株式会社イコック CEO 大山慶悟

株式会社イコックは、日本初のエスニック料理専門メディア「エスニックマガジン」の運営をはじめ、バインミー専門店の展開、エスニック料理店の支援事業など、食を通じて日本と東南アジアをつなぐ事業を展開しています。CEOの大山慶悟氏に、エスニック料理への熱い想い、事業への取り組み、そして今後の展望について詳しくお聞きしました。

エスニック料理で日本と東南アジアをつなぐ

事業の内容をお聞かせください

当社は主に3つの事業を展開しています。一つ目が飲食事業で、現在はバインミー専門店の運営を行っています。

 

二つ目がメディア事業で、日本最大級のエスニック料理専門アカウント「エスニックマガジン」と、エスニック料理店のオーナーや関連事業の経営者をフィーチャーした「エスニック総研」を運営しています。三つ目がエスニック料理店向けの支援事業で、飲食コンサルティングやインスタグラムの運用代行などを提供しています。

 

メディア事業では、エスニック研究所という有料コミュニティを運営しており、月に2回から4回のオフ会イベントを開催しています。フォロワーの約7割が女性で、20代から40代の方が中心です。多くの方が「エスニック料理は大好きだけど周りに友達がいない」という悩みを抱えており、そうした方々の受け皿となっています。

 

支援事業については、私が前職で飲食店支援の営業を経験していたこともあり、そこで培ったノウハウを活かしています。飲食店は毎日の準備に追われて攻撃に回れていないことが多いため、ビラ配りやSNS運用、採用支援など、店舗が手が回らない部分をサポートする形です。

 

そして飲食事業では、バインミー専門店「TOKYO BANH MI STAND」を運営しています。こちらは港区元赤坂に1店舗目を構え、オフィス街がターゲットです。

 

港区と千代田区にはバインミー専門店がなく、一方でメディアのアンケートではこのエリアでの需要が高いというデータがあったため、このエリアに出店しました。現在はUber EatsやRocket Nowでのデリバリーも展開し、企業様からのケータリング注文もいただいています。

 

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

起業の背景には、学生時代にバックパッカーをしていた経験があります。世界各地を旅する中で、日本の良さを再認識すると同時に、海外のエネルギッシュな雰囲気が日本にはないことに違和感を覚えました。帰国後、周りの友人が現状に満足している姿を見て、そのギャップをより強く感じるようになりました。

 

私自身、海外に行ってから人生が変わった経験があるため、もっと多くの人が海外に目を向けるきっかけを作りたいと考えました。そこで学生時代からメディア運営を始め、YouTubeでバックパッカーの様子を発信していました。

 

しかし、コロナ禍で海外に行けなくなり、YouTubeでの発信ができなくなってしまいました。その時に出会ったのがエスニック料理です。

 

海外に行けなくても、都内でベトナム料理やタイ料理を通じて海外の魅力を伝えられると気づきました。当時、エスニック料理を紹介するグルメアカウントというポジションが空いていたこともあり、これは事業化できると確信しました。

 

バインミーに目を付けたのは、大学1年生の時に初めてベトナムでバインミーを食べたときの衝撃を今でも覚えているからです。野菜もたくさん入っていて栄養もあり、味も本当に美味しかったんです。

 

エスニック料理が苦手な人でもバインミーなら構えずに食べやすく、エスニック料理や東南アジアに興味を持つ入り口としては適役だと考え、バインミー専門店の開業を決めました。

 

エスニック料理を通じて視野を広げる

 

 

仕事におけるこだわりを教えてください。

譲れない軸は、エスニック料理を通して日本と海外をつなげることです。

 

食のパワーは非常に大きいと感じており、バインミーやガパオライスを食べた瞬間、脳内でその場所の記憶が今でも蘇ります。海外に行ったことがある人はそうした体験ができますし、行ったことがない人も、その料理を通じてベトナムやタイを知るきっかけになります。

 

