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GUILD株式会社 代表取締役 小宮 滉
GUILD株式会社は、アフリカ(ナイジェリア)を拠点にWeb3コミュニティ事業やオフショア開発を展開し、絶対貧困層の縮小と優れた業務パフォーマンスの実現に取り組まれています。
また、Web3技術を担う次世代の人材育成にも注目し、新たに検定や教育プログラムに関する事業、そして、エンジニアやPMに特化したHRサービスもリリースしました。次世代テクノロジーへの目覚ましい挑戦について、同社の代表取締役、小宮滉氏に詳しくお話を伺いました。
ナイジェリアの課題を解決するWeb3コミュニティの可能性
事業の内容をお聞かせください
まずは、日本とナイジェリアを拠点とした「Ninja Game Guild」というWeb3コミュニティの運営を行っています。Ninja Game Guildの参考となったのは、フィリピンで組成された「Yield Guild Games(Web3コミュニティ)」です。
このモデルでは、ブロックチェーンゲーム(NFTゲーム)のNFTを購入できない層に貸し出し、ゲームプレイしながら得られる仮想通貨を収益とするビジネスモデルが採用されていました。
そこで、Ninja Game GuildはWeb3に特化したコミュニティとして、スカラーシップ制度の活用や、Web3系のプロモーション活動などを展開することにしました。また展開の場には、仮想通貨保有率が世界でもトップクラスであり、且つゲームギルドが存在していない状況であったアフリカ(ナイジェリア)を選びました。
そこから「オフショア開発」も手掛けるようになりました。なぜオフショアなのか、日本国内ではないのかと問われることが多いのですが、そこにはナイジェリアの抱える絶対貧困層という問題に対し、“拡大を阻止し、支援をしたい”という強い思いがありました。
ナイジェリアでは、人口の約4割が1日あたり1.2ドルで生活していると言われており、非常に厳しい状況です。弊社は雇用の機会を創出し、人々の生活向上を目指しています。もちろんこれはボランティアではありませんので、“事業”という面においてもメリットがあります。
ナイジェリアにはスキルの高い人材が多く存在し、その人件費は他国と比較して抑えることができています。よって、優秀な人材の確保とコスト削減の二つを叶えることができています。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
起業を決意したのは、大学卒業を控えた12月頃でした。インターンシップを経験し、就職活動を行う中で経験したのが、コロナによる価値観の変容です。働き方や技術における“リモート”の加速を目の当たりにしたことが、起業への思いを強くさせました。
そのような時に見つけたのが、起業家シェアハウスです。2か月ほど滞在し、起業に関する知識やネットワークを学びました。この施設では、25歳以下の起業家を対象としたプログラムが行われていて、20名程の参加者と共に宿泊型の環境で衣食住を共にします。
そして週に1回、多くの投資家の前でプレゼンを行い、ビジネスアイデアのブラッシュアップを受けるチャンスを得ました。このシェアハウスの存在はXで偶然見つけたものでしたが、起業に向けた知識と展望を広げることができ、起業家としての基盤づくりの過程で大いに助けられたと感じています。
起業が決まれば事業内容を決めるわけですが、それはすぐに決まりました。というのも、Web3の可能性への確信があったからです。
当時、仮想通貨やブロックチェーン技術が急速に発展していましたので、その成長の一翼を担いたいという強い思いがありました。またナイジェリアとのご縁があったため、事業展開を目指すようになりました。
面白さを追求する仕事選び。ナイジェリアで広がるWeb3の可能性
仕事におけるこだわりを教えてください。
仕事では「面白いことがしたい」と強く思っています。ただ儲けることだけが目的であれば、既に市場がある別分野も検討した方が無難でしょう。
しかし、私自身の強みや興味関心がWeb3や海外にあるため、そこは譲れません。Web3の魅力は、国際的なつながりをカジュアルに構築できる点にあります。
例えばナイジェリアのような海外市場とも、国際送金をわずか数分・手数料約150円ほどという手軽さで完了させることが可能です。
しかしこの利便性は従来の金融インフラでは実現できていません。まさに、Web3技術の革新性と言えるわけです。このような事実も、私自身がアフリカ地域でのギルド育成運営とビジネス展開の可能性を認識した要因となります。
日本が持続的な成長を目指す上でも、グローバルな視点を持ち、Web3を活用していくことが必要です。日本国内の技術やサービスを、Web3を通じて海外に輸入することができれば新たな市場機会を生み出すことも可能となります。
また今後、Web3を基盤として日本企業が世界市場とつながり、新たな成長モデルを築く可能性も強く感じています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
