【#639】PC・スマホゲームの開発から運営・コンサルまで一気通貫で支援。14年の継続実績を武器に「4つのC」で業界に価値を提供し続ける|代表取締役社長 長谷川 友也(株式会社シフォン)

株式会社シフォン 代表取締役社長 長谷川 友也
株式会社シフォンは、PC・スマートフォン向けオンラインゲームの開発・運営、および他社への運営支援事業を展開する企業です。自社タイトル『M2-神甲天翔伝-』を14年以上にわたり安定運営し続ける高い専門性と、変化の激しい業界で培った独自の運営ノウハウを強みに、デジタルエンターテインメントの新たな価値創出に取り組んでいます。今回は代表取締役の長谷川友也氏に、事業のこだわりや、今後の展望についてお話を伺いました。
20年のキャリアが支えるオンラインゲームの設計と運用
事業の内容をお聞かせください
弊社は、PCおよびスマートフォン向けオンラインゲームの開発・運営を主軸とした事業を展開しております。私を含めた役員陣は、オンラインゲームの黎明期から約20年にわたり本業界に携わっており、蓄積された豊富な知見と運営ノウハウを最大の強みとしています。
近年のゲーム市場では、コンシューマーゲームにおいてもオンライン対応が不可欠となり、継続的なアップデートやイベント運用が一般化しています。しかし、オンライン前提のゲーム開発は、従来のスタンドアロン型の開発とは設計思想が根本から異なります。
一例を挙げれば、かつては端末側に保存していたユーザーデータを現在はサーバー側で一括管理する必要があり、これに伴うデータ設計やインフラ運用の専門性が問われます。
「ゲームとしての面白さ」を追求する開発力はあっても、こうしたオンライン特有の運営体制やアップデートを前提とした設計を課題とされているメーカー様は少なくありません。弊社では、長年培ってきた運営のノウハウを活かし、こうした企業様へオンライン運用の知見を提供し、開発現場の支援を行うことをビジネスの柱の一つとしております。
また自社事業として、オンラインゲーム『M2-神甲天翔伝–』の運営も行っております。本作は台湾のライセンサーより日本国内における開発・運営の全権(ライセンス)を取得しており、自社で一貫したサービス提供を行っております。

事業を始めた経緯をお伺いできますか?
私が起業を決意した背景には、幼少期から続く「ものづくり」への情熱と、これまでのキャリアで直面した課題がありました。
私のゲーム制作における原体験は、幼稚園から小学生時代の頃にあります。当時はLSIゲームが普及し始めた時期で、早くから「遊ぶ」側だけでなく「作る」側への関心を持っていました。
小学生の頃には、学校内での娯楽への制限を「自作の工作物」という形で工夫し、ビー玉迷路などのゲームを考案して友人に提供するなど、独自の着眼点でアウトプットを行っていました。その後、中学時代にはプログラミングによる競馬ゲームの自作、高校時代には情報技術専攻として映像制作チームを率いるなど、一貫してクリエイティブを通じた自己表現を続けてきました。
2004年に、オンラインゲーム『M2-神甲天翔伝-(当時の名称は「M2《神甲演義》」)』の日本立ち上げメンバーとしてキャリアを本格化させましたが、その後、運営母体の撤退などにより当該タイトルは二度にわたるサービス終了を余儀なくされました。
こうした経験を通じ、大切なサービスを自らの責任で末永く継続させていくためには、経営の主導権を自ら持ち、理想を実現できる組織をゼロから作る必要があるという確信に至りました。
そうして2011年、自身の理想を実現するための基盤として独立を決意いたしました。起業に際しては、不本意な形でサービスが停止していた『M2』の復活を最優先課題とし、単身で台湾のライセンサー(インターサーブ社)との直接交渉に臨みました。
粘り強い対話の結果、日本国内における開発・運営の全権を取得することに成功し、株式会社シフォンの設立とともに、自身の原点であるタイトルの三度目の再始動を実現いたしました。

常に挑戦を形にできる場所
仕事におけるこだわりを教えてください。
私の仕事におけるこだわりは、会社を「やりたいことを実現するための箱」だと考えていることです。
私にとって会社とは、単にお金を得るための手段ではなく、あくまで自身の目的や理想を具現化するためのプラットフォームに過ぎません。昨今では個人で活動する選択肢も増えていますが、プロジェクトを一定の規模で動かし、仲間を集めて何かを成し遂げようとすれば、社会的な信用や契約履行の観点から、法人の形を取ることが必然となります。
サークル活動のような枠組みでは、真にやりたいことを社会に実装し、継続させることは難しいと考えているからです。
以前、金融機関などから上場や売却の可能性を問われたこともありましたが、私にはその意思は全くありませんでした。上場によって外部から経営方針に制約を受けることや、自身の「遊び場」とも言える会社を手放してしまっては、本来の目的を見失うことになると答えたほど、この理念は一貫しています。
もちろんビジネスとして利益を追求する側面は不可欠ですが、それ以上に「何かに挑戦したい」と思い立った際、即座に形にできる柔軟な環境を維持し続けることこそが、私の最も大切にしているこだわりです。現在はゲーム事業を主軸としていますが、今後また新たな「面白いこと」を見つけた際、それを自らの意志で即断即決し、実行に移せる場所であり続けたいと考えています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
起業から最大の壁となったのは、創業初期における「社会的信用の構築」と「開発基盤の抜本的な再構築」でした。
独立直後は実績がゼロの状態からのスタートであり、事業環境の整備には多くの時間を要しました。オフィスの契約や広告の与信など、法人としての信用を一から積み上げていくプロセスは、想像以上に険しいものでした。業界内での信頼を確かなものにするため、愚直に実績を積み重ねる必要があり、基盤が安定するまでには相応の歳月を費やしました。
また、自身の原点である『M2-神甲天翔伝-』を再始動させる際にも、大きな技術的・戦略的課題に直面しました。諸条件により以前のユーザーデータを引き継ぐことができず、実質的に「新規タイトル」としてゼロから立ち上げ直す必要があったのです。ユーザーの方々が再び戻ってきてくださる保証がない中での再出発でしたが、「真摯に良いものを提供し続ければ、必ず評価はついてくる」という確信を持ち、当時のメンバーと一丸となってリリース準備に没頭しました。
さらに技術面でも、既存のデータ構造が理想とする開発スピードに追いつかないという課題がありましたが、それらを全て自分たちの手で最適化し、強固な運営体制を築き上げました。こうした創業期の「マイナスからの積み上げ」を完遂した経験こそが、現在のシフォンの粘り強い運営力と、他社支援事業における高い専門性の源泉になっていると考えています。