エスニック料理を提供することで、もっと多くの人に海外に目を向けてもらいたい。その想いを強く持って事業を進めています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

最大の壁は、店舗を出すことでした。メディアやコンサル事業は着実に継続できましたが、それらの事業は「クライアント様の売上最大化」を支援する性質上、どうしても相手側の状況やペースに左右されてしまいます。

 

日本と海外をつなぐという目標に対し、もっとダイレクトに、もっと速く形にしたい。その想いから、支援者の枠を超えて自らリスクを取り、飲食店という現場に打って出る決断をしました。

 

しかし、実際に店舗を出すまでには多くの困難がありました。去年3月にバインミー事業を起案してから、店舗を出したのが12月で、その間に2店舗が頓挫しています。

 

営業に必要な電力量であったり、会社が一期目ということで与信の問題など店舗を出す大変さを身に染みて感じました。これが最後という気持ちで元赤坂に条件が合う物件を見つけ、資金調達も無事成功し12月にオープンすることができました。

 

 

視野を広げる体験を届け続ける

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

多くの人にエスニック料理を通じて東南アジア、さらには海外を好きになってもらいたいという想いが、モチベーションの中心にあります。

 

海外に行くと視野が広がり、日本で感じていた悩みがちっぽけに思えることがあります。そうした視点の変化を、私たちの事業を通じて提供できていると実感しています。

 

この事業が本当に人のためになっているという手応えがあるからこそ、さらに大きくしていきたいと強く思うことができています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください

まずは店舗展開に注力していきたいです。「バインミーといえばTOKYO BANH MI STAND」というポジションを確立し、オフィス街を中心に店舗を増やしていきたいと考えています。

 

具体的には、港区の溜池山王や虎ノ門ヒルズ、千代田区の八重洲、丸の内、大手町などが候補です。テイクアウトを中心とした小規模店舗を展開していく予定です。都内を中心とした首都圏での店舗展開が軌道に乗った後は、地方展開も視野に入れ、バインミーのビッグウェーブを起こしていきたいですね。

 

また、東南アジアと日本をつなげる事業も展開していきたいと考えています。

 

個人的には、東南アジアでの海外インターンシップ事業も実現したいです。私自身、バングラデシュで海外インターンを経験し、理不尽なことがたくさんある中で自分の意見を発信しながら働く貴重な体験をしました。そうした機会を若い世代に提供できればと思っています。

 

長期的な展望としては、日本が東南アジアと連携しながら、人も物も金も流動して発展していく未来を作りたいと考えています。当社を通じて、東南アジアと日本が食べ物も人もいろいろなものでつながっていく、そんな会社にしていきたいです。

 

 

野心があるなら全力で挑戦を

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

私も最初は起業なんてすごい人がやることだと思っていましたが、実際にやってみるととても楽しいです。フリーランスとして一人でやっていた時期もありましたが、その時は全く仕事ができませんでした。誰かと一緒にやることが向いていると気づき、起業は自分にとって救いになりました。

 

自分ができないことをメンバーがやってくれる。そうやって補完し合いながら進められるのが会社の魅力です。大きいことをやるには、一人の力では足りません。野心がある人や、本当にやりたいことがある人には、起業はとても向いていると思います。

 

会社を経営することは、子供を育てるような感覚です。本当に楽しくて面白いので、悩んでいるならすぐに行動に移した方が良いと思います。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:大山慶悟 氏

学生時代に、日本初のエスニック料理店紹介アカウント「エスニックマガジン」を立ち上げる。立教大学卒業後、株式会社リクルートに入社し、ホットペッパーグルメに配属。関東圏での新規営業を経て、大阪ではリテール営業を担当。その後、リクルートを退職し、イコックを創業。

 

企業情報

法人名

株式会社イコック

HP

https://ikokku.co.jp/

設立

2024年11月

事業内容

  • 飲食事業
  • メディア事業
  • エスニック料理店支援事業
  • インバウンド事業
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