
株式会社フェッド 代表 小林 巧樹
「全てのエンジニアリングをもっと身近な存在へ」をミッションに掲げる株式会社フェッド。中小企業やスタートアップ企業向けのIT受託開発とプログラミング教育を展開する企業です。高いコミュニケーション力で要望を引き出し技術で解決する受託開発と、学習中も報酬を得られる無料プログラミング教育で新たな価値を創出しています。代表の小林 巧樹氏に、事業内容や今後の展望なども含めて詳しくお聞きしました。
スタートアップの成長に伴走する柔軟なIT受託開発
事業の内容をお聞かせください
ITの受託開発と、未経験者向けのプログラミング教育という2つの軸で、事業を展開しています。
受託開発では、お客様にしっかりとヒアリングを行い、要望を私たちの技術力で形にして納品するまでを一貫して担当しています。業種や業界は特に限定せず、提案力とコミュニケーション能力を強みとして差別化を図っています。
顧客は、中小企業やベンチャー、スタートアップ企業です。柔軟な契約形態でお客様と一緒にメンバーとして参画し、ITサービスや事業を作り上げながら伴走して成長を支援することを得意としています。
料金体系についても、柔軟性を重視しています。ベースの料金は設定していますが、小規模な案件であればお客様に合わせてカスタマイズした料金を提案し、数ヶ月にわたる長期開発案件の場合は料金表に月数をかけた形で算出するなど、様々なニーズに対応しています。

開発の契約前にトライアル期間があるとお聞きしました。導入した経緯を教えてください
お互いが「この人たちなら安心して任せられる」と見極めるために、トライアル期間を設ける場合があります。
これは私たちが大切にしている「対等」という考え方から生まれました。開発会社がお客様から仕事を受注する際、どうしてもお客様が優位な立場になりがちです。
お客様の方が立場が上になるのは当然なのですが、本当に良いシステムを作るためには、お客様と開発会社が対等な立場でしっかりと向き合って仕事を進める必要があります。強固な上下関係があると、良いシステムはできないと私は考えています。
そこで、案件によっては1ヶ月間のトライアル期間を設けて、実際に稼働します。お客様から見て私たちの動きに問題がないか、私たちから見てお客様と一緒に進められるかを確認する期間です。
プログラミング教育では受講費用がかからず技術を学べるそうですね。仕組みを教えてください
当社のプログラミング教育では受講費用は無料で、学習の進捗に応じて受講生は報酬を得られます。学習終了後は6ヶ月間、自社エンジニアとして勤務していただく仕組みです。
私が調べた限りでは、このような仕組みを提供している会社は他にありません。一般的なスクール事業は受講生から受講料をもらい、最終的に他の会社に紹介して紹介料を得るモデルです。しかし、エンジニア採用が難しいと言われるこのご時世に、自社のカリキュラムで教育を施したエンジニアを他社に紹介してしまうのは、非常にもったいないと感じていました。
さらに、一般的な学習サービスでは受講費用がかかるため、経済状況によってはキャリアチェンジを諦める人も少なくありません。当サービスでは受講中に報酬を得られるため、経済的な心配をせずに学習に集中できます。
また、未経験から仕事を獲得するのは難しいため、当社で実績を積んでいただくことで経験者への第一歩を歩むことが可能です。
せっかく優秀なエンジニアがいるなら、自社で案件を任せて定着してもらった方が良いですし、教育機関としても受講生に身近な目標を示せることは価値があると考えています。
現在このプログラミング教育では、未経験の方はもちろん、すでにプログラミングの仕事をされている方で、さらにスキルアップしたいという方にもご利用いただいております。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
ITとの出会いは小学6年生の頃で、自分でパソコンを組み立ててホームページを作ったことがきっかけです。大学もコンピューター科に進み、新卒からずっとIT業界で会社員として働いていました。
会社員として働きながら、副業で個人事業主を5年ほど続けていました。自分で営業をかけて案件を獲得し、個人で受注する経験を積んでいたのです。元々は起業したいと思っていなかったのですが、事業を大きくしたいとの想いから、現在の形に至りました。
教育事業を始めた背景には、私が以前大手プログラミングスクールで2年ほど講師をしていた経験があります。オフラインの教室で、生徒さんが分からないことがあれば手を挙げてもらい、個別に解決していくスタイルで教えていました。
その時に、やる気に満ちた受講生がプログラミングを学んで人生を変えようとする姿を間近で見て、教育の素晴らしさを実感したのです。コロナで環境が変化した後は別の道を選びましたが、その経験が心に残っていました。
起業時は教育事業をやる予定ではありませんでしたが、昨今のエンジニアの売り手市場を鑑みると、採用が困難といった課題もあり、初学者向けにサービスを提供して、最終的に自社エンジニアとして働いてもらえればと考え始めました。

