Nwith株式会社 代表取締役 福澤 龍人
管理栄養士・栄養士をより豊かにすることをミッションとしている株式会社Nwith。管理栄養士による生活習慣改善、食習慣改善をサポートするパーソナル栄養士サービス「CHONPS」を提供しています。今回は株式会社Nwithの代表取締役の福澤龍人氏に事業内容や起業の経緯、今後のビジョンについてお伺いしました。
「資格を持っているのに活かせない」管理栄養士を取り巻く環境を改善する!
早速ですが、事業の内容をお聞かせください。
パーソナルジムや総合フィットネスクラブのお客様に対し、管理栄養士が直接、食事指導をするパーソナル食事指導を提供しています。弊社には、管理栄養士の資格を保持している方が1200名程在籍しています。(2024年2月現在)
管理栄養士は一般的に給与が低く、現場仕事で女性が多い職種でもあります。折角、資格を持っているのに結婚や出産で現場復帰が難しく、どうしても資格を活かせない方が多いです。現場復帰したいと考えている方も、平日の日中4時間のみや子供を寝かし付けた夜間のみしか働けない、という方も多くおられます。
管理栄養士の資格を持っているにも関わらず、活かせない様な現状です。管理栄養士さんが時間の縛りなく働ける環境が少ない現状で、弊社はその環境を作ろうと考えました。
環境を作る事で、今まで管理栄養士さんの課題であった給与の面や資格を活かせないという面を改善出来ます。リモートでのパーソナル食事指導でバリューを出す事により、管理栄養士の資格を存分に活かせる上、お金もきちんと稼げる仕事になると考え事業を始めました。
「ちゃんと見ていますからね」ひとりひとりにあった食事指導、管理
他社との差別化をどのようにされていますか?
弊社は、食事管理”ツール”ではなく、食事管理”サービス”となっています。広く認知されているアプリケーションは自分で写真を撮り、記録して、振り返るというセルフモチベートが必要になりますが弊社は、数値化よりも「プロに見られていること」「プロが自分の嗜好性や環境に合ったアドバイスをしてくれること」「とにかく生活に寄り添うこと」を行う食事指導サービスです。同じ食事をしていても、人によって腸内環境や体質によって合う、合わない、太りにくい、太りやすい等があります。それを並走して、きちんと見ていくという部分が弊社の強みです。
また、同じサービスを提供する他社さんとの違いは、ボリュームが出せる点です。他社様は、数人の管理栄養士さんが在籍し100人程度のお客様に対応が可能だとします。一方、弊社は約1000人以上の管理栄養士さんが在籍しておりますので、例えば数千人、数万人のお客様がいらっしゃった場合でも対応は可能です。大手の総合クラブで会員数が20万人いらっしゃった場合も、弊社では対応可能なイメージです。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
大学三年生の時にインターンをしていた際に「事業をやってみないか?」と誘われたのが、きっかけです。自分も社長になってみたい、と考えておりましたので予算をいただいて、始めたというのが経緯です。
そして、どんな事業を何をやればいいか?と思った際に、何かしらの課題解決だろうと考えました。世の中には「機会さえ作ってあげたらもっと活躍できるのに」という職業の方がたくさんいらっしゃいます。具体的にはどんな職業の方だろうと調べて、気になったのが管理栄養士さんでした。
今の時代、コンビニに行けば「低糖質、高たんぱく」と言われているのにそれに詳しい専門家と言われる管理栄養士さん達は、消費者一人一人に寄り添うような仕事には就けていない状況で報酬も高い訳ではありません。そんな現状を解決しようと考え始めたのがきっかけです。
また、ヘルスケア領域はこれからビジネスとして伸びると言われていたという点もありますね。
どうして起業したい、社長になりたいと思ったのでしょうか?
