株式会社タカベル 代表取締役 高畑 洋平 

過熱する中学受験ブーム。塾での集団学習や競争の中で疲弊している親子も少なくありません。そうした家庭に対して「コンサルタント」という立場からサポートを行うサービス「タカベル」。代表取締役の高畑洋平氏は「子どもだけでなく、保護者の方もフォローすることで成果につなげたい」と語ります。今回は、このような教育サービスが生まれることになった経緯や、仕事へのこだわりについて高畑氏にお聞きしました。

 

家庭学習にコミットする!中受対策の新たな教育サービス

事業の内容をお聞かせください

弊社は中学受験に臨むお子様と保護者の方に対して、コンサルタントという立場からサポートさせていただく、オンライン型教育サービスを提供しております。

 

一般的な大手塾や家庭教師のサービスと何が違うかというと、我々は保護者の方のお子様への関わり方を含めた、家庭学習に非常に重きを置いています。どれだけ良い先生の授業を受けても、どれだけ沢山の教材を与えられても、家庭学習の土台がしっかり築かれていないと結果には結びつきません。

 

通常の中学受験対策のサービスは教科を教える「学習指導」の領域に留まっていると思いますが、我々は徹底して家庭学習にコミットしています。つまり何曜日に何の勉強をするかといったスケジュールから、保護者の方からの声かけの仕方まで、お子様の学力を引き出す環境づくりもお手伝いさせていただきます。

 

特に「塾に通っていたけれど結果が出ず、子ども自身も意欲が低下してしまった」というお悩みを抱える保護者の方には、ぜひ弊社のサービスをおすすめしたいと思っています。我々には個々のお子様の学習課題を解決するノウハウがありますし、弊社サービスのみの利用で偏差値を20ほど上げて中学受験に成功されたお子様もいらっしゃいます。

 

教材はそれぞれのお子様の学力レベルや傾向に合わせてオーダーメイドでご用意するなど、まずはお子様の目線に立って「今この子には何が必要なのか」という視点で、学習方法をコンサルティングさせていただきます。

 

中学受験は厳しいとはいえ、勉強するのはまだ小学生の子ども達です。1日8時間や9時間も塾に拘束されて結果を出せる子どもばかりではありません。我が子に合った勉強方法で的確に中学受験対策に取り組みつつ、同時に小学生らしい生活も送らせてやりたいとお考えの方は、ぜひ一度弊社にご相談いただければと思います。

 

現在はキャンペーンも実施しております。ちょうど大手塾で大きなテストが実施される頃だと思いますが、そちらの解答用紙を送っていただければ、30分ほどの無料面談でお子様の課題分析の結果をお伝えさせていただくことが可能です。

 

マイペースなお子様などは集団塾での学習が成果に結びつきにくく、お悩みの保護者の方もおられると思いますが、我々がお子様に合った勉強方法などをご説明させていただきます。ぜひ一度こちらからお気軽にお申込みください。

 

中学受験コンサルティングのタカベル|神奈川・東京・埼玉・千葉

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

原体験となっているのは、やはり私自身の中学受験の経験です。

 

3月生まれだったこともあり、私はいつもクラスで1番か2番に整理整頓ができない生徒として小学校時代を過ごしていました。親は、そんな私を公立中学に進ませたら内申点で苦労するだろうと考えて中学受験を決めたようです。

 

元々同学年の子に生活面ですら追いつくことができない私にとって、ハードな中学受験は正直苦痛でしかありませんでした。

 

しかしその一方で、晴れて入学できた私立中学校は私にとって素晴らしい環境でした。そこで一生の友達を得ることもできましたし、それまでずっと自信を持てずにいた私ですが、中学校に上がって性格も大きく変わったと思います。

 

苦しい勉強と幸せな学校生活の両方を経験し、中学受験は良くも悪くも私の人生に大きなインパクトを与えました。

 

大人になってから、今度は私立小学校の教師として子ども達や保護者の方々の相談を受ける立場になったのですが、そこで改めて中学受験における保護者の悩みの深さを痛感しました。

 

学校の課題と塾の課題、あまりに多すぎるタスクの優先順位が付けられず、「キャパオーバーになっている我が子をどうやって助けてあげればいいのか分からない」と苦しむ保護者の方を大勢見てきました。

 

その姿が、かつての私自身の親に重なりました。私の親もきっと「もっと子どものためには違う関わり方があるのではないか」と悩みながら、当時の私と接していたのだと思います。

 

正解が分からずに悩む保護者のためのサービスが当時はまだ無かったことから、私がこの問題に向き合うべきだと強く感じて、今の事業を立ち上げることを決意しました。

 

教育は十人十色、だからこそ子どもの目線でアプローチしたい

仕事におけるこだわりを教えてください。

仕事において徹底しているのは、困っている人の目線に立つ姿勢です。

 

中学受験では保護者の方もお子様も、何らかの壁に突き当たって困りごとを抱えているケースが非常に多く見られます。まずはその方の目線に立って、今その方が本当に必要としているサポートは何かというところから掘り下げていくことが大切です。

 

教育というのは実に十人十色で、どの子に対してもこれが正解という方法はありません。10人の子どもがいれば10の悩みがあり、それに対する解決策も個々に違うのです。

 

