有限会社Amajin 代表取締役 天神 浩子

有限会社Amajinは組織開発、顧客開発コンサルタント ISO30414人的資本マネジメントエキスパート 「みんなの個性を企業の力に変える」世界初のクラウドシステム、株式会社ロジック・ブレインエンジンを活用した組織開発、顧客開発コンサルティングをおこなっています。企業の組織開発にとどまらず、教育現場にも活動を広げ進み続ける、同社の代表取締役・天神浩子氏に詳しくお話を伺いました。

 

パーソナリティ分析(AI)×コンサルティング(人) 個性に合わせた配置とコミュニケーションを実現。

事業の内容をお聞かせください

当社は、AIによるパーソナリティ分析をもとに、企業の組織開発、顧客開発のコンサルティングをおこなっています。

 

株式会社ロジック・ブレインの世界初のクラウドマネジメントシステム「TOiTOi」では個人の性格や個性、意思決定のプロセスに関する膨大な情報を分析しています。この分析結果をもとに、その組織稼働率を出すことで一人ひとりの個性や強みを活かした組織づくりをサポートしています。

 

ロジック・ブレインの強みは、ビッグファイブ診断とロジック・ブレインエンジンによって組織稼働率を出すことができることです。簡単に言うと、組織の雰囲気を数値化できる。

 

これは世界初のシステムです。実際に離職率が高いところは数値が低い。逆に定着率が高く生産性が高いところは雰囲気も良く数値も高い、という分析結果が出ます。TOiTOiでは環境でつくられたパーソナリティと持って生まれた個性を合わせたコアパーソナリティが判るため、単に個人の性格や傾向を判定するのではなく、人をどのように配置し、どのようにマネジメントするかまでサポートできる点にあります。

 

例えばですが人によって「まずはやってみよう」といったスタイルが合う人もいれば、「どこまでならできるかな?ここまでは一緒にやろう」と同じ業務でも取り組み方が違う人がいます。ロジック・ブレインは、このように個人の特性に合わせて、適切な配置と関わり方や指導方法をクラウドで提案ができること、研修などを通して組織で共有、相互理解することで効果的な1on1にも繋がり、心理的安全性の高い組織をつくります。

 

この10年、企業の離職の原因の50%近くが社内の人間関係と業務が合っていなかった、というデータもあります。「風通しが良い組織」は心理的安全性の高い組織です、それは上司と部下のコミュニケーション、関係性です。社員の個性を理解すること、その結果、一人ひとりの強みを最大限に活かし、掛け算を起こすことができるのです。

 

弊社では組織開発のコンサルティングに加えて、2024年より、企業の人に特化した国際基準である「ISO30414」の認証取得のサポートにも取り組んでいます。

 

弊社ではISO30414 人的資本マネジメントエキスパート、有資格者を2名保有し、人を軸にした経営のサポートを行っております。

 

「ISO30414」とは、例えると”人の決算書 ”です。従来のISOは、品質管理、食品安全、情報セキュリティが主だったものですが、企業で働く「人」の国際基準です。決算書が売り上げ、経費などのデータを示しているとするならば「ISO30414」では採用、異動、離職、労災状況やスキルや能力、ダイバーシティ、後継者計画など「人」に関する11の領域、58の測定基準が設けられています。
※2018年12月、国際標準化推進機構(ISO)が初の国際基準ガイドライン「ISO30414」(社内外への人事・組織に関する情報開示のガイドラインを創設)

 

経済産業省からも、人を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上に繋げる「人的資本経営」を求めています。企業が結果を認証機関に提出して審査にパスすればISO認証を受けられます。認証されたことは一般にも公開されるため、企業の社会的信頼度の向上に役立てられます。

 

現在、まだまだ知らない方が多いですが、あっという間に浸透するでしょう。これからの企業は規模に関わらず人にどれだけ投資できるか、人事戦略が経営戦略になると考えています。

 

ロジック・ブレインで高い効果が生まれる理由を教えてください。

ロジック・ブレインの最大の特徴は、独自のロジックとパーソナリティ分析理論と最新のAI技術を組み合わせ、そして我々、コンサルタントが人的なサポートの提供を行い、結果が出るまで併走することです。

 

