株式会社BLUENESS 代表取締役 吉尾輝大

 

サブスクリプション型で誰でも簡単にHPを運用できる「ivalue(アイバリュー)」を中心に、システム開発・映像制作・デザイン制作など、幅広いサービスを提供する株式会社BLUENESS(ブルーネス)。

 

同社は「高性能・高品質のHPを誰でも気軽に使えるサービスをつくりたい」という想いのもと、2019年8月に設立されました。コア製品となる「ivalue」は自社で製品開発を進め、2020年11月に正式リリース。

 

現在は仙台の本社の他・東京・新潟・青森に拠点を持ち、今後は各都道府県に拠点を持つことを目標にしています

今回は東京オフィスにて、拡大し続ける同社の代表取締役、吉尾輝大氏にお話を伺いました。

 

「日本を代表するWeb制作プラットフォームを創る」をビジョンに起業

早速ですが、事業の内容をお聞かせください。

弊社はノウハウがない人でも簡単にHPが作れる「ivalue(アイバリュー)」を中心に、ITやデザイン関連のサービスを提供しています。

「ivalue」は、サブスクリプション型で誰でも簡単にHPを持てるので、費用の高さや運用の難しさからこれまでHPを作っていなかったお客様にも使っていただいています。HPのデザインは豊富なテンプレートから選べ、好みや目的に合わせてHPが作れるようになっています。

 

高額な初期費用もかかりませんし、HPの作成と運用がセットになったシンプルな料金体系なので、これまで一般的だった「高い」「複雑」といったHPのイメージを覆す、新しいサービスです。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

実は最初はIT関連ではなく、カフェ事業で起業しようと計画していました。そこでカフェ事業についてリサーチしたら、カフェの多くはお店でのコーヒーの売上より、法人にコーヒー豆を卸す収益の方が多いことに気付きました。

 

その結果、いきなり店舗を持つのではなく、オンラインでコーヒー豆を販売できるHPを作ろうと思ったのですが、資金が限られていたため勉強しながら自分で作ることにしました。しかし、全く知識がなかったため当然ながら上手くいきませんでした。

 

それからHP作成をプロに任せることにし、見積もりをもらったのですが費用があまりに高額でびっくりしました。創業したばかりの我々には高すぎて唖然としましたが、その時に「HPを作りたいのに作れない人達が世の中に大勢いるはず」と思い、今の事業のきっかけになるアイデアを得ました。その後、コーヒー豆の卸売りから事業を方向転換し、誰もが気軽に高性能・高品質なHPを作れるサービスの企画と開発を進めました。それが今の「ivalue」です。

 

私自身、仙台出身なのでよく分かるのですが、地方にはモノづくりは得意だけれど、ITには明るくない人が多いんです。素晴らしい商品を持っているのに、PRが苦手で販促に苦労している地方の人達もサポートしたいと思い、「ivalue」を事業の軸にすることにしました。 

 

顧客満足度を高めることが何より大事

仕事におけるこだわりを教えてください。

仕事でのこだわりは、常に顧客視点を重視していることです。

 

これは決して綺麗ごとではなく、弊社のサービスはお客様がいつでも解約できるサブスクリプション型のため、お客様に常に満足いただけるサービスを提供しないと、事業が成り立たちません。

 

そのため常にお客様のニーズを吸い上げて、改善すべき点はすぐに対応するようにしています。フィードバックをいただくことが本当に大切なので、営業担当者が定期的にお客様のもとに足を運びコミュニケーションを取っています。アンケート調査などではなく、直接のコミュニケーションを通じて、お客様のさまざまな声が自然に集まってくるようにしています。

 

社員が頻繁に外出することもあり、東京オフィスを探す時は立地の良さを1番に考えました。ここ(浜松町)は羽田空港と東京駅にアクセスしやすい立地です。

 

外出と言ってもお客様のもとに足を運ぶだけでなく、仙台の本社をはじめ地方にある弊社のオフィスへの移動や遠方への出張もあるので、各方面にアクセスしやすい場所にオフィスを構えています。

 

また、顧客満足度を高める施策として「ivalue value」というオリジナル雑誌を作り、お客様や販売パートナーに定期的にお届けしています。この雑誌ではユーザーボイスや「ivalue」のアップデートなど、皆さんのお役に立てる情報を、あえて紙媒体で発信しています。お客様からも「毎回楽しみにしている」といった反応をいただくので、こちらも嬉しいです。

 

お客様からのリアルな反応がモチベーションの源

起業すると壁に直面することも多いと思いますが、進み続けるモチベーションは何でしょうか?