実は、ナイジェリアとのビジネス連携に関して大きな壁は感じていません。言語面においても、ナイジェリアの公用語は英語であり、意思疎通における課題はありませんでした。
さらに、NFTのコミュニティではナイジェリア以外にもフィリピン、インドネシア、ガーナ、ケニアなど様々な国のメンバーが参加しており、一部のシーンでは翻訳機能を活用していまして、英語のスキルがなくても問題はなかったのです。
ただひとつ、壁があるとするならば8時間という時差があげられます。この時差により、「早朝4時の問い合わせ」という状況を作り出してしまい、睡魔との戦いになったことがありました。
Web3コミュニティに関する課題として、コミュニティ運営に関わる仕組みの特性上、参加者の積極性が欠けると活動が思うように進まないというリスクが考えられます。そのため、リスクを抑えつつベネフィットを高める方法を常に模索しています。
例えばWeb3コミュニティでは、プレイヤー同士がつながることによる情報の共有が、コミュニティとは異なる魅力と言えます。情報の伝達スピードは迅速ですし、単独プレイでは得られない恩恵もありますから、これら大きな可能性を活かしていくことが今後の課題だと言えるかもしれません。
国際連携の可能性と日本事情への展望
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
ナイジェリアではイベントを開催し、様々な方にご参加いただきました。実際に向き合って話す機会を得ると、仕事を超えて友人関係が生まれます。
ナイジェリアには日本人在住者が非常に少なく、現地の人々からすると希少な存在であるという点もポジティブに働き、より親密な友好関係が築かれていると感じます。仲間が増え、楽しみが広がっていくことが、事業の原動力になっていると感じます。
そしてもう一つ。ナイジェリアの人口は2.2億人を超えており、GDPもアフリカ最大で、市場としての魅力が大きく、これらも事業を拡大するための強い動機付けとなっています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
大きく2つあり、1つ目は、2024年11月に立ち上げた「Web3人材マネジメント協会」で行う、“Web3分野の人材に興味ある事業者と、働きたい人への訴求を目指す”という協会です。これにより、日本国内におけるWeb3分野の人材育成を目指します。
Web3は、次世代のテクノロジー基盤として注目されていますが、その可能性を最大限に引き出すには、適切な人材の育成が大変重要です。しかしながらWeb3の認知はいまだ低く、その普及にはまだ課題があると感じます。
一方で、仮想通貨市場は成長を続けており、関連テクノロジーやサービスのニーズも急拡大しています。そこで、本事業において、情報提供と共に新しい技術分野で活躍できる人材の基盤を整備し、業界全体の発展に貢献していきたいと考えています。お問い合わせやご相談はお気軽にご連絡ください。
2つ目は 2024年12月からスタートした「インテントキャリア」というHRサービスです。煩雑化する人事業務の支援を行い、採用にお困りの事業者や、転職を検討中の人に訴求を目指します。
その際、エンジニアやPM(プロジェクトマネージャー)への特化を考えています。弊社はWeb3が専門領域ですので、培った知識や海外との繋がりを活かし、NFTの技術も活用して、国内だけでなく海外人材の採用においても橋渡しを行っていくことが目標です。
▼インテントキャリアの詳細はこちら
Web3時代のビジネスを創造する
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
私は就職経験の無いまま起業をしましたので、事業についての相談やアドバイスを求めようにも、そのような人が居ない状況で進むこととなりました。いま思うのは、仮に一度就職し、その後に起業をしていれば、相談できる環境が得られていたのではということです。
起業をするタイミングは、私のように卒業後すぐにというパターンに限りません。あらゆる方向性を見据えて、ご自身のタイミングを見つけ、実行に移して欲しいと思います。
また、興味がありましたら、Web3やNFT等の新しい技術にもチャレンジしてみて下さい。未来のビジネスは、挑戦する事業者の手にかかっています。挑戦を楽しみながら成長し、ご自身と事業の可能性を広げていかれることを願います。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:小宮滉 氏
法政大学経営学部を卒業後、GUILD株式会社を立ち上げて、インテントキャリアというHRサービスや日本とナイジェリアを拠点とした「Ninja Game Guild」というWeb3コミュニティの運営などWeb3マーケティング支援
企業情報
法人名 |
GUILD株式会社 |
HP |
|
設立 |
2022年05月08日 |
事業内容 |
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