有限会社mode-Duo 代表取締役 尾島 康仁

ITを活用した幅広いサービスを手がける有限会社mode-Duo。今回は、代表の尾島氏へインタビューし、事業の内容や始めた経緯、モチベーションの保ち方などについて詳しくお伺いしました。多様な事業を同時に展開することで世界一を目指すという経営方針には、尾島氏の考えが色濃く反映されています。個人や会社の魅力を高めるためのヒントが詰まっていますので、ぜひお見逃しなく。

 

ホテル運営事業や保育園事業などをDX化した新しいサービス

事業の内容をお聞かせください

弊社は「多様性をもってより良い世界を創る」をテーマに掲げています。

 

複数の事業を並行しており、現在はAI/IoT事業、ホテル運営事業、保育園経営、ウェディング事業、不動産事業、フードテック事業を展開・支援しています。 

 

ホテル運営事業「トマリエ」(https://tomarie.mode-duo.co.jp/ )では、もともと東京、大阪、京都、金沢、福岡、沖縄などの観光地を中心に、1,000室近くの宿泊施設を運営していました。コロナが流行って打撃を受けましたが、現在はその影響が落ち着き、今年から急激にニーズが高まっています。保育園事業は、都内で企業主導型保育園「ぼくのひみつきち」(https://bokuno-h.com/ )を経営しつつ、2020年からはオンライン保育園をスタートしています。

 

さらに、オンラインでの不動産事業「Kant」( https://www.online.kant711.jp/ )も行っています。「どんな物件をお探しですか?」などのヒアリングをオンラインで行う仲介業です。不動産に関しては、不動産エージェントになるための女性専用のスクール事業「RinTO」(https://www.school.kant711.jp/ )も展開しています。

  

そのほか、DXという流れで、魅力的な結婚式のウェブ招待状を作ることができる「KITENE」(https://www.kitene.and-bride.co.jp/ )というサービスもあります。主に20代中盤から後半のZ世代がターゲットです。 

 

ミールキット「Spice me」(https://spiceme.jp/ )の販売もしており、石川県金沢市に工場があります。インスタグラムの公式アカウントは400万フォロワーおり、石川県で行われた、120社が参加したビジネスコンテストでの優勝経験があります。

グループ全体では、現在120名ほどの従業員がいます。海外も含めてリモート出社の人も結構いますね。

 

今後も複数の事業に力を入れて、それぞれの分野で新たな価値を創造することを目指します。

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

僕が多くの事業に挑戦しているのには、理由があります。それは、複数の事業をかけ合わせることで、新たにより良いサービスやシステムが生まれると考えているからです。こうした事業の在り方のルーツは、僕の育った境遇にあります。

 

学生時代、僕は中高一貫の学校に進学し、学年の半分以上が東大や京大に進学するような環境で育ちました。そこで目の当たりにしたのは、とんでもない秀才たちでした。

 

彼らに対して学業で勝負してもトップは取れないと思いましたが、中学生の頃から熱中していたプログラミングのスキルを活かせるIT領域なら勝てると思いました。

 

その後、IT事業を始めとした複数の事業を展開していくうちに、100点を取れる能力を一つだけ持つよりも、80点取れる能力を3つ、4つと増やすことの方が多様性を発揮でき、事業を飛躍的に伸ばせると気づきました。

 

そこから、多様性を生かして、持っている能力を組み合わせて価値を高めるという発想を大切にしてきました。今では、新入社員にも同じ話をします。

 

一つの事業で攻め抜くことも良いですが、いくつもの事業を成長させて掛け合わせることで、コロナのような未曾有の事態にも対応できます。企業にも個人にも、同じことが当てはまるのではないでしょうか。

リーダーとして、厳しく正しい判断を下せる人に

仕事におけるこだわりを教えてください。

マキャベリーの「君主論」に出てくる「愛されるより恐れられよ」という言葉を大切にしています。

 

組織の長を務めるのであれば、常に未来を見据えて、組織にとって良い選択をしなければなりません。

 

それは時として、組織の一部の人は望まないことであったり、その一人が自分自身であることさえあります。

 

そのようなときでも、常にチーム全体の事を優先し、一部の人から嫌われたり、自分にとって不利益な判断であっても率先して決断できることが、大きな国を作り発展させるためには必要なことだと考えます。

