ナウビレッジ株式会社 代表取締役 今村邦之


最先端のマーケティング手法で企業のデジタルマーケティングを支援する、ナウビレッジ株式会社。代表を務めるのは今回が2度目の起業となる今村邦之氏です。学生時代にアメリカの大学でマーケティングを学び、帰国後は25歳の若さで人材紹介会社を起業。得意のマーケティングを武器に事業を伸ばした後、2020年にマーケティングに特化したナウビレッジ(株)を設立しました。起業家精神に溢れる今村氏に起業の経緯や、起業を考える人へのアドバイスなど詳しくお話を伺いしました。   

 

幅広いマーケティング支援が強み

事業の内容を詳しくお聞かせください

弊社は主に、デジタルマーケティングの支援事業を手掛けています。クライアントは、人材サービス、不動産仲介、コンサルティングファーム、地方自治体、商業施設、地方の団子屋さんなど、業種を問わずさまざまでひと言でデジタルマーケティングと言っても、支援する内容はクライアントごとに異なります。

現在、売上の柱になっているのは広告バナーやHPをはじめとした制作、広告の運用代行、コンサルティングです。その他にも、SEO記事の作成やSNS運用代行など、総合的なデジタルマーケティング支援を提供しています。

バナー制作やSNS運用など、特定領域に特化しているマーケティング会社が多い中、ここまで幅広く手掛ける弊社のような会社は珍しいかもしれません。

 

今回、マーケティング分野で起業された経緯をお伺いできますか?

シンプルに言うと、私自身がマーケティングが好きだからというのが大きいです。

学生時代はアメリカの大学でマーケティングを専攻し、帰国してから起業した「UZUZ」とういう人材紹介サービスでは経営に携わった8年半の間、マーケティングを軸に事業を伸ばし、好きが高じて今度はマーケティング会社を創りました。

 

アメリカ留学は最初から決めていた訳ではなく、大学受験に失敗して日本で浪人するのが嫌だったため、9月に入学できるアメリカの大学に行くことにしたんです。母親の知り合いに「これからはグローバルの時代になるから、経営と英語を勉強しておいたほうがいいぞ」と背中を押されたこともあり、留学することにしました。

 

アメリカで学んだことを活かして人材紹介サービスの事業を伸ばすのは楽しかったのですが、やっているうちにマーケティングの力でお客さまの事業を伸ばすことに興味が湧いてきました。今はクライアントの成長について頭をフル回転させて考えることが楽しいですね。

社員教育用に500時間のカリキュラムを用意

仕事におけるこだわりや軸を教えてください。

デジタルマーケティング会社として、社員の技術を最大限に高めることがお客さまの満足度と業績の向上に直結してくると思っています。そのため、社員教育用に500時間のカリキュラムを作ったことが拘りでしょうか。このカリキュラムではお客さまに提出する報告書のまとめ方や、関数を使ってわかりやすい表をいかに早く作るかなどを細かく資料にまとめているので、びっくりするほどのボリュームになっています。


「やりながら仕事を覚える」という考え方もあると思うのですが、わからないことを都度、上司に聞きにいく環境だと上司の仕事が増えていくばかりですよね。社員一人ひとりの技術を高めて、誰かに聞きにいくというコストを減らしてあげるのが私の大事な役割かと。


社員だけでなく私自身も常に学び続けていて、今はGAIQ、Google認定資格、SEO検定などマーケティングに関する資格を6つ持っています。毎月違う資格を取るようにしていますが、業界内では「資格だけ取って意味があるのか」という声もあるんです。

 

ですが、マーケティングに馴染みがない人に「私達はこういった資格を持っていますよ」と言えることが、結果的に他社との差別化につながっていると思います。差別化と言ってもその影響はわずかかもしれません。しかし、我々のような零細企業が存在感を高めていくには、そういった小さな努力が本当に大切だと感じています。

起業から今までの最大の壁を教えてください

最初の起業は25歳の時で、潰れそうだった会社を事業承継して始めました。上手くいかない時期は、自身の能力不足からくる様々なストレスで身体がボロボロになり週に3日病院に通い、1年間で5回も入院して、全身麻酔を2回もするほど大変な時期もありました。苦労した分、学んだことも多く、今回の起業に関しては今のところ大きな壁はなくスムーズに進んでいます。

 

なぜスムーズに進んでいるのかを考えてみたのですが、思い当たるのは人間関係のストレスがないことですね。というのも、弊社では社員の6・7割がリファラル採用です。もともと知り合いだった人が多いため、人間関係のストレスがなく働けているのが大きいです。

