株式会社ポロック 代表取締役 足立 賢祐
株式会社ポロックは、経営者限定マッチングプラットフォーム「Bowers(バワーズ)」の運営をおこなっています。現在2,500人以上の経営者が登録、毎月80名以上の新規入会がある急成長のプラットフォームで、経営者同士の本質的な出会いと事業拡大の機会を提供しています。「単なるビジネスコミュニティではなく、経営者同士が刺激し合い成長を楽しめる場にしたい」と語る代表取締役の足立 賢祐氏に、事業内容や今後の展望も含めて詳しくお聞きしました。
集客・売上UPに繋がる経営者限定のマッチングサイト
事業の内容をお聞かせください
当社のメイン事業は人材業ですが、現在注力しているのが経営者限定マッチングプラットフォーム「Bowers」です。
このサービスは2024年6月に事業譲渡を受けました。実は私自身も4〜5年前からユーザーとして登録していたサービスで、現在は無料登録者2,500人、スポンサー150人以上が参加する規模にまで成長しています。ページ登録からマッチングまで全て無料で使え、毎月80〜90名ほどの新規入会があります。
Bowersでは、事業内容や強み、経営者のプロフィール、求める連携先などを掲載できる独自の経営者専用ページを開設できます。また、1日5件まで無料でマッチング依頼が可能で、興味のある経営者と直接コンタクトを取ることができます。マッチングに関する手数料は一切発生しません。
さらに、オンラインでのビジネス交流会やピッチ会、リアルでの交流会など、さまざまな形式で経営者限定イベントを開催しています。Bowers会員の7割が代表取締役、3割が役員以上という質の高いネットワークを形成しており、新規顧客獲得を目的とした参加が全体の約5割を占めています。
「事業に直接繋がる取引先と出会えた」「協業する会社を見つけることができた」「さまざまな業界の経営者と繋がれた」など、実践的なビジネスマッチングの場として高い評価をいただいています。
・イベントの様子
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
Bowersの始まりは、ある飲み会での会話がきっかけでした。
現在のBowers事業責任者とは5年以上の付き合いがあり、当時、彼が運営していた若者支援コミュニティを新たな形で展開する構想が持ち上がりました。その何気ない飲み会での会話からわずか3日での決断、そして1ヶ月という短期間で事業譲渡が実現し、Bowersは動き出したのです。
また、当社のミッションは「2,000社を生み出すこと」です。この「2,000」の数字自体に特別な意味があるわけではなくあくまでも手段に過ぎません。
このミッションの背景には、私自身の経験が大きく影響しています。以前、自動車販売の仕事をしていたときに「この仕事を一生続けていくのだろうか」との思いが芽生え、高校の同期と起業を決意しました。私たち二人ともが、一つのことだけでなく、さまざまなことにチャレンジしたい性格だったのです。
私はアメリカンスポーツが好きなのですが、季節によって野球やサッカーなど異なる競技を楽しむ多様性のある生き方に憧れていました。例えば週4日は営業、1日は美容師、あるいは週3日はジムトレーナー、残りはカメラマンのような、多様な働き方がしたかったのです。
現在、私たちは事業の立ち上げから仕組み化までを一貫してサポートすることをメイン事業としています。一人ひとりの挑戦を支援し、新しい事業や多様な働き方の可能性を生み出すことで、より多くの事業創出を目指しています。
一過性ではない継続性のある繋がりをつくる
仕事におけるこだわりを教えてください。
Bowersのこだわりは「本質的な人と人との繋がり」を生み出すことです。
そのため、営業色の強い一過性の交流はおこなっていません。その理由は、人と人との本当の繋がりは、一度の出会いだけでは生まれにくいと考えているからです。
私たちが目指しているのは、参加者の方々に2回、3回と継続して来てもらえる場づくりです。ビジネスの話だけでなく、趣味や家族の話、経営の悩みなど、人間としての多面的な繋がりが生まれる環境を大切にしています。
もう一つ大切にしているのは、私自身も、そして会社のメンバーも含めて、常に新しいことへの挑戦を楽しみ続けられるコミュニティづくりです。単なるビジネスマッチングの場ではなく、参加者全員が互いに刺激し合い、成長を楽しめる、そんな質の高いコミュニティを追求しています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
起業してから直面した壁は、時期によってそれぞれ異なりますが、常に今直面している課題が最大の壁だと感じています。
