株式会社SECURITY BRIDGE 代表取締役 榎本 泰基

M&A仲介サービスやWebサイト制作サービスを展開する株式会社SECURITY BRIDGEは、M&A仲介を行う企業の中でも警備業界に特化して支援を行う会社です。全国各地のネットワークを活用しながら、警備業界の地位向上と発展のために経営者の気持ちに寄り添ったサポートを実現させています。今回は、同社の代表取締役を務める榎本泰基氏に事業内容や今後の展望を詳しくお聞きしました。

 

警備業界の課題に着目しM&Aで未来を切り拓く

事業の内容をお聞かせください

当社は、「警備業界の地位向上と発展の架け橋」を企業理念として掲げ、警備業界向けのM&A仲介サービスと、サブスクリプション型のWebサイト制作運用サービスを提供している会社になります。

 

M&A仲介サービスでは、これまで従業員数30名未満から400名以上の規模まで様々な企業を支援してきました。

 

現在警備業界ではM&Aの需要が増えているのですが、その理由の一つが人手不足です。

 

大手の警備会社でも、仕事がたくさんある反面、人の採用が追いついていない現状があります。そういった人材が欲しい大手と、採用が難しい中小企業のニーズが合致し、M&Aに至るパターンが一番多いです。

 

また、後継者がいない、仮にいたとしても自社が成長していく上で必要な人材が採れないなどと悩む企業があります。このような悩みを解消できるのもM&Aのメリットです。

 

さらに、小さい企業の場合は特に警備の請負単価を高く交渉できないという課題があります。そういった場合に大手のグループに入ることによって強気で料金を値上げできたり、資本的なサポートが受けられたりするなど、様々な援助を受けられる点がメリットになっています。

 

サブスクリプション型のWebサイト制作運用サービスでは、Webサイトの構築を通して警備会社の信用や採用力を高められるよう、ニーズに合わせて様々なサービスを提供しています。

 

通常、Webサイトを制作するには初期投資に何十万円もかかるなど、資金に余裕がない企業にとっては導入のハードルが高くなりがちです。また、Webへの投資は本当に効果があるのか不確かな部分があるため、リスクを大きく感じやすいのです。

 

そのような不安を解消するため、低価格且つ月額制で定期的なメンテナンスからGoogleアルゴリズムに合わせたSEO対策まで、継続的な支援を行っています。

 

サブスクリプション型にすることで常に当社とお客様の接点がありいつでも気軽に安心して相談できることが単発型にはない特徴です。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

前職は大手のM&A仲介会社に在籍し、そこで初めて警備会社を支援したのが事業を立ち上げようと思ったきっかけです。

 

実際にM&Aの支援を行う中で、業界の課題、特に人手不足、人材の高齢化、それから人件費の高騰が問題となっており、そういった状況が経営を厳しくしてしまっているということを知りました。

 

この状況を改善していくために、M&Aという選択肢は非常に有効なのではないかと感じ、警備業界のM&A仲介アドバイザーとして尽力していくことを決めました。

 

M&Aを仲介する企業の中で業界に特化しているアドバイザーというのは実はあまり多くありません。なぜなら、業界を絞ってしまうと支援できる企業の母数が減ってしまうからです。

 

しかし私は、M&Aを行うにあたって企業を適正に評価し深く理解することが必要だと考えており、あえて業界特化にすることを選びました。

 

既に業界に精通したネットワークは持っているため、業界特化を謳うことでお客様に安心して託してもらえる会社になれるのではないかと思っています。

 

サブスクリプション事業に関しては、M&A事業と並行する形で立ち上げました。主軸はM&A事業ですが、M&Aというのはあくまで経営戦略の手段の一つに過ぎません。企業が成長するにはM&Aが絶対という訳ではなく、M&Aを考えていない企業もたくさんあります。そのような企業にも、Webサイトの制作を通して採用に繋げて人を増やしたり、企業の周知に貢献したりできればと考え、そういった別の視点からもサービスの提供を行っています。

 

顧客ファーストの誠実さがすべて

仕事におけるこだわりを教えてください

「誠実さを持って顧客目線で考える」ことに非常にこだわりを持っています。

 

M&Aは、オーナー様、従業員、家族、譲り受け側の企業、それぞれにとって重大な意思決定でありますし企業間の結婚とも言えます。

 

命を削って育ててきた会社が別の会社と一緒になる、又は託すことになるため、フェアでオープンな情報開示、そして誠実さを持って行っていくということが非常に大切です。

 

私は、父や祖父、叔父などが小規模ながら小さい会社を営む家庭環境で育ってきたため、その大変さを知っています。だからこそオーナー様にリスペクトを持って支援することが重要なことだと思っています。

