【#016】インフルエンサーのブランド構築を支援 新しい価値・カルチャーを創り出すプロ集団|笠松晃太郎(株式会社Far East Innovators)
株式会社Far East Innovators 代表取締役 笠松晃太郎
2021年に設立された「Far East Innovators」は、PtoC(Person to Consumer)ブランドの構築に特化した、ブランディングエージェンシーです。
影響力を持つインフルエンサーのパートナーとして、それぞれの強みや個性を活かしたグッズ製作およびブランディングを手掛けています。
同社の代表取締役を務めるのは、笠松晃太郎氏。高校時代はアメリカ陸軍士官学校で過ごし、トップ2の成績で卒業された経歴の持ち主です。
笠松氏に起業の経緯や仕事へのこだわりなど、詳しくお話を伺いました。
「好き」と「得意」の点と点がつながり、現在の事業が完成
早速ですが、事業内容を教えてください
弊社は、インフルエンサーマーケティングの一部である * PtoC領域で、インフルエンサーの個人ブランドの構築や、オリジナルグッズの販売を支援しています。商品は基本的に受注生産のため、初期投資を大幅に抑えることができ、また各インフルエンサーがすでに多くのファンを抱えているため、宣伝費もかからないことがこの事業の特長です。
ブランドをプロデュースする際は、そのインフルエンサーのファンの方々が「どのような人たちなのか?」「どのような商品だと喜んでもらえるか?」といったターゲットの分析(マーケティング)とインフルエンサーのコンテンツやストーリーに沿ったブランドコンセプト/ストーリー構築(ブランディング)の2点に重点をおいて仕事をしています。
インフルエンサーの発信力の理解×ファン心理/インサイトの理解によるマネタイズの再現性がFEIの強みです。
*影響力のあるインフルエンサーなどの個人が、直接ターゲットとなる顧客に商品やサービスを販売するビジネスモデル
学生時代はアメリカで過ごされていたとのことですが、日本で現在の事業を立ち上げた経緯を教えていただけますか
高校はアメリカの陸軍士官学校に通っていて、4年間丸刈りで過ごしました(笑)。
日本に帰国してから、軍隊にいたというバックグラウンドに興味を持ってもらい、あるフィットネス関連のベンチャー企業に入社したんです。そこでフィットネス事業部の事業部長をやりながら、大学に通っていました。
それとは別で、その当時からアパレルが好きだったので自分が着たいと思えるスーツをオーダーメードで作ったことがありました。
そこから服作りにハマってしまって、老舗テーラーで修行させてもらいスーツの基本的なパターン制作技術まで獲得しました(笑)
そこで「得意なフィットネスと好きなアパレルをつなげて起業しよう」と思い、大学在学中にいまの事業の原型となっている、合同会社を設立したのが始まりです。
当時、フィットネス事業のお客さまで、ある芸能人のYouTubeチャンネルに携わっていた方がいたのですが、その方からグッズ製作や販売方法について相談を受けたことがありました。
その時に「こうしたらもっと面白いことができるのでは?」といったさまざまなアイデアが湧いてきて、この事業の可能性を感じたんです。
その後、他のインフルエンサーともコラボレーションする機会が増えてきて、本格的に事業を立ち上げることにしました。
最初からいまの事業を考えていた訳ではなく、自分の好きな事や得意な事を点と点で繋げていったら、この事業ができあがりました。
プロフェッショナルとしてのクオリティをとことん追求
仕事におけるこだわりを教えてください
一番大切にしているのは、クオリティの高さです。
というのも、通常はインフルエンサーがグッズやブランドを作りたいと思った時は所属事務所がサポートに入るのですが、事務所側はそれが本業ではないため、十分な時間を割けませんしノウハウもありませんよね。
そのため、この領域でクオリティの高いブランドをプロデュースできるプロフェッショナルがいませんでした。
インフルエンサーマーケティング自体が新しい市場領域なので、仕方がない部分でもありますが、我々はそれを変えるためにも質の高い商品づくりにこだわりを持っています。
また、我々が手掛けたクリエイティブをお客さまが見たときに「おもろしそう」と思ってもらえるような遊び心も大切にしています。
「商品をつくったら終わり」ではなく、マーケティング施策にもこだわりを持って、ユニークさを出せるように心掛けています。
私の父は長く広告関係の仕事をしているので、クリエイティブに対しての想いは父譲りかもしれません。
