株式会社ワンコイングリッシュ 代表取締役CEO 兒嶋 裕貴

業界最安値クラスの価格帯で英会話習得を目指すスクールを提供している株式会社ワンコイングリッシュ。代表取締役CEOを務めるのは、より多くのグローバル人材の輩出を目指す兒嶋 裕貴氏です。英会話スクールを主軸とし、日本語学校や留学エージェント、国際交流イベントなど多角的に事業を展開する兒嶋氏に、事業の理念や取り組み、起業の経緯などを伺いました。

 

安い価格帯で目指す「日本の開国」によるグローバル人材の育成

事業の内容をお聞かせください

1レッスン500円(税込550円)から受講できる英会話スクールをはじめとし、日本語学校、留学エージェント、国際交流イベントを展開しています。

 

最大の特徴は、クチコミ中心のプロモーションによる広告宣伝費の削減と、業務効率化等によるオペレーションコストの削減により、業界最安値クラスの低価格でコースを提供している点です。今まではこのように安さを売りにしてきましたが、弊社としては今、グローバル人材を育てることを目的に幅広いサービスの提供を目指しています。

 

我々が考えるグローバル人材とは、海外に出ることで日本のことを知り、日本人としてのアイデンティティとプライドを持ち、異文化をリスペクトできる人材を指します。

 

しかし、こうした人材を育てるためには、英会話の習得だけでは不十分です。そこで、我々は留学や国際交流イベント等など、英会話を超えた幅広いサービスの提供により、生徒様がグローバル化できる環境を整えています。

 

生徒様の多くは、英語を話せるようになりたいという目的で通っていらっしゃいますが、実際には、自分らしくありたいという願いが大きいように感じます。世界の幅広い価値観にふれると、日本ではこうでなければならないと決まっているものが異なって見え、こういうのもありなんだと思えるようになります。このような人生を豊かに変えるという価値の提供に重きを置き、取り組んでいます。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

「日本を開国したい」「日本に良い影響を与えたい」と思ったのがきっかけです。

 

右向け右で同じことをやらないと叩かれる日本が嫌で、大学卒業後も漠然とした志望動機で新卒入社することに違和感を持っていました。そこで、まずは自分が何者で何がやりたいのかを探す旅に出ようと思い、就職せずに世界中を周りました。その中で、日本の教育で染みついた価値観を一度壊していったのです。

 

その後25歳の時に、「日本を変える」と決意し帰国しました。そして、様々な国を周ってわかったことは、日本には世界に対して誇れる素晴らしい部分がたくさんある一方で、その魅力を日本人は十分に理解していないし発信できていないということです。この部分を変えていかないと日本は良くならないと考え、起業しました。

 

日本は、鎖国と開国を繰り返しながら成長してきました。今は鎖国ではありませんが、未来に向けて、日本はアップデートが必要な時です。次なる開国に向けて皆が英語を習得し、海外に進出することで、外の良さや日本の良さを理解し、グローバルを知り日本を知る人材が生まれます。そのためにも、まずは圧倒的に安く英会話を提供することで、誰もが気軽に受けられる社会インフラにして、このような高い英語レベルを持ち、グローバルマインドを持ち合わせた人材を創出することを目標として、英会話事業を立ち上げました。

 

本質を大事に、おかしなマーケットを壊していく

仕事におけるこだわりを教えてください。

一つ目は、「意義があるかどうか」です。意味のないものは本質がなく、淘汰されるからです。

 

ビジネスモデルには流行がありますが、求められるのは数年後に生き残れるかどうかであり、これを決めるのは流行ではなく本質です。そのため、流行に頼ったビジネスはつくりません。

 

二つ目は、「今まで世の中になかったものかどうか」「マーケットを壊せるものかどうか」を大事にしています。

 

英会話学校を始めた時、知識は皆無でした。しかし、スーツを着た英語のネイティブ講師と話をするのに、1時間8000円もかかるのは高すぎるという思いがありました。お金持ちしかグローバル教育を受けることができないのは、おかしなことです。

 

ビジネスは儲かっている企業の真似をしがちですが、私は「これまでにない意味があること」で「おかしなマーケットを壊していくこと」にこだわっています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

コロナ禍の2年半が一番の壁でした。外国人は入国できず、日本から海外へも行けない中では英語を学ぶ意味を打ち出すことは非常に困難でした。

 

さらに、密閉した空間で複数の人が話す教室は三密状態のため、その時期は生徒様が次々と離れていきました。

 

その結果、スタッフには不安が広がりましたが、当社はスタッフの雇用を守り続けました。おそらく英会話業界で、雇用を維持できた企業はほとんどないのではないでしょうか。売り上げが上がらず、見込みもない中で雇用を守るのは非常に大変でした。

 

