株式会社2Hundred 代表取締役CEO 森口 達也

株式会社2Hundredは、「200個のサービスを創造する」というビジョンのもと設立された革新的な企業です。現在の主力事業は交通事故に特化した、患者と医療機関のマッチングサービスです。適切な医療機関の選定から弁護士紹介まで包括的なサポートを提供することで、売り上げを急速に伸ばしています。

 

迅速な意思決定と柔軟な事業展開を強みとする同社の代表取締役CEO森口達也氏に事業内容や今後の展望なども含めて、詳しくお聞きしました。

 

交通事故の病院選びや法的手続きまで迅速にサポート

事業の内容をお聞かせください

当社では「ドクター交通事故」という事業を展開しています。交通事故にあった人に特化した医療機関紹介サービスで、主に整形外科と整骨院の2つを紹介しています。


交通事故にあうと、保険会社から病院に行くように指示されます。しかし、インターネットで調べてもどの病院に行けばいいのか分からない人が大半です。


そこで当社が病院を探している人たちに対して、適切な医療機関を紹介します。具体的には、交通事故に強い病院や整骨院をお客様の家の近くから探してお伝えします。電話でのサービスを基本とし、24時間相談が可能です。


お客様が困っていることの多くは、「どの病院に行けばいいのか」「夜や仕事終わりに開いている病院はあるのか」といった点です。


仕事をしている人の大半は、通常の診療時間内に病院に行くことができません。そこで当社では、「昼間に病院で診断書を取得し、夜8時頃まで開いている、事故治療が得意な治療院に通ってもらう」といったようなご相談者様に合ったアドバイスをしています。


また「慰謝料について相談したい」といった相談も多く、そのような場合は弁護士に依頼することをアドバイスしています。弁護士に無料で依頼できることも多いので、医療機関紹介サービスという点で直接紹介などは行っていませんが、そういったニーズに対しての情報提供も行っています。


これらのように、交通事故にあって困っている人たちのさまざまなニーズに対して、その一助になるようなソリューションを提供しています。

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

私の起業家としての道のりは大学時代にスタートしました。土木学科を専攻していたのですが、土木系の会社に就職することにあまり興味が持てず、起業を決意し、SEO専門のWebメディア運営企業として当社を立ち上げました。


元々M&Aを視野に入れて起業したこともあり、起業から約1年半後に売却先を探す活動を始めました。その中で当社の親会社にあたるTWOSTONE&Sons(当時旧社名:Branding Engineer)の代表高原に出会い、話を進めるうちに高原と一緒に働きたい、TWOSTONE&Sonsグループにジョインしたいと思うようになったのです。


TWOSTONE&Sonsは主にエンジニア事業を運営しているため、私の事業内容と直接関係ありませんでしたが、高原の考え方やキャリアの積み重ね方などに魅力を感じグループジョインを決めました。


TWOSTONE&Sonsにグループインした後は、これまでの経験を活かしながら新しいことにも挑戦したいと考え、現在のプラットフォーム系のサービスに着手しました。このアプローチを選んだ理由は、自分のキャリアの延長線上にあることと、営業を導入することで単価が上がり、利益率の向上をめざせると考えたからです。


特定の分野や業態にこだわりがあったわけではなく、起業からの流れの中で自然と現在の事業に至りました。

 

100%納得して営業できる環境をつくる

仕事におけるこだわりを教えてください。

整骨院向けに営業をするtoBチームと、お客様向けの営業をするtoCチーム、この両方のメンバーが100%サービスの価値に納得して営業できることを心がけています。


結局のところ、営業ではこの納得感が一番大事ですし、サービスの価値を最大限に高めるために不可欠な要素だと考えています。


会社としての明確なミッションは特に設定していません。なぜなら、私たちの事業は、エンジニア系が主体のグループ会社の中では、少し異質な存在であるからです。グループ内には他にもいくつか子会社があるのですが、私たちの役目は利益貢献だと考えています。

 

まだ決算資料に大きく載るような規模ではありませんが、事業を成長させることで利益を上げて、グループ全体の時価総額目標である1,000億に貢献したいと考えています。この考えは社員にも伝えていますし、採用の際にも共有しています。


顧客満足度の高いサービスを提供しつつ、会社全体の成長に具体的な形で貢献することにこだわり、日々仕事に取り組んでいます。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください。

TWOSTONE&Sonsにグループインして、最初の9ヶ月が本当に大変でした。


当初は不動産事業において、解体したい人と解体業者をつなぐマッチングサービス運営の立ち上げを行っていました。この事業は、結果として失敗してしまったのですが、同時に「ドクター交通事故」の事業も始めており2つの事業運営を並行している状態でした。

並行して運営する中でも「ドクター交通事故」の立ち上げは軌道に乗り、かなり上手くいっていたと思います。ただ、正直言うと両方成功させなければいけないという思いが強く、不動産事業の方も社員と私の2人で必死に営業活動をしていました。事業を伸ばそうと必死になる中で、事業をクローズした経験がなかったというのもあり、明らかに失敗している不動産事業をやめる判断ができませんでした。周りの人から見ても私の様子は暗く、自分でも限界を感じていました。


