企業の成長過程において、オフィス移転は重要な転換点となります。 特にスタートアップ企業や成長期の中小企業にとって、正しいオフィス選びは事業の発展に大きな影響を与えています。それが「居抜きオフィス」という選択肢です。 限られた資源を効率的に活用し、スピーディーに事業を展開したい企業にとって、魅力的な選択肢となっています。
居抜きオフィスの定義
居抜きオフィスは、前の入居者が使用していた内装設備や備品をそのまま引き継いでオフィススペースをご利用いただけます。 通常のオフィス契約では、内装工事や家具の手続きなど、使用開始までに多くの準備が必要になりますが、居抜きオフィスではこれらのプロセスを大幅に簡略化できます。
居抜きオフィスの利点
1. 初期費用の削減
居抜きオフィスの一番大きなメリットは、オフィスを構える際の初期費用を大幅に節約できる点です。 内装工事費や什器備品の購入費など、オフィスで必要不可欠なものへの費用が不要となるため、特に資金効率を重視する企業にとっては有益なオフィスとなっています。
2. 迅速な事業開始
従来のオフィス移転では、工事期間や備品の搬入の影響から新オフィスでの営業に数か月を要することもありますが、居抜きオフィスでは既に内装が完成されているため、契約後すぐの営業開始が可能となります。市場環境の変化や事業計画に柔軟に対応できる点が特徴です。
3. 既存リソースの有効活用
居抜きオフィスは、前入居者の設備や造作を活用できることで、新規にオフィス環境を構築する手間が省けます。これにより、本来の事業活動により多くの時間を割くことができます。
4. 環境負荷の低減
既存の設備を再利用することで、新規資材の使用を抑制し、廃棄物を削減できます。これは持続可能な社会の実現に貢献に繋がります。
居抜きオフィスの見つけ方
不動産情報サイト検索の活用
居抜きオフィスを紹介する専門ウェブサイトを利用することで、多岐にわたる物件情報を比較・検討することができます。エリアや予算など、特定の条件で絞り込み検索できるものもあるため、ご自身のニーズに合わせた物件の選定に役立つことが期待できます。より良いオフィス移転のためにも最新の物件情報を定期的にチェックすることが重要となってきます。
専門仲介業者の活用
信頼できる仲介会社と一緒に居抜きオフィス物件を探すことも選択肢の一つとなってきます。仲介会社ではサイトに載っている物件情報はもちろん、サイトには載っていない非公開物件の情報も保有しているため、より多くの物件情報を入手できます。
また、仲介会社を利用することで契約までの円滑なサポートはもちろん、専門的なアドバイスを受けることで、自分自身では気付かなかった潜在ニーズを引き出してもらえるでしょう。アットオフィスではお客様一人ひとりに専任の担当者がお付けされるため、ヒアリングから契約締結まで伴走サポートいたします。
課題の明確化
オフィスを選定するにあたって、エリアや設備、予算などを決定することが先行しがちです。しかし、初めに自社で抱えている課題を明らかにしておくことで、オフィス選定にあたっての条件のバランスをとることができ、オフィス移転が容易になります。
市場動向の把握
効率的なオフィス探しにおいて、不動産会社が定期的に公開するマーケットレポートや、他社の移転事例、最新の市場情報を確認するといった、オフィス賃貸市場の動向を理解することは必要不可欠です。アットオフィスでは、毎月「都内主要エリア賃料坪単価レポート」を発信するといったオフィス探し支援のコンテンツを随時更新しています。これらの情報を活用することで、よりスムーズで効果的な物件探しが可能になります。
居抜きオフィス賃借時の重要事項
1. 物件状態の精査
物件を借りる前には、対象物件の内装や設備の状態を詳細に確認し、実際の使用に適しているか確認しましょう。 将来の修繕や交換の可能性も考慮に入れ、入居前に費用負担の取り決めを明確にしておく必要があります。
2. 契約条件の確認
居抜き入居には、修繕義務や退去時の原状回復義務など特有の条文が追加されている場合も多く、それらが後々のトラブルにつながるケースがあります。それを防ぐためにも、契約書に記載されている内容を確認し、賃借前に不明点や疑問点の解消やパターンを検証をしておく必要があります。
3. 退去時の条件把握
居抜きオフィスを借りる際には、退去時の条件を把握しておくことが重要です。将来退去する際に居抜きのまま退去が可能か、必要な修繕範囲はどこまでか、退去費用の負担範囲など、具体的に確認することで退去時のトラブル発生リスクを抑えることができます。
居抜きオフィスを退去する際の利点及び欠点
利点
- 原状回復費用の削減が可能
- 退去手続きの簡素化
- 移転費用の効率的な活用
欠点
- 企業情報の開示リスク
- 後続テナントとの調整必要性
- 業種によっては適さない場合がある
居抜きのまま退去する際の注意事項
修繕に関する決め事
造作物や設備の修繕が必要な場合の費用負担については、トラブル防止のために入居しているオフィスの契約内容を確認し、事前に明確な合意を得ておくことが重要です。
後続テナントへの配慮
居抜き募集の期限や、新テナントの滞在期間については明確な理解が必要です。ここでの想定されるリスクとしては、居抜き募集を貸主が許可した場合でも、後継先企業が決まらない場合は原状回復をする必要が出てきます。原状回復が必要となるケースも想定した計画をするようにしましょう。
結論
居抜きオフィスは、特にスタートアップ企業や成長期の企業にとって、コストとスピードの両面で有効な選択肢となります。準備と計画により、効率的なオフィス移転を実現することができます。
関連記事