具体的には、株式会社ロジック・ブレインの世界中の理学・工学・教育のシステム研究者、教授が集まる国際会議「PLACTON-15」でも優秀論文賞を獲得した独自のロジックに加え、パーソナリティ分析において世界で最も信頼性が高いビックファイブ理論と、産総研の高度な技術を用いたクラウドHRシステムです。

 

ビッグファイブについては、世界で最も信用、信憑性のある心理学のモデルであり、パーソナリティ分析の最終回答とも呼ばれています。ハーバード大学が世界で一番多く論文があり、日本では東京大学が一番論文を持っています。あまり知られていませんが、企業や大学で研究が進んでいて、多くの活用事例があります。弊社でも面接時から配置、マネジメントまで積極的に活用をしています。

 

また、ビッグファイブとパーソナリティーは親和性が高いと言われています。パーソナリティーは、生まれ持った個性と環境因子からできています。その合わさった部分、コアパーソナリティを見つけることは、その人が輝く場所(配置)がわかる手がかりになります。

 

適切な配置とマネジメント、1on1などコミュニケーションが活発になることで、あまり経験がなかった領域においても、短期間で能力が開花するケースもあります。結果、早期の離職や不要な離職を防ぐことにも繋がっています。

 

ですが、クラウドシステムだけでは結果が出にくいのが現実です。だからこそ、当社では専門の知識と経験を持ったコンサルタントが、結果が出るまで伴走することをお約束しています。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

当社は1984年に創業し、私は3代目の社長です。以前は東京の商社やメーカーに勤めており、ありがたいことに最速で管理職になりました。そのため、自分より年上の方が上司になることもありました。その経験から、上司や部下、組織の人間関係が業績に直結することを20年以上前から目の当たりにしていました。

 

その中でロジック・ブレインの原点に出会い、自分と相手の違いを理解することで、コミュニケーションがスムーズに進むことを知りました。実際に職場でこの手法を取り入れたところ、女性ばかりの部署で7年半、離職者がゼロになりました。

 

当時は人材があふれていて、人材が単なる「材料」としてみなされる時代でした。ですが、これからは人を軸にした経営・マネジメントの重要性が高まると確信し、仕事にするならこの分野にしようと考える中で、結婚を機に独立しました。

 

最初は企業向けの研修やセミナーのご依頼が大半を占めていました。私が営業職、管理職であったこともあり「売り上げを伸ばす方法」「部下のモチベーションをあげる方法」などです。まわりの経営者から、人間関係が大事なのはわかるけど食べていけない、綺麗事だよと言われ、落ち込んだこともありました。

 

3年ほど経った頃に、「組織の人間関係やコミュニケーション面でのサポートもして欲しい」とクライアントのオーダーが徐々に変化していきました。実際に受講した方が、社内に導入し年間契約したいといったご依頼が増え、今も続いています。

 

結果が出るまで寄り添い、諦めない

仕事におけるゆずれない軸を教えてください。

何よりも重視しているのは、結果が出るまでサポートし続けることです。

 

当社のミッションは「みんなの個性を企業の力に変える」です。
行動指針は「天神と書いてお節介と読む」です。

 

私から伝える言葉は綺麗であるよりも、わかりやすく実直な方がいいと思うからです。結果が出るまで企業の皆さんと一緒に分析と検証と運用をくり返し行う、データの小さな機微もキャッチし、粘り強く寄り添って並走し続けること、最後まで諦めずサポートすることが何よりも大切な姿勢だと捉えています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

事業の成長に伴う分社化のプロセスが、非常に大変でした。

 

事業が軌道に乗り売り上げが伸びるにつれ、当社の財務支援部と人事支援部の2つの事業部がうまく機能しなくなりました。私自身が財務の業務をまったくできないこともあり、目が届かない部分が増えてしまいました。

 

また、3代目の社長になったときに「身の丈に合わない社長にはならない」と決意していたこともあり、分社化を決めました。

有限会社Amajinは、人事に特化した組織開発、もうひとつは顧客開発を主におこなうことに決めました。ですが、社員の中には上司が変わる抵抗感や、愛着のあるAmajinから離れたくないとの声も上がり、分社化のプロセスには多くの困難がありました。

 

仕事を通じて成長し、幸せに働く人を増やしたい

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

モチベーションはふたつあります。

 

ひとつは、HR業界の変化や新しい情報に触れられることです。私は飽きっぽい性格です。そのため、日々目まぐるしく変化するこの業界が好きですし、その分、日々勉強し続ける必要がありますが、変化と刺激がある業界、環境が合っていると思います。

