【#083】企業が顧客に喜ばれるための代理店活用をサポート。世界基準かつ日本の慣習に合わせたPRMツールも展開しパートナービジネスを再定義|代表取締役 牛丸 順登 (deex株式会社)
deex株式会社 代表取締役 牛丸 順登
営業パートナー・営業代理店を活用しての売上向上を実現するためのSaaSやコンサルティングサービスを手がけるdeex株式会社。今回は、市場や顧客に対して価値を提供すべく日々邁進している、代表取締役の牛丸氏へインタビュー。
創業時より長く愛されるサービスに加え、日本で先駆けたパートナーリレーションシップマネジメント(PRM)領域の新しいクラウドサービス「CoPASS」などの事業についてお伺いしました。その他、大切にしている軸や考え方、今後の展望などを詳しくお話しくださいました。
企業や日本がより良い方に向かうためにパートナービジネスを再定義する
事業内容をお聞かせください
企業様が自社のサービスや商品を売る際、自社の営業マンが直接営業を行う直接販売(直販)と、営業代理店を介して営業を行う間接販売 という方法がありますが、弊社は後者を支援しています。
営業代理店・営業パートナーの活用において、「代理店戦略設計〜代理店開拓〜代理店育成(アクティベーション)〜管理体制構築」までをノンストップで支援可能なサービスを展開しております。ここでは2つの事業を紹介させていただきます。
1つ目は、創業当時から提供している「Partner Boost(パートナーブースト)」です。代理店を活用して収益を伸ばしたい企業様に代理店戦略設計〜代理店開拓〜代理店育成(アクティベーション)〜管理体制構築」の全プロセスを、弊社のコンサルタントがサポート致します。
2つ目は、今年8月にリリースしたばかりの「CoPASS(コーパス)」です。CoPASSは、代理店・パートナー経由での売上伸長・管理工数削減・パートナー満足度向上を実現するPRMサービスです。特に現在は、こちらの事業に注力しています。
アメリカでは既に多くの企業がPRM領域に乗り出すことで市場が急速に成長しており、北米全体ではBtoB企業の約7割がPRMツールを駆使して売上を伸ばしています。しかし、日本は弊社を含めて数社ほどに留まっております。
セールステックの分野において、「日本はアメリカよりも数年遅れている」と各所で伺う機会は多いのですが、グローバル水準に追いつけるように我々ができることを考え抜き、実行したいと考えています。
また現在、事業拡大に伴い採用活動にも力を入れております。「パートナービジネスを再定義し、日本企業の底上げの実現を目指す」という起業当時からの目標に向かい、共に歩んでいただける仲間を募集中です。「挑戦してみたい」という意欲のある方のご応募を心よりお待ちしております。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
前職は株式会社リクルートで経営企画に携わる部署に在籍しておりました。実は、リクルートは昔から代理店活用が得意な会社であり、その中で経営企画という企業の根幹に携わることにより、多くの学びがありました。
特に当時は、DX推進のようなミッションを持たせていただいたこともあり、「デジタルテクノロジーを活用して、より良く事業運営ができないか」と自分なりに考え、海外や日本の企業について勉強を始めました。その中で着目したのが、PRMという領域です。アメリカでは上手に活用されている一方で、日本では全く使われていないどころか認知すら乏しく笑
「誰かがやらなければ、日本と世界との差がより広がっていってしまう」という強烈な危機意識を覚えたことが、起業のきっかけです。
ただ、事業の構想はもっていたものの、それらを実現するためにはキャッシュが必要でした。そのため、創業当時はまず労働集約型のモデルから入り、そこでしっかりと利益を創出し、PRMサービスの開発に社内投資するかたちで事業を進めてきました。
また、実はリクルートへ入社する前には、ERP領域(基幹業務統合システム)を生業としたメガベンチャーで働いた経験もございます。そこで業務の基盤として学んだのが、現状を把握(As-Is)し、お客様が真に求める理想像(To-Be)との間に存在する「ギャップ」にフォーカスして問題解決することに徹底するという姿勢です。
仕事だけではなく、人生において自分が達成したい「To-Be」を考えた際、「ソフトウェア業界で名を馳せたい」と考えていたことを思い出しました。そこで起業するためにリクルートへ転職し、起業に直結するような学びを深め、ちょうど転職して3年が経った時にdeex社を立ち上げました。
世の中に向き合って価値を生み出すことにコミットする
仕事におけるこだわりを教えてください。
1つは、利益を追求することです。株式会社で事業を運営している以上はマストだと考えております。もっと言えば、株式会社と名を持つ企業は全世界共通の認識かと思います。
2つ目は、我々の会社は「バリュードリブン型」ではなく、「ミッションドリブン型」に寄せて事業を進めるということです。
