合同会社Re.Solve 代表取締役 小山 柚希
代表ご自身がいくつかの会社を起業した経験をもとに、人材マッチング事業のほか「起業塾」を開催する合同会社Re.Solve。今回は代表の小山様に渋谷のシェアオフィスでお話をうかがいました。
起業塾でスモールビジネスをサポート
事業の内容を簡単に教えてください。
起業したいけど一歩踏み出せない、という方へ、月曜から金曜は人材マッチングでコミュニケーションや営業力を身につけられるような職業(コールセンター・携帯販売など)を紹介する事業、土日は起業について教える「起業塾」を開催しています。
起業塾のカリキュラムを修了した方に子会社になってもらうという仕組みを作っていて、現在はWEBサイト制作等を行う会社が1つと、営業代行の会社が1つの2社があります。
起業をサポートする事業の分野は決まっているのでしょうか?
僕自身が好奇心旺盛で何でもやりたい性格なので、この分野でないといけないということは決めていません。それぞれが「やりたい」「これができる!」と思うことに対してサポートしていきたいと考えています。
受講する人それぞれのやりたいことに対して、まずはその会社が右肩上がりできるように地盤づくりサポートして、2回目のフェーズで好きなことができるように事業モデルを作っています。
ゼロイチで伴走して会社まで成長させるというコンサルの方は珍しいですよね。起業された経緯も気になります。
20歳のときは普通に飲食店で働いていまして、上下関係や給料が少ないなどの状況の中、ネット上で何かを作るという特技を生かしてオンラインテニススクールを始めてみたんです。
するとこれがうまくいき、そっちで収入が入ってくるようになりました。
実は飲食店の仕事は副業禁止だったのですが、うれしくて上司にまで自慢していたら、クビになってしまったんです。
あまり褒められた経緯ではないかもしれないですが(笑)このタイミングで自分で起業をしようと思いました。
ただ、ビジネスで問題解決したいという思いはあるものの、そのサービスがなかなか思いつかなくて。自分には何ができるのか考えました。
15年間ずっとテニスをやってきたというところから、当時はその実績をオンライン化することしか思いつきませんでした。それしかなかったから、それを商品化したという感じです。
一度、新宿にカフェをオープンさせたこともあるのですが、見事に失敗しましたね。
そのあと、得意だった集客と営業を活かして起業サポートを始め、その会社を売却してまた新しく立ち上げたりなど紆余曲折を経て、今に至っています。
石橋をたたいて一つ一つ慎重に
色々な経験をされていらっしゃいますが、仕事におけるこだわりや譲れないことはありますか?
色々挑戦しているように見えますが僕はリスクが怖い人間で、石橋をたたくようなビジネスが大好きなんです。
起業をサポートする上でも「できる」ビジネスモデルというものを目指していて、損をさせないというのがモットーです。
どの場合も「失敗しても大丈夫」なように設計しています。
もちろん自分のビジネスの場合でも同じです。
例えば、実はカンボジアで飲食店や5つ星のホテルを経営しているんですが、大きなチャレンジのように見えてこれも「失敗しても大丈夫」なように設計しています。
飲食店はカンボジアだと初期費用は300万円程度で始められましたし、
ホテルのほうは元々しっかり営業されていたけど新型コロナウイルス感染症のあおりを受けてやめてしまったところを引き継ぐ形でスタートしました。
日本から海外進出したいという経営者さんを募って一部折半するような仕組みを作れたので、リスクは最小限にできました。
また、カンボジアに目をつけた理由も、ここなら勝てるという思いからでした。
海外進出となるとドバイやタイ、シンガポールなども思い浮かぶかと思うのですが、そのあたりはすでに進出している日本企業も多くて。
対してカンボジアはGDPも高くなっていて平均年齢も若い国ですが、まだ日本人が少ないんです。
カンボジアに進出している上場企業はいくつかありますが、仕組みや法律がよく変わるカンボジアでは、むしろ僕たちのような柔軟性のある企業のほうが適応しやすいと考えました。
これもリスクを最小限にして、勝てるところに戦いにいった例かなと思います。
ビジネスは人生ゲームと楽しんで
それでは起業されてから今までで最大の壁ってありますか?
実は今その壁に当たっていると感じています。
僕のビジネスモデルは全部スモールビジネスで、1社1億で合計100社を目標にしてきたのですが、5年〜10年かけて何百億で上場するというようなモデルではないんです。
せっかく生まれてきたので、大きなビジネスを目指したいという理想と現実のはざまでフラストレーションを抱えているところです。
様々なビジネスアイデアを形にする中で前に進み続けるモチベーションは何ですか?
僕はモチベーションに左右されずコツコツとこなすのが得意なんです。なので「モチベーション」は必ずしも必要ではないかなと思いますね。
ただ、ビジネスに対しては人生ゲームだと思っているところがあって面白いと感じながら仕事しています。
学校だと通知表がありますけど社会人は通知表が無いので、がんばってビジネスで数字を上げていくのが楽しいですね。僕にとってはゲームをクリアしていくイメージです。
今後やりたいことはありますか?
先ほどの壁に通じるところがあるんですが、人に起業を教える中で自分の会社も挑戦して大きくしたいなという気持ちが芽生えているところです。
スタートアップから上場を目指していくというモデルを自分自身で作りたいですね。
これから起業をしたいという方へメッセージをお願いします。
起業を目指している人の中でも実際光る人っているんですが、思うように力が出せない、挑戦ができないというケースも多いです。
そのような人に伝えたいのは、今すぐ起業しようということよりも、ぜひ多くの人と会ってほしいです。
いろんな人と会って知見を広げるというのはとても大切なので。行動の幅も広がりますし、一歩踏み出せるきっかけになると思います。
シェアオフィスにはビジネスチャンスが転がっている
最後にオフィスのお気に入りポイントなどを教えてください。
複数社でオフィスをシェアしているのですが、このオフィスにいるだけでビジネスチャンスが広がるところが気に入っています。このオフィスを使っている他の企業と比べると僕の事業は少し異色の存在なので、協業しやすいんです。
元々は秋葉原でオフィスを構えていたんですが、以前のお仕事の中で出会った人からこちらのオフィスにお誘いをもらって、すぐに入らせていただきました。
失敗しても大丈夫な設計を、というポイントがとても印象的でした。貴重なお話ありがとうございました!
起業家プロフィール:小山柚希 氏
1996年埼玉県に生まれる。高校卒業後 調理師専門学校に通う。
卒業後 飲食店に入社。23歳で株式会社NewSpec設立。24歳で合同会社Re.Solve設立。
企業情報
法人名 |
合同会社Re.Solve |
HP |
|
設立 |
2021年3月 |
事業内容 |
コンサルティング |
沿革 |
2021年 秋葉原から渋谷(現オフィス)へ移転。 2022年に無料で起業を学べるサービス「起業塾」をリリース。 |
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