【#641】「社員を経営者より豊かに」——日本デザイン代表・大坪拓摩氏が語る、仕事と幸福の本質|代表取締役社長 大坪拓摩 (株式会社日本デザイン)

株式会社日本デザイン 代表取締役 大坪拓摩
株式会社日本デザインは、BtoB向けWebクリエイティブ受託から、東京商工リサーチ調べでWebデザインスクール日本一に輝くオンラインスクール事業まで幅広く展開する企業です。代表取締役の大坪拓摩氏は、建設会社の現場監督からWebデザイナーに転身し、2013年に同社を設立。「社員を経営者より豊かにする」という考えのもと、300回以上の試行錯誤を経て独自の福利厚生や社員教育を行い、職場環境を作り上げてきました。仕事を楽しくすることでプライベートも豊かになるという哲学、そしてそれを体現する働く環境へのこだわりについて、詳しくお話を伺いました。
日本一のWebデザインスクールと、クリエイティブの上流から下流まで担うBtoB事業
事業の内容をお聞かせください
当社の事業は大きくBtoB(法人向け受託)とBtoC(一般向けオンラインスクール)の2本柱で成り立っています。
BtoB事業では、企画・マーケティングに始まり、ライティング、デザイン、コーディング、動画制作、写真撮影、各種広告運用まで、クリエイティブ領域の上流から下流まで幅広く手がけています。ケースによってはSNS運用やCRM・CMS・SFA・MAの構築支援なども含まれ、クライアントのニーズに応じて柔軟にサービスを組み合わせながら提供しています。
BtoC事業では、Webデザインスクール・Webライティングスクール・映像編集スクールなどのオンラインスクールを運営しており、一般消費者への知名度は特にこちらの領域で高くなっています。中でもWebデザインスクールは、東京商工リサーチの調査で日本一を獲得しました。「最速45日でWebデザイナーになれる」というカリキュラムが特徴です。
世の中ではいまだ6ヶ月・12ヶ月のコースが主流ですが、私は受講期間は短ければ短いほどいいと思っています。遅くやる理由が一個も見当たらないので、学習効率の最大化に徹底的にこだわった結果が、この日本一という実績につながっていると思います。

御社の福利厚生のコンセプトを教えてください
私自身、高卒から叩き上げでキャリアを築き、クリエイター、会社員、派遣社員、フリーランス、そして経営者と、日本にある働き方をほぼすべて経験してきました。
そのため、全体コンセプトとしては「自分がそれぞれの立場でしてほしかったこと、提供されていなかったものをすべて実現する」こと、そして「社員を経営者より豊かにする」ことです。
経営者やフリーランスは、意外と成長が止まりがちです。だからこそ、経営権を持ったまま社員並みの教育機会が得られる環境をつくることが大事だと思います。最終的には「日本で一番いい職場環境」を目指し、現在進行形で磨き続けています。
ストレスのない環境こそが、最大の福利厚生
福利厚生におけるこだわりや内容を教えてください。
基本、働いていてストレスを感じない場所であることを心がけています。一般的な企業でよく見られる真っ白な壁や、プラスチック製のデスク、キャスター付きの椅子など、これらは人間の心理的ストレスを高めるので、すべて排除しました。
代わりに豊富な植物でオフィスを満たすことで、極力ストレスがかからない環境を整えています。緑のないオフィスは牢屋と一緒です。牢屋で働かせておいて生産性を上げろというのは、それ自体がある種の暴力だと思っています。
また、3ヶ月に1度の社員旅行も長年続けている取り組みのひとつです。任意参加ではありますが、鹿児島・知覧の特攻記念館など、単なる観光にとどまらない旅先を選ぶことで、社員が自分の生き方を深く考えるきっかけを作っています。

仕事が楽しければ、プライベートは自然と豊かになる
週2より週5の方が、楽しい世界に というビジョンについて詳しく教えてください
最近、ライフワークバランスについて色々取り上げられてますけど、そもそも5日働いて2日自由な休日の時点で、バランスが取れてないと思うのです。そのため、弊社が目指すのは、「仕事そのものを楽しくすること」です。仕事が楽しければ、家に帰ったときに家族に感謝できる。ストレスのはけ口を家族に向ける必要がなくなる。仕事さえ楽しければ、休日に公園で家族と過ごすだけで十分幸せなんです。
プライベートは、資本家でもない限り基本仕事で成り立っています。働くことでお金をいただいて、そのお金で家族養ったり、美味しいご飯食べたりするじゃないですか。結局、良いときは家族に感謝しますけど、仕事でストレス溜めてる人は家族でストレス発散するんです。
つまり、根底にあるのは「仕事でストレスを溜めた人が、家庭でそのストレスを発散してしまう」現実を変えたいという強い思いです。教育事業を通じて自社・クライアント合わせて10万人以上の人生相談と向き合ってきた中で、仕事のストレスが家庭内の不和や暴力につながっているケースを目の当たりにしてきました。日本人の幸福度は下がり続け、DVは増え、離婚率は5割を超えており労働生産性も低いです。この根本を変えていきたいという強い思いがあります。

今後やりたいことや展望をお聞かせください
うちが日本の会社のお手本になること、そしてうちの社員が日本人のお手本になることです。売上規模や上場を追いかけることには関心がなく、何人の人生を変えられたか。だけを考えています。
上場は、ビジョンから外れる行為だと思っています。売上を上げようとすると、どうしても幸福度を下げる活動が増えてくるし、倫理や道徳よりも数字を優先する文化が生まれると、そこで働く社員の人間性も少しずつ蝕まれていきます。そうした現実を経営者として強く意識しているからこそ、規模の拡大よりも「質」の追求にこだわり続けたいと思います。
うちみたいな会社が増えたら、世の中は自然と良くなる。上場企業が増えるより、そちらの方がずっと価値があります。また、将来的には学校も設立して「日本に幸せを増やす」というミッションに向かって、たくさん挑戦していきたいです。
「入れればいい」は間違い。本質を見極めた福利厚生を
起業や福利厚生を検討している方へのアドバイスをお願いします
何でもやってみたらいいと思います。ただ入れればいいというわけではなく、ちゃんと考えて実行することが大事です。学生が、福利厚生のリストを見て就職先を選んだり、企業側が充実していると見せるために制度を増やしたりすることは、良くないサイクルなので、本当に意味のある福利厚生を真剣に考えること、そして意味のないものは早めに撤退またはピボットすることが経営者としての責任だと思います。
また、得られるものより、与えられるものを考えた方がいい。自分が自分がという人が多すぎるのが今の日本だと思っています。起業については、どうしても起業したいなら日本国外で起業した方が絶対にいいです。一人で日本で起業しても、幸せになれるケースは少ないですし、何のために、誰のために を深く考えることが大切だと思います。

本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:大坪拓摩 氏
武蔵野美術大学建築設計学科を中退後、大成建設に入社。東京ミッドタウンなどの現場監督に上り詰める。2011年、未経験から独学でWEBデザインを学び、フリーランスWEBデザイナーに。2013年、株式会社日本デザイン設立。
企業情報
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法人名 |
株式会社日本デザイン |
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HP |
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設立 |
2013年2月 |
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事業内容 |
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