株式会社K WAVE 代表取締役 松本 晃平

株式会社K WAVEは、事業戦略コンサルティング、システム開発、マーケティングを独自の形で融合させたアプローチをおこなう企業です。2016年から積み上げたAI研究開発の実績を武器としながら昨今の生成AI活用課題を筆頭に、業界の垣根を超えた革新的なソリューションを次々と生み出しています。今回は、代表取締役の松本晃平氏に事業内容や今後の展望なども含めて、詳しくお聞きしました。

 

事業戦略からマーケティングまでを一貫サポート

事業の内容をお聞かせください。

当社では、事業戦略のコンサルティングを軸に、システム開発とマーケティングを統合的に提供しています。主に、サービスやプロダクトの開発・普及に課題を抱えるお客様をサポートし、集客や認知度向上、人材採用、売上拡大など、お客様の優先課題に応じてアプローチをおこなっています。

 

また、近年はAIへの需要が高まっています。当社では2016年からAI研究開発に注力してきました。その経験を活かし、旅行アプリ会社のSSIプラットフォーム開発や、国内最大級のライバー事業を運営するイベント会社のAIシステム開発などを手がけています

 

他社にはない貴社の強みを教えてください。

当社の特徴は、技術力の高いシステム開発とマーケティングを高クオリティーで同時に提供できる点です。これは当社で積み上げた事例がそのまま強みになっていると言えるでしょう。

 

その理由として1点目は、ネパールに150名規模のエンジニアチームを持ち、10年近く一緒にやってきた実績があります。この積み上げが結果的に、円滑なコミュニケーションと効率的な開発プロセスを実現しています。

 

この協力関係が、安定した開発体制を可能にしています。特にここ2〜3年は事故率0を維持しており、お客様に大きな安心感を与える重要な要素となっています。

 

それに加え、私自身がマーケティングや営業の出身で、自社のメディアサイト制作やSNS集客の経験があります。そのためシステムをつくるだけではなく、世の中に広めていくマーケティングのところまで、実践的なサポートが可能です。

 

戦略立案からシステム開発、マーケティングを実行し伴走するまで、一貫してカバーできることが当社の強みです。技術力と営業・マーケティングのノウハウを掛け合わせて、お客様の事業課題を総合的に解決できます。

 

潤沢な資金があれば、それこそ大手に発注するのではなく弊社を選んで頂くことできめ細やかな計画性と要件を組み合わせることが可能となります。
よって大手では割高となりがちな予算を、弊社では満足度の高い品質と予算で総合的に価値提供出来るところが決定的な違いと、強みです。

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

現在の「戦略コンサル」の事業をするまでは、紆余曲折がありました。

 

最初は証券会社出身ということもあり、金融投資事業からスタートしました。というのも、当時はマーケットから資金を調達して、インキュベーションファンドみたいなことを考えていたからです。実際、運用もそこそこ上手くいっていた時期もあってマーケットから資金調達もできて、今で言うエンジェル投資家としていくつかの案件に小口投資してました。

 

しかし、契約書やお金周り、そして人間関係などさまざまなトラブルがあり、資金ショートの危機に陥ってしまったのです。そこで創業メンバー3人で、「上手く行かなかったら解散」という条件を定め、物販のアフィリエイトを新しく始めました。

 

アフィリエイトではある程度うまくいき、なんとか挽回していきました。ですが、あるゲームアプリの月商が100億円というニュースを見て、私たちは月100万円前後で喜んでいたのに、同じ1ヶ月でこんなに差があるのかと驚愕しました。

 

そこで私は、「これからはアフィリエイトではなくゲームだ」と思ったのですが、一度ゼロから立ち上げた事業をまた廃業するのか、と他のメンバーとの価値観の違いが生まれまして、上手く行ってはいたのですが結果的にチームは解散しました。

 

その後間も無くしてソーシャルゲーム開発事業にピボットしたのですが、私自身が半年で違和感が出るようになってしまったのです。しかしながら、金融投資、アフィリエイト、ゲーム事業と短期間で事業を転々とするのは、何をやっている会社なのかわからなくなりそうだと感じたので、ひとまずゲーム事業を撤退するのを踏みとどまろうという決断をしました。その後もオリジナルIPでソシャゲを開発してリリースもしてみましたが、そんな中途半端な気持ちだったため、後から思うと細かい綻びが連鎖して、早々にクローズする事態に追い込まれました。その過程を2年弱ほど歩んではいたので、業界のネットワークもできていたこともあり、クローズ後は大手ゲーム会社のセカンダリー運用業務を手伝い始めました。