相手の本当の要望を引き出し、技術力で解決する
仕事におけるこだわりを教えてください。
一般的に「ITエンジニアはコミュニケーションが苦手」と言われますが、私は逆にそこを武器にしています。
相手の気持ちを理解して、何を求めているのかを自分なりに解釈し、分かりやすく翻訳する仕事の進め方を大切にしています。技術力だけで解決する方法もありますが、私はそういうやり方はあまり好きではありません。
むしろ相手に寄り添いながら、本当は何を実現したいのかを対話を通じて引き出し、技術的な解決策に落とし込んでいく。これが当社の仕事のスタンスです。
起業から今までの最大の壁を教えてください
何をするにも、自分1人では限界があると実感したことです。
個人事業主を長くやってきたので、経理・確定申告をはじめ、案件の獲得から管理まで、自分1人で完結できていました。しかし会社規模になると、1人では対応しきれないと痛感しました。
そこで人材を迎え入れることにしました。私と一緒に仕事をして良かったと言ってくださる方々が周りにいたので、声をかけて協力してもらっています。私にはない能力やスキルを持った人ばかりなので、いつも頼りにしています。

技術力と相手に寄り添う力を持つエンジニアを育成する
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
自分の利益の追求や、億万長者になりたいといった欲求は全くありません。
私にとって、正社員の働き方は様々な制約が伴います。そうした束縛を受けずに自由に生きていくためには、自分の地位や立場をしっかりと確立していく必要があります。それが一つのモチベーションになっています。
もう一つは、これまでお世話になっている方々にしっかりと還元したいという想いです。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
現在2軸で事業を展開していますが、「ITコンサル」という新しい軸を加える予定です。
私の強みはコミュニケーション能力にあります。お客様の「こんなことがしたい」といった要望を、実現可能な具体的なプランに落とし込むことが得意です。
まずコンサルタントとして案件に参画し、要件を整理して案件化した後は、自社のエンジニア部隊が実際の開発を担当する流れを作りたいと考えています。
エンジニアが不足した場合でも、教育事業を手がけているので継続的な人材確保ができます。「コンサル・開発・教育」という3つの事業の相乗効果を、3年後までに確立することが目標です。
そして10年後の展望としては、私が持っている「翻訳スキル」を全社員に身につけてもらいたいと考えています。これは技術的な質問を受けた時に、技術面の説明だけでなく、相手の立場に寄り添いながら分かりやすく伝えられる能力のことです。組織全体でのスキル向上に取り組んでいく予定です。
個人事業主からスタートする
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
今は元手をかけなくてもビジネスができる時代です。プログラミングも、パソコン1台あればできますし、在庫も場所も必要ありません。SNSの運用代行なども同じで、スキルさえあれば始められます。
AIに代替されないスキルを持っているなら、いろいろ人な壁打ちしてもらい、事業として形にできるかをとことん考えてみるのもいいでしょう。
それに加え、個人事業主から始めることを強くおすすめします。小さくスタートして、税金が高くなってきたから法人化するといった自然な流れで進めた方が失敗のリスクも少ないと思います。

貴社のサービスに興味がある企業へのメッセージをいただけますか?
ITを用いて何かを実現したいアイデアがある方は、まずは壁打ち感覚でお話しませんか。的確なアドバイスはもちろん、予算感や費用感、スケジュールについても具体的にお伝えできます。遠慮なくお気軽にお声がけいただければと思います。
▼お問い合わせはこちら
https://fed-corp.co.jp/contact
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:小林 巧樹氏
企業情報
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法人名 |
株式会社フェッド |
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HP |
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設立 |
2024年7月29日 |
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事業内容 |
・ラボ型開発支援事業 ・プログラミング教育支援事業 |
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