【#373】TikTok運用代行で企業を課題解決へと導く。ロジカル×エモーショナルでZ世代・α世代に響くコンテンツを|代表取締役Co-CEO 織田 漸/畠山 雄樹(株式会社KeyWeave)

株式会社KeyWeave 代表取締役Co-CEO 織田 漸/畠山 雄樹
2024年3月に、学生起業&共同起業で北九州の地からスタートした株式会社KeyWeaveは、企業のSNS運用代行に取り組んでおり、特にTikTokに力を入れています。これまで地場企業や行政、そして東京の企業からも依頼を受け、SNS活用を通して採用や販促、集客といった企業課題の解決を手がけてきました。代表取締役Co-CEOのお二人に、事業内容や今後の展望などについてお話をうかがいました。(上記写真、左:畠山氏、右:織田氏)
Z世代・α世代と同じ目線があるからこそ効果的なコンテンツ制作が可能に
事業の内容をお聞かせください
畠山氏:企業のSNS(TikTok)運用代行事業を担っています。地場企業様をはじめ上場企業様や中小企業様などの、採用活動や販促、集客における課題をSNS活用によってワンストップで解決していくサービスを展開しています。
織田氏:強みは、クリエイティブの部分です。例えばZ世代・α世代の就職活動であれば、私たちが就活生とほぼ等身大のレンジで物事を思考して、今の就活に合わせた動画コンテンツを作り出せます。ターゲットに見合ったメンバーを当社が囲い込むことで、的確なアプローチで再現性高く実現できる体制を確立しています。現在、BtoB企業をはじめ、さまざまな企業からお声がけいただいています。
畠山氏:動画コンテンツは、ロジカルな部分とエモーショナル、非言語的な部分の両軸が重要だと考えています。特に企業が発信する動画においては、「何のために作るのか」「どのような効果が見込めるのか」「どういった仮説を立てて制作していくのか」をロジカルに言語化することが大切です。一方、ショート動画を観てもらうためには、若者に響く感性が必要です。したがって私たちがロジカルに枠組みを作り、その中に非言語的な部分を含めた若い感性を盛り込んでいくといったバランスを保ちながら事業を進めています。
織田氏:インナーブランディングの側面からもアプローチできるのが強みです。組織の規模が大きくなればなるほど、他の部署が何をしているのか知らない状況に陥ってしまいやすいところがあります。そこで、SNSを活用する際に現場の社員に登場してもらうことで、部署の垣根を越えたやり取りができるようになります。これまで撮影後にコミュニケーションが活性化され、結果として社員のエンゲージメントが高まったケースがあり、実際に評価の声をいただいています。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
織田氏:起業前から株式投資しており、米国株にも投資していました。TikTokが日本に上陸する前からその存在を知り、GAFAMの広告収益に大きな影響を及ぼしており、日本に上陸した際はYouTubeやInstagramなどのプラットフォーム市場を形成すると考えていました。ただ起業アイデアはあり起業したいとも思っていましたが、自分には動画制作のリソースがまったくなく実際に行動に移せていませんでした。そんな時に畠山と出会い話をする中で、今の事業に辿り着きました。
畠山とは大学の同期ですが、実は2年生まであまり話したこともありませんでした。共通項としてどちらの親も個人事業主で事業していたので、「起業する」という最初のハードルを感じなかったことも共に起業するに至った理由なのかもしれません。
畠山氏:高校時から、趣味で映像制作しており、大学生になってからも企業のPVなどを個人事業主として作っていました。その中で「SNSの活用はどのようにすればいいのか」といった相談を受ける機会も多かったことが背景にあります。また、個人的にTikTokをずっと使っていたので、私の知識や経験が活かせるかもしれないとSNSマーケティングで起業することを決めました。
共同で起業したのは、私はクリエイティブ寄り、そして彼は資金に関することなどロジカルな部分に強いのでお互いの強みが異なり、シナジーが生まれるかもしれないと感じたからです。
共同で起業されたことで感じたメリットはありますか?
