rayout株式会社 代表取締役 吉田 壮汰

rayout株式会社は、企業のコミュニケーション課題を解決するプロフェッショナル集団です。採用、マーケティング、広報など、幅広い領域で企業の本質的な価値を引き出し、最適な形で届けることを得意としています。制作現場の効率化を実現するITサービスも展開し、クライアントと共に持続的な成長を目指しています。代表取締役の吉田 壮汰氏に事業内容や今後の展望なども含めて、詳しくお聞きしました。

 

企業のコミュニケーションに関する課題を解決する

事業の内容をお聞かせください

当社の事業は大きく2つの柱があります。一つ目が「コミュニケーションデザイン事業」、二つ目が「MiLKBOX」という自社開発のSaaSサービスです。

 

一つ目のコミュニケーションデザイン事業を一言で言うと、PR領域のコンサルティングです。一般的な制作会社や運用会社とは異なり、企業の課題に深く入り込み、最適なソリューションを提案しています。

 

以前は「テレビCMを出したい」のように、企業のやりたいことが明確に決まっているケースが多かったのですが、現在は違います。採用、マーケティング、広報など、さまざまな課題に対して「世の中に取り上げてほしい」といった漠然とした要望も増えています。その中で、当社のように企業の本質的な課題を理解し、適切な施策を提案・実行できる会社は意外と少ないです。

 

現在は、YouTubeに1分間で約500時間もの動画がアップロードされる情報過多の時代です。だからこそ、届け方にこだわらないと伝わりません。採用シーンであれば「どういう求職者に、どういう情報を、どう伝えるべきか」を一緒に考え、施策の提案から制作までワンストップで行っています。

 

主なクライアントは、金融、不動産などのBtoC企業が中心です。特に、バックオフィス部門からのご相談が多いのが特徴です。採用や広報など、これまで「大手求人サイトに掲載すれば良い」といった時代から、より戦略的なアプローチが必要になってきた領域からの相談が増えています。

 

もう一つの柱である「MiLKBOX」は、制作現場の課題から生まれた自社開発のITサービスです。制作の現場では、文章の修正指示や細かなコミュニケーションが煩雑になりがちです。特に近年は、CMだけでなく採用動画やSNS用動画など、案件も多様化しています。

 

コミュニケーションの課題解決に特化したコンサルティングと、制作現場の効率化を支援するITサービスを通じて、企業のコミュニケーション課題の解決に取り組んでいます。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

学生時代にインターンとして広告業界に入った頃、まだテレビメディアが強い時代でした。しかし、デジタル系の広告会社でインターンをする中で、オールドメディアからデジタルへと時代が大きく変化していく波を肌で感じ、この領域に大きなポテンシャルがあると思ったのです。

 

その後、新卒で入社したインタビューや記事制作を手がける会社で「無形の価値」の面白さに気づきました。同じ企業の魅力でも、適当に書けばチープな印象になりますが、魅力を掘り起こして丁寧に書けば、魅力的な企業として映ります。この「無形物を取り扱い、その商材のバリューを変えられる」といった点にとても魅力を感じたのです。

 

現在、当社は紙媒体、動画、イベント、さまざまなツールを扱っています。しかし、私たちが大切にしているのは「手段」ではなく、企業の持つ本来の価値や魅力を最大化することです。企業がどのような課題を抱えていて、それをどのような発信で解決できるのかといった部分に踏み込んでいきたいと思い、今の事業をスタートしました。

 

コミュニケーションのプロとして「伝え方」にこだわる

仕事における軸を教えてください。

日々のコミュニケーションには特に気を配っています。

 

私たちの仕事は「概念」を扱う仕事です。銀行員ならお金について、靴の販売員なら靴について詳しくなければならないように、私たちは「コミュニケーション」のプロフェッショナルとして、価値を提供しています。

 

その中でも情報の伝え方について、特にこだわっています。伝えたいことが10個あったとしても、相手に本当に覚えて欲しい部分は1つか2つしかないことが多いです。

 

例えば学校で「明日は台風で休校の可能性がある」といった連絡の場合、振替授業の日程や休校の判断基準など、さまざまな情報がありますが、生徒に最初に伝えるべきは「明日は休校の可能性がある」というシンプルな一文です。

 

人は大量の情報を一度に受け取ると混乱してしまいがちです。だからこそ、伝えるべき核心部分を明確にし、その他の補足情報は状況に応じて付け加えていくようにしています。これは社内でのコミュニケーションでも、クライアントとの打ち合わせでも同じです。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

経営者として「自分の成長」が最大の壁であり、永続的な課題だと感じています。

 

経営者の器が会社の限界を決めてしまうと常々感じています。ある程度お金を稼ぎ満足すると、その時点で会社の成長も止まってしまいます。「スタートアップ」から「普通の中小企業」になってしまい、志を同じくする仲間たちも離れてしまうかもしれません。

 

その怖さもあって「もっと成長しなければ」「自分の器を大きくしなければ」といった意識を常に持ち続けています。

 

AIと共存する社会で、人間ならではの価値を追求する

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

一番のモチベーションは「楽しいから」です。私は自分のやりたいことを自由にできる環境にいます。おそらく従業員の中で、精神的に一番幸せなのではないでしょうか。

 

