えほんインク株式会社 代表取締役CEO 国則 圭太
えほんインク株式会社は、お客様一人ひとりの想いやストーリーを形にするオーダーメイド絵本ギフトサービスを提供しています。代表取締役CEOの国則圭太氏は、デザイナーとしての豊富な経験と、家族とのコミュニケーションを大切にする想いからこの事業を立ち上げました。現在、子供向けから大人向けまで幅広い絵本サービスを展開し、顧客の感動と絆を深めるサポートを行っています。絵本を通じて「大切な人との心をÉHONでつなぐ」ことをビジョンとして掲げる、代表取締役CEOの国則 圭太氏にお話を伺いました。
「絵本で心をつなぐ」オーダーメイドギフトサービスの誕生と展開
事業の内容をお聞かせください
えほんインク株式会社では、オーダーメイド絵本ギフトサービスを主力事業としています。お客様がWeb上で自分や大切な人を主人公にした絵本を簡単にカスタマイズできるのが最大の特長で、多くの方々からご支持をいただいております。
私たちのサービスでは、キャラクターや名前、メッセージをお客様自身が自由に設定でき、注文後は7営業日以内にオリジナルの絵本をお届けしています。特にお子様向けの絵本は大変人気があり、桃太郎やシンデレラなどのおなじみのキャラクターになりきることができるため、子供たちにとって自分自身が物語の主人公として物語に入り込む感動を味わっていただけます。
また、私たちは大人向けの絵本も提供しており、ウェディング用やプロポーズ用など、人生の重要な瞬間を彩る特別な絵本をお作りしています。例えば、結婚式では新郎新婦のお二人の出会いから結婚に至るまでのストーリーを絵本にすることで、ご家族やゲストへの思い出深い贈り物としてご利用いただけます。
さらに、プロポーズの瞬間を絵本にして特別な想いを伝えることで、普段はなかなか言葉にできない気持ちを、絵本を通じて形にすることができるのです。こうしたお客様一人ひとりのニーズや想いに応えられる点が、私たちの絵本サービスの強みだと感じています。
加えて、企業様向けのオリジナル絵本の制作も行っています。企業様が顧客や従業員に伝えたいメッセージやブランドイメージを絵本の形で表現することにより、より深いエンゲージメントを築くお手伝いをしています。
例えば、企業の周年記念イベントでのオリジナル絵本制作や、新入社員の研修の一環として企業理念を伝えるための絵本など、さまざまなシーンでご活用いただいております。これにより、絵本を通じて企業と人とのつながりを強化し、心のこもったコミュニケーションを実現するサポートをしています。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
私はもともとデザイナーとして広告制作やイベントの空間デザインに携わっていましたが、絵本の事業を始めたきっかけは、自分の子供との触れ合いでした。
子供が生まれた当時、忙しい日々の中でなかなか一緒に過ごす時間を持つことが難しかったのですが、絵本の読み聞かせだけはできる限り時間を作って行っていました。その中で、ある日子供の名前を物語に入れてみたところ、それを非常に喜んでくれたのです。「自分が主人公になれる絵本があれば、もっと多くの子供たちに喜んでもらえるのではないか」と感じ、この事業を始めました。
最初は我が子のためだけにアレンジを加えていたのですが、その反応が非常に良かったため、これを他の親御さんにも届けられないだろうかと考えました。自分のデザインスキルを活かしてオリジナル絵本をオーダーメイドで作るサービスを始めることを決め、2019年に「オーダーメイド絵本ギフトサービスÉHON INC.」をリリースしました。2022年には事業をさらに拡大するため、えほんインク株式会社を設立するに至りました。事業をスタートした時は手探りの状態でしたが、次第に多くのお客様からご依頼をいただけるようになりました。
「一切の妥協を許さない」最高品質を追求する仕事へのこだわりと挑戦
仕事におけるこだわりを教えてください。
私が仕事で最もこだわっているのは「クオリティの高さ」です。デザイナーとして培ってきた経験を活かして、絵本の品質やイラストの完成度、そして物語の細部に至るまで徹底的にこだわり抜いています。オーダーメイドの絵本は、お客様にとって一生の宝物ですし、その瞬間を形にするものですから、品質に妥協することは一切ありません。
例えば、絵本に登場するキャラクターの表情や背景、色彩など、すべてのディテールに細心の注意を払い、お客様一人ひとりの想いを丁寧に反映しています。また、オリジナルキャラクターを作成できるアバターシステムも導入しており、これによってお客様だけの特別な絵本を実現できるよう努めています。アバターキャラクターも自分の分身として愛されるようにパーツの組み合わせパターンを100万通り以上にする等細部までこだわり抜いています。
また、納期や品質管理も非常に重要視しています。お客様が期待するタイミングで確実にお届けできるよう、社内の制作プロセスを効率化しながらもクオリティを保つための研修やチェック体制を整えています。「期待を超える絵本をお届けする」という信念を持って日々の業務に取り組んでいます。
起業から今までの最大の壁を教えてください
最も大きな壁と感じたのは、新規事業を立ち上げる際の「不安と無知」です。私はそれまで長年クライアントワークに携わっていたため、経営に関する知識や資金調達のノウハウをほとんど持ち合わせていませんでした。特に資金調達に関しては、何をどう進めていけばいいのかさえ全く分からない状態で、最初の一歩を踏み出すこと自体が非常に難しかったです。
エンジェル投資家の方々に何度も相談を重ね、金融機関とも交渉を続ける中で、ようやく資金調達の仕組みやビジネスプランの作成について学んでいきました。これらの経験は非常に大変でしたが、その一つひとつが大きな学びとなり、今では事業運営に欠かせない知識やスキルへと繋がっています。
