株式会社ガーディアン 代表取締役社長 青山裕一

「勝て!日本中小企業」をスローガンに掲げる株式会社ガーディアンは、成果を上げるHP制作を得意とする会社です。北海道から沖縄まで、全国6箇所に拠点を持ち、これまでに54,000サイト超え(2023/11/30時点)の制作実績を誇ります。日本の中小企業、とくに地方に拠点を置く中小企業に焦点を置き、WEBの力で企業の成長を支援する同社。今回は、代表取締役社長の青山 裕一氏に事業にかける想いや今後の展望を詳しく伺いました。

 

事業の内容をお聞かせください

弊社は主に3つの事業を展開しています。

 

1つ目の事業は、サブスク型HPサービスSCSC(スクスク)です。この名前は「サブスク」の“スク”と「すくすく育つ」の“すく”から取りました。

 

2つ目は、OEMパートナー事業です。弊社独自のシステムOWLet(アウレット)のライセンス事業と、企業HPの受託制作・運用をおこなっています。

 

コアとなっているのが、OWLetです。プロであれば高速でHP制作ができ、IT知識のない人でも自社HPの分析や更新が簡単にできる、画期的なシステムです。OWLetでは、お客さま自身がどのような戦術・戦略でHPを成長させたらいいのかが、わかるようになっています。

 

そして、最近始動したばかりなのが3つ目の事業となる、WEB人材創生スクールです。コロナが終焉し、人が再び外に出るようになったタイミングで、進化を遂げたAIも世の中に出てきました。AIによって職を失う人が出てくるのも、時間の問題です。



これからさらに人材の流動化が激しくなるでしょう。キャリアチェンジを考えた時に多くの人がどこに向かうのかというと、それはIT業界です。弊社はその流れを見越して、IT人材を育成するスクールを立ち上げました。



現在SCSCを利用してくださっているお客さまの中には、HPの育て方がわからないという方も少なくありません。SCSCをご利用の方も弊社のスクールでWEBマーケティングを始めとする、HPの育成に必要な知識を学べるようにしています。

 

それぞれの事業で完結させるのでなく、3つの事業がうまく循環するような仕組みを作っているのが弊社の特徴です。

 

 

サブスク型のHPサービスSCSCと、従来のHP制作サービスの違いを詳しくお伺いできますか?

 

従来のサービスでは、お客さまが多額のHP制作費を最初に支払います。その後も継続的にHPを公開するために、サーバの保守費を払い続ける必要がありました。HP制作には大変な労力がかかりますから、企業側はHPの立ち上げに全力で取り掛かった後は燃え尽きてしまい、せっかく作ったHPを放置してしまっているのです。

 

制作会社側の話をすると、制作後のメンテナンス費用を稼ぐより、新規顧客を取ったほうが利益を上げられるため多くの会社は後者に注力します。

 

そもそも、制作会社は常に新規顧客を取り続けなければ生きていけないビジネス構造です。よって、どの会社も既存顧客の面倒を見る余裕がないとも言えます。

 

制作会社の多くが、ITのプロではないお客さまの要望をそのまま聞いてHPを作っていることも問題です。私からみると、世の中の9割以上のHPが失敗に終わっています。

 

我々は「そのデザインのHPで本当に事業の成長に役立つのか」という観点でお客さまと対話します。我々は独自のシステムを活用し、すでに54,000サイトを超えるHPを制作してきました。これは日本一といえる実績です。他社より知見もノウハウも持っていますから、本当にお客さまの利益になる提案ができるのです。

 

しかも弊社のシステムを活用すると、あっという間にHPを作れますから制作にかかる人件費を圧倒的に削減できるわけです。従来のように制作に大きな予算を割り当てるのではなく、HPを成長させ、事業発展に役立てるために予算を使いませんか、というのが我々の提案です。

 

弊社では、月々3万円から30万円までの幅広いプランを設けています。3万円のプランには基本的なサービスの提供と月1回のミーティング、さらに運用のアドバイスが含まれています。

 

制作から数ヶ月経ったタイミングで、お客さまがHPのプチリニューアルを希望する場合は、一時的にリニューアルが含まれている5万円のプランにグレードアップすることも可能です。そして、リニューアルが終わったら元のプランに戻します。そうすることで、実質2万円の負担でリニューアルが実現します。もし大幅なリニューアルを希望する時は6万円のプランに変更し、終わったら元の3万円のプランに戻すことも可能です。

 

サブスクのメリットは、いつでも辞められることだと思われるかもしれませんが、我々のサービスの強みはその時々の要望や都合に合わせ、プランをすぐに変更できることです。

 

また、我々は営業スタイルでも差別化を図っています。

 

どれだけ良い言葉を並べられても、実物を見ないことにはお客さまは結局判断できませんよね。そこで見込み顧客を訪問する際は、先にHPを作っていきます。何パターンか作り、お客さまに選んでいただくわけです。

 