ですから弊社では、「過去にこれだけの人数を有名校に合格させました」という実績だけを重視して指導者を採用することはしません。より重要なのは人間力で、それぞれの子どもに目線を合わせて「今偏差値がこのくらいだから、こういう壁にぶつかっているんじゃないか」と予測してアプローチしていける人材を採用しています。

起業から今までの最大の壁を教えてください

弊社にとっての最大の壁は、今後に控えていると思います。

 

これまでは、保護者へのサポートを中心とした中学受験のコンサルティングサービスという分野では競合がほとんど無く、いわばブルーオーシャンの市場でした。過去4期連続で売り上げを右肩上がりに伸ばすことができましたし、口コミを中心に生徒数も順調に増えていました。

 

ただ近年では類似のサービスを手掛けるところも増えてきています。そのような状況では差別化の必要もあり、弊社は今期から対象とするご家庭を絞り込んでサービスを展開していくことに決めました。

 

今後は塾と併用ではなく、弊社のコンサルティングと家庭学習のみで中学受験に臨むことができるサービスとして提供していく予定です。ただ、現時点では大手塾を辞めることに抵抗のある保護者の方は多いと思うため、皆さまにどのようにして安心してもらうかが今後の課題です。

 

また、より大きな視野で業界を捉えたとき、少子化の問題を考えると中学受験の過熱ぶりは今がピークと見るべきでしょう。今後は中学受験対策のサービスに加えて、新しい事業展開も必要だと考えています。

 

情報過多の時代で苦しむ保護者のために

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

モチベーションという点では2つあります。まず1つが、経営者として会社の利益を上げなくてはならないという責任です。会社である以上はそこで働く従業員がいて、他にも会社に関わってくれている多くの方々がいます。もしも私が事業に失敗すれば、その全員の生活を巻き込んでしまうことになるため、絶対に成功させなくてはならない責任があります。

 

そしてもう1つが、お子様の中学受験で悩み苦しんでいる保護者の方を、1人でも多く救いたいという想いです。もちろん中学受験の最終的なゴールは、お子様自身が受験を通して生きる力を身に付けることに他なりません。ただし、中学受験の難しいところは、子どもだけで立ち向かうことはできず、親子が二人三脚で進んでいかなくてはならない点です。

 

そのため「自分の子どもにとって何が最適解なのか」が分からず、苦しんでしまう保護者が非常に多いのです。現在は教育や受験に関する情報に何でも手軽にアクセスできますが、裏を返せば情報過多の時代であり、情報に溺れてしまっている保護者も少なくありません。

 

そこで、我々が情報を整理してあげることで、保護者の方に安心してお子様のサポートをできるようになってほしいというのが、この事業に取り組む原動力になっています。

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

すでに申し上げたように現状のサービスだけでは利益を維持していくのは限界もあると考えていて、今後はBtoBにもサービスの領域を広げていく計画を立てています。

 

具体的には自分自身の経歴も生かして、学校とのタイアップで何か価値を提供できないかと考えているところです。

 

そしてもう1つ構想としてあるのが、受験を終えて中学・高校へと進まれたお子様への新たなサポートです。弊社の卒業生の中にも、入学後に成績不振や不登校の問題を抱えるお子様がいらっしゃって、我々としてはそこに対して何かお役に立てることがあるのではないかと色々方法を考えているところです。

 

我々がサービスを通して中学受験を応援するのは、やはり「希望の学校で充実した生活を送ってほしい」という想いがあればこそなので、入学後に悩みを抱えてしまったお子様に対しても引き続きお力になっていきたいと思っています。

 

成功のためには、どんなときにも研鑽を忘れないこと

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

起業を志している若い世代の方には、積極的にチャレンジして欲しい気持ちはあります。

 

ただし、会社に勤めることと自分で事業を立ち上げることを比較したとき、どちらが楽な道かと問われると、圧倒的に前者であることも事実でしょう。

 

会社に勤める身であれば、苦しくても毎月25日になればお給料はもらえます。これが経営者になると、25日には自分が他の人にお給料を払わなくてはならない立場です。実際に経験してみると、これは非常に大きな違いと言えます。

 

これから起業するのであれば、相当な覚悟と確かな価値のある商材を持ってしなくては難しいという現実はお伝えしておくべきだと思います。

 

それでも起業したいと思える人は、ぜひ一歩踏み出してください。大切なのは研鑽を忘れないこと、仕事へのパッションを持ち続けること、そして仲間を大切にすることです。この3つを続けることができれば、きっと成功できるのではないかと思っています。

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:高畑 洋平氏

1991年、横浜市日吉生まれ。横浜市公立小学校に通いつつ、小学4年生から中学受験を開始。5年生からサピックスにてつらい中学受験生活の末、芝中学・高等学校に進学。早稲田大学商学部に在学中、大手塾講師として4年間勤務。

株式会社みずほ銀行に新卒入社し、約4年間勤務。在職中に教員免許を取得し、私立淑徳小学校担任として、約4年間勤務。退職後、中学受験コンサルティングタカベルを創業。

GLAYと浦和レッズをこよなく愛する。

 

企業情報

法人名

株式会社タカベル

HP

https://takabell.com/

設立

2024年8月8日

事業内容

中学受験の学習コンサルティング、コーチング、学習指導

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