FUN SPIRITS株式会社 代表取締役社長 日景太郎

エンターテインメントと地域活性を融合させ、エンタメマーケティングを展開しています。街歩き謎解きや脱出ゲーム運営など「体験型エンターテイメント」を軸に、地方自治体や大手企業と連携し、データ分析に基づいたマーケティング戦略で地域活性化に貢献しています。代表の日景太郎氏に詳しい事業内容や今後の展望をお聞きしました。

偶然の出会いから天職を見つける

事業の内容をお聞かせください

私たちは全国の地方自治体様、プロモーションや集客を仕掛けたいとお考えの事業者様に対し、体験型エンターテイメントを通じて、伴走支援や新規事業の創出を行うエンタメマーケティングを展開しています。

 

具体的なエンターテイメントとして多く手掛けているのが謎解きです。街歩き型や、最近では空き家を活用した脱出ゲームなども取り入れています。

 

それ以外にも、SNSプロモーションや、IPマーケティングに力を入れています。地方自治体様には、様々なキャラクターの活用が止まってしまっているケースが非常に多く見受けられます。

 

そこでキャラクターのリブランディングやSNSでのアピールなどのご提案をすることも増えています。

 

そして、私たちはエンタメを使った地域マーケティングを得意としているため、データ分析まで行っていることが強みだと考えています。

 

例えば観光イベントを実施して売り上げがあった場合、どのくらいの経済効果があったのか、体験の満足度などの施策の結果を可視化し、まとめて報告しています。

 

それにより、次のマーケティング施策にしっかりと繋げられることを強みとしています。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

もともと新卒でおもちゃのメーカーに就職しました。入社のきっかけは、「子供たちに直接、自分の生み出した価値を届けたい」という気持ちで、エンターテイメント業界を選びました。

 

また、もともと学校教育で起業し、キャリア教育プログラムの一環として修学旅行に謎解き要素を取り入れたいと考えていました。子供たちが遊びながら学べる、面白い体験授業を作りたいという気持ちがきっかけで、一番最初に謎解きを制作したのが始まりでした。

 

ちょうどその頃コロナ禍に入り、私はブログに謎解きを投稿していました。そこからいくつか問い合わせが入り、仕事に繋がっていきました。

 

謎解きとの出会いは偶然でした。社会人になり、サークルの先輩の誕生日会で初めて謎解きというものに触れ、この面白さを体験したのが原点でした。

 

同じ時期に、学校教育事業を立ち上げたいと考えていたので、この二つのアイデアが結びつきました。

 

そして、子どもたちに向けて実際に修学旅行向けの謎解きコンテンツを制作した結果、表情や反応が想像以上に素晴らしいものでした。その時に、これは自分の天職かもしれないという思いが芽生え、事業の核とする決意が固まりました。

 

エンタメの前に、人として誠実であること

仕事におけるこだわりを教えてください。

エンターテイメントを作ること以前に、挨拶や報連相などの人との繋がりを大切にしています。

 

私は仕事を別と考えたとき、一緒に何かをやりたいかという点を非常に大事にしています。ありがたいことに、多くの方からコミュニケーションの心地よさから紹介に繋がるケースが増えてきました。

 

そうしたお言葉をいただくたびに、大切にしてきたスタンスは間違っていなかったのだと実感しています。

 

そして、もう一つのこだわりは、人の根源的な欲求を掘り下げることです。

 

人が面白い、行ってみたいと感じるような、人を動かす欲求は、おそらく10年後も20年後も変わらないと思っています。

 

ゲームが進化したり、流行り廃りがあったりと時代の変化はありますが、エンターテイメントに触れた時に人々が面白いと思う根源は昔から変わらないはずです。

 

そうした欲求を深く掘り下げた時に、絶対に面白いだろうと思えるものを作ることを日々追求しています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

私にとっての最大の壁は、起業してから1年半ほど全ての業務を一人で抱え込んでいた時期に起こりました。

 

