株式会社Piece 代表者 出野 隼也

大阪市北区の訪問介護事業所「ピース」。代表者の出野隼也氏は、元消防士で、ファイナンシャルプランナーや飲食店の経営者の顔も持つという、異色の経歴の持ち主です。2024年に新たに始まった訪問介護事業では従業員はすでに25名に増え、まもなくフランチャイズの1号店と2号店の開業も予定しています。今回は出野氏に、訪問介護サービスを始めた経緯や、進み続けるモチベーションについてお聞きしました。

 

社内フランチャイズ制度で、介護士のキャリアの常識を破る

事業の内容をお聞かせください

弊社は訪問介護事業所「ピース」を運営しており、訪問介護サービスを提供しています。訪問介護とは、高齢者や障害のある方のご自宅に訪問し、身体介護、家事援助、移動支援などを行うサービスです。

 

現在、25名の介護スタッフが活躍しており、若い世代のスタッフが多いのが特徴です。業界全体で介護従事者の高齢化が進む中、弊社のスタッフの平均年齢は30代前半と、未経験から始めたスタッフも多く活躍しています。

 

未経験者が安心して働ける理由は、採用時の面談の進め方にあります。面談で私が「あなたの夢は何ですか?」と尋ね、夢を引き出し、その実現に向けて一緒に頑張ろうと伝えています。このように、夢を語る場を提供することで、従業員の成長をサポートしています。

 

また、現在は社内フランチャイズ制度の導入準備を進めており、介護職として働く中で起業のチャンスを提供できる環境づくりを目指しています。

 

従業員は介護の仕事を続けながら管理者に必要なスキルを学び、最終的には自分の希望する業種で起業できる仕組みを整えていく予定です。これにより、収入の天井をなくし、自己実現を支援します。

 

この制度は、従業員が自分の夢を具体的にイメージし、努力できる環境を作りたいという想いから構想したものです。面談時に応募者と一緒に夢を語り、その実現に向けた道筋を描くことを大切にしています。

 

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

私は起業前、消防士として安定した公務員生活を送っていましたが、次第に自分のやりたいことを実現したいという思いが強くなり、起業を考えるようになりました。しかし当時、起業に関するノウハウが全くなかったため、消防士を続けながら、様々な経営者に話を聞くことにしました。

 

その中で、尊敬するフィナンシャルプランナーと出会い、その仕事に対する姿勢や専門性に深く感銘を受けました。特に、起業に向けて営業力と資金を固めるべきだという具体的なアドバイスが、私に大きな影響を与えました。

 

その助言をもとに保険や投資信託の営業代行を始め、事業基盤を築きながら自分自身も成長していきました。消防士を退職する際には、従業員1万人の経営者になるという目標を掲げ、その思いを今も持ち続けています。

 

ファイナンシャルプランナーとして独立後は、月に120件以上の商談をこなし、実績を上げました。その結果、2年間で起業に必要な資金を蓄えることができました。

 

最初に手掛けた事業はバーの経営で、順調に収益が上がり、現在も大阪市内で3店舗目をオープン準備中です。しかし、当時から飲食店の経営はリスクが高いと感じており、リスクを補うために「守りの事業」を持つべきだと考えるようになりました。

 

その際、訪問介護事業を経営している方と出会い、その成功事例を聞いて「これだ」と感じました。従業員1万人の経営者になるという目標を実現するためには、訪問介護事業が最適だと確信しました。

 

また、消防士時代に救急隊員として3年間勤務した経験を活かし、すぐに介護現場に入れる自信もあったため、この事業に挑戦する決意を固めました。

 

全員が人生の主人公

仕事におけるこだわりを教えてください。

大切にしているのは、「全員が人生の主人公」という考えです。

 

これは私の好きな漫画「ONE PIECE」の主人公・ルフィの生き方から学んだことです。彼は自分より強い敵と戦い、負けても、またすぐに立ち向かっていきます。これは私の個人的な考えですが、彼が何度窮地に陥っても敵に立ち向かえるのは、自分が主人公だと知っているからだと思います。

 

主人公だから必ず勝つという信念があってこそ、彼の行動が理解できます。この姿勢はビジネスの世界にも通じるもので、挑戦して失敗しても終わりではありません。

 

失敗しても終わりではないという点では、ルフィのように挑戦し続けるべきだと思います。せっかく人生の主人公でいられるのですから、挑戦しないのはもったいないと考えています。

 

毎日食べて、寝て、同じ仕事の繰り返しで生きるより、ルフィのように傷を負っても主人公らしく挑戦するほうがいいというのが私の信念です。これは社内でも従業員によく伝えています。

 

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

消防士を辞めて独立しようとしたとき、周囲のほとんどの人から「お前にできるわけがない」と否定されたことは、正直辛かったです。

 

