株式会社micata 代表取締役 中原陸

元エンジニアの中原社長が手掛けるのは環境配慮型パッケージの調達オンラインサービス。未経験の営業や採用活動に苦心しながらも、情熱をもってビジネスを拡大されてきた根底には「将来の子どもたちのために」と世の中を憂う”想い”をもった人たちを応援したいという強い想いがありました。トレンドとしても熱い環境配慮、サステナブルという領域でどのような活動をなさっているのか詳しく伺いました。

環境配慮で「次世代への想いを持った人」を応援したい

事業の内容をお聞かせください

環境配慮型パッケージをオンラインで調達できるサービスを展開しています。昨今はSDGsが脚光を浴びているので環境配慮型、サステナブルというとなんとなくのイメージがあるかもしれませんがそもそもどういったものが作れるのかをブランド様に提案して、そこをベースにサイズやカラー、加工や印刷をどこにいれるかなどの仕様まで全てがオンラインで完結するサービスです。

 

環境配慮型のパッケージというと例えばですが、紙箱系のパッケージはアップサイクルの製品が多いです。少し質感がざらざらしていて味のあるお米から作った紙で作られていたり、クラフトビールを製造する際の麦芽を使用したものは麦芽のいい色合いが出ていたりといった感じです。

 

化粧品などのパッケージも取扱いがあり、クリームを入れるようなクリームジャーなどは一般的にはほぼプラスチックですが木製のものや生分解(マイクロプラスチックが出ない)の素材を使用したものなどがあります。

 

これらを様々な素材メーカー、工場と連携して製造しているのでオーダーメイドでさらにコストを安くすることができています。また、納期や見積もりもそのオンラインサービス内のアルゴリズムで算出してお客様にスピーディーに返答できるのも強みの一つです。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

私たちが目指しているのは「想いを持った人や会社」を応援したいことです。自分たちの世界観があって、こういう世界を作りたいという人やその想いをサポートしたいという想いから事業を始めました。

 

環境配慮、サステナブルというのは、ただそれだけみれば当然お金がかかるし、非合理的です。しかし、それに取り組まれている方はもちろん世の中のトレンドに合わせてということもありますが、それ以上に「将来の子供たちの為に今と同等、いやそれ以上の環境を残したい」という想いを持っています。我々はそれに共感し、できる限りの支援をしたいと考えています。

 

例えば、北欧やアメリカはそういった点がやはりかなり進んでいます。当然、我々のようなサービス業態の会社も複数ありますので、それらの企業様をベンチマークにさせていただいていますね。

 

いかに同じ想いを持った人を採用し、続けてもらうか 

仕事におけるこだわりを教えてください。

シンプルですが、やはり「あきらめずやりきること」を大切にしています。そのためにも身体のケアやモチベーションの維持に気を付けています。ハードワークはどうしても発生するので、いかにケアするかということですね。

 

一番大切にしてるのは一人で考える時間なんです。散歩するとかで、ゴチャゴチャになった頭の中や思考を整理するようにしています。何も考えない時間を意識的に持つようにしているんです。東京タワーがオフィスからも近いのでよくふらっと行っていますよ。もともと私は起業前はエンジニアとしてのキャリアがほぼでしたので、営業や採用は未経験です。それこそメール一本書くにも当初は悩んでいました。そして、そういうときはよく散歩をしていましたね。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

それはずばり「採用」ですね。想いを共にして一緒にやってくれる人を探すことは本当に難しいです。スキルよりも、サステナブルな社会を作っていきたいという我々の想いに共感してくれる人というのが一番重要なので。

 

採用には2段階あると思っています。まず応募してもらって、採用して働き始める段階と、採用後に継続して働き続けてもらう段階ですね。

 

ありがたいことに我々の想いやビジネスに共感して、一緒に始めてくれる人は一定数います。しかし、仕事が軌道に乗らないと、つまり安定した売上が立たないと、最初は共感してもらえた想いが枯れていってしまうんです。そこを定着してもらうのがとても難しい。モチベーションが下がってしまうケースも多いので。本当はそこのフォローに十分な時間を取れればいいのですが、まだまだ私も1人のプレイヤーとしてフル稼働してこのビジネスを成立させなければならないので、なかなか難しいというのが実情です。

 

未踏病がエンジン。作るだけに終わらず語り部へ

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

私は未踏病なんだと思います。「見たことがないものを見てみたい、作ってみたい」という想いが昔から非常に強いんです。学生時代も起業関連の部活にいて、起業家の方と接する機会も多くあったのですが、それも未踏病がどんどん進んでいった原因の一つかもしれません(笑)

 

あとは、これは現実的な話ですが、私自身エンジニアなので、最悪なんとかなる、という自分の中での多少の安心感はありますね。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください

 

やはり環境配慮型、サステナブル型の製品製造サポートのビジネスををもっともっと大きくしていきたいですね。さらに多くの想いを持った方々とつながり、そこから価値を生み出していきたいです。具体的にはより多くのブランド様へ商品を提供したいですし、より多くの工場やメーカー様との提携関係を作っていきたいです。

 

さらに、そういった製品を作って終わりではなく、消費者にこの商品がいかに良いものなのか、環境配慮であることの意味を伝えていくところにも力を入れていきたいと思っています。サステナブルパッケージの製造後、納品後にそれを実際に販売されるブランド様のマーケティング面でもサポート役になれるような、そんな役割を担いたいと思っています。

 

夢中になることを皆が追いかければ、世界はさらに面白くなる

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

夢中になることを見つけて、それを実際にやってみる人が増えると世の中はもっと面白くなると思います。なので、少しでも面白いなと思うものがあれば身を乗り出してやってみてほしいですね。せっかくこの世に生まれてきて、日本という恵まれた環境にいるのでぜひ夢中になれるものを見つけてほしいですね。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:中原 陸 氏

 

企業情報

法人名

株式会社micata

HP

https://www.micata-tech.co.jp/

設立

2020年11月

事業内容

パッケージのデザイン、工場の発見、取引、納品までお客様のブランド理念を思い通りに製品化するためのサポートする「teles」を運営。

沿革

2020年11月 東京都文京区関口に会社設立

2021年1月    EastVenturesより資金調達

2022年8月       次世代ライブコマースアプリ「JuuQ」のリリース

2022年10月 広島ユニコーン10プロジェクト1期採択

2022年11月 ASAC(青山スタートアップアクセラレーション)15期採択

2023年6月   オンラインの環境配慮パッケージ「teles」ローンチ予定

 

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