株式会社NoSchool 徃西 聡 氏

結婚や出産などのライフイベントの変化を機に人に教えるというキャリアを断念されてしまった方や定年退職で教師を退職した方など、活躍すべき人が活躍する社会を創出したいという想いから始まったオンライン家庭教師のマッチングプラットフォーム「マナリンク」。教育を受けるユーザーが使いやすく、サービス利用するメリットをどれだけ多く提供できるかに徹底的にこだわる株式会社NoSchoolの徃西 聡 氏に、具体的な事業内容や事業を始めたきっかけ、今後の展望について伺いました。

 

活躍すべき人が活躍できる社会をつくりたい

さっそくですが、事業内容をお聞かせください。

簡単にいうと、オンライン家庭教師のマッチングプラットフォームです。従来の家庭教師は先生が自宅に行き一対一での対面での指導が主流でした。しかし当社が提供するオンライン家庭教師では、先生は自宅に行かずにZoomやGoogleMeetなどのオンラインツールを利用して、生徒に1対1で教育サービスを提供しています。従来の家庭教師と比較してオンライン家庭教師は居住地域に制限がないため、選択肢の幅を広げることができ、自分にあった先生に出会えたり、レベルの高い先生に出会うことができる可能性を広げられることが特徴になっています。

 

その中でマナリンクの特徴としては、社会人の先生のみが登録しているところ。家庭教師といえば学生さんが多いと思うのですが、当社では教員免許を持っている方や昔学校の先生をしていたけど結婚・出産を機に在宅で働ける場所を探している方などに、昔の経験を活かしてキャリアアップできる場を提供したくて社会人の先生を採用させてもらっています。

 

さらに先生サイドから見ても、居住地域の制限がないことは大きな強みであると考えています。先生にとって、生徒の自宅まで訪問する移動時間は拘束時間として大きな比重を占めてしまっており、複数の生徒を同時に抱えることが難しくなってしまったり、家事育児との両立が難しくなってしまっていた背景がありました。しかし、マナリンクで働いている先生のなかには、家事・育児と家庭教師業を両立されている方もいらっしゃっており、新たな活躍の場を提供することができていると実感しています。

 

現在の仕事を始めた経緯を教えていただけますか?

「あれがあったから今の私たちがいるよね」という価値提供をするのが好きで、そのなかの一つが教育、さらに細かく考えたときにオンライン家庭教師だったというのがこの仕事を始めた経緯です。

 

陸上自衛隊の学校に通っていた異色の経歴。

私は防衛大学校の高校版のような場所に通っていたのですが、そこは横須賀の駐屯地のなかにある男子校で寮生活でした。学校ですが身分は自衛官なので毎月20万円くらい受け取っていました。普通の授業もするのですが、銃を撃ったり匍匐前進をしたり、本格的な訓練をしていたことを覚えています。

 

話しを戻しますと、防衛大学校は推薦で入りやすいことや親に勧められていたこともあって入学しました。入学したのはいいのですが公務員だったので「将来面白くないのではないか」「50歳くらいになったときの階級や収入がなんとなく想像できてしまう」といった理由から、高校2年生のときに起業しようと思いました。

 

その後の流れとしては、高校卒業後に18歳でITスタートアップに入社し法人営業を担当しています。20歳で海外事業部に異動になってからその後マレーシアに約4年駐在し、マレーシアで新会社を立ち上げ、現地責任者として勤務していました。そこから2018年に帰国し、株式会社NoSchoolを設立したのが流れです。

 

高校2年生で起業を決めるきっかけとなった理由は他にもありますか?

当時GREEやmixiが流行していた時代だったので、これからはITの時代なのかなと感じていたことも起業を決める理由の一つだったと思います。また、公務員で制限のある世界にいたので、180度違う世界を見てみたかったというのも一つです。

 

高校生のときは自分の人生は公務員しかないのかな、どういう人生を歩めばいいのだろうとずっと考えていました。そのようなときに自分のやりたいようにやれたほうが大変だろうけど、自分にとっては良いのではないかと思って起業する考えに至りました。

 

顧客への提供価値を下げない

仕事におけるこだわりや譲れない軸を教えてください。

顧客への提供価値にこだわっています。教育に関係なくお客様に対して、自分がいかに素晴らしいものを提供できるかは常に考えている部分です。仕事をしていくうえで営業だったりHP作成だったりさまざまな部分で悩みが出てくると思うのですが、そういったときはいかにユーザーに価値提供をできるか、から悩みを考えていこうと社員にも常に伝えています。顧客への提供価値を下げないことが最もこだわっている部分です。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください。