自分達の大切にしている価値観を最も大事にするという「バリュードリブン型」経営は、ある意味ベクトルが内部に向いていると理解しております。一方で「ミッションドリブン型」経営は、「我々が社会に対してどのような存在意義を示していくのか」という外向きベクトルであると考えており、弊社は最もこの考えを重視しております。
ある意味、私や社員の幸せが大切というのは大前提とした上で「自分たちがハッピーであれば良い」という考えに至らないようにしております。
また、私が代表取締役として持っているミッションの1つは、「パートナービジネスを再定義する」ことです。代理店を活用して収益を伸ばすことをパートナービジネスと置き換えることができますが、日本ではパートナービジネスの理解や推進がかなり遅れている、と正直感じております。
ただし、今ある価値観を壊すよりは、再定義して実現していくというイメージを持っています。顧客や市場に価値を創出し続けることに、これからも魂を燃やしたいと思います。
起業から今までの最大の壁を教えてください
事業を成長させていく中で、創業メンバー間で、会社の方向性をすり合わせしなければならなかったことが度々ありました。この一つ一つの過程がとても重要であり、壁だったように感じます。
方向性がずれてきたと感じた時には、そもそもどうしてこの事業をしているのか、どのようなミッションを実現したいのかなどを、メンバー間で何度も話をしてきました。
当時はとても苦労しましたが、上手くいかない時にいかに初心に立ち返って軌道修正できるかが大切だと改めて実感しております。過去の経験が今に活きているおかげで、社会に向けて本当に価値のある商品を考え提供できていると実感しています。
サービスがいち早くお客様のお役に立てるように浸透させる
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
自分たちが意思決定したことがお客様、引いては市場から正しく評価され、彼ら自身が「deex社がいて本当に良かった」と仰ってくれるように頑張っております。少し手前では、お客様が増えたりリピーターになってくれたりすることもモチベーションに繋がっています。
弊社の発信するサービスで喜んでいただけることが、自分達の仕事の価値を認められたように思え、とても嬉しいです。もっと言えば、その時にようやく自分が生きている実感が持てるんじゃないかと笑
日頃は「達成するまでやらなければならない」という強迫観念に近いものを持って仕事に向き合っています。何かに追われているような感覚が近いかもしれません。だからこそ、やり遂げてそれが認められた時には、充実感や喜びで満たされます。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
サービスをいち早く、より広くマーケットに浸透させることです。サービスが評価されて、提供先のお客様の事業がどんどん伸びていくという状況を今後も実現させていきたいです。
また、野望もあります。DXというワードが今至る所で飛び交っていますが、悩んだり困ったりした時に、弊社の社名のdeex(ディーエックス)がDX以上に想起されるくらいに世の中に浸透させたいです。
DXと社名の読み方が同じなので、創業した時からずっと意識しています笑
目標に到達できるように、これからも企業努力を重ねていきます。
走り始めて気がついたら自分の存在意義が見えてくる
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
「やりたいことなんてすぐには生まれない。だからどちらかというと、自分の使命を先に決めてしまうんだ。」これは有名な方からの受け売りですが、本当にその通りだと実感しています。
「やりたいことができてから起業しよう」と思っている方も多いかもしれませんが、それではなかなかスタートできないこともあるんじゃないかと。
私自身、「3年間で辞めて起業する」と決め、前職であるリクルートへ入社しました。しかし、パートナービジネスの変革が最初から自分のやりたかったことかと言えば、そうでもありません。退職期限が迫っていた時に、腹を据えて「この領域を切り開くんだ」と決めただけです。
もし起業を検討されるのであれば、まずは走り始めてみるのも良いのではないでしょうか。そのうちに、自分のやりたいことや存在意義が分かってくることもあるかと思います。
【追記情報】代理店活用で売上増加と管理コストの削減を実現するPRMツール『CoPASS(コーパス)』の提供開始。(2023/12/20更新)
deex株式会社が、代理店(パートナー)とともに利益の拡大を実現するPRM(Partner Relationship Management)ツール「CoPASS(コーパス)」の提供を開始したことを下記よりお知らせ致します。
そもそもPRM(Partner Relationship Management)とは?