面白いものを追求し続けるサイクルが、進み続けるエネルギー
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
私は「モチベーション」というものをあまり意識したことがありません。それは、やる気を無理に引き出したり、外から与えられたりするものではなく、私にとってはごく自然に湧き上がってくるものだからです。
幼少期に自作の迷路を友達に遊ばせていた頃から、今の仕事に至るまで、「面白いものを考え、形にする」というプロセスそのものが私の楽しみの源泉です。私にとって会社は「やりたいことを実現するための箱」であり、最高の「遊び場」でもあります。そこで活動すること自体がエネルギーになっているので、あえてモチベーションを維持しようと努める必要がないのだと思います。
もちろん、経営をしていれば厳しい締め切りや技術的な壁に直面することもあります。しかし、それさえも「どうすればこの状況を攻略して、より面白いアウトプットに繋げられるか」というゲーム的な視点で捉えています。
自分たちが面白いと信じられることを探し続け、それに全力で取り組む。その積み重ねが結果としてシフォンの成長に繋がり、また次の「新しい遊び」に挑戦できる。このサイクルを回し続けること自体が、私が進み続ける何よりの原動力になっています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
今後の展望についてですが、あえて「5年後にこうなっていたい」という固定的なビジョンは持たないようにしています。ゲーム業界は変化が非常に激しく、VRやAIといった新技術の台頭を含め、数年先の正解を予測することが極めて難しい世界だからです。
だからこそ大切にしているのは、その時々で「面白い」と感じるものに対し、即座に、かつ全力で対応できる柔軟性を維持し続けることです。現在はAI技術とゲームの融合を注視していますが、これも一つの通過点に過ぎません。
特定のゴールに向かうのではなく、常にアンテナを張り、価値あるものを見つけた瞬間に飛び込める機動力こそが、シフォンの揺るぎない強みとして磨き続けていきたいです。
採用についても教えてください。
採用においても「自ら考え、設計できる人材」を求めています。単にマニュアルをこなすのではなく、直面した課題に対して自分なりに論理を組み立て、最適解を導き出せる。そうしたクリエイティブな思考を持つ仲間と共に、変化の激しいこの時代を楽しみながら突き進んでいきたいです。
会社という「箱」を使い、その時代の最先端で面白いことを形にし続ける、そんな挑戦を、ぜひ皆さんと一緒に楽しみながら、一歩ずつ作り上げていきたいと考えています。
理想を形にするために、まずは小さな確信から始める
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
起業を考えている方へお伝えしたいのは、「まずは小さく、具体的に始めてみる」ということです。私自身、最初から起業を目指していたわけではなく、自分の理想を形にするための「手段」として社長という道を選びました。
具体的なアドバイスとしては、資金を貯めることよりも先に「仕事のあてを確保すること」を最優先してください。まずは副業からでも構いません。自分の力が市場で通用し、月数万円でも稼ぐあてが作れたなら、あとはそこに全時間を投下するだけで自ずと道は開けます。
逆に、副業の段階で軌道に乗せられないのであれば、それはまだ能力が足りないという真摯な自己評価が必要です。大きなリスクを背負う前に、まずは自分の力を冷静に試してみてください。そうして得た確信こそが、理想の「箱」を維持し続けるための本当の力になると信じています。

本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:長谷川 友也 氏
2004年より株式会社ガイアックスでMMORPG「M2-神甲演義-」の立ち上げ後、株式会社ケイブにてオンラインゲームのプロモーション責任者、またeコマース事業の責任者として活動。その後、新規オンラインゲーム会社の創業を経て、独立し現メンバーとともにシフォンを創業する。専門はWebマーケティングだが、ゲームにおいては少人数〜大規模プロジェクトまで規模に合わせたプロジェクト全体のハンドリングを専門とし、運営を見越した開発内容の相談の請負、サービス状況・内容に合わせた運用、管理を担当。
企業情報
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法人名 |
株式会社シフォン |
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HP |
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設立 |
2011年10月21日 |
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事業内容 |
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