 

起業すると社内の人間関係が経営者にとって、大きなストレスの種になることがあります。しかし、我々は採用を間違えずにおこなえたため、業務もスムーズに進んでおり大きなストレスがありません。なので最大の壁という壁が思い浮かばないのかもしれませんね。

 

会社が大きくなるとまた話が違ってきますが、私は創業後の最初の30人は自分が信頼できる人を採用した方がいいと思っています。

 

弊社はオフィスの雰囲気がとても良く、2020年の創業から現在まで退職者が1名しか出ていないんです。

 

夢はマーケティング研究所をつくること

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

モチベーションは大きく2つあります。1つ目は、この先の仕事がおもしろくなるような状態を常に作ることです。創業からこれまでの2年半で170社ほどから受注をいただいて、お陰様で順調に業績を伸ばしてきました。しかし、数字を追うだけでなく自分たちのテンションが上がる仕事をすることも大切だと思うんです。そうしないと、モチベーションが続かないというのもありますが。


たとえば、マーケティングを内製化したいと考えている行政との仕事や大企業とのコラボレーション、あとはグローバル案件もおもしろそうだと思っています。私のように英語が話せてマーケティングがわかる経営者はあまりいないと思うので、自分のスキルと知識を活かせるグローバル案件をもっと拡大していきたいですね。おもしろそうな仕事を取っていくためにも今は自分たちの技術を伸ばし、既存顧客の満足度を上げることが大切だと思っています。

 

2つ目のモチベーションになっているのは、社員旅行です。去年は皆でグアムに行って、飛行機やホテル、マリンスポーツなど全部含めて200万円ほど使いました。今年はセブ島に行く予定なんです。


綺麗な景色を見ながら皆で飲むお酒が本当にうまい(笑)。社員旅行が好き過ぎて、それが大きな仕事のモチベーションになっています

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

将来はマーケティング研究所をつくりたいと考えています。

 

掃除機で有名なダイソンが大学をつくっているのですが、そこの学生は昼間に授業を受け、夜はダイソンで働くというシステムになっています。その大学は研究開発が強いと有名で、有名企業からコラボレーションのオファーもあるそうです。私はその大学のデジタルマーケティング版をつくりたいと構想しています。

最新技術の知見と優秀な人が集まる組織にして、他社から「こんなことを一緒にできませんか?」と声をかけられるような、レベルの高い組織にするのが理想です。
その目標に向けて今はしっかりと実績を積み上げ、会社の認知度を上げていきたいと思っています。

 

起業に失敗はつきもの。20代は「経験を買う」という気持ちが大事

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

その人の年齢によってアドバイスが違うのですが、まず経験豊富な40代の人には「ぜひ自信を持って進んでください」と伝えたいです。私自身は25歳で起業しましたが、起業は40代以降の人のほうが向いていると思うことが最近よくあります。

40代の人はすでにスキルも知見も蓄えているので、過度に起業を恐れる必要はないと思います。あとは勇気を持って進めるかどうかの問題かと。例え失敗しても、雇ってくれる企業や人脈もあるでしょうし、そもそも20代の人と比べると失敗するリスクが圧倒的に少ないのではないでしょうか。

 

20代の人には「失敗しても許されるから、まずはやってみて」と伝えたいですね。正直、20代での起業は難しいと思います。私が20代の時に同世代だった起業家は今、ほぼ残っていません。長く生き残っているのはやはり、30代後半から40代で起業した人ですね。

20代での起業は経験を買うという意味で「失敗するぞ、恥をかいていくぞ」というスタンスで望むくらいがちょうどいいと思います。

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:今村邦之氏

1987年生まれ。鹿児島県出身。3児の父。

高校卒業後、米国アラバマ州立大学ハンツビル校にてマーケティングを専攻。

同大学を学部3位かつ1年間の飛び級で卒業。

2012年、25歳の時に第2新卒向けの人材紹介会社である株式会社UZUZを設立、代表取締役社長に就任。

2018年より取締役会長に変更し、2020年に同社を退職。

同年10月に、自身の強みであるデジタルマーケティングを生かし、ナウビレッジ株式会社を設立。

現在は50社超のコンサルティングに従事し、外資系企業・一部上場企業・スタートアップまで幅広く支援。

アカデミック分野での活躍は下記。

 

【企業情報】

法人名

ナウビレッジ株式会社

HP

https://now-village.jp/

事業内容

マーケティング支援事業

・コンサルティング業務

・広告運用業務

・クリエイティブ制作業務

SDGsメディアの運用

沿革

 

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