株式会社リスポ 代表取締役社長 黍田 龍平

株式会社リスポは、AI動画生成技術を活用し、動画広告やSNSコンテンツ、商品プロモーション動画を制作するクリエイティブエージェント事業「UGC Maker」を展開しています。1本数千円という低コストとスピードで動画を量産し、中小企業から大手企業まで、企業が持つものづくりへのこだわりや情熱をそのまま発信できることが強みです。

今回は、代表取締役社長である黍田龍平氏に、仕事におけるこだわりや、進めている採用についてお伺いしました。

低コスト・高速量産で、企業のものづくりへの情熱をそのまま届ける

事業の内容をお聞かせください

当社が展開しているのは、「UGC Maker」と呼ばれるクリエイティブエージェント事業です。AI動画生成技術を用いて、動画広告やInstagram、TikTokなどのSNSコンテンツとして使われる縦型動画を制作しています。   

 

「UGC」という名称を掲げていますが、一般消費者が制作したような動画だけを扱うサービスではありません。企業が持つ商品の魅力や、ものづくりへのこだわりを生かしながら、目的に応じた動画を制作できる点が特徴です。動画制作に加え、広告運用やSNSアカウント運用、インフルエンサーのキャスティングまで、一貫して支援しています。

 

こうしたサービスを立ち上げた背景には、従来の動画制作が抱えていたコストと表現の両面での課題がありました。これまでは、自社で動画を制作するか、代理店へ外注する方法が一般的でしたが、内製には人材や制作体制が必要であり、外注には高額な費用がかかります。

 

また、代理店を介することで、動画の内容がインプレッションや再生数を重視したものに偏り、企業が本来伝えたい商品の魅力や開発への思いが薄れてしまうこともありました。私たちは、単に再生される動画をつくるのではなく、企業自身のこだわりや情熱がきちんと伝わる動画を発信することを大切にしています。

 

UGC Makerでは、AIを活用することで、制作コストと時間を大幅に削減しています。一般的に、中小規模の代理店へ動画広告を依頼すると1本あたり5万〜15万円程度、大手代理店ではさらに高額になることもあります。一方、UGC Makerでは、1本あたり2,000〜5,000円程度での制作が可能です。

 

コストを抑えることで、これまで月に3〜6本程度が限界だった動画制作を、月30本規模まで増やすことができます。ただし、私たちが重視しているのは動画を大量につくること自体ではありません。制作本数を増やすことで、訴求内容や文言、構成を変えたABテストを繰り返し、成果につながる表現を短期間で見つけられる点に本質的な価値があると考えています。

 

低コストで量産できる一方、品質やセキュリティにも配慮しています。動画生成には、自社開発のAIモデルと外部のAIモデルを組み合わせて使用しています。商品パッケージのデザインが崩れたり、登場人物の顔が途中で変わったりしないよう、動画を生成する前の工程を細かく設計しています。

 

さらに、生成AIへ入力したデータが学習に利用されることを懸念する企業に向けて、情報管理やセキュリティ面でも安心して利用できる仕組みを整えています。こうした品質管理と安全性への対応が、一般的なAI動画生成サービスとの違いです。

 

現在は、中小企業から大手飲食店や化粧品メーカーをはじめとする大手企業まで、幅広い企業に利用いただいています。AIの利用規定が厳しい大手企業では、比較的導入しやすい部署から利用を始め、効果を確認しながら社内での活用範囲を広げていくケースもあります。

 

操作方法もシンプルです。音声、画像、話す内容をまとめたトークスクリプトの3つを入力するだけで、動画を生成できます。専門的な編集技術がなくても利用できるため、大手企業だけでなく、地方の個人経営店舗などにも活用していただけるよう、使いやすさにこだわって設計しています。 

 

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

私はデザイナー出身で、もともとものづくりが好きでした。一緒に事業を立ち上げたメンバーは、AIを活用したアプリ開発に取り組んでおり、AIによってものづくりのハードルが大きく下がっていく様子を間近で見ていました。

 

一方で、良いプロダクトをつくれても、それを世の中に届ける手段がないという課題もありました。実際に、完成したアプリを広めるためのTikTok用の動画づくりに苦労している姿を見て、「つくること」だけでなく、「伝えること」にも大きな壁があると感じたのです。

 

この問題意識の背景には、私自身の原体験もあります。私は鹿児島県の出身で、地元には有名な酒蔵の後継者をはじめ、魅力ある商品をつくりながらも、その価値を広める方法に悩んでいる人が多くいました。

 

良いものをつくる人が、発信の壁によって埋もれてしまうという課題を解決したいという思いが、「UGC Maker」の着想につながりました。

 

「細部に神は宿る」ものづくりへの敬意を仕事の隅々に

仕事におけるこだわり、譲れない軸を教えてください

私が大切にしているのは、「細部に神は宿る」という言葉です。デザイナー出身ということもあり、プロダクトのディテールから営業のプロセスに至るまで、細部まで徹底してこだわることを意識しています。社内では「ことに向かう」という言葉を共通言語として使っています。

 

これは、中小企業のこだわりや情熱を発信し届ける存在であるという「コト」に、私たち自身がきちんと向き合えているかを常に問い直すための言葉です。服装など些末なルールにはこだわりませんが、本質的な部分には強くこだわります。

 

たとえば、これまで画像を生成した後、一度ダウンロードして動画側に再度アップロードする必要があり、クリック数回分の手間がかかっていました。先週、この工程を見直し、画像から直接「動画にする」ボタン一つで完結できるようアップデートしました。こうした細かな改善の積み重ねが、解約がほとんど発生していないという結果につながっていると感じています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