転機になったのは、高原との会話です。

定例を繰り返す中である日、初めて高原から「1つの事業に集中するのがいいのではないか?」といった言葉をもらったときに、「辞めよう」とすぐ考えることができました。高原からの言葉で「やめる選択肢もあるのか」と気づきを得て、気が楽になったんです。そこから「ドクター交通事故」の方に集中できて、業績もさらに上がり始めました。

既存の枠組みを超え多角的に事業展開する

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

長期的な目標として、当社を上場させたいと考えています。


この目標を明確に意識し始めたのは去年の末くらいです。それまでは、単純に事業を伸ばしたいといった思いが強かったです。


事業の利益が増えてくると、優秀な人材を獲得できるようになります。一緒に働きたいメンバーを迎え入れて、彼らと一緒に会社を大きくしていきたいといった思いがモチベーションになっています。

 

今後の事業展開についてお聞かせください。 

現在、社名に込めた由来通り温めている新規事業があります。

 

IRに関わることなので詳細をお話することは難しいのですが、多くの方のお役に立てる貢献度の高い事業なので、発表できるまで楽しみにしていただければと思います。

個人としての展望についても教えてください。

個人的な展望としては「10年で300兆円企業を作りたい」といった思いがあります。


この思いは、尊敬する経営者の方の影響を受けています。30代という若さで約2000億円の資産を持つ、非常に優れた経営者です。


その方が、「新しい事業をつくるならマクロな視点で、自分がどこまで時価総額をつくれるのかを考えて事業領域を選ぶべきだ」と言っているのを知り、大きな刺激を受けました。


以前は、海外での貧困層向けの教育事業をやりたいと考えていました。ですが今は、そういった事業に限定する必要はないと考えています。自分で大きな会社をつくり、そこから多角化していけばいいのではと思うようになりました。


これが私の目標のひとつであり、35歳までには成し遂げたいと考えています。

 

やり続けた人が結果的に成功する

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします。

起業したい人は多いですが、実際に踏み出せる人はほとんどいません。その理由は能力不足ではなく、踏み出す勇気が足りないからだと思います。


起業には、会社を辞めて独立したり、法人化したりとさまざまなステップがありますが、多くの人は、そのための小さな一歩を踏み出すことができません。


起業はお金がなくてもできます。例えば、受託の仕事から始めれば、0円でも起業できるのです。企業のウェブサイトを調べて電話をかけ、仕事を依頼するだけです。クライアントワークから始めれば、誰でも資金ゼロからスタートできます。


成功の鍵はシンプルで、「やり続けること」です。


頭の良さも確かに必要ですが、それ以上に大切なのは継続する力です。多くの成功した経営者が口をそろえて言うように、やり続けた人が結果的に起業に成功し、起業家として認められるのです。


最初は何をすればいいのかわからないかもしれません。しかし、とにかくやってみて続けることが1番大事です。

 

経営者として必要な能力は何でしょうか?

マルチに対応できる能力を持っていることが、私自身の大きな強みであるとともに経営者に必要な能力だと考えています。私はデザインもできるし、コードも書けます。SEOや広告運用の能力もあります。


これは単に個人事業主としてマルチなスキルを持っているということではなく、自分が思い描く会社をつくる上で非常に重要です。


財務や資本政策はもちろん、ウェブサイトの開発速度、効果的な営業施策についても理解があります。これらのスキルを社長である自分が持っているということは、多方面で自分が適切な判断をできるということです。


経営者として、こういった知識がないと損をする可能性が高くなります。この環境で働くことは、社員にとっても大きな成長の機会になるでしょう。

 

また、論理的に話すのも得意です。採用面接などで、応募者のキャリアにとってなぜ当社が良いのかを論理立てて説明できます。要するに、マルチな能力を持ちながら、的確かつ論理的な説明ができることが私の大きな強みだと言えます。


これらのスキルは、基本的に自分で学び、習得してきました。例えば、Webサイトのコンバージョン改善について、最初は外部に依頼していましたが、うまくいかないことが多かったです。そこで自分でデザインを始めました。


何事も必要に迫られてやり始めたわけではなく、自発的に学ぶ姿勢を持ち続けてきました。できることを少しずつ増やしてきた結果が、経営する上で必要な能力につながっていると感じています。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:森口 達也氏

4年制大学在学中に起業を決意し、SEO専門のWebメディアを運営する株式会社2Hundredを設立。その後2021年2月に株式会社TWOSTONE&Sons(当時旧社名:株式会社Branding Engineer)へグループインし、マーケティングプラットフォーム事業の立ち上げに注力する。現在は、交通事故に遭ってしまった方に適切な整骨院を紹介するマッチングサービスを主に運営し事業拡大を図る。

 

企業情報

 

法人名

株式会社2Hundred

HP

https://doctor-koutsu-jiko.com/

設立

2017年10月

事業内容

マッチングプラットフォーム事業

沿革

2017年10月 株式会社2Hundred設立

2021年2月 株式会社Branding Engineer(現:株式会社TWOSTONE&Sons)へグループイン

2021年8月 「ドクター交通事故」の提供開始、現在のプラットフォーム事業へ

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