実は、オンライン家庭教師のマナリンクの運営を行う前に、別の教育系のサービス運営していたのですが、そのサービスが上手くいかず、社員への来月の給料が払えない状態になったことがありました。その際は、なんとか資金調達をして乗り越えたのですが、それが私にとって印象深い壁ですね。

 

資金調達の際も、マナリンクを始めることは決めていたのですが、ホームページはありませんでした。融資先の方に見せられる実績のようなものがなかったので、当時は気合いで資金調達し、なんとか壁を乗り越えたことが印象的です。

 

「やり残したことのないように生きたい」という気持ちがモチベーションになっている

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

私は仕事以外のことが、面白いと感じることがあまりない人間なんですね。例えば、ゲームは結果が分かることが多く、大まかな流れの予想もつくと思います。そうではなくて、自分自身で設計して何かを成し遂げる瞬間がとても好きなんです。設計されたものに乗っかって動きたくないと感じてしまいます。

 

趣味でも、「なんとなく今日この感じで終わるだろうな」と分かった瞬間に面白くないと感じるので、モチベーションというよりは仕事が好きであることが進み続けられている理由な気がします。

 

また、挑戦することで避難されたり嫌味を言われたりしても、寿命が来たときに「周りから叩かれて嫌な人生だったな」と感じることはおそらくないじゃないですか。反対に、やり残したことがあると後悔すると思うので、「やり残したことのないように生きたい」という気持ちがある意味モチベーションになっているのだと思います。

 

壁があったときにメンタル的に辛かったことはありませんか?

私は自衛隊の学校を卒業しているので、そこでメンタルは鍛えられたかと。自衛隊の学校は富士山で大雨のなか立ちっぱなしだったり、3時間匍匐前進状態で待機したりしたこともありましたので、その頃と比べたら辛いと感じないですね。

 

また、私としては何のトラブルもないときのほうが不安です。トラブルが起きているということは何かにチャレンジしていることの証でもあるので、少なからず自分たちは前に進もうとしていることを意味しますし、壁が出てきたからメンタルに支障をきたすことはないかなと思います。

 

今後やりたいことや展望を教えてください。 

私たちが大事にしていることの一つに「活躍すべき人が活躍する社会をつくる」というミッションがありまして、このミッションに沿ってサービスを提供しています。例えば、元教員や塾講師で地方在住の主婦の方とか退職した方など、もっとスポットライトを浴びていいと思うんです。

 

そういった方々に在宅でできる家庭教師のマナリンクという価値を提供して、当社も家庭教師の方々から良い価値を提供してもらうといったWin-Winの関係を築けることが理想だと考えています。このような考えのもと事業展開していくつもりなので、toBも今後はやっていく可能性はありますが、どちらかというとtoCのほうが中心になるかなと思います。

 

自身のポテンシャルがなんらかの要因で発揮できない、報われないという状況をどんどん変えていきたいです。

例えば、社会人の資格取得によるキャリアアップ、大学入学後のキャリアなどを応援できるサービスも今後展開していきたいと考えています。

 

組織を拡大しながら質を担保する挑戦をし続けることが面白み

採用に関して具体的にいうと、主にエンジニアとビジネスサイドがあります。ビジネスサイドは幅広くありまして、マーケティングやアシスタントなどです。個人事業主としてオンライン家庭教師をしてくれる方を10人程度集めてビジネスをやるのはそこまで難しくないのですが、現在うちで働いてくれている家庭教師は500人程度いらっしゃいます。組織を拡大しながら質を担保しつづけるのは別の挑戦になるので、そのあたりに面白みを感じてくれる方が入社してくれたら嬉しいですね。

 

また、活躍すべき人が活躍できる社会をつくるというミッションに沿ってサービスを展開していくので、そこに共感できる方だと助かります。

 

保険をかけずに最初の1年は自分を追い込む

起業しようとしている方へのメッセージをお願いします。

安易に起業しないほうがいいです、大変なので。また、起業する場合は保険を作らないようにしたほうがよくて、「ダメだったらこういうのがある」と保険をかけると上手くいかない方向に流れていってしまうんですよね。

 

自分のリソースやお金を100%投資して、最初の1年くらいは追い詰めて頑張ったほうがいいかなと思います。最初の1年頑張ってみて辛かったら向いていない可能性がありますし、逆に楽しいと思えれば続けられるのではないでしょうか。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

 

起業家データ:徃西 聡 氏

陸上自衛隊少年工科学校卒。18歳でITスタートアップに入社し法人営業を担当。20歳で海外事業部に異動し、その後マレーシアにて約4年駐在。マレーシアでの新会社立ち上げ、現地責任者として勤務。2018年に帰国し、株式会社NoSchoolを設立。

 

企業情報

法人名

株式会社NoSchool

HP

https://corp.noschool.asia/

設立

2018年 5月

事業内容

インターネットサービスの開発/運営

 

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