【#262】広告代理店事業で次の100年に挑戦。「チャレンジ→成長→次世代への還元」の循環を生みたい|代表取締役 豊嶋 玲(株式会社ロットネスト)
株式会社ロットネスト 代表取締役 豊嶋 玲
クリニックやパーソナルジムなど来店型サービスに特化したインターネット広告代理店事業を営む株式会社ロットネスト。予約ではなく「成約」にこだわり、マーケティングパートナーとして独自のダッシュボードを駆使したサービス支援を行っています。今回は、事業を通じて社会をより良くしたいと語る代表取締役の豊嶋玲氏に、事業の詳しい内容や今後の展望について伺いました。
来店型サービス専門の広告代理店事業を展開
事業の内容をお聞かせください
当社は、来店型サービスに特化したインターネット広告代理店事業を展開しています。自費診療のクリニック、フィットネスやパーソナルジム、探偵事務所や教育スクールなど、お客様に来店していただいて契約に結び付ける事業モデルの企業様を中心にマーケティング支援を行っており、これまで20社ほどお手伝いをしてきました。
集客においては無料カウンセリングや問い合わせを増やすのが最初のポイントですが、来店型のサービスは、集客をして来店していただく来店率と、更に来店されてから契約いただくまでの歩留まりがあります。我々は、来店率や契約率が低いのはなぜか、そしてどうやって上げるのかを可視化し、それらを独自のデータのダッシュボードを使ってコンサルティングするのが強みです。
それから、広告効果を出す中では、メディアを把握しつつクライアントのサービスや会社をどのように見せるのかというクリエイティブの変数が大事だと思っています。ここに関しては、実店舗の撮影に行かせていただいてそれをクリエイティブに落としたり、来店型サービスに最適なエリア選定を行ったりするなど、こういったナレッジが溜まっていくことが他の代理店にはない特徴と言えます。
また、当社はクライアントの内部まで入るような常駐型マネージメントも行っています。来店型サービス企業のマーケティングの実態として、現場から課題が上がってきたり現場と連携をとって会議を行ったりする場面が多く、店舗の方にマネージメントソースが寄る傾向にあります。そのため、意外にマーケティング部としての機能がリソースとして担保できていない状況があるのです。
そこで当社は、マーケティングの一端を担ったり内部の方とコミュニケーションを取りつつケースバイケースに分析や判断をします。普通ならその都度、共有を行わなければなりません。しかし、我々は社内の状況が分かりWebの知見もあるため、連携の取りやすさが一般的な代理店とは違う点です。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
実家が鶏卵業を営んでおり、昔から心のどこかで商売をやるものだと思って育ってきました。そして大学生で学生ベンチャーを経験したことが起点となり、社会人3年目の時に考えた「次の100年を創る」という構想を実現させるために起業しました。
学生ベンチャーでは「ワンランク上の学生を創る」をテーマに、実力で就活する学生が増える時代のロールモデルになりたいという目標を持って団体を作りました。売れなければ儲からない完全成果報酬型の営業でしたが、良い具合に気合いが入り、自分の人生を変える覚悟を持つきっかけになったように思います。その成果が出てリーダーになった時は大変でしたが、勉強して実践したり、仲間の成長を体感できたりすることが非常に面白かったです。
当時の泥臭い経験から、人生の幸せは”経験の数や深さ×誰とやれたかの面積”だと気付きました。この化学反応をもっと大きな規模で起こせたら最高だと思っていたところ、たまたまサイバーエージェントという会社に出会い、ここだったらやりたいことを実現できそうだと思って入社しました。
そして6年間広告事業部に勤めたのち、次世代を担うプロダクトを生み出すべく「次の100年を創る」というコピーを濱田と作り、自分の強みであるインターネット広告事業を始めました。
正直なところ、その構想を実現する手段としては何でもよくて、何をするかはビジョンの中の1つのパーツでしかありませんでした。事業をする中でできた産業、生まれた人材や資金などを用いて、中高生や大学生への個人への投資、社会をきちんと伝えにいく環境づくりや教育を行い、未来に繋がる循環を促したいというのが一番軸となっている思いです。
関わるすべての人たちの幸せが大事
仕事におけるこだわりを教えてください
消費者を始め、制作会社、ITのツールベンター、パートナー企業など、関わるすべての人たち全員に誠心誠意を持ってきちんと価値を返す、この三方良しがとても重要だと思っています。
中でも、一緒に働いてくれている仲間の幸せは最も重要な要素です。社員やロットネストに共感してくれる人たちが、いかに生き生きと働くか、自分の意思を持って働けるかを重視しつつ、モチベーションや成長、人生の幸福にどう還元できるかを常に考えています。
そのために、企業文化を言語化することはこだわっている部分です。社会性、事業性、チーム力、この3つを成り立たせる上では理念と文化が非常に大切であるため、浸透させられるよう意識しています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
