでより長期的なサポートを受けることが可能です。

 

どのコースもオンライン上で利用することができ、忙しい就活生や転職希望者でもすきま時間を有効活用できるのではないかと思っています。就活や転職に関する相談だけでなく、人生相談もしながら師弟関係のような深い関係を築いていただけたらいいですね。

 

次は、ITコンサルティング事業について、三浦からお話させていただきます。

三浦様:

ITコンサルティング事業は、クライアント企業様が希望するプロジェクトを推進するために、課題解決などのお手伝いを実施しています。お受けしている案件の多くがIT関連のプロジェクトであり、新しいシステムやサービス立ち上げからリリースまでを一貫してご支援しています。

 

背景として、私たちは新卒でITコンサルティング業務をしているFuture株式会社に入社していました。そのため、コンサルティング事業についてはスキルのある状態から起業することができ、現在の事業モデルとなっています。今後はひよこ事業と連動しながら法人向けのサービスも提供していく予定です。

 

自分たちの知見を活かして自分たちのサービスを開発したい

Future株式会社時代のお仲間で起業されたとのことですが、入社から起業までの経緯を教えてください。

平賀様:

もともと菅原がFuture株式会社でイベントの主催を担当していまして、社内ベンチャーを立ち上げる企画にチームとして一緒に働いたのがきっかけです。そのチームではコンテストのようなイメージで、事業内容を会社に提案していました。イベントで社内ベンチャーを立ち上げることはできなかったのですが、それでも自分たちで事業を始めたいと思っていたことをきっかけに起業しています。

ITコンサルティング事業のあとにひよこ事業ができたのでしょうか。

三浦様:

事業の設立順で言うとその通りです。ただ、起業するタイミングで既にひよこ事業を推進したいと言う思いは持っていました。

 

先ほど平賀から前社での社内イベントの説明がありましたが、コンサルティング事業で社内起業をしようと考えていたわけではなく、自分たちのサービスをつくってそこを主軸とする計画でした。

 

もともとtoB向けのコンサルティング業務に充実感はあり、今もクライアント様の事業が成功することに非常に大きな喜び・達成感を感じています。それと同時に、コンサルティング事業の中で蓄積してきた自分たちの知見を活かして自分たちのサービスを開発したいという想いも3人の根底にありました。

 

仕事におけるこだわりや譲れない軸を教えてください。

菅原様:

私は新規事業を手掛けているので、”どれだけタイミング良くスピーディーにプロダクトを世の中に提供していけるか”という部分が今譲れない軸になっています。

 

三浦様:

会社というより個人として大事にしていることなのですが、私は他の起業家さんと比べて突き抜けているスキルがあるタイプではないと思っているので、”人を大事にすること”にこだわっています。

 

これはお客様と仕事するときも、社内で仕事するときも、教育や商談をするときも、一貫して徹底しています。決められたことだけをやって、追加で希望があれば新たに料金をいただくというのがコンサルティングとしては一般的です。しかし弊社では、スコープレスなコンサルティングという名目で、契約時の要件だけに縛られない、本当の意味でクライアントへ寄り添ったコンサルティングの提供を心がけています。

 

スコープをきってしまうと本当にお客様がやりたいことをお手伝いしきれないですし、スコープをきらないことでお客様も人として大事にしてくれていると感じてもらえるので、次の受注にもつながりやすいです。

 

人を大事にすることで今はいろいろなクライアント企業様からお話をいただけるようになったので、軸として続けてきたところが実ったかなと感じています。

 

平賀様:

私は、”挑戦すること”を大切にしています。ひよこ事業といった自分たちで新しい事業に挑戦していくことは、3人に共通する軸だと思っています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください。

三浦様:

弊社はコンサルティング事業とひよこ事業の2軸で進めていますが、時期によってはコンサルティング事業過多になることがあります。そうなるとコンサルティング事業に時間と人を費やすことになり、ひよこ事業に使える時間が少なくなって、菅原が大事にしているスピード感を守りにくくなってきます。

 