いくつかありますが、世の中には難しい課題にチャレンジしている人達が多くいるという事を知って、それがカッコよく見えたという点でしょうか。
私がインターンをしていた頃は、○○ペイが始まった頃です。今まではSuicaだけでしたが、QRコード決済などが登場して、世の中に新しい物が生まれる瞬間は、とてもインパクトがあるなと思ったのも大きいですね。知って、惹かれて、目指してという流れでした。
「コアな価値は”人”」品質にこだわる
仕事におけるこだわりや譲れない軸を教えてください。
品質にこだわりがある所です。アプリというツールもありますが、弊社は人的サービスが主軸となってくるので、コアな価値は人です。人はコントロールが難しいです。
物であれば、生産ラインをきちんとすれば、ある程度上手くいきますが人的サービスになってくると、人によってばらつきが激しくなってしまう場合もあります。放っておくと同じサービスを提供しているのに、全く違うサービスになってしまいます。
それを避ける為に弊社はマニュアルを徹底し、育成の仕組みを整えています。例えば、先輩栄養士からのフィードバックや模擬面談などですね。品質が悪い場合、きちんと検知をして修正をするという体勢も整えています。
もう一点は、サービスを安売りしないという点でしょうか。我々は栄養士さんの過少評価を無くす、給料を上げよう!と考えているのに、安価でお仕事を引き受けられません。ですので、なるべく安価にならないようにしています。これは最近のこだわりですね。
起業から今までの最大の壁を教えてください。
やはり一番は初期の売り上げが立たない事ですね。サービスが立ち上がらない。Oから1に達しないという事ですね。未来は何もわからないし何も見えないです。ニーズがあると思って立ち上げたけど、実際には無かったというケースが往々にしてあると思いますが、弊社二年半位掛かりました。
現在は単月で黒字になり、落ち着いて物事を色々考える時間も取れていますが、大変だった時期は無駄なミーティングをしてみたり、人に押し売ってみたりもしましたが結局、結果が出ず空回りしていたような経験もあり売り上げが立つまではかなり精神的には疲弊していたように思います。
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします。
起業したいという方は増えてきていますが、まだまだ一般的では内容に思います。
もし、ちょっとでも起業したいという気持ちがあるのであれば色々な事業を起こしたいと考えている先輩経営者や、投資家さんに「こういう事をしたいです!」「こういうの良くないですか?」という事をまず伝えに行くという事ですね。
例え、提案した事業がダメでも、その気概を買ってくれたりブラッシュアップを提案してくれると思います。下手に自分でどうにかしようと考えるよりは、早めに相談する方が早い気がします。経営者さん達は経験もありますし、事業のアドバイスをしてくれると思います。
早めに助言を聞いた上でタスクに落とし、それを愚直にやっていた方が良いのではないでしょうか。
現在、採用に力を入れているとの事ですが貴社で働くやりがいをお聞かせください。
やりがいとしては、事業開発の方向性が多くあるという所です。まだリソースが無いので一本足打法状態ですが、それを広げていけるという事自体が、大きなやりがいになると思いますし、面白いのではないかと考えています。
弊社は現在、婚礼式場を約27社運営している会社と連携が決定しています。例えば、そこで婚礼式場でブライダルダイエットとして食事管理を行ってもらうというサービスが提供出来ます。
他にも、プロスポーツ選手の食事指導や身体の状態を見ていく仕事を受けられるようになるかもしれないですし、クリニックで生活習慣予防の観点から弊社のサービスを売ってもらったり、キッズスポーツクラブとコラボをして親御さん達に「お子さんの免疫を見ていきましょう」という商品を売ってもらう事も出来ます。
営業として単一商品を単一ターゲットに売っていくのではなく、カスタマイズ出来る、汎用的な複数商品をお客様の状況によってパズルのピースをはめていき、売り込んでいく。その作業は頭を使いますが、楽しいと思いますしスキルとしても柔軟性や交渉力が上がっていくと思います。
では、どんな人材を求めていますか?
イメージはリクルート出身の方が良いかなと。3割頭を使って、7割足を動かすようば働き方ができる方です。15分考えたら、45分動く。それを繰り返す様な。足と手のバランスが良い人に来て欲しいと考えていますね。特に必要なスキルは無く、キャッチアップ力がある方が好ましいです。
また根っこの部分でいくと「この人は不遇を受けているのではないか?」とか「この人はもっと活躍できるのに!」などの大きい人生観を持っている方に来ていただけると、弊社にマッチしてご期待に添えると思います。
本日は貴重なお話ありがとうございました!
起業家データ:福澤龍人氏
2018年5月~2018年12月 株式会社ドクターズプライムにてインターン
2018年12月~2019年5月 デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社
FinTechチームにてインターン
2019年10月~2020年7月 株式会社リクルート
次世代事業開発室にてインターン
2020年8月~2021年1月 Tableau Japanにてインターン
2020年11月 株式会社Nwithを創業
企業情報
法人名 |
株式会社Nwith |
HP |
|
設立 |
2020年11月17日 |
事業内容 |
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