narrative株式会社 代表取締役 小原崇幹

2014年に漫画アプリを手がけるand factory株式会社を創業、わずか4年で上場させた経験をもつ小原崇幹氏。今回は新たにnarrative株式会社を設立し、人材事業、マーケティング事業、広報PRを合わせた複合的な事業を展開しています。今回は事業内容や今までの起業経験、今後のビジョンについてお伺いしました。

BREW株式会社を発展させたnarrative株式会社を設立

事業内容と新たにnarrative株式会社を設立した経緯をお聞かせください

narrative株式会社は前社のBREW株式会社とグループ企業のdivi株式会社、WOKE株式会社の3社を統合した形になります。

 

ですのでBREWで行っていた投資事業、クリエイティブ事業、そしてコンサルティング事業と、diviの事業であるP2C(個人が直接消費者に商品販売するビジネスモデル)やD2C事業(企業が消費者に販売するビジネスモデル)と新規事業立ち上げ・マーケティング支援、そして採用・転職支援を手掛けるWOKEの事業を多様化させて提供できるようになります。

 

(BREW Inc.は投資機能を備えているため、存続します。)

統合した理由の1つは世の中に大きな影響力を与えることをテーマに会社経営をしているためです。時代の流れを見ても小さい事業を各企業で行うよりは、複合的な働き方の方が確実に相互作用が生まれると考えています。

 

また統合した方がお客様によりよいサービスを提供できると思いました。例えば人材領域での課題は採用だけではなく、マーケティングやPRの課題も抱えている事例が多々あります。その課題に対して今までは別々の会社でサービス提供が難しかったことが、一つの会社になれば多角的にサービスを提供できます。

 

社員数は50名程度、売上規模は二桁億円からのスタートの会社になります。

 

特に今チャレンジされている事業をご紹介ください

divi株式会社で行っているIP(Intellectual Property:知的財産)を軸にしたマーケティングです。タレントやアーティスト、キャラクターの版権ビジネスと一般的に呼ばれています。

 

私たちの事業に「hanameku」という季節の花を毎月お届けする「花の定期便」サービスがあります。そこにIPのエッセンスを加えて、有名人が選んだお花をファンの方にお届けしています。

 

我々は日本全国の花の卸市場と契約し、そこから花をパッキングして送れるサービスを持っていますが、それだけだと他社にも似たサービスはあります。そこでエイベックスさんと提携し、AAAのNissyこと西島 隆弘さんや倖田來未さんなど有名人の方がセレクトした花を、ご家庭に届けるサービスを展開しています。お花の他にもコーヒーやお茶、日本酒を配送するサービスもあります。例えば料理研究家リュウジさんが選んだ日本酒も手がけています。自社で独自の配送ネットワークを持っているので、事業の幅に広がりがあります。最近ですと3月に香水も売り出しました。HYさんの歌のタイトル「366日」にちなんだ香水です。

 

事業内容としてはごく一部の紹介ですが、narrativeではPRや広告も合わせた多岐に渡る幅広いビジネスを展開できるので非常に大きなムーブメントを最初から作っていく予定です。

 

現在まで歩んできた起業の経験をお伺いできますか?

大学1、2年生の時に初めて会社を作ったのが起業家としての始まりです。大学生向けのマーケティング会社を作りました。一般企業は大学という場所をターゲットにしたくてもなかなか実現が難しいのが現状です。そこで自分自身の学生という立場を利用し、一般企業とタッグを組み広告やサンプリング、試写会などを行いました。

 

ある時にはとある映画の画輸入販売及び配給をしている会社と協力し、教授を説得して映画の試写会に出たら授業出席扱いにしてもらったこともあります。

 

その後は社会人経験を積むため2009年に株式会社zeronanaに入社し、2011年に起業して株式会社docksを創業しました。そして2014年に漫画アプリを開発提供するand factory株式会社を設立しました。こちらは4年後に上場しました。2020年の4月には前身のBREW株式会社を作り、2024年3月にnarrative株式会社を設立した流れになります。

 

今の私の大きな役割はand factoryの取締役会長とスタートアップを作ることとの2つの面があります。and factoryは上場しているので、取締役として上場企業のコンプライアンスや社会情勢に対しどう向き合うかといったことに取り組んでいます。

 

創業者ではありますが、出来上がったものをより発展させていくよりは、ゼロからイチをつくるのが得意なので、and factoryに関しては細かい経営はバトンパスしました。

 

そして新しいことにチャレンジしたいという思いでBREWを作り、narrativeへと展開していきました。

メンバーの成長の機会を作ることが経営者としての軸

事業において意識していることやこだわりを教えてください

人の成長を重視した会社にすることを心がけています。会社は入れ物に過ぎないと思っていて、個人の能力が集まり、それぞれの能力が発揮されるからこそ企業の意味があります。その集合体が鍵になるので、個人の能力をちゃんと伸ばせる機会やチャンスをしっかり与えることが、経営者の課題であり宿命だと思っています。

 

複合的な事業を持っているからこそ、いろんな刺激や知らない情報はたくさんあります。事業がまたがっているので社内でアイディアもかなり出て、事業に展開することができるのが我々の会社の強みにもなっています。

 

ですので思いついて実行できる機会がたくさんあるのが、narrativeの魅力の一つであり、経営の軸として考えにつながります。

ゼロの状態からイチを作りつづける難しさはありますか?

