株式会社Growth One 代表取締役CEO 武石尚大

「顧客を勝たせるシステム開発」をミッションに掲げる株式会社Growth One。幅広い開発領域に精通し、大手企業からスタートアップまで多様なクライアントのニーズに応える最先端のITソリューションを提供しています。

18歳でWeb制作会社を起業し、イノベーションの最前線で奮闘し続けている代表取締役CEOの武石尚大氏に、事業を始めた経緯やモチベーションの源泉、さらに今後の展望などを詳しくお伺いしました。

 

新規事業の立ち上げを成功に導く伴走型サポート

事業の内容をお聞かせください

当社は、新規事業や新サービスの立ち上げを伴走型でサポートする事業を行っています。具体的には、新規のアプリやWebサービスの開発、新規市場への参入などを検討している顧客に対して、企画段階から実装、収益化までを一貫してサポートしています。


当社の強みは、コンサルティングと開発の両方をサポートできる点です。

 

特にコンサルティングについては私の今までの経験を活かし、マーケティングの観点を取り入れた事業計画の策定や、収益性を考慮した開発プロセスの設計など、ビジネス面と技術面の両方を見据えたアプローチが可能です。

 

また、当社の属しているTWOSTONE&Sonsグループは、約5万人のITエンジニアとのネットワークを持っています。これにより、ほぼすべての技術領域をカバーすることができ、顧客のニーズにも柔軟に対応できます。


このように、コンサルティングと開発の両方の機能を持ち、企業の成長に深くコミットする伴走型のサポートを提供できる点が、当社の最大の特徴であり強みだと考えています。

 

どのような企業をサポートしていますか?

当社の主な顧客は、ある程度成熟し始めたベンチャー企業が中心です。

具体的には、単一の事業で売上5億円〜20億円程度を達成しているけれど、さらに成長を求めて新規事業を立ち上げようとしている企業が多いです。


ただし、顧客を限定しているわけではありません。大手企業も含め、幅広い企業と仕事をしています。重要なのは、顧客の規模ではなく、顧客の新規事業のグロースに対する意欲と、私たちの提供する価値が合致することです。

 

コンサルティングも強みとしているからこそ、開発を外注して良いものをつくるという要素だけではなく、企画段階からのサポートや、プロジェクト全体のマネジメントに価値を見出してくれる企業とのパートナーシップを大切にしています。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

自身の境遇や環境から、「雇われることが難しいのならば、自分でやるしかない」と考えたのが、起業の最大のきっかけです。私は学生時代「一般の会社に就職する」といった選択肢は考えていませんでした。

 

学生時代病気を患っていたため、高校に満足に通うことができなかったこともあり、学力が特に高いということもありません。加えて、16歳の頃に家庭で金銭的な問題が発生したこともあり「自分の生活は自分でどうにかしよう」というマインドが自然と生まれていました。

 

高校を一度中退して朝から晩までアルバイトをしていた時期もありましたが、通信制に通って最終的には卒業しています。そして、高校卒業後にプログラミングスクールに通ってカリキュラムを終えた後に、Web制作会社を起業しました。

 

起業前にプログラミングを学ぶことを選んだ理由は、当時の市場の流れ的に1番活発であったというのが正直なところです。“企業に雇ってもらえない”と感じていた当時の自分自身の状況を踏まえ「何をやるか」を考えた時に、当時勢いが盛んであったプログラミングの波に乗って、自分でスキルを身につけた方がいいのではと思いました。

 

このような経緯で、市場の流れと個人的な事情が重なって、プログラミングの道に進み、起業することになりました。Web制作会社を起業した後は、ご縁があり受託開発とアドマーケティングの事業にも携わるようになりました。この時にWebや開発の実務知識だけでなく、デジタルマーケティングのノウハウをかなり身に着けることができました。

 

その後、現在の親会社であるTWOSTONE&Sonsの代表高原に出会い、「一緒にやってみないか」とお話をいただき、若くして上場を果たした彼の存在にも惹かれグループインしました。そして、2023年の9月に当社を設立して今に至ります。

 

真の顧客価値を常に追求し続ける

仕事におけるこだわりを教えてください。

私たちの仕事のこだわりは、ミッションでもある「顧客を勝たせるシステム開発」を常に考えることです。


例えば、新規事業の提案や開発のご相談をいただいたときも、「顧客にとってメリットがあるか」を重視し提案やお話をしています。


「この事業は4年で5億円ほどの赤字を出す可能性がありますが、御社にその体力はありますか?」というように、その企業の新規事業が短期的には成功しない可能性が高いと判断した場合、躊躇なくそれを伝えます。目の前の案件受注よりも、コストなどの観点から状況や予測を立て率直に説明し、顧客と一緒に勝てるかどうかを判断するようにしています。


それに加え「当社の社員は、顧客の収益が上がると非常に喜ぶ」という特長があります。通常、開発会社のエンジニアにとって自身のモチベーションと顧客の収益は直接関係ないものですが、当社では顧客の成功が社員のモチベーションにつながっています。


これは、エンジニアを大切にし、離職率を下げるといった観点からも重要です。顧客の利益を上げることで、社員のモチベーション維持できる、この両方を同時に達成できるのは、私にとって非常にありがたいことです。