お客様の事業拡大に我々が役立っていると感じられることが、モチベーションに繋がっています。

 

先ほどの話にも出ましたが、弊社はお客様と積極的にコミュニケーションを取るようにしているので、良い点も改善点も直接教えていただく機会が頻繁にあります。さまざまな意見に謙虚に耳を傾けながら成長したいですし、ある意味お客様に一緒に会社を育ててもらっている感覚です。

営業社員からも、お客様からのフィードバックが頑張る動機になるという声をもらっています。

 

反対に起業してからこれまでに直面した、最大の困難を教えてください。

有難いことに「絶体絶命の危機」みたいな事件は今のところありません。

しかし、いま振り返って「あの時苦しかったな」と思うのは、起業当初に資金繰りに苦労したことです。資金調達をせずにスタートしたので、最初は資金に全く余裕がなく売上が立つまでの資金繰りが大変でした。開発していた時期は資金が出る一方で、売上はゼロだったので自己資金で乗り切りました。

 

いま思えば、サービスがまだ完成していなくても先に顧客を見つけるために動けましたし、キャッシュポイントを前倒しする工夫もできたと思います。これから資金調達せずに起業を考えている人には、資金繰りの方法をしっかり考えた方がいいと伝えたいですね。

 

「人生」と「起業」両方に通じる軸を持つことが大事

今後起業しようとしている方へアドバイスをお願いします。

起業して事業を続けるには、「自分が本当に腹落ちしてその事業をやっているか?」という点が一番大切だと思います。私自身、起業する前に時間をかけて自己分析しました。「自分の人生を通じて何をしたいか?」「自分がどうありたいか?」を徹底的に考えて、立ち上げる事業と自分のコアの価値観が繋がっているのか深堀りしました。

 

起業の動機には2種類あると言われていて、1つめは自分の価値観や原体験を基に、サービスを構築すること、2つめは世の中の動きに合わせて流行りそうなサービスをつくることです。私は完全に前者の方で、自分の体験から感じたことを活かして起業しました。それが結果的によかったと思っていて、「これをやりたい」という想いが自分の中に明確にあったので、苦しかった時も乗り越えられました。

 

反対に自分の想いと実現したい事業に一貫性がないと、上手くいかないことが多いように感じます。例えば「儲かりそう」という理由でスタートしたら、売上が立たなくなったり、何か辛いことが続いた時に耐えきれずに辞めてしまう人が多いのではないでしょうか。

 

起業を考えている人はまず、その事業を立ち上げたいと思った時に自分の根幹にあった想いを深堀りしてみてください。事業で実現したいことと、自分の内側から湧き出る想いが繋がっていたら、すぐに形にしてもらえればと個人的には思います。

まだその部分がしっかり見えていない人は、まずは自分と向きあい事業を立ち上げる意義や、自分の人生で実現したいことを明確にしてから起業しても遅くないと思います。

 

「儲かりそう」「流行っているから」といった理由で起業するよりも、あなた自身の想いが形になったサービスの方が応援してくれる人も多いはずです。

 

本日は貴重なお話、ありがとうございました!

 

起業家プロフィール:吉尾 輝大氏

1994年宮城県生まれ。

2017年に新卒で東証プライム市場の株式会社NACグループへ入社し、住宅事業部にて金融・不動産・建築・営業の知識と経験を身につける。その後、別事業での起業準備中に自らが体験した「ホームページの制作に大きな初期投資がかかるという常識」を変えてゆきたいと感じ、「サブスクリプション型ホームページ構築プラットフォーム ivalue」を開発するために、2019年8月に株式会社BLUENESSを設立する。提供から2年、提供アカウントは個人事業主から大手企業まで600社を超える他、地方金融機関や大手IT販社など全国にivalueの販売網を構築する。ivalueを日本を代表するWeb制作プラットフォームにすべく約40名の仲間たちと共に邁進中。

 

企業情報

法人名:

株式会社BLUENESS

HP:

https://www.blueness.co.jp/

設立

2019年8月

事業内容

自社プロダクト「ivalue」の企画・開発・提供

Webサイトの構築全体とWebシステムの設計開発

動画制作による企業や店舗のブランディング全般

 広告の企画制作、デザイン、印刷、出力サービス全般

沿革

2019年 8月 株式会社BLUENESSを設立

2019年 9月 インクレイブ株式会社と業務提携契約を締結

2020年 2月 業務拡大に伴い、本社を仙台市青葉区大町に移転(仙台オフィス)

2020年 3月 資本金を300万円増資

2020年 4月 サブスク型Web制作プラットフォーム【ivalue】、β版の提供開始

2020年 7月 【ivalue】、プレスリリース発表

2020年11月 東京オフィス設置

2020年11月 【ivalue】、正式版の提供開始

2021年  4月 資本金を695万円増資

2021年  4月 インクレイブ株式会社と資本業務提携

2021年  6月 【ivalue】、販売パートナーの全国募集を開始

2021年  9月 「<七十七>創業応援パッケージ」にて、【ivalue】の供給開始

2021年10月 【ivalue】、OEMプログラムの全国募集を開始

 

 

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