難しさはあまり感じていませんが、ゼロから作ったものが全て成功しているわけではありません。当然失敗もたくさんしてきています。ただその経験の数は多いので糧になっていると思っています。

 

興味を持って経験していくとやったことがなくても、なんとなく「今まで触れ合ったものに近いな」「これだったらなんか成功するな」という感覚が積もっていき、そしてどんどん自分の中で挑戦への壁や敷居がどんどん低くなっていくと思っています。

 

ですのでチャレンジに対しては恐れずに、挑戦することに価値があると思い行動しつづけています。

 

社会に影響を与えていると実感できること

進み続けるモチベーションは何でしょうか? 

社会に影響を与える事業をしている時にとてもやりがいを感じますし、それがモチベーションに繋がっています。

 

例えば、電車の中や街中で漫画アプリを読んでいる人を見ると「私たちが動かなかったら、見ることのない光景だった」と思います。その時にやってきたことの手触り感があるのはとてもやりがいになりますし、やってよかったなと感じます。

 

また好きなアーティストが選んだ花を届ける事業をしていますが、利用者が「届いたよ」とSNSに投稿してくれます。それを見ると私たちがあの時にこの企画を届けなければ、利用者の喜ぶ感情や瞬間は訪れなかったかもしれません。

 

このようなフィードバックが常に来るので、非常にやりがいを感じます。

そして私は友人と起業することが多いので仲間の人生をいい方向にむけることができると、とてもモチベーションになります。

 

and factoryは友人を集めて作った会社で、その中には働いたことがなく引きこもりだった友人がいました。しかし上場するまでのとても大変な道のりを一緒に歩み、ついに上場する時に東証で鐘を鳴すことができました。

もちろん彼一人の力ではありませんが、必死に仕事を頑張ったから得られた経験です。そのような仲間の人生が、よい方向に変わることを今後も繰り返し再現していきたいです。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

やはり社会に大きい影響力を与え、それを最大化していくことです。

 

現在の二桁億円の売上げを三桁億円にするために、新事業を作り、企業体としてあるべき姿を、常にみんなで頑張って模索しています。これを行動し続けていくのみです。

起業家の役割は正解を選ぶのではなく、選んだ道を正解にすること

起業しようとしている方へのメッセージをお願いします 

周りの人のアドバイスを聞きすぎずに、自分で「これがいける」ことをとにかく試す方が絶対に成功に近いと確信しています。

 

例えば本には友人と起業するのはよくないと書かれていることもありますが、私は逆で友人と会社を立ち上げました。またベンチャーキャピタルに相談し、出資をもらうことをスタートしてる人たちも多いと思います。しかし私はベンチャーキャピタルからの出資は一度も受けていません。全部自分たちの資本でやっています。

 

時代の流れが早いので、今まで確立された成功体験は不確実性が高くなっています。通説が効かない世界にどんどんなっています。ですので今までの成功体験のままやっていたら、没落してしまいます。

 

不確実性の高い世の中では、打席数を多くして自分なりのやり方を見つけるのが結局早いと思います。正しいやり方を求めるのではなく、自分に合ってるやり方を見つける行動をした方が絶対にいいです。

 

起業家は選んだ道を正解にするのが役割だと思っています。その点を意識してほしいです。

 

一緒にチャレンジし続ける仲間を募集中です。

「narrative株式会社」では、一緒に働く仲間を募集中です。弊社のビジョンに強く共感してくれる方、一緒に成長していきましょう。

さまざまな事業を展開しているので、自分のアイデアを活かせるチャンスも豊富です。ご応募お待ちしております!

 

■採用URL:https://nrtv.co.jp/contact/

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:​​小原 崇幹 氏
大学在学中に友人と起業。卒業後、2008年シーエー・モバイル(現CAM)に入社。その後2011年にdocks設立を経て、2014年にand factory株式会社を設立し、代表取締役に就任。2018年にマザーズ上場。2019年に同社代表取締役会長へ、2020年に取締役会長へ就任。2020年4月BREW設立。
企業情報 

法人名

narrative株式会社

HP

https://nrtv.co.jp/

設立

2022年2月

事業内容

・マーケティング事業

・HR事業

・PR事業

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