畠山氏:私がクリエイティブ面などで感情や感覚を大切にするタイプであるのに対し、織田は理論的に物事を考えるタイプと、お互いの性格は対照的です。そのため、ひとつの物事を決める際に意見が分かれることもありますが、それこそが私たちの強みです。しかし、その分物事を決定するために十分に議論して答えを出しているので、これが事業の方向性を定めていく上で強みとなっていると感じています。
信頼してくださるクライアントにサービスできちんと成果として還元したい
仕事におけるこだわりを教えてください。
織田氏:こだわり抜いているポイントであり、譲れない軸はクライアントの自己実現です。KeyWeaveを立ち上げる前からお付き合いのある企業も多々ありますが、大学生で実績も少ない中で私たちを信頼してクライアントになっていただいているので、還元していきたいという強い気持ちがあります。このポイントは欠くことができないです。
畠山氏:クライアントの方のためにならないことは実行しないと決めています。そのため、たとえお金がいただけることであっても、それがクライアント企業にプラスにならないことであれば、「やめた方がいいですよ」と言うように心がけています。もちろん売上は大切ですが、BtoB企業として、信頼関係を保つことを優先しています。
加えて、動画編集者やクリエイターにも、可能な限り適正な還元を行うよう努めています。近年、動画制作の現場では単価の低下が進み、価格競争が激化している状況です。安さを優先し、クリエイターを使い捨てにするような傾向も見られますが、私たちはそうした流れに流されることなく、持続可能な仕組みを模索しながら進めています。
織田氏:業務委託でお付き合いがある編集者の方などと人事評価制度を一緒に作ったり、いただいた言葉を真摯に受け止め報酬体系を変更したりといった取り組みも行っています。意見をきちんとお聞きして、社内を改善していくために活用しています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
織田氏:事業の悩みとも通じる部分ですが、北九州市の企業におけるSNS導入のハードルが高いことです。ですので、導入までに時間がかかりすでに採用や商品販促などで負けている地方企業はSNSを導入しない期間が長いことにより、なお負けていく構造を変えきれていないのはものすごく悔しいですし、変える事が難しい壁に直面してます。
畠山氏:北九州をはじめ九州の企業にはSNSを活用するという文化がまだ根付いていません。だからこそ私たちが北九州/九州エリアで先頭を走って、新しい風を吹かせて文化を形成していくということを思案しています。
織田氏:今直面している壁は、突出した会社の強みを作っていくところです。サービスはともかく自社のコア技術を持ちたいという思いがあります。
畠山氏:若年層の感情を抽出できるところは強みなのですが、もっと突き詰めていかなければならないと感じています。
”トレンドの差”を危機感として捉え、できることを模索
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
畠山氏:起業したきっかけにもつながってくるのですが、私は神奈川県生まれで高校卒業まで神奈川に住み、大学入学を機に北九州市にやって来ました。今でも月に1回ほど帰省し東京や神奈川の友達と会うのですが、その中で”トレンドの差”を実感する場面が多いです。
例えば、SNSのBeRealが広まり始めた時、帰省すると皆が使っているのに北九州では「それ何」という具合でした。そして3年ほど経った時点で、ようやく北九州市でも認知度が上がってきたんです。
学生の間でもトレンドの差が発生しているのに、企業だとなおさら差があるのではと考えるようになりました。勝手ながらですが、それを危機感として捉え、気づきを得た私にだからできることがあるという思いで事業を進めていることが、モチベーションとなっています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
織田氏:北九州エリアで一番の会社になりたいと思っていますし、その先には福岡県、そして九州エリアで「SNSの運用代行といえばKeyWeave」といった位置付けになることを目指しています。現在、東京都でもクライアントが獲得できているので都内にも本社をおいて事業を広げているのですが、野望としてはこちらも一定数拡大しつつ、”北九州・東京・名古屋・大阪”と展開しながらいわばドミナント戦略を推し進めていきたいです。