今まで壁と感じるものはあまりありませんでした。しかし「次の時代に向けての循環を作る」という構想は壮大で綺麗な絵空事のようなビジョンであり、今後は大変なことも出てくると思います。
実際は広告事業1つ成り立たせるだけでも大変ですが、今後は広告事業のみならず日本のグローバルやインバウンドを取りに行けるような産業と新規事業にもチャレンジしなければならないと思っています。これら3つに挑戦していくにはもっと解像度を上げなければなりませんし、もっとリソースや戦略性といった会社の力をつけなければいけないと思います。
そして現在もう1つ向き合っていることは、新規顧客を獲得することです。より中長期で見た時には、他の代理店との違いを明確化し、マーケットの中で認知され指名される会社づくりをしなければならないと思っています。この3期目では新規顧客に対する投資やPRに力を入れ、事例を作って発信するべく動いていこうと思っています。
自分たちの取り組みが結果に繋がっていることが誇り
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
自分についてきてくれる人や応援してくれる人たちがいて、それがエネルギーになっています。周りの人たちをハッピーにしたい、そういった責任感や使命感が原動力になっているのかもしれません。
また、ほとんどのクライアントから「絶対に担当者を変えないでほしい」と嬉しい言葉をもらっており、これは代理店冥利に尽きるとても凄いことだと思っています。
広告代理店ビジネスは、予算をいただくからどんどん伸びるもので、逆に言うとクライアントの予算が伸びない場合はリソースを下げざるを得ず代理店は全然力になってくれないと不満を言われることも多いんです。そんな中、当社はほとんどのクライアントから担当者を変えないでほしいと言われるくらい顧客満足度が高く、それが非常に誇りになっています。担当営業者として本気で取り組んでいること、また業界に詳しいためスピーディーにアドバイスができることが信頼を獲得する要素となっている気がします。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
今後確実に日本の人口が減っていく中で、次の世代の子どもたちが大人になった時に誇れる日本であるために、私は童心溢れる社会を作りそれを循環させていきたいと思っています。仕事を通じて人が成長できる場があり、成長した人材が飛び出て新しい産業を作る、そしてその産業で作ったものが日本経済にとって良いものであるといいなと思います。
先にも述べた通り、将来的には海外に向けてインバウンドやグローバルマーケットを目指して展開したいと思案中です。海外での商売を通じて産業や人材、資金を生み出せたら、次は子どもたちに投資したいと思っています。
私は教育という概念を大事にしていて、新しいチャレンジを通してできたコンテンツや経験をきちんと子どもたちの教育に還元することや、子どもたちがチャレンジしたいと思った時にチャレンジし応援できる環境への投資が非常に大切だと考えています。
日本と社会が分断されることなく働くことや起業というものを伝え続けていきたい、そういった思いを持ちながら好循環を促すことが今後の目標です。
少しでもワクワクして挑戦しようとする芽を大切に
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
自分が気になったり面白いと感じることを一生懸命やることが大切です。選んだものが正解かどうかや、大きいか小さいかはあまり関係ないと思っていて、自分の人生を考え意思を持った良い選択をする回数の方が私は大事だと思います。
例えば、自分が高校に行く理由をきちんと考えて学校を選んでいる人は少ないのではないでしょうか。日本の公的な教育プログラムでは良い意思決定を体得していくことが難しい背景があるため、個別的に支援してあげるのが大人の役目であり、社会の役目かなと思っています。
自分がなぜそれをしたいのかを考える習慣と、良い選択をする経験をどれだけ積めるか、これを軸に是非チャレンジしてみてください。
採用を行っているそうですが、どのような人材を求めますか?
当社のテーマは、未来を想い、幸せを生み出す童心溢れる挑戦です。中でも、次世代の子どもたちのためにどういうバトンを渡せるかは一番集約された部分になります。
次の10年、20年で、これを作ってよかったという産業を紡ぐ挑戦への意欲や、日本を良くしたいという思いがある人は、学生、社会人問わず是非声を掛けてください。
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本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:豊嶋 玲 氏
大学2回生の時に、学生ベンチャー(訪問販売組織)で営業としてスタート。大学3回生の時には、代表として全国200代理店の中で会社/個人1位を達成し、その後新卒でサイバーエージェントへ入社し、広告事業部で6年間勤める。サイバーエージェントでは、4年目より営業局長として従事。培ってきた組織力と、マーケティング力で次世代を担うプロダクトを生み出したいと考え起業。
企業情報
法人名 |
株式会社ロットネスト |
HP |
|
設立 |
2022年4月1日 |
事業内容 |
広告代理店事業 |
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