ただ、事業を続けていく中で、会社としての責任や、一緒に働く社員たちの人生に真摯に向き合うことで「社会をより良くしていきたい」といった気持ちが強くなってきました。今では、それも大きなモチベーションの一つになっています。

 

以前、会社員として働いていたときは「社会のため」といった言葉は、建前だと思っていました。しかし、当社の経営会議では「この業界をもっと良くしていきたい」といった想いがメンバーから自然に出てくるのです。そういう場面に出会うと、私自身も「よし、もっと頑張らないと」という気持ちになります。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

シンプルに言えば「もっとワクワクする社会」をつくることです。

 

現在、AIやテクノロジーの進化により、多くの仕事が代替されていくと言われています。中には、そうしたディストピア的な未来を嬉々として語る方々もいますが、私は少し違和感を覚えています。

 

私たち人間にしかできない仕事を新たにつくり出し、同時に人間だからこそできる仕事の生産性を向上させていく、この両輪がこれからの社会では重要になってくると考えています。

 

以前は「AIによって仕事がなくなるのは良いことかも」と考えていた時期もありました。しかし、人間は自分のアウトプットを社会に投影し、それに対する感謝の形としての対価やお客様からの声を得ることで幸せを感じるものだと思うようになりました。

 

アメリカの例を見ても、社会への参画機会の格差が開くことで絶望する人は増えるでしょう。だからこそ、新しい仕事をつくり出し、人間ならではの仕事の付加価値を高めていく必要があります。

 

AIによる仕事の代替は確実に進んでいくでしょう。それと同時に、新しい付加価値をどこに見出していけるのかという問いにこだわり、突き詰めていきたいと考えています。

 

人生をかけて成し遂げたい領域での起業を

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

「考えるよりも起業した方が早い」といったアドバイスをよく耳にすると思います。確かに一理ありますが、私は別の視点からお伝えします。

 

起業を躊躇する理由はさまざまです。経験や知識が不足している、資金が足りないなど自分のマイルストーンを達成できていない方は、目標に向かって頑張ってください。ですが、起業へのモチベーションが明日でも10年経っても変わらない方は、すぐに起業してもいいでしょう。

 

また、学生時代に起業した経験から、最も重要だと感じているのは「ミッション」です。その事業に5年、10年と人生を捧げられるか、自分の使命だと感じられる領域なのかを見極めることが大切だと考えています。

 

お金が稼げるかどうかは一時的な問題です。その領域に対する強い思いがなければ、事業を継続することは難しいでしょう。「事業が成功したときに、誇りに思えるだろうか?」と自分に確認してみてください。「そうでもないな」と思うなら、別の道を探すことをおすすめします。

 

採用を強化されているそうですね。どのような人材が理想でしょうか?

当社が重視しているのは「ファシリテーション能力」です。相手の話からニュアンスや意図を汲み取り、その上で合意形成を進められる能力を持った人材を求めています。


以前は「課題解決型」の人材が重宝されていました。ですが、正解とされる情報が世の中に溢れる中で、最適な選択をし前に進めていく推進力を持つ人が求められています。


ファシリテーションスキルを高めたいと思う向上心を持った方、または既にそうした能力に自信のある方に、ぜひ応募していただきたいと思っています。

 

▼採用情報の詳細はこちら
https://rayout-inc.com/recruit/

 

貴社のサービスに興味がある企業へのメッセージをお願いします

当社が大切にしているのは、既存の関係性を深めていくアプローチです。現在、サードパーティーデータの制限など、新規顧客の獲得が難しくなっています。その中で私たちは「いかに多くの顧客を獲得するか」ではなく「いかに深く顧客との関係性を築けるか」を重視しています。


そのため、コミュニケーションデザイン事業では、ファンベースやファンマーケティングを軸にした戦略提案を得意としています。オーガニックな成長を目指し、当社との壁打ちを通じてプロジェクトを進めていきたい企業様との相性が良いと考えています。


MiLKBOXについては、最大の特徴は「使いやすさ」です。若手社員から管理職まで、説明不要で使いこなせるシンプルなインターフェースを追求してきた結果、現在では月間110%のユーザー成長率を実現しています。


企業価値向上に向けて、長期的なパートナーとしてお力添えできればと考えております。まずはお気軽にお問い合わせください。

 

▼お問い合わせはこちら
https://rayout-inc.com/contact/

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:吉田 壮汰氏

11人家族の四男として、石川県の田舎で育つ。新卒でメディア会社に入社し、広告営業に従事。その後ベンチャー企業の事業立ち上げに参画し、執行役員として従事し、2019年にrayout(株)を設立。自社プロダクトの『脳Sell』は会員数1万人に成長するもピボット。現在はコミュニ ケーションデザイン事業と制作DX事業を行い、個性を価値に出来る社会を目指す。

 

企業情報

法人名

rayout株式会社

HP

https://rayout-inc.com/

設立

2019年4月16日

事業内容

PR支援、ブランド戦略コンサルティング、コンテンツ制作、SNS運用代行、広告運用代行、自社プロダクト MiLKBOX(CLiPin)運営・運用

 

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