もうひとつは、お客様の声です。何よりも嬉しくモチベーションにつながっています。過去に、離職が止まらず、職員の半分が退職してしまったとご相談いただいたことがありました。クラウドの導入、コンサルティングで「事業規模が4倍拡大した」「職員の6割以上がリファラル採用で入社するようになった」と喜んでいただけました。

また、クライアントの社員さんからお手紙をいただくこともあります。絶対に管理職になりたくなかった、という方から「Amajinの研修で成長することができ、管理職としても目標を持って仕事に取り組めるようになった」と。お客様から喜びの声をいただけるのは、何にも変えがたい一番の報酬かもしれません。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

学生向けの自己探求のカリキュラムを教育現場に浸透させていきたいと考えています。

 

現在、ある短期大学のゼミナールで、学生に対して個性分析やビッグファイブ、パーソナリティ分析を取り入れた就職活動支援をおこなっています。「内定はいくつかもらっているけど自分に合う企業はどこなのか」から「なぜ就職活動しないといけないの?」「何のために働くの?」と悩んでいる学生は多いです。私自身が就職活動していたときも同じ思いがあり、悩みの本質は変わりません。

 

だからこそ、学生が学問として自分自身を知ることや、自己探求や自己発見が必要だと思い、カリキュラム化し大学などで導入してもらえるよう、積極的に取り組んでいます。

 

学生時代に、自分の強みや苦手なことを理解しておけば、面接でも自己開示しやすくなりますし、企業側も適切な配置ができます。入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

 

また、入社する学生側にも、マネジメントする企業側にも、それぞれコミュニケーションや価値観の違いがあります。それを単に世代間の価値観の違いとして片付けるのではなく、組織として自己理解と他己理解の視点を持った上で、マネジメントする必要があります。

 

このように就職活動の本質的な悩みに寄り添いながら、自己発見や自己探求の機会を提供するカリキュラムを教育現場に広く普及させたいと考えています。学生と企業の相互理解が深まり、双方が満足できるマッチングが増える社会にしたいです。社員の自己成長、自己実現こそが企業の継続的な成長、豊かな社会へ繋がると信じています。

 

社名であるAmajinの由来は「amazing」と「imagine」です。企業の皆さんと共に想像の外側を創造し、笑って泣ける感動の組織デザインをお約束いたします。

 

自分の個性を理解した上で起業を。

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

起業を成功に導くためには、最初は1人で起業しても、アライアンスを組んだり、チームを構築することが不可欠になります。なぜなら、1人では必ず限界を迎えてしまうからです。

 

そのため、起業を目指す前に、自分自身の強みや弱み、個性を的確に把握することが重要です。自己理解が深まれば「どのような人と協力すればいいのか」「どのような能力がある人と一緒に仕事をすればいいのか」を見極めやすくなります。お互いに補完し合える仲間と協力することで、熱意を持ってやりがいが感じられる仕事ができるようになりますし、生産性も自然と高まります。

 

また、少子化が進む中で生産性の向上が企業にも求められています。起業をめざす際は、自己理解から始め、その上でお互いの個性を最大限に活かし合える仲間を見つけてください。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

 

起業家データ:天神 浩子氏

1973年生まれ 福岡県出身
高校、短大時代は音楽と映画に明け暮れる。気づけば世は就職氷河期、ならば東京は?と安易に東京採用で合格した商社へ。管理職となったものの労災が出るほど働いて「働くとは?」を真剣に考える。ドクターストップで地元福岡に戻り日立グループへ入社、最短で管理職へ昇進するも、部下の離職が続く。そんな時にロジック・ブレインの原点と出逢い20代、30代女性8名の部署で離職率が7年半0となり、新規部署の立ち上げなど20近くの事業所を担当し、社長会、役員会議にも呼ばれるようになる。ちなみに在職期間中の始末書提出3回、始末書の出来がいいと社内報一面掲載される。2020年 有限会社Amajin 3代目となる代表取締役に就任

企業情報

法人名

有限会社Amajin

HP

https://amajin.jp/

設立

1984年9月

事業内容

クラウドマーケティングツール(LBA)、クラウドマネジメントツール(TOiTOi)による組織分析、顧客分析、システム提供、教育、組織開発コンサルティング ISO30414認証サポート

 

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