株式会社ヒーロープロデューサー  代表取締役 福嶋 一郎

「やればできると思える人間力を育む」。そう話すのは、株式会社ヒーロープロデューサー代表取締役の福嶋一郎氏。読み書きや計算、スポーツ、ビジネスまで網羅した教育を提供し、世界で活躍する人材を育てる「ヒーロー幼児園」を運営しています。経営者からも注目を集める同園の教育方針や、開園の経緯などを伺いました。

 

語学、体操、ビジネス‥‥多分野での成功体験を重視

事業の内容をお聞かせください

都内の3カ所で認可外保育所「ヒーロー幼児園」と、アフタースクールを運営しています。現在は南青山校、自由が丘校、阿佐ヶ谷校があります。

 

当園は保育園でも幼稚園でもなく、「幼児園」です。保育園は厚生労働省が管轄する子どもを預けるための施設、幼稚園は文部科学省所管の教育施設を指しますが、当園は両者の良い部分を取り入れた園であるのが特徴の一つです。お子様を長時間お預かりしながら、当園独自の方針に基づいた教育を提供しています。

 

当園が実施するのは、「2歳から6歳までの段階で子どもたちの可能性を最大限に伸ばし、確実に社会で活躍できるようになるための最先端な究極の英才教育」です。

 

具体的にいうと、語学や計算、スポーツ、社会教育、ビジネスをはじめとしたオールラウンドな教育を通して、「夢を持ち、自ら考え決断し、実行できる人間力を育て、世界で活躍するヒーロー」の育成に取り組んでいます。

 

1日の流れとしては、9時〜10時の朝体操の授業で毎日3キロ走ります。その後は語学や読書、計算、音楽など、1コマ約20分のカリキュラムが7〜8つ続きます。幼少期から「知らないことを学ぶ」行為を習慣化することで、就学後もこれが当たり前にできるようになります。

 

英才教育と聞くと、偏差値の向上が目的だと考える方も多いでしょう。ただ、当園が最も大事にしている考え方は「やればできる」と思える人間力の育成です。

 

最初は誰だってひらがなも読めないし、書けません。それが毎日の習慣の中でだんだんできるようになれば、子どもたちの自己肯定感も上がります。

 

体操も同じです。最初は難しいと思ったことでも、練習すれば少しずつうまくなり「次はこうしよう」と考える。次第に跳び箱や逆上がり、バク転までできるようになります。

 

目標に向かって努力し、それを達成することで自信がつく。さまざまな分野でこうした成功体験を積ませるのが、当園の教育方針です。

 

貴園の特徴である「ビジネス教育」について教えてください

 ビジネス教育は数あるカリキュラムの中でも当園ならではの特徴です。最初は「お金とは何?」といった基礎の話から始まり、徐々に金融について深く学んでいきます。例えば、銀行の役割を学ぶときは、集めたお金の使い道から融資や利子についてまで、具体的に話していきます。

 

社会について学べるボードゲームも使うこともあります。投資をして配当金を得たり、逆に株価が暴落して会社が倒産したりと、子どもたちがさまざまなケースを体験しながら企業の仕組みを学べるのです。

 

約150種の職種が書かれたカードを使っての授業では、例えば「耳が聞こえない人のために手話で訳して伝えてくれる」と先生が尋ね、園児に「手話通訳士」と答えてもらいます。世の中にはたくさんの働き方があることを、就職活動の時期がきてからではなく幼少期のうちに知ることが大切だと考えています。

 

ビジネスや金融教育といった特色のある教育ができるのも、当園が認可外の保育施設だからこそ。20年、30年後に子どもたちが活躍できる未来を作るため、国が定めた方針に縛られず、我々が子どもたちのためになると確信している教育を提供しています。

 

当園にお子さまを通わせている保護者の皆さまも、我々と同じ思いを持っている方ばかりです。「幼少期から色々な経験をさせてあげたい」「体操をやらせたい」「ビジネスを学ばせたい」など入園の理由はさまざまですが、共通して「将来世界で活躍する子に」と考えておられます。

 

学費はお預け時間によって異なりますが、当園は内閣府が定める幼児教育・保育無償化の対象校のため、3万7千円分の補助が受けられます(3〜5歳児クラス)。加えてお住まいの区が定めた認可外保育施設への助成制度を活用する事も出来て、港区在住の方であれば実質無料で通わせることも可能です(2025年1月取材時点)。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

私には小学2年生と5年生の息子がいます。我が子を通わせたい園を、自分で作ろうと考えたことがきっかけです。

 

8年ほど前、長男を通わせる幼稚園を選ぶためにさまざまな園の説明会に参加しましたが、子どもを通わせたいと思える園はほとんどありませんでした。

 

そんな中で出会った「バディスポーツ幼児園」は、体育を通して子どもの「できた」を育む方針でした。長男はここに入学して素晴らしい経験を積めたと感じましたが、「スポーツ以外のことも教えたら、子どもたちはさらに伸びるのでは」と考えました。

 

ただ当時の私は、経営コンサルティング会社「リンクアンドモチベーション」の役員を退任した後、独立してコンサルティング会社を経営していました。企業の社員教育や大学生に向けた社会教育には携わっていましたが、幼児教育の経験はありません。

 

そんな折に、バディスポーツ幼児園の田中学園長(当時)と話す機会があり、お互いの教育への思いが合致することがわかりました。

 