起業から今までの最大の壁を教えてください

海外で起業したものの、最終的にはうまくいかず多額の借金を残して帰ってきたことです。

 

大学生になって起業し、20代のうちにその事業に一区切りをつけて事業を売却しました。その後、新たな事業を始める上で、視野を広げるべくヨーロッパに滞在しました。もう少し世の中のためになる大きな事業を作ろうとした時、IT以外のことに挑戦したいと思ったんです。

 

当時、日本食が世界の無形文化遺産に登録され、日本食ブームが起きていたことなどをきっかけに、フィンランドでたい焼き屋さんを始めました。

 

 

しかし、多額の負債を抱えて撤退。「金の切れ目が縁の切れ目」ということわざ通りの経験をしました。昼は投資家の方に謝り、夜は吉野家でバイトをするという生活をしていた時期もあります。

 

今となっては消化し終えていますが、まさに崖っぷちの状態でした。そのリベンジ戦として、事業を次々と立ち上げていきました。

 

ただ、苦労はしたものの、人材面では常に恵まれ、良い方に必要な時に出会えてきました。その一人ひとりの方に、たくさん救われました。

新しいエコシステムを作るための仕事ができていることが生きがい

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

自分が作りたい社会に向けて働くことが、モチベーションの源泉です。

 

ちなみに、お金を稼ぐことは、一番の目的とはしていません。「わらしべ長者」という日本の童話では、一度もお金が出てきません。わら1本を持って歩き始めた主人公は、相手が必要とするものと交換を繰り返しながら、最終的には家や畑を手にしました。これは、お金ではあり得ないことです。お金は価値が固定されてしまうため、それ以外での価値交換をできるほうが経済は発展しやすいと考えています。 

僕が目指しているのは、小さなアイディアや元手となるお金を、ヒト、モノ、カネ、情報を駆使して、さらなるお金を生み出し、それを教育や医療、福祉などすぐにお金を生み出さない分野に使うこと。新しい価値や考え方を生み出し、そこからまた新しいアイディアや元手が生まれるという循環のある世界を創りたいと考えています。

 

理想とする循環を生むために、日々仕事と向き合っていること自体にやりがいを感じています。

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

新たな経済のエコシステムを、生涯を通して作っていきたいと思っています。

 

現在、世界最大の会社はAppleです。時価総額は約300兆円。ちなみに、日本のGDPが約500兆円なので、Appleは日本と同様に世界の国内総生産トップ10に入るくらいの大きな国ともいえるでしょう。

 

Appleには、いろいろな考え方や文化をもっている人がいて、お互いに助け合って生きています。そういう意味では、国家と同じようなものですよね。

 

僕も自分の会社を一つの国と捉えて、より良いエコシステムを生み出したいと思います。アメリカのGDPが1,200兆円なので、そこまでいけたら本当に国をつくることができたと実感できそうです。

まずは、明日のご飯を食べられるように

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

僕も、今となってはいろいろな事業に取り組んでいますが、学生時代に4畳の部屋で起業した人間です。男友達6人でオンボロ戸建に住んでいたこともありました。卒業式の日にも午後からは仕事に戻るくらい、時間を費やしていましたね。

 

もし、あなたが起業しようと思っているなら、まずは稼げるようになるところからスタートです。

 

明日のご飯を食べるために仕事をする、それでまずは十分です。中国の古典の「衣食住足りて礼節を知る」という故事成語にある通り、まずは自分の面倒を見れるようになり、それができて、他者や世界に目を向けられるようになります。

 

起業家の仲間が増えたら、僕も嬉しいです。ぜひ、お互いに頑張りましょう。

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:有限会社mode-Duo(モードデュオ)代表・尾島康仁。ITを活用したホテル運営代行事業、保育事業などを展開中。企業主導型保育園「ぼくのひみつきち」も自社運営。

 

企業情報

法人名

有限会社mode-Duo

HP

https://www.mode-duo.co.jp/about-us

設立

2006年4月28日

事業内容

  • IT事業
  • ホテル運営代行事業
  • 保育事業
  • AI / IoT事業​
  • 飲食事業
  • ウェディング事業
  • 不動産事業
送る 送る

関連記事