 

ソシャゲのセカンダリー運用を2年ほど続けていた当時、ピボットして半年で出てた違和感の1つである、大手IPタイトルの波がいよいよ大きくなってきた2016年にたまたま、ネパールのエンジニアチームとの出会いがありました。そのタイミングで弊社は一気にゲーム業界を退く意思決定をし、システム受託開発の仕事を始めました。

 

すると今後は、開発の営業をしていく中でクライアントのマーケティング課題解決の重要性を感じるようになりました。その時がちょうどコロナ禍ということもあり、今が新規事業を立ち上げるチャンスだと捉え、マーケティング部署の立ち上げを決意しました。最終的に、一度解散した創業メンバーと再び手を組んで、マーケティング部署を立ち上げることが出来ました。

 

その後は自社運用していたSNSのノウハウ提供やオウンドメディア立ち上げ及び運用、システム開発、そして開発案件時から取り組んでいた事業及びシステム戦略コンサルティングと、総合的なサービスを提供する今の形になったのです。

 

振り返ると、全ての経験が今の事業につながっていると感じています。

 

仕事で最も重要なKPIは「丁寧なコミュニケーション」

仕事におけるこだわりを教えてください。

シンプルですが「コミュニケーションをきちんと取ること」です。報告・連絡・相談を素早くしっかりできるかどうかが仕事において、最も重要なKPIではないかと考えています。

 

どれほど素晴らしいサービスやコンテンツにおいても、コミュニケーション設計ができていなければ、誰にも見向きもされません。コミュニケーションを雑にする人は、仕事が早くても必ず歪みが生じます。そういう意味で私が譲れないこだわりは、「丁寧さ」という言葉に集約されます。

 

それと「ワクワクすること」も大切にしています。人間は基本的にネガティブだと思っています。だからこそ、ポジティブな思考や習慣が大切ですし、物事の発展や進化につながると信じています。

 

ただし、ただのポジティブ一辺倒なだけではダメです。想像力を働かせて、「こうなったらもっと豊かになる」「より良くなる」と俯瞰して全体像を戦略的に捉えることが大切です。そういうポジティブな想像力の使い方が「ワクワク」につながります。だから私は、ネガティブな想像力ではなく、ポジティブな想像力の使い方を大事にしています。

人間関係の構築にも譲れない軸があるとお聞きしました。

当社では、人間関係の構築を重要視しています。「社会のKeyになる」という当社の企業理念は、ビジネスだけでなく人間関係にも適用されると考えています。

 

私が最も大切にしているのは「誠実さ」です。誠実さは、人との付き合いを判断する際に重要なポイントになります。例えば、この人とどのような関係を築けるか、トラブルを起こす可能性はあるか、信頼できる人かどうかなど、こういった判断の際に誠実さは大きな意思決定の役割を果たします。

 

この原則は、仕事をする相手や支援してもらう相手、資金調達の相手、仕事を紹介してもらう相手などあらゆる関係性に適用されます。さらに、企業が抱える課題に対しても、誠実に向き合えるかどうかを重視しています。

 

私は、社会をミクロな個人の集合体だと捉えています。個人個人における「Key(鍵)」となるのが誠実さや実直さ、思いやり、他者への想像力を働かせる能力だと信じています。基本的なことかもしれませんが、弊社の理念でもあり譲れない大切な価値観です。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

起業して最大の壁は、人の問題が真っ先に思い浮かびます。特に事業をピボットするタイミングでは、常に人が不足していて全方位自分でやることになりました。

 

会社員時代は、雑務も含めたくさんの手間を周囲の人がカバーしてくれていたんだ、と気づきました。あれもこれもまずは自分がやらなくては進まないということが、起業初期の壁の一つと言えるでしょう。組織を構築していく今でもですけど、人に関する課題は本当に起業家を試すものだと痛感しましたし、バイアウトして再度人間関係を構築されてる方や社会との接点の持ち方に四苦八苦してる方とかも見ていると、人間関係というのはどのフェーズで生きていても、切り離せない永遠の課題と捉えております。