当時、ある自治体様からの案件があったのですが、その時に体調を崩し、一週間ほど動けなくなってしまったことがありました。結果的に納期を遅らせてしまい、お客様からかなりお叱りを受けたことがあります。

 

この経験を通して、やはりしっかりと組織化して、チームとして動いていかなければならないと強く実感しました。

 

私はもともとプレイヤー気質なので、一人で何事もやってしまう部分があるのですが、組織として動くには足かせになってしまいます。

 

周囲に仕事を任せることは、今まさにチャレンジしている最中です。

 

行動変容を生むエンタメの可能性

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

私は普段モチベーションというものを意識していないですが、あえて言うのであれば、何もないところから新しい企画を生み出し、自分たちの仕事が人々の行動を変えていると実感できることだと思います。

 

例えば、大手企業様と実施した「特急ときわ・ひたち号×水戸市周遊謎解きイベント『セツナトレイン』」では、乗車した方の9割以上が初めて特急ときわ・ひたちに乗ったという結果になりました。

 

ささやかかもしれませんが、世の中に良い変化を起こし、社会の役に立っているということが、大きなモチベーションになっています。

 

自分が手掛けたものが、世の中に飛び出して多くの人に届いているのを見るのは、本当に楽しいです。

 

起業に至った理由と重なりますが、エンドユーザーの顔やリアルタイムなフィードバックが直接返ってくる環境に身を置かせてもらえていること自体が、私にとって非常に幸せなことだと感じています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

私たちのコンテンツが旅先の目的になる世界です。年間20万人の方に、私たちのコンテンツをきっかけに地方に足を運んでくれるような仕組みや仕掛けを作りたいと考えています。そのために、イベント単発ではなく常設でコンテンツが楽しめる場所を増やしています。

 

例えば、ある宿泊施設に泊まると、私たちの謎解きで遊べるというようなサービスの導入先を増やしているところです。コンテンツを楽しめる場所を広げる活動と、ファン作りを同時並行で行っています。

 

今後は、謎解きをあまり遊んだことがない方々にも、弊社のマークを見るだけで会社の名前が浮かぶような、ブランドの定着と拡大を目指していきたいです。

 

得意を活かし、情報発信で未来を切り開く

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

私は、好きと得意は別物だと考えていて、もし起業されるのであれば、まずは得意なことを優先してほしいと思います。もちろん、好きと得意が重なっていれば、最高の仕事になりますし、それが収益にも繋がれば理想的です。

 

しかし、好きだけれども得意ではない場合だと、世の中にその価値を届けられないこともあり、いずれ辛くなって、挫折してしまうかもしれません。

 

なのでまずはご自身の得意なことを優先することがいいと思います。

 

また、情報発信が非常に大事だと思っています。私も数少ないフォロワー数の中でもブログに謎解きを投稿し続けたことで、結果的にそれが仕事に繋がりました。

 

今の時代、やはり情報発信を続けることで、どこかで誰かが見つけてくれる可能性が生まれていると思います。

 

パートナー企業様へのメッセージをお願いします

私たちはクリエイティブメンバーの強化と、一つのプロジェクトによるマーケティング効果を最大化することを、強みとしています。

 

特に、ゲーム業界の企業様、キャラクターといった知的財産を既にお持ちの企業様、そして交通インフラのような資産をお持ちで、そこに新しい仕掛けを加えたいとお考えの企業様との連携は、私たちの最大の強みを活かすことができると思います。

 

ぜひお気軽にご相談いただければ幸いです。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:日景太郎

地域活性謎解きクリエイティブチームKAGENAZO代表。謎解きクリエイターかげたろーとして、日本全国に「謎解き×地域活性」を仕掛けており、毎週さまざまな地域に足を運んでいる。

 

企業情報

法人名

FUN SPIRITS株式会社

HP

https://kagenazo.com/

設立

2023年6月28日

事業内容

  • 地域活性マーケティング事業
  • 謎解きコンテンツ開発・イベント運営
  • 観光資源開発支援
  • SNS運用支援
  • 教育教材開発支援

 

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