当時の私には、起業に必要な経験が不足していたため、周囲の反応も理解できました。消防士時代、私は事務処理のミスや連絡漏れが多く、仕事がうまく進まないこともありました。

 

起業は無理だと言われ、悔しい思いもしましたが、その反骨精神が、次第に絶対に成功させると決意する原動力となりました。

 

事務作業は苦手でしたが、独立後の営業の仕事は自分に合っており、楽しく取り組むことができました。

 

最初に取り扱っていたBtoCの商品を身近な人にも案内していたのですが、そのことで一部から誤解を招き、周囲との関係が一時的に難しくなった時期もありました。しかし、その経験を通じて、信念を持って行動し続けることの重要性を学びました。

 

現在は全く異なる介護事業に注力していますが、ここでも業界特有の課題に取り組んでいます。私はすべての従業員に、介護の仕事を自己実現の場として捉えてもらいたいと考えており、業界の変革に向けて前向きに取り組んでいます。

 

介護の仕事は非常にやりがいがある一方で、大変な面もありますが、安定した収入や生活の質を大切にする気持ちも理解しています。その中で、業界全体の働き方や価値観を変えて、もっと多くの人が夢を持って働ける環境を作り上げていきたいと考えています。これが、私の次なる挑戦です。

 

従業員に夢を語らせた責任がある

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

私の原動力になっているのは、従業員に語った夢を実現する責任を果たすことです。

 

面接のたびに、一人ひとりの夢を引き出し、その実現を一緒に目指すことを約束してきました。約束した以上、その実現をサポートすることが私の責任でもあり、使命だと感じています。

 

従業員の中には起業したいと思っている人もいれば、この会社でステップアップしたいと考えている人もいます。どちらの夢も実現するためには、組織を拡大し、売上を安定的に伸ばしていくことが不可欠です。

 

結果的に、私が掲げていた「従業員1万人の大企業」という目標は、今では従業員の夢を支えるための必達の目標に変わりました。正直、起業当初に比べて感じるプレッシャーは大きくなりましたが、それでもやり遂げるしかないという気持ちに切り替えられ、強いモチベーションへとつながっています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

当面の計画としては、まず2026年の4月に大阪でフランチャイズの1号店と2号店を同時スタートさせる予定です。ここでの成功事例を足がかりとして、さらに全国へフランチャイズを展開していきたいと考えています。

 

直近の最も大きな目標は、2035年までに全都道府県に訪問介護事業所「ピース」を開業することです。

 

私が全都道府県へのフランチャイズ展開にこだわっているのには、確かな理由があります。それは、最大の壁でも述べたような、今の介護の現場に多い未来が見えないというネガティブな空気を根本から変えるためです。

 

「ピース」が誇る「夢を持って働くポジティブな文化」を、フランチャイズ展開によって全国に浸透させるというのが、私の野望です。全国に「ピース」の事業所があることで、日本のどこにいても介護士が自分の夢を語れるような未来をつくりたいと思っています。

 

採用について教えてください。

弊社は、挑戦を促進する環境を提供しており、特に若い世代の方々が素直に前向きに成長できる職場です。実際、弊社の20代や30代の従業員は、未経験からスタートし、日々意欲的に成長を遂げています。

 

訪問介護事業所「ピース」では現在、新規スタッフを募集中です。知識や経験は一切問いません。大切なのは、自分の夢や目標を持っていることです。介護業界の収入に対する先入観を持たず、自分の夢を実現したい方は、ぜひご応募ください。

 

今この瞬間に動き出すのが最善策

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

起業を考えているなら、できるだけ早く動き出すことが最善です。今この瞬間に一歩踏み出すことが、未来への第一歩になります。

 

もし「何をやりたいか思いつかない」と感じている方がいれば、どんなに小さなことでもいいので、まずは一つ目標を持ってみてください。それを達成することで得られる成功体験が、次の大きな目標への基盤になります。

 

目標を立てて達成することを繰り返し、それが習慣になるまで頑張ってみてください。

 

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:出野 隼也

2015年消防局入社。2020年、ファイナンシャルプランナーとして個人事業主になる。2021年6月株式会社Total Finance設立。2023年5月大阪市北区でBarBaBuuオープン。2023年11月訪問介護事業所ピース設立。2024年11月大阪府松原市で老人ホーム運営開始。2025年5月心斎橋でBarチョイのこしオープン。同年10月大阪市東住吉区で障害者向け賃貸住宅一棟運営開始。

 

企業情報

法人名

株式会社Piece

HP

https://piece2023.com/

設立

2023年11月1日

事業内容

  • 訪問介護事務所
  • 障がい者総合支援
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