このカルチャーは意図的に形成されたわけではありません。おそらく、当社が上流工程から関与し、PMやエンジニアを含めて全員を巻き込んでプロジェクトを進めているため、自然とこの意識が形成されたのだと思います。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

現在私の年齢は22歳なのですが、経営者としてこの「年齢の若さ」については、常にひとつの壁だと感じています。


特に受託開発の分野では、請け負う側の年齢や経験が重視される傾向があります。なので、長年の実績を持つ大手企業や、10年、20年と受託開発を続けてきた会社はやはり強いです。案件を獲得する上で実績があるかないかで、圧倒的な差がつくのが現状です。


ですが一方で、新規事業に関しては、私のような若い人の方にもチャンスがあります。若い人が持つ固定観念にとらわれない柔軟な発想や、最新の市場動向への理解が、新規事業のご相談には有利に働くことがあります。


企業が新規事業を始めるにあたって「実績などにより培った考え方の人・若くて“今の”市場をよく知る人」どちらに相談するかといった選択肢において、後者を選ぶ企業も少なくありません。経験と実績がものをいう受託開発の領域において、新しい視点や若い意見を求める会社も確実にあるのです。


もちろん、新規事業の内容によって一概には言えません。しかし、若さゆえの困難と同時に、若さゆえの可能性も確かに存在すると感じています。

 

新規事業立ち上げを見据えた長期戦略

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

私の中で最も大きいモチベーションは、「自分の会社の上場」への思いです。


18歳で起業して以来、上場することを目指してきました。特に最初に起業した会社で出会い、亡くなった仲間との約束が、私の中で大きなモチベーションになっています。その仲間とは「最年少で上場しよう」という話をいつもしていました。


今でも毎年お墓参りに行くと、その仲間の母親に「息子が上場の話をよくしていたよ」と聞かされます。私にとって上場することは使命となっていて、絶対にやり遂げなければと思っています。


この想いがあり今はグループの子会社として、上場を目指しています。まだ1期も経っていないので、現実的には上場を目指せるレベルではありません。今はトップラインを上げることと、成功事例をより多くつくることに集中しています。


ある程度会社として成熟してきたり、人数が増えてきたりしたら本格的に上場を目指す段階になるでしょう。上場することは、私個人のエゴかもしれませんが、同時にモチベーションの源になっています。

 

どのような時にやりがいを感じますか?

私にとって仕事のやりがいは、正解のない道を自分なりに切り開くことです。成功する方法を知らないまま、ただひたすらに取り組み続けているところがあります。


私は、周りの人に「こちらが正解だ」と言われても、そのまま受け入れるのではなく、自分の信念に基づいて行動するタイプです。だからこそ、経験豊富な経営者から「その道で間違っていない」と言われると、本当に励みになります。


正解のないビジネス世界で自分の判断を信じつつ、時に背中を押してもらえる緊張感と安心感のバランスが、私を常に前に進ませてくれています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

私個人の展望としては、これまで多くの新規事業に携わってきた経験を活かして、自分の新規事業をつくり出したいという思いがあります。自分の手で新しいものを生み出し、形に残したいと考えています。

 

ただ、これまでに様々な顧客の新規事業に向きあってきたからこそ実感するのですが、新規事業は赤字になりやすく、特にマーケティングコストが非常にかかります。そう考えると、当社にはある程度のキャッシュが必要です。ですので、20代のうちは受託の仕事などでキャッシュを貯めつつ、30代から本格的に0から1をつくり出すプロジェクトに挑戦したいと思っています。

 

私は現在22歳なので、周りからは「もっと早く実現するんじゃない?」ともよく言われます。加えて私の頭の中では新規事業のアイデアも豊富に出てきますが、今は目の前のやるべきことに集中する時期だと捉えています。

 

また、顧客の新規事業に関わっていると「もっとこうしたい」という思いが湧いてきます。市場を調べていくと「こういうサービスはまだないのか」といったこともわかってきます。これらの気づきや経験は、将来の自分の事業に活かせるでしょう。

 

今はキャッシュを貯め、経験を積み、市場を見極めながら、将来の自分の新規事業に向かって歩んでいきたいと考えています。

ハングリー精神が必要不可欠

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします


私の経験から言えるのは、起業にはハングリー精神が必要です。


「起業してもいいかな」程度の温度感では、正直やらない方がいいでしょう。その程度の思いなら、会社に勤めた方が将来の選択肢を広げられるかもしれません。


起業の道に進むのならば、まず自分のモチベーションをしっかり見極めてください。なぜ起業したいのか、何をやりたいのかを明確にすることが重要です。それが決まったら、アクションを起こし意思決定していくことで良い方向に進んでいくはずです。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:​​武石尚大氏

17歳の時にスクールでプログラミングを会得した際、Webサービスの魅力とビジネスの可能性を感じ、18歳でWeb制作会社を起業。

デジタルマーケティングのノウハウも得るため、2020年に株式会社TechFamilyのCEOに就任し、システム開発とデジタルマーケティング領域の運営に約3年間携わる。

その後、2023年4月に株式会社TWOSTONE&Sonsに入社し、受託開発の新規事業を立ち上げ、「株式会社Growth One」として子会社化と同時に、同社の代表取締役CEO就任に至る。

 

企業情報

法人名

株式会社Growth One

HP

https://growth-one.co.jp/

設立

2023年9月1日

事業内容

システム、webサービス、アプリなどの受託開発

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