ただ、悩んだ分、この期間は非常に良い勉強にもなりました。起業してからずっと事業の拡大しか経験していなかったので、人生で初めての負け戦でした。どこで負けを認めるかという負け戦の難しさなど、トップでしか経験できない学びを多く得た時期でもありました。

 

英語を社会インフラにして、多くの日本人の人生を変えたい

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

我々のサービスを通して、人生が変わったという生徒様の存在です。

 

これまで英語に興味があっても値段や敷居の高さから諦めていた生徒様が多く、人生で初めて英会話を学ぶ方が約7割いらっしゃいます。もし、私たちの事業がなくなったら、その方々は再び英会話学校に通うことはないでしょう。

 

またビジネスとしては、格安英会話や多国籍のスタッフによる運営が無理だと思われてしまうかもしれません。一方で、やり続けていけば、世の中もマーケットも、生徒様も変わっていきます。これが進み続けるモチベーションになっています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

冒頭でも申し上げましたが、日本人のグローバル化を促進するために、英語を社会インフラにすることを目指しています。

 

日本人に「英語を話せるようになりたいか」と尋ねると、8割は「はい」と答えますが、「スクールに通って習得したいか」と質問すると、ほとんどの人が手を挙げません。これは、スクールの値段が高いことや、発音が訛っていることを笑われるといった学校教育での雰囲気が原因だと考えられます。しかし、実際に英語を使用する場面では、コミュニケーションが重視されるため、英会話の習得が必要となります。

 

その一方で、英語はツールに過ぎず、英語の習得だけではグローバル人材にはなれません。そのため、多様な価値観に触れる機会や国際教養を学ぶ機会も提供したいと考えています。

 

起業がゴールではない、まずは「成し遂げたい何か」を見つけよう

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

起業を考えている人の中には、経営者になりたいから起業しようと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、経営者になることはゴールではなく、あくまでも手段だと思っています。

 

この15年、多くの経営者に出会い、成功する人と失敗する人の違いが何かを見てきました。それは、「何を成し遂げたいか」という明確な目標の有無です。

 

よく「起業でホームランを打つにはどうしたら良いですか」と聞かれますが、最も大事なことはバッターボックスに立ち続けることです。苦難が続いても立ち続けるためには、「これがしたい」という明確な目標が必要です。何を成し遂げたいのかを、まず考えてみてください。

 

一緒に「日本の開国」を目指す仲間を募集中

現在、グローバル人材を創出するto C向けの株式会社ワンコイングリッシュと、日本企業の海外ビジネス支援をするto B向けの株式会社Resorzの2社を経営しており、どちらの会社も同じ志をもって一緒に働いてくれる仲間を募集しています。

 

多国籍のスタッフとコミュニケーションをとりながら、1つの目標に向かって結果を出していく経験は、日本の企業ではなかなかできない経験です。

 

日本のグローバル化に興味がある方、海外経験をして帰国して日本の企業に入社して違和感を感じている方、真の「日本の開国」に向け一緒に取り組んでいただける方をお待ちしています。

 

▼株式会社ワンコイングリッシュ採用情報

https://company.onecoinenglish.com/

 

▼株式会社Resorz採用情報

http://www.resorz.co.jp/recruit/

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:兒嶋 裕貴 氏

1980年生まれ 早稲田大学商学部卒業。大学卒業後に渡航し、学生時代から世界約60か国以上を周る。日本帰国後はサイト売買のサービスの事業化から上場企業への売却、ベトナムでオフショア開発企業の立ち上げを経て、日本の開国を目指し2009年に㈱Resorzを設立。日本最大級の海外ビジネスプラットフォームDigima~出島~を運営。海外進出を希望する日系企業への海外ビジネス支援を行う。2014年には、日本人のグローバル化を目指して、50ヵ国籍以上のスタッフが集まる英会話スクール㈱ワンコイングリッシュを設立。英会話のみならず、外国人向けの日本語教育、企業としてグローバル人材の育成を行い、創業から10年で延べ利用者数は3万人を超える。現在は3社の代表取締役と一般社団法人の理事を務める。幅広い海外ビジネスの知見から省庁や海外政府機関、自治体、金融機関などに向け講演を行う他、日経産業新聞や金融業界紙でコラムを執筆。過去には経済産業省国際化促進インターンシップ事業、経済産業省中小企業庁「新しい担い手研究会」、農林水産省の「海外展開ガイドライン作成」の委員をそれぞれ務める。

 

企業情報

法人名

株式会社ワンコインイングリッシュ

HP

https://onecoinenglish.com/

設立

2014年8月8日

事業内容

1レッスン500円の格安英会話レッスンの提供、国際交流イベントの企画・運営、留学斡旋事業、日本語学校運営、外国人への生活サポート

 

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