畠山氏:福岡県と東京都で、”Z世代”をキーワードにSNSの運用代行事業を行っているところは全国的にみてもそれほど多くありません。両方の地域におけるインサイトを持ち合わせていることを強みに、さまざまな企業の手助けをしていきたいです。
加えて、まだお話できる段階ではないのですが、将来的には自社プロダクトの開発・展開にも力を入れていきたいと考えています。
起業への一歩を踏み出すことで、アイデアが追いついてくる
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
畠山氏:学生で起業するのは、最初は不安との勝負でもあります。やはり就活という軸で進路を決める人が大半なので、周りと違うことをしてるという不安感がつきまとっていました。ただ、最近は起業に挑戦してみようという雰囲気が国全体として感じられるので、当初の不安感みたいなのはなくなりました。そのため、何となく「起業しようかな」くらいの気持ちで進めてしまうのもいいと思いますが、このジャンルに挑戦しようと決めてから始めるといいのではないかなと思います。これは本当に性格によると思います。
そんな中でも、私が起業に活きていると感じることは、以前から映像制作を個人で行い、少しでも自分の力で稼げるという経験をしていたことです。また、バックパッカーとして海外を巡り、さまざまな文化に触れながら日本についてメタ認知した経験も糧となっています。日常生活で水道からお湯が出る、トイレがきれいでトイレットペーパーがあることのありがたみも再認識できました。このような経験が役立ち、リスクを負っても事業活動に励めるという面があります。
織田氏:起業したいという気持ちが芽生えたら、事業アイデアを先輩経営者にぶつけてみてはいかがでしょうか。我々も実際に事業アイデアを考えた際、経営者様や経営学を教えていらっしゃる先生にぶつけてました。もちろん、思いついたら即行動は賛成ですが、見切り発車にならないためにも先人の知恵をお借りするのも一つの手段だと思ってます。
また、起業に役立った経験は、やはり投資です。投資で先が読みやすくなったり、市場調査をしたりすることができますし、会社の財務についても理解を深められます。この部分が起業時の私のアドバンテージとなっています。
御社のサービスに興味がある方々へメッセージをお聞かせください
織田氏:採用に課題を感じている企業の方々に、Z世代のクリエイターを含めた私たちのサービスでコミットできる自信があります。これまで販促・集客面においても、ROI(費用対効果)が高い水準で維持できるような運用や提案を行っています。数値的な面はもちろんのこと、目には見えないインナーブランディングの側面でも効果が表れることが期待できます。私たちのサービスを通して、ご導入企業様の会社の利益向上、そして社員のエンゲージメント向上にまでつなげていきましょう。
畠山氏:SNSマーケティングの会社というと”キラキラ”としたイメージがあるかもしれませんが、当社はちょっと堅く、真面目な雰囲気です。ディレクターも製造業出身、織田と私も工学部ですので理系人材が集まったことで、必然的にそのようなカルチャーとなっています。それゆえに数字に強いですし、実際に堅い感じの企業と相性が良いと自負しています。真面目にSNS活用にトライしていきたいと考えている企業の方々は、ぜひご相談いただければと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:織田 漸氏
2002年、長崎生まれ。長崎県立島原高等学校卒業後、2020年九州工業大学に進学。大学では宇宙工学を専攻。2024年3月株式会社KeyWeave設立。SNSを通じて、ワンストップで企業課題を解決できるサービスを提供。
起業家データ:畠山 雄樹氏
2001年、神奈川生まれ。桐光学園高等学校卒業後、高校生の時に映像制作とTikTok活用を始める。大学進学を期に、北九州に移住。大学で13か国共同の衛星開発を行う傍ら、個人事業主として様々な企業のPVを制作。その過程で、九州の企業のSNS活用不足に課題感を感じる。この課題感をきっかけに、九州工業大学卒業後、2024年株式会社KeyWeaveを設立。
企業情報
法人名 |
株式会社KeyWeave |
HP |
|
設立 |
2024年3月 |
事業内容 |
SNS運用代行業、広告代理店業 |
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