日本ならではの価値を世界に届けたい

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

私のモチベーションは「会社のトップとして歴史に残る企業を築くこと」です。

 

このモチベーションは私の家系の歴史と深く関わっています。私の家系には、いわゆる「出世した人」が現役でも何人かいます。しかし、トップとして出世した人は親戚にしかいません。

 

なので私は、自分がトップとしてどこまで走り続けられるか、歴史に名が残る会社をつくれるかにこだわっています。それが私が事業を続ける理由でもあります。300年、500年と続く会社をつくって、「あの会社の創業者は誰々だ」って言われるところまでいきたい、そのためには自分の周りの人たちや企業様の課題から1つずつ解決して、1つでも多くの価値を提供し続けていきたい、この思いが私の使命感になっています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

正直、やりたいことが山ほどあって、どこから話せばいいか迷うのですが、まず、会社のIPOを視野に入れています。ただ、どの国の市場で上場するかはまだ決めていません。

 

弊社は香港にも支社があり、ネパールとの連携や関係強化も引き続きおこなっています。また、私自身も小中学生時代にベルギーとドイツで暮らした経験があります。そのような経験を活かして、世界的なネットワークを広げていきたいと考えています。

 

そして、日本の良さや日本人の強み、日本ならではの価値を世界に届けていきたいです。他の国と比べると、日本は本当に安全で住みやすい国です。食事も美味しいし、ホスピタリティも高い、こういった日本の魅力をもっと多くの人に知ってもらい、日本人が外国人に価値提供することで安心して享受できる生活基盤をつくっていきたいと思っています。

 

ただ、日本企業の海外進出にはまだまだ課題があります。ですから、海外に価値を提供したい企業のサポートもしています。当社が直接サービスを海外に提供するというよりは、企業の海外進出するための環境構築の支援を強化したいと考えています。

 

それに加え、日本で働く人たちの待遇改善にも取り組みたいです。簡単に言うと、僕のネットワークや経験やノウハウを活かして弊社で働く人たちの給与や待遇のベースアップや福利厚生の充実を図れる仕組みをつくりたい、これが今後社内でやりたいことの一つです。

迷っているなら今日からスタートを切るべき

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

私からのメッセージは簡単です。「今すぐ起業してください」です。

 

私の中での起業の定義は、「時間に捉われない収入源を持つ」ことです。アルバイトや固定給をもらっている環境から翌月の収入に変動がある事業を興しましょう。それだけで十分に起業の一歩となり、続けることで経験値が積まれていきます。

 

また、起業はアクションを起こしてこそ意味があります。今日が一番若い日なのですから、起業しようと思っているなら、迷わず今日からスタートを切るべきです。私の座右の銘の1つに、「迷ったらGO」というのがあります。ぜひ一歩を踏み出してください。

 

振り返ってみると、起業前にもっと学んでおけばよかったと思うこともあります。特に、お金に関する知識は重要です。財務や会計の基礎、特にPL(損益計算書)の見方などは押さえておくと有利です。また、税金や社会保険の仕組みなども理解しておくと、経営面でのリスク管理に役立ちます。

 

それから、人脈づくりも大切です。私自身は本当に思い立ったらすぐ行動で、人脈形成もままならない状態で起業しましたが、事前にネットワークを築いておくと、起業後の展開がよりスムーズになるでしょう。

 

ただし、大切なのは行動を起こすことであり、勉強は起業してからでも継続してできます。

 

最後に繰り返しますが「今すぐやる」が大切だと思います。
もし起業に迷われてる方、困ってる方、アイディアが不安な方、そうは言っても行動に起こせない方、前に進めない方は僕で良ければアドバイスしますので連絡ください。

 

FacebookでもXでも良いのでメッセージをもらえたらお話するお時間作ります。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:松本 晃平氏

 

企業情報

法人名

株式会社K WAVE

HP

https://kwave-inc.co.jp/

設立

2011年7月19日

事業内容

  • ビジネスデザインサポート
  • デジタルプロダクト開発
  • コンテンツマーケティング
  • DXコンサルティング
  • デジタルプロダクト保守運用

 

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