 

いかに誠実に、そして真面目に相手のメリットを考えられるか、それが結果的にM&Aを実行した後の企業の成長にも直結してくるのではないかと思います。

 

また、M&Aを必要としている企業の力になれるよう、当社は他の仲介サービス会社よりも手数料体系を下げている点もポイントです。本当に助けを必要としている企業が検討しやすい環境を用意し、門戸を広げることが不可欠だと考えています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

まだ起業して数ヶ月ですが、様々な課題に直面してきました。中でも、非常に大変だと思ったことは営業による移動の多さです。

 

当社は業界に特化して運営していることもあり、現在は日本全国から引き合いのお話をいただいています。そのため、声が掛かれば飛行機であちこちに伺っており、そんな状況から移動費用や時間がかかってしまうことが課題だと感じています。

 

お客様を第一に考えながら、いかに効率よく仕事を遂行できるかが今後も課題となりそうです。

 

喜ばれることが最大のやりがい

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

1つ目は、当社が業界的に求められている会社だと自負していることが大きなモチベーションです。困っているオーナー様に対し、どうにかして一つの解決策を提示したいという思いが強く、これは起業したきっかけにも繋がります。

 

2つ目は、M&Aして良かったという言葉をいただけることです。M&Aはネガティブなイメージを持たれることも多く、それは自分が辞めなければならないのではないか、従業員の雇用はどうなるのだろうか、など様々な懸念や不安があるからです。

 

しかし、実際にやってみるとそんな心配はいらなかったという感想をいただきます。企業の存続や成長のみならず、自分の給与アップに繋がるケースもあるため、やってよかったと感じる方は多いように思います。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください

警備業界全体が一致団結していくために、M&Aという手段を通して更に多くの企業を助けていきたいと思っています。

 

今後生産年齢人口が減っていき、先行きとしては明るいというよりむしろ大変な将来になってしまうことは否めません。人口が減っている現状もありますし、若い方も含め募集をかけても集まらないという課題があります。その理由は、警備の仕事は他の業種に比べて待遇があまり良くないからです。

 

その待遇を改善するためにも、自社単独で警備単価の値上げを交渉するより、大きなグループで価格交渉をして資金を増やす選択も効果的な策の一つだと考えています。

 

警備業界は人あってこそのビジネスであるため、働き手の待遇を改善することで低賃金のイメージを払拭し人手不足を解消できるという観点で、M&Aは今後更に注目される手段だと思います。

 

また、M&A仲介サービスをメインとしながらも、警備業界の発展に貢献できるようなツールやシステム作りも今後の目標です。我々の目的は警備業界の架け橋なので、業界全体の力を底上げするために必要なシステムを作り、他の会社と提携して販売していきたいと思っています。

 

更に、提案したい商材がある企業と提携するなど、全国各所の警備会社とのネットワークを活かしたサービスを展開させていきたいです。

 

タイミングを見極め早めの準備を

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

これまで多くの経営者の方とお会いしましたが、みんな口を揃えて仰ることは「思い立ったら早めにやった方がいい」ということです。

 

私は30歳で起業しましたが、タイミングとしては良かったと思うものの、もう少し早く起業すれば良かったと思うのが正直なところです。

 

経営者として培われる経験やスキルと、サラリーマンとして培われるものでは違いがあります。人それぞれベストなタイミングはあると思いますが、時代の流れにも流行り廃りはあるため、今だと思ったらすぐに手を動かして準備を始めた方がいいのではないかと思います。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:榎本泰基氏

神奈川県出身。祖父、父、叔父、従兄弟それぞれが小規模ながらも事業を営む家庭環境で育つ。早稲田大学商学部卒業後は、株式会社キーエンスに入社。法人向けコンサルティングセールスに従事し、社内最速記録で社長賞を受賞。その後、大手M&A仲介会社に転職し、警備業界に特化。30名未満〜400名以上と幅広い従業員規模の警備会社のM&Aを多数支援し、単独アドバイザーによる年間最多成約件数記録を樹立、年間成約件数1位を獲得。本当の意味で経営者目線に立ち、警備業界の発展・成長に貢献できるサービスを提供するために2024年に当社を設立。

 

企業情報

法人名

株式会社SECURITY BRIDGE

HP

https://security-bridge.co.jp/

設立

2024年5月

事業内容

1. 成長戦略型・事業承継型M&Aアドバイザリー

2. 無料財務診断サービス

3. M&Aセカンドオピニオンサービス

4. 業務提携コンサルティング

5. 初期投資を抑えたホームページ・採用ページ制作サービス

 

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