PRMは、ベンダーと代理店の関係を最大化するためのビジネス戦略手法である。日本においては、CRM(Customer Relationship Management)の概念が主流であるが、そのイメージを代理店との関係管理にも転用した概念がPRMである。
「管理業務の効率化」や「コミュニケーションの最適化」を通して、ベンダーとパートナーとの管理・協働を最適化するため、「パートナーのアクティブ率向上」「パートナーの営業数字の改善」などを実現する概念である。
CoPASS(コーパス)」開発の背景
日本では、CRMの普及に付随して、直販におけるデータ利活用が進み、業務の効率化・高度化が進む一方で、BtoBビジネスの売上構成比で約75%を占めるパートナービジネスにおいて、CRMのような技術の普及が中々進んでいない現状。日本で普及していない要因は、日本特有の商習慣とパートナービジネスに最適化された手法やテクノロジーが存在しなかったことに加え、パートナーごとにコミュニケーションや情報連携方法が異なることで、業務の効率化・高度化が難しいと考えられてきたからである。
そこで、deexは日本の商習慣及び、パートナービジネスに適した新たな概念であるPRM(Partner Relationship Management)に基づいたツール「CoPASS(コーパス)」を提供するに至る。
CoPASSの強みとは
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パートナービジネスにおける情報を一元管理する事で業務工数を大幅削減
パートナー業務に必要な基本情報からパートナーを活用した業務プロセスで必要な情報までを全て一元管理することが可能。
契約情報や案件情報の管理・可視化、パートナーへの手数料集計などの管理業務が煩雑化し、本来もっと専念する必要がある業務に適切な時間を捻出できないといった課題を解決可能に。各種CRMツールとの自動連携・相互連携も実現。
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各パートナーとの連携をスムーズにすることで、信頼獲得やロイヤリティ向上
各パートナーへのリアルタイムでのコンテンツ共有やチャットを行うことが可能。これにより各パートナーとのスムーズな情報連携を実現できる為、信頼関係の構築に繋げることが可能に。
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様々なデータや情報を見える化で、パートナー経由での売上拡大
各パートナーの実績・案件の進捗を可視化し、蓄積したデータを基にダッシュボードで分析を行うことが可能。これにより「実績を出すパートナー」の傾向を分析し、適切なパートナー様の開拓が可能に。
CoPASSはパートナービジネスの「利益伸長」を実現するPRMツール
CoPASSはパートナービジネスの「利益伸長」を実現可能とするPRMツール。「売上増加=有効パートナー数×アクティブ率向上」と「コストカット」で実現可能に。
■PRtimes(引用元):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000080626.html
■新サービス:https://www.deex.co.jp/copass
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ
関西学院大学卒業後、株式会社ワークスアプリケーションズへ入社。日本の大手法人企業に対し、基幹システム/ERPのSales & Marketingに従事。その後、株式会社リクルートの経営企画室にて、全社のDX推進ミッションを担った後、deex株式会社を創業。
企業情報
法人名 |
deex株式会社 |
HP |
|
設立 |
2021年3月 |
事業内容 |
代理店活用コンサルティング「Partner Boost」事業 代理店管理・分析プラットフォーム「CoPASS」事業 営業代理店事業 |
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