大前提として、クライアント様のことは何よりも大事にしていきたいので、そことの兼ね合いが大変ですね。今は内部リソースを調整してかなり良くなったのですが、今も事業を進めるうえでの課題になっています。

 

「この3人で成功したい」という想いがモチベーション

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

三浦様:

私は幼稚園生時代から目立つのが好きで、指揮者や学級委員長をするタイプでした。その性格があって、起業した当初は「目立つ」ことがモチベーションになっていました。

ただ、今は目立つことよりも「この3人で成功したい」という想いがモチベーションに変わっています。成功の定義は3人ともそれぞれあると思いますが、IPOを目指して頑張っています。

 

菅原様:

私も三浦に近いところがありまして、IPOという目標もこのチームであれば叶えられると思っているので、そこがモチベーションです。また、純粋に未知のことが面白いと思えるので、自分で考えて進めていく部分が合っていると感じています。

 

平賀様:

私自身、挑戦することが好きなのでそこがモチベーションになっています。会社の運営や新規事業の開発など、今まで経験してこなかったことができているので、これからも進化を追い求めたいですね。

 

今後の展望をお聞かせください。

三浦様:

会社のミッションに「創意工夫により、日本を着実に強くする」を掲げています。これには、ITの力を適切にかつ創造的な使い方をすることで、日本に住む人々の生活を少しでも良くしたいという想いが込められています。

 

私が子どものときから、「日本は落ち目だ」「IT後進国だ」などと言われていたり、今見てもGAFA(Google、Apple、FaceBook、Amazon)のなかに日本の企業がなかったりするところが嫌でして。

 

せっかく日本で生まれ育ったので、日本に住んでいる人々が日本を誇らしく思ってもらえるように、少しでも貢献できたらいいなと考えています。

 

世間で言われているほど起業はリスクではない

起業しようとしている方へのメッセージをお願いします。

三浦様:

私たちもまだ挑戦者の段階であり、ここから成功を掴みにいく立場ではありますが、起業して1つ思ったのが「世間で言われているほど起業はリスクではない」ということです。

 

起業するにはやりたいことや信念、スキルが必要ですが、これらのうち何か1つでも持って挑戦していけば何かしら得られることがあります。

 

もちろん失敗することもあると思うのですが、失敗したときに考えれば何とかなる世の中ではあるので、やりたいことがあったらぜひ挑戦してほしいです。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

 

起業家データ
  • CEO 三浦一起 氏

上智大学卒業後、新卒としてFuture株式会社に入社。基幹システム刷新等の大規模プロジェクトの推進を経験。その後、ベンチャーのコンサルティングファームに移籍し、プロジェクトでのデリバリーから、案件獲得、顧客開拓まで幅広く活躍し、IPOの実現に寄与。ベンチャー企業における小回りの効いた立ち回りから、大企業における大型案件のリーディングまで、業界・規模を問わず幅広い経験を有する。

 

  • COO 菅原拓也 氏

東京大学卒業後、新卒としてFuture株式会社に入社。メディア業界や小売業界などのITコンサルティング業務に従事する傍ら、技術面のスキルも磨く。 その後、外資系コンサルティング会社へ転職し、ITコンサルタントとして更にキャリアを構築。2022年に退職し、同年2月より 株式会社GenAiのCOOに就任。本格的にGenAiの経営やITコンサルティング事業、ひよこ事業( GenAi Studio、Rolmo)を統括。

 

  • CTO 平賀祐介 氏

上智大学院卒業後、新卒としてFuture株式会社に入社。小売業界の大規模システムやAIシステムの設計・ 開発・保守・運用を担当。チームリーダーとして教育やマネジメントなど幅広く携わる。 2022年に退職し、同年に株式会社GenAiのCTOに就任。本格的にGenAiの経営やITコンサルティング事業、ひよこ事業(GenAi Studio、Rolmo)のシステム設計や開発に従事。

 

企業情報

法人名

株式会社GenAi

HP

https://genai.co.jp/

設立

2021年8月3日

事業内容

ITプロジェクト支援・アプリケーション開発・ベンチャー機能強化サービス・WEBメディア運営

沿革

2021年8月株式会社GenAiを設立

 

送る 送る

関連記事