私は学生起業で、これまでの職場も10人から15人未満の少人数のスタートアップが中心だったことから、体系立ったマネジメントを受けた経験も、行った経験もありませんでした。そのため、社員やインターンを含めたメンバーとの関わり方は、大きな壁だったと感じています。

 

実際に、十分なコミュニケーションやフォローができず、メンバーが離職してしまったこともあります。その経験を通じて、会話の量や日頃の関わり方が足りていなかったことを痛感しました。失敗から学ぶしかないという覚悟で、先輩経営者や株主に相談しながら、一つひとつ改善を重ねてきました。 

 

現在は、定期的な1on1に加えて、私に直接言いにくいことを拾うための人事的なポジションを新たに設け、月1回は私と、週1回は人事担当とメンバー全員が面談する体制を整えています。また、各部署の進捗を共有するオールハンズミーティングを実施し、個々の状況を把握するだけでなく会社全体の動きを共有することで、 組織としての一体感を醸成する取り組みも進めています。

 

 

誰かを助けられる自分でありたい。原点にある学生時代の記憶

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

学生時代のある経験が大きな原動力になっています。当時、いじめられていた友人を助けることができず、自分の無力さを強く感じました。家と学校しか知らない学生という立場の中で、何もできなかったことが心に残り、社会に出たら、身近な大切な人を助けられる力を持ちたいと考えるようになりました。

 

そのための最短距離の手段として選んだのが、起業です。父と祖父がともに起業家で、幼い頃から起業を身近に感じていたことも、この選択に影響しています。周囲の困っている人を、いつでも助けられる自分でありたいという想いは、今も変わらず私を突き動かしています。

 

もう一つの大きなモチベーションは、プロダクトを通じて世の中を驚かせることです。商談の場で「AIでここまで動画をつくれるのか」と、企業規模を問わずお客様に驚いていただける瞬間には、大きなやりがいを感じます。

 

さらに、私たちが制作した動画やクリエイティブによって、お客様の売上が伸びたり、ROASが改善したりしたという声をいただくこともあります。そうした成果を通じて、良いものをつくっている企業のこだわりや魅力を、きちんと世の中へ届けられていると実感できることが、事業を進め続ける力になっています。

 

今後やりたいこと・展望をお聞かせください

現状はクリエイティブエージェントとして動画制作を中心に手がけていますが、将来的には「作る、分析する、新しく作り直す」というPDCAサイクルを、自社プロダクトで完全に自動化したいと考えています。

 

人間が分析して次の動画を作るという今のプロセスを、AIが一貫して担う、いわば「AIマーケティング責任者」が1人いるような状態を、各企業に提供することを目指しています。

 

日本はものづくりとともに成長してきた国です。小さな町工場やD2Cブランドなど、良いものを作っているにもかかわらず知られていない存在を、日本から世界中に届けられるようにしていきたいと考えています。

 

市場とタイミングを見極め、まずは一歩を踏み出す

起業しようとしている方へのメッセージをお願いします

事業は、どの市場を選ぶかとタイミングで8割から9割が決まると考えています。地頭の良さや優秀なチーム作りも重要ですが、それ以上に市場とタイミングが重要です。今はAIの成長期であり、チャンスは大きいと感じています。

 

一方で、学生起業を経験した立場から言えば、どこか1社で働いてから起業するという選択肢も良いと思います。実際、サイバーエージェントの藤田氏もインテリジェンスに入社してから起業しています。私自身は学生起業を選んだことでマネジメント面の苦労を経験し、人脈もゼロから築く必要がありました。実力や人脈を築いてから起業するのも、有効な道の一つだと思います。

 

 

採用について教えてください

現在、主に3つのポジションで採用を進めています。

 

1つ目は正社員で、第二新卒から30代前半を中心に、AIを日常的に使いこなし、営業やセールスの経験がある人材を求めています。広告代理店出身の方が多く活躍しています。

 

2つ目はインサイドセールスやアウトサイドセールスを担うインターン、3つ目は当社が企業に代わって動画制作を代行するクリエイティブBPOチームのインターンです。

 

採用にあたっては、「プロスポーツチームでありたい」という考え方を大切にしています。社内で大切にしている「ことに向かう」を要素分解すると、「やりきる」という言葉になります。細部までこだわり、最後までやり抜ける人と一緒に働きたいと考えており、実際に学生時代スポーツをしていたメンバーが自然と多く在籍しています。

 

働き方については、セールス系は基本出社、クリエイティブBPOチームはリモートも可能です。稼働は週3日、週20時間以上を基本とし、休学して稼働している学生が全体の6割程度、学業と両立しながら稼働する学生も4割程度います。週1回は人事、月1回は私との面談も行っており、安心して力を発揮できる環境を整えています。

 

ご興味を持っていただけましたら、ぜひご連絡ください。

採用サイトはこちら

 

本日は貴重なお話ありがとうございました。

起業家データ:黍田 龍平 氏

鹿児島県出身。学生時代から起業を志し、これまでに複数の事業の立ち上げを経験。「100億人に、ものづくりを。」を原点に、2021年5月に株式会社リスポを創業し、代表取締役社長に就任。AI動画生成技術を用いたクリエイティブエージェント事業「UGC Maker」を展開し、中小企業から大手企業まで幅広い顧客のものづくりへの情熱やこだわりを世の中に届ける取り組みを続けている。

企業情報

法人名

株式会社リスポ

HP

https://corp.ugcmaker.jp/

設立

2021年5月19日

事業内容

  • AI動画広告自動生成SaaS「UGC Maker」の開発・運営
  • Marketing Growth:広告運用・SNSコンサルティング
  • Influencer Casting:インフルエンサー・クリエイターキャスティング

 

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