起業してからこれまでに直面した最大の壁をお聞かせください
前身の会社を法人化したのは、2019年3月でその当時は法人向けのフィットネス事業が主な収入源だったのですが、コロナで大打撃を受けてしまい、売上が80%、多い時には90%減ってしまった時期があります。
最大の壁と聞いて思い浮かぶのは、その時のことですね。
当時、私ともう1名の社員がいたので、その社員に給料を支払って自分の給料はなしというギリギリの状態で経営していました。
フィットネス事業で収益が立たなかったので、個人としてパーソナルトレーニングの仕事をしたり、オーダーメイドスーツを売ったり、モデルの仕事をしたりして、文字通り”食いつなぎ”ました。
ですが、軍隊にいた時の生活に比べたら何事もマシに思えます。学校では理不尽なことも多かったので精神面も鍛えられましたし、人生で何が起きても「なんとかなる」と思えるのは留学で得た経験のお陰かもしれません。
憧れのロールモデルのようにかっこいい自分で居続けたい
反対に、進み続けるモチベーションを教えてください
人生のビジョンに「いつでもかっこいい自分でいる」というのがあります。経営者としてはもちろんですが、将来、家族を持ったら夫として、父としてもかっこいい自分でいたいと思っています。
幸い、近くにロールモデルになるかっこいい大人がたくさんいるので、私もロールモデルとして目指してもらえるような人物になりたいというのが、大きなモチベーションになっています。
父もそうですが、私がロールモデルとしている人たちの背中はまだまだ遠いです。しかし、彼らの背中を追いながらも事業や人生全般を通じて、今度は私自身が他の人にいい影響を与えられる人物になりたいと思っています。
今後の野望や展望をお聞かせください
まずは他の企業やプロフェッショナルと組んで、この事業をまだまだ深堀していきたいです。
インフルエンサーが持っている影響力や発信力はもっと違う方法でも活用できると考えていて、マネタイズの方法にもさまざまな可能性があると思っています。
我々だけではできないことも多くあるため、今後は他の会社やプレイヤーと協業することで新たなシナジーを生み出して、事業を成長させたいというのが今の野望です。
私は未知の世界にチャレンジすることにワクワクする性格なので、リスクを恐れずこれからも新しいことに挑戦していく予定です。
やりたいことがあるならすぐに挑戦を。人生は1度きり
今後起業を考えている人へアドバイスをお願いします
まだまだアドバイスできる立場ではないのですが、アドバイスするとしたら「チャレンジしたいと思うならすぐに始める」「一度始めたらやり切る」、この2点です。
もし起業にチャレンジしたいといま思っているなら、すぐにでも挑戦すべきだと思います。
私は軍隊にいた経験から「人間いつ死ぬかわからない」という強い考えが自分の中にあり、それもあって、皆さんにもやりたいことに思い切り挑戦して欲しいです。
また、日本はセーフティーネットがある国なので、最悪な状態でもなんとかなるものです。
私自身の経験からも、起業してから自分の思い通りに物事がすべて進むことは絶対にないと言い切れますが、それでも最後までやりきる覚悟を持って進んでいたら、ダメだったとしても違う道が開けてくると思います。
起業家データ:笠松 晃太郎 氏
アメリカ陸軍士官学校のNo.2を経て、ブランド事業であるMasculineTokyoを立ち上げ。同事業で著名人のブランドのディレクションやコンセプト設計を経験。
その経験を活かし株式会社Far East Innovatorsを設立し、同社代表取締役に就任。
芸能人や、インフルエンサーのブランド立ち上げを多数経験。
自身のユニークなバックグラウンドを活かし、型にハマらない提案やブランディングを得意領域とする。
企業情報
法人名 |
株式会社Far East Innovators |
HP |
|
設立 |
2021年9月 |
事業内容 |
P2Cブランド制作/構築支援 インフルエンサーマーケティング |
沿革 |
合同会社MasculineTokyoの事業部としてスタート キリン【考察系Youtuber】のブランドをローンチ クリエイティブが評価され業界内での認知を獲得 事業規模拡大と市場の将来性への期待値から別法人化 株式会社Far East Innovators設立 業界内で強い影響力を持つインフルエンサーのブランド構築の実績により業界でのポジショニング確保、急成長中の事業 |
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