また、組織づくりや人材の採用についても数多くの困難に直面しました。最初は私を含めてわずか数名の小さなチームでスタートしましたが、事業が拡大するにつれて、「どうやって優秀な人材を引き寄せ、チームとして一丸となって取り組んでいくか」という課題に直面しました。組織の成長に伴って、社員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、モチベーションを維持しながら全体のパフォーマンスを高めるための組織づくりは想像以上に難しかったです。
しかし、試行錯誤を繰り返す中でチームメンバーとの信頼関係を築き、各自の強みを活かした役割分担を行うことで、少しずつですが自分なりの経営スタイルを確立することができました。これらの経験は、今でも私自身を支える大切な財産となっています。
「絵本を通じて届ける笑顔と幸せ」進み続ける原動力
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
私のモチベーションは「ÉHONを通じて心をつなげる」ということに尽きます。お客様が自分の作った絵本を手に取って「これ、私の絵本だ!」と喜んでくれる瞬間を目にすると、本当にやりがいを感じます。
それだけでなく、実際に絵本を贈られた方がそのストーリーに共感し、家族や友人と一緒に絵本を読むことで自然と会話が生まれたり、思い出を共有するきっかけになるといったお話をいただくことも多いです。このような体験談を伺うたびに、自分が提供しているサービスであるÉHONが誰かの人生にポジティブな影響を与えていると実感し、それが私の原動力となっています。
さらに、私たちのサービスを通じて生まれる笑顔がそのお客様の家族や友人へと広がり、やがて大きな幸せの輪になっていくことに大きな喜びを感じています。
また、絵本というメディアは、単なる読み物ではなく、人と人をつなぎ、心を通わせるツールだと感じています。こうした絵本の持つ力を最大限に引き出し、多くの方々に届けていくことで、少しでも多くの方々に幸せや感動を与えられればと考えています。それが私の進み続けるモチベーションであり、今後もさらに多くの人に絵本の魅力を届けたいという強い想いを持ち続けています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
これからの展望としては、まず国内だけでなく海外展開も視野に入れています。日本の絵本文化は非常に豊かで、その魅力をもっと世界中に広めていきたいと考えています。
特にアバターシステムを活用して、言語や文化の壁を越えたオーダーメイド絵本を提供することで、さまざまな国や地域の子供たちや大人たちが「自分が主人公」になれる体験を楽しんでもらいたいですね。例えば、現地の文化や習慣を反映したストーリーを作ることで、異文化理解の一助となるような絵本を提供することも視野に入れています。
また、絵本以外にもTシャツやマグカップなど、日常生活の中で使えるアイテムと連携することで、お客様のオリジナルキャラクターがより幅広く活用されるようなサービスも展開していきたいと考えています。
これにより、絵本を単なる読み物としてだけでなく、日常の中で自分らしさを表現する一つの手段として活用してもらえるような新しい体験を提供したいと思っています。
そして最終的には、絵本を通じて「人と人とをつなぐ」というミッションをより多くの人に届け、世の中に心温まる瞬間を増やしていきたいと考えています。
「ビジョンを持ち、自分を信じて挑戦する」起業家へのメッセージ
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
起業を考えている方には、まず「なぜ起業したいのか」という理由をしっかりと自分自身に問いかけてみてほしいと思います。起業は簡単なものではなく、時には困難な状況に直面することもあります。
その時に、自分がなぜこの道を選んだのかというビジョンが明確であれば、どんな困難にも立ち向かうことができるはずです。自分のビジョンに対する確固たる信念を持ち、それを原動力にして進んでいくことが重要だと感じています。
また、自分が情熱を持って取り組めることにチャレンジすることも大切です。起業は長い道のりなので、自分が本当に好きなことや興味を持てることでなければ、続けていくことは難しいでしょう。
そして、起業を通じて学び続ける姿勢も欠かせません。ビジネス環境は常に変化しているため、新しい知識やスキルを積極的に取り入れ、自分自身を成長させ続けることが成功への鍵です。
最後に、何よりも自分自身を大切にしてください。起業家は多くのプレッシャーやストレスに直面しますが、健康を維持することが長く続けていくための秘訣です。自分の体や心をケアすることを忘れずに、バランスを保ちながら起業の道を進んでほしいと思います。起業は大変な道のりですが、自分のビジョンを実現する喜びは何にも代え難いものです。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:国則圭太 氏
1981年3月20日生まれ。東海大学工学部卒業後、専門学校を経て広告制作プロダクションでデザイン制作に従事。その後、イベント制作会社で空間デザイナーの仕事に就く。2012年に個人事業主としてアッタデザインを創業。2015年に法人化し、株式会社アッタデザインを設立。2019年、同社の独自サービスとして「オーダーメイド絵本ギフトサービスÉHON INC.」をリリース。2022年に同サービスを事業としてスケールすべく、えほんインク株式会社を設立する。
企業情報
法人名 |
えほんインク株式会社 |
HP |
|
設立 |
2022年2月18日 |
事業内容 |
|
関連記事