株式会社Firstory 代表取締役 劉 德政

台湾を中心に、ポッドキャストのサービスを展開するFirstory。今回は、3名の代表取締役のうち1名、劉氏へインタビューし詳しくお話をお伺いしました。

 

インタビューでは、事業内容や、台湾での起業後に日本などの海外へ進出している理由、台湾と日本の違い、今後の展望などを詳しくお話してくれました。国が違っても、他の起業家と同じように日本で事業を広げ、サービスを浸透させたいという想いがひしひしと伝わってきました。Firstoryに興味のある方も、ポッドキャストという新たなツールでの発信に挑戦したい方も、ぜひ最後までご覧ください。

 

便利で手軽なポッドキャストを日本でももっと浸透させる

事業の内容をお聞かせください

当社はポッドキャストに関するサービスを提供しています。ポッドキャストとは、簡単にいうと、映像のないYouTubeです。動画の撮影や編集のような手間がなく、初心者も発信活動にとりかかりやすいです。iPhone1つさえあれば充分です。

 

画面上の映像がないので、友達と話をするくらいの軽い気持ちで発信できます。普段話をしているようなことで問題ありませんが、視覚情報がない分ロジックが重視されます。

 

アメリカやヨーロッパでは、ポッドキャストがより浸透しています。メディアが報道する前に一旦ポッドキャストを通じて発信するというくらい、奥が深く充実した内容のものが多いです。

 

ポッドキャストは簡単に入門できるため、実は始めやすいということを日本のみなさまにもぜひ知っていただきたいです。弊社オリジナルの画面では使いやすさや見やすさを強調したデザインとなり、ポッドキャスターにとっては使い方の面でも魅力があります。サブスクリップション、広告収益、投げ銭などの収益化サービスもサポートしています。」また、もっとリスナーを増やしたいという方に対してのお手伝いもしていますので、気兼ねなくご相談いただきたいです。

 

現在は、アジアを舞台としており、台湾、インドネシア、日本で展開しています。今後は、もっと人口の多い国にも進出していきたいです。台湾では、現在ポッドキャストがとても人気です。日本では、まだあまり知られていないため、認知度に差があるように感じます。

 

ちなみに、初期の頃から、台湾以外でも事業を広げていくことを想定していました。台湾は人口が2,000万人ほどであるため、海外に進出することで会社の規模をより拡大していけると考えていたためです。アメリカやヨーロッパで展開することも考えましたが、文化の違いがあったり競争が激しかったりするという理由から、まずはアジアへ進出することにしました。

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

台湾では男性には兵役の義務があるため、大学卒業後、無事に任期を終えてから3人で起業しました。

 

最初は音声を使うマッチングアプリを開発しました。その後、アメリカのベンチャーキャピタルに参加した際、アメリカではポッドキャストが人気であることを再認識し、アジアでのビジネスに生かすことを考えました。しかしアジアでは認知度が低かったため、これまでの音声マッチングアプリの技術を入れて、台湾で発展させる流れとなりました。

 

ちなみに、大学生の頃は、大手企業のウェブサイトを作っていました。しかし、他に新しいことをしたいと思うようになり、音声を使ったマッチングアプリを開発したというのが経緯です。プログラマーとしての活動は自宅でできるため、外に出る機会が少なく、新しい出会いや交流がなかなかできなかったということが、開発のヒントになりました。

 

起業すること自体は、高校生の頃から目標の1つとして考えていました。創業者が3人とも野心を持っており、他の人と違うことや、大きなことをしたいと思っていました。お金を稼ぎたいというよりは、世界中の人を驚かせて、影響を与えるようなことを成し遂げたいということを、当時から目標としていました。

 ポッドキャスターにとっての使い勝手の良さを追求する

仕事におけるこだわりを教えてください。

スタートアップ企業としては、不安定な日々を乗り越えるために臨機応変に対応することがこだわりとしてあります。

 

サービスに関してのこだわりは、ポッドキャスターの成長を大切にすることです。ポッドキャスターが使いやすいサイト、アプリを提供することで彼らが成長し、その結果リスナーが増えて収益が増えるというサイクルで成り立っています。そのため、出発点となるポッドキャスターの成長をサポートすることを特に重視しています。

起業から今までの最大の壁を教えてください

起業後は0から1、1から10、10から100という段階に分けられ、それぞれのフェーズによって乗り越えなければならない問題は異なります。ただ、スタートアップは資金繰りの問題を抱えていることが多く、融資元を探すことに苦労しています。

 

また、スタートアップは大手と対等に戦うことが難しいです。そのため、問題にぶつかった際には、違う角度から見たり、抜け道を探したり、一旦置いて他の問題を考えたりなどの臨機応変さが欠かせません。問題は日々変わるため、柔軟に対応することがとても大切だと考えています。

 新たな問題に対応し続けるために社員のモチベーションは大切

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

創業者3人ともまだまだ熱量があり、向上心を持っています。また、弊社では毎月600万人の方にサービスを利用していただいているため、世界的な影響力を持っているという責任もモチベーションに繋がっています。

 

さらに、社員のモチベーションを保つことも、事業を進める上で欠かせません。ポッドキャストの業界は常に変化し続けるため、新たな問題へ対応する力が求められます。業界内の変化はすぐに社員とも共有し、一緒に挑戦したいと思ってもらえるようにモチベーションを引き出すことが重要だと考えています。

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

ポッドキャスターを支援していきたいです。台湾では、すでにポッドキャストの市場が確立してきています。以前は副業や趣味で行っていた方が、今ではポッドキャスターとして力を入れて活動しています。

 

現在も、Discoordのコミュニティー運営や電子ニュースレターの配信などをしてますが、今後はインスタグラムを活用してリスナーと交流できる場を設けるなど、さらに幅広くサポートしていきたいです。

 

事業展開する国としては、まずは日本とインドネシアをメインとして活動していきます。十分な顧客やリスナーを獲得してから、次の国に進むことも視野に入れています。また、台湾でのサービスを維持することにも引き続き注力していきます。

 起業家は大変だからこそ楽観的かつ柔軟でいることも大切

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

起業とはとても困難なものです。常に自分がやりたいようにできるわけではなく、他の人の意見を聞き入れなければならないときもあります。

 

台湾のことわざで「悲観的な人は失敗しないが、楽観的な人は成功する」という教えがあります。起業家は、困難な問題にぶつかる時も多いですが、楽観的にとらえて柔軟に対応することも大切だと考えています。

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:

2017年 大学卒業 
2019年 Firstory音声アプリ創業 

企業情報

 

法人名

Firstory

HP

https://firstory.me/jp/

設立

2019年

事業内容

ポッドキャストプラットフォームの運用

沿革

2019年 音声版マッチングアプリ
2020年 ポッドキャストホスティングサービス

 

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