25年間幼児教育に関わってきた大ベテランとタッグを組み、2020年7月に株式会社ヒーロープロデューサーが立ち上がりました。田中は現在、当社の副社長兼ヒーロー幼児園の園長を務めています。

 

ときには愛の鞭(むち)も必要

仕事におけるこだわりを教えてください。

「お子さまを僕の本当の子どもだと思って育てます」。入園式で毎年、保護者の方に対して宣言する言葉です。子どもを褒めるだけでなく、ときには厳しく叱りながら、愛を持って育てることを大切にしています。

 

今は給食も無理に食べさせない、運動会で勝ち負けをつけないなど、子どもに厳しくするのはよくないと考える風潮がありますが、私はそれに賛同できません。社会に出れば皆が実感することですが、世の中易しいことばかりではないでしょう。

 

社会で生き残るためにどう行動すべきか、大人になって考えるのではなく、子どもの頃から伝えることが大切です。「厳しすぎませんか」と言われるときもありますが、「いいえ、子どものためです」と自信を持って答えています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

あえて言うのならば、幼児教育の関係者に私が伝えたいことがなかなか伝わらない場面がありました。私はずっとビジネス社会で生きてきたため、この業界とはいわば隔離された世界にいた人間でした。

 

とはいえ、それはささいなこと。最大の壁といえるほどのものは、まだ経験していないのではないでしょうか。

 

ヒーローメソッドを世界に広げたい

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

当園を卒園した子どもたちが将来活躍している姿が見たい。ただそれだけです。

 

4年前の開園時、当園への期待と共感だけで集まってくれた子どもたちは16人でした。今年は開園時に一番下の2歳児クラスに入った子どもたちが卒園する年です。一期生として年長組に入った子どもたちは今、小学3年生になっています。

 

当園の卒園児はなんといっても体力があるし、足も速い。小学校の運動会でも注目を集める子は多いと聞きます。当園では一般的なレベルの運動ができるだけでも、一歩外に出れば「運動ができる子」になれます。

 

勉強面についても、当園で2桁の掛け算を暗算で解いたり、名前を漢字で書いたりしているため、周りから一歩以上進んでいる状態です。「学校の勉強では物足りない」と話す子もいますが、当社は卒園児やその兄弟のために、より専門的な勉強ができる小学生向けのアフタースクールも準備しています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

大きく2つあります。

 

1つめは、当園の「ヒーローメソッド」を教材にして、世の中に広めていくこと。読み書きの教材はあまたありますが、ビジネス教育までカバーしているものはほとんどありません。

 

今は義務教育の中でも金融教育の重要性が増しています。何を教えたらいいのかわからない方に向けて、パッケージにして販売したいと考えています。

 

2つめは、ヒーロー幼児園の海外進出です。まずは海外の駐在員のお子様が通いたい園を目指し、そこで実績を積めば現地の方も興味をもってくれるのでは、と考えています。ゆくゆくはスーパーキッズを育てる園として世界中で展開していきたいです。

 

この目標に向かって進むと同時に、私は幼児教育・保育業界のあり方そのものを変えたいと思っています。

 

この業界のイメージとして「安月給」「長時間労働」「厳しい人間関係」などを挙げる人は少なくないでしょう。私は子どもに良い教育の場を提供すると同時に、先生にも良い環境で働いてほしいと考えています。これは、田中園長の強い願いでもあります。

 

環境を整えることで優秀な人材が集まり、良い園、良い企業になる。それがひいては業界全体を変えることにつながるでしょう。さまざまな業界から人が入ってほしいですし、男性にも「十分なお給料をもらい、出世できる業界」だと認識していただきたいです。

 

お子さまの「未来を切り拓く力」を育みます

貴園に興味のある方にメッセージをお願いします

お子さまを経営者として育てたい方は、ぜひ当園をご検討ください。

 

今はゴルフも野球も幼い頃から始めた選手が世界で大成しているケースが多く、幼少期に置かれる環境の大切さを証明しています。ビジネスに関しても、経営者のお子さまが同じ道を歩む場合が多いのは、親が世の中の仕組みを教えることが当たり前の環境にあるからではないでしょうか。

 

スポーツと同じく、幼少期からビジネスを教わることが当たり前の社会になれば、世界で活躍する日本人が増える。私はそう確信しています。

 

ありがたいことに、南青山校に関しては再来年の入学までキャンセル待ちの状態です。今年の4月にはプライム恵比寿校を開設します。今後もたくさんのお子様の活躍を見届けたいと思います。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:福嶋 一郎

1969年生まれ。熊本県出身。早稲田大学卒業後、リクルート人材センター(現リクルートキャリア)に入社。その後ベンチャー企業を経て、リンクアンドモチベーションに入社。株式上場後に取締役に就任、東証一部上場企業への成長に貢献。一貫して社会人教育、企業成長の支援に携わる。2020年7月に世の中にヒーローとなりえる子どもたちを育てることを目的として(株)ヒーロープロデューサーを設立。都内に3園を運営。

 

企業情報

法人名

株式会社ヒーロープロデューサー 

HP

https://hero-kindergarten.com/

設立

2020年7月7日

事業内容

  • ヒーロー幼児園の運営
  • アフタースクールの運営

沿革

2021年4月 南青山校 開校

2023年4月 自由が丘校校 開校

2023年4月 阿佐ヶ谷校 開校

2025年4月 恵比寿校 開校予定

 

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