事業初期には資金繰りに苦労しました。1期目では、15人の社員の給与を5日後に支払わなければならない状況で、口座残高が4万円しかないといった危機的な状況に陥ったこともありました。また、3期目には組織の成長に伴い、ベンチャーから本格的な組織への転換期において、社内でのさまざまな軋轢も経験しました。
現在、私が最も大きな壁として向き合っているのは、組織の内製化と一人当たりの生産性の向上です。実は組織図の概念を知ったのが4期目といった状況でしたが、徐々に組織としての形が整ってきました。
ですが、まだ完全には権限移譲ができておらず、納得できる状態ではありません。この課題を解決し、より効率的な組織の動線をつくり上げていくことが、現在の私の最大の壁だと考えています。
仲間と一緒に2,000の事業を生み出す
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
私のモチベーションは、主に二つあります。
一つ目は、仲間との関係性です。正直なところ、起業した1番のきっかけは経済的な自由や時間的な余裕が欲しいという思いでしたが、その考えが変わる出来事が3期目にありました。当時、会社のバイアウトの話が持ち上がり、受け入れるかどうかの決断を迫られました。一度きりの大きな決断で全てが終わってしまうのかと非常に悩みました。
結果として、バイアウトはしませんでした。その理由は、一緒に働く仲間たちの存在があったからです。当時は社員の7割以上がリファラル採用で、仲間たちと居酒屋で語り合いながら、新しいアイデアや可能性について話し合うこと自体が、私にとって大きな喜びとなっていることに気づいたのです。
また、当社のミッションである「2,000の事業を生み出す」を私1人で実現したいとは、一切思っていません。むしろ、スタッフたちが自由に新しい事業を生み出していけるような環境を積極的につくっていきたいと考えています。
二つ目は、自己成長への追求です。実は一度体調を崩して立ち止まった時期があり、そのときに「自分は何のために働くのか」といった根本的な問いと向き合いました。
そこで気づいたのは、会社の規模を大きくしたり、大きな家を購入するなど物質的な目標を達成したりすることよりも、自分自身が成長している瞬間に最高の喜びを感じるということでした。
以前は会社の成長のために経営やマネジメントの本をよく読んでいましたが、今は必ずしも仕事に直結しないことにも挑戦しています。ポーカーや料理など、純粋に自分が極めたいものを永遠に取り組める環境があることが、私にとってかけがえのない価値となっています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
2年以内の目標としては、Bowersの会員数を1万人以上に成長させ、社会的な認知度を高めていきたいと考えています。誰もが「あのBowersね」とわかるコミュニティに育てていきたいです。
長期的な展望としては、このコミュニティから新しい価値を生み出していきたいと考えています。例えば、意欲的な方々がピッチ登壇をおこない、それに共感した仲間たちでチームを形成し、新しい事業を立ち上げていく機会を創出できる場にしたいです。
また、コミュニティ内でのつながりをより活性化させるため、Facebookのようなプラットフォームの構築も視野に入れています。
会員の方々が自主的にイベントを企画したり、同じ趣味や年代の仲間と出会えたりするイメージです。例えばキャンプ好きの方々が集まったり、カード愛好者が交流したり、40代限定の集まりが開催されたりと、そういった自発的なコミュニティ形成の場を提供していきたいと考えています。
大きな野望としては、このコミュニティから絶え間なく新しい企業や事業が生まれ続ける創造的な場を築いていければと思っています。
不安なままで一歩踏み出してみる
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
起業への第一歩を踏み出すには、大きな不安がつきものです。さまざまなものを手放さなければならないかもしれませんし、未知の世界に飛び込むわけですから、誰しも恐怖を感じるでしょう。
不安や恐れを抱えながら、勇気を出して一歩を踏み出してみてください。その一歩を超えた先には、たとえ成功であれ失敗であれ、今までとは全く異なる体験と経験が待っているはずです。確かに怖いかもしれませんが、ぜひ一歩を踏み出してもらえたらと思います。
経営者限定ビジネスマッチングサイト「BowerBowers」
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:足立 賢祐氏
企業情報
法人名 | 株式会社ポロック |
HP | https://pollock.co.jp/ |
設立 | 2019年2月6日 |
事業内容 |
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