現状のHPよりも優れたものでない限り選んでいただけませんから、先方のHP分析を徹底的におこないます。もちろん作ったHPをお見せしても、時には断られることだってあります。しかし、我々の強みは日本に拠点を置く約500万社の法人リストを持っていることです。加えて、これまでにHPを制作した54,000サイトを超えるそれぞれのサイトアクセス数や、ユーザー属性がリアルタイムでわかるデータも持っています。

 

したがって、一度断られたとしても同じニーズを持っている同業他社にすぐにアプローチし、同様の提案ができるのです。我々のシステムを使えば、HPの画像や文言、社名はわずか5分で変更可能です。

 

たとえ1社に断られたとしても新規顧客をすぐに見つけ出せるため、制作したHPが無駄になることもなく、我々が在庫を抱え続ける必要もありません。

 

 

現在の事業を始められたきっかけをお伺いできますか?

私は幼い頃から生まれ育った京都や日本の田舎が大好きなのですが、2011年頃から地方が活力を失っていることが気になっていました。少子高齢化で今後もそれは加速し、ますます地方は元気を失っていくでしょう。

 

私は24歳からヨーロッパやアジアで仕事をしていたのですが、当時すごくモテたんです(笑)。仕事面でもモテました。それはなぜかというと、私が日本のこと、京都のことをきちんと語れたからです。しかも実家は着物屋でしたから、着物の話もできました。外国の人は自分の国や田舎のことをきちんと語れる人を認めてくれるんです。そういった経験もあり、地元や日本への思い入れがさらに強くなりました。

 

しかし、私の思いに反して、地方は沈んでいく一方でした。


そこで何かできることはないかと考えた時、ITだと思ったのです。ITには、時間、距離、コストを乗り越える力があります。元気のない地方中小企業に目を向けると、ITの本質と同じことが見えてきます。地方の経営者に話を聞くと、資金がない、大きな商圏まで行くのに距離がある、移動にも時間がかかる。そういったことが成長の妨げになっていると言うのです。


しかし、それらはITが持っている強みの裏返しです。そこでITを活用して、地方の中小企業を支援するためにこの会社を立ち上げました。ITのなかでも一番早く取り掛かれるHP制作に注目し、今の事業を構想し始めたのです。世に出ているHPの9割は失敗しているわけです。同時に、大きな市場がそこにあるとも言えます。

 

事業の方向性が固まった時、他にも自分のなかで決めていたことがありました。それは「誰のお金もあてにしない」ことです。これまで借り入れもしていないですし、コロナの助成金もまったく受け取っていません。

 

ただ、私は2年後に社長を引退する予定です。

 

お世話になった方もたくさんいますし、従業員も多く抱えています。皆に還元できるように、現在の主力であるSCSC事業を育てているところです。私がいつまでも会社に居座るのではなく、若手に権限を譲っていくつもりです。どこに出しても恥ずかしくないと思えるほど、立派な後継者が育っていますから。

 

これからは、若い人の柔軟なアイデアを積極的に事業に反映していって欲しいですね。

 

長期有給インターン制度で、多くのインターン生を採用されているとお伺いしました。インターン生に選ばれている理由をお聞かせください

       

          

現在、弊社では40名ほどのインターン生が働いています。住んでいる場所は札幌から沖縄まで皆バラバラですが、地方在住の人にも東京と同じ賃金を払っています。

 

時給の基準は東京都の最低賃金からスタートし、2ヶ月目に125%アップ、3ヶ月目には150%、4ヶ月目からそれぞれの能力に応じて上がっていきます。一番高い時給は3,500円ですね。弊社の特徴は、インターン生と社員がコミュニケーションを取りやすい環境にしていることです。業務はzoomを使っておこなわれ、全員がカメラをオンにしてライブ中継のような形で作業をしています。

 

そうすることで、小さな悩みや相談もすぐに他の人に聞け、リアルタイムでのコミュニケーションが活性化します。チャットでのコミュニケーションより断然スピードが早いのもメリットです。

 

コロナのパンデミック中にこの方法を思いつき、大きな予算をかけて設備投資をしました。重要な会議の場合、ZOOMでは録画して他のメンバーと共有できるため、知識やノウハウが社内で効率よく伝わっていきます。地方の大学生で継続できているのはこの環境のおかげです。



私たちの目標は、優秀な学生に長期間働いてもらい、将来的には正社員として迎え入れることです。長く働いてもらうためにも、時給を高く設定しています。通常、採用コストとして1人につき約100万円がかかります。4人雇おうと思ったら400万円です。しかし、インターン生をそのまま採用できたら採用コストはほぼゼロです。

 

時給が高い分、インターン生はバイトを掛け持ちする必要がなく、実務により集中できます。結果、早く成長できるのです。たとえ他社に就職するとしても、ここで身に付けたスキルは絶対に有利に働くはずです。インターン生の将来のことも考え、働きやすい環境を整えていることが多くのインターン生を採用できている理由にも繋がっています。

 

長期有給インターン制度:

https://guardian.jpn.com/recruit/intern/

 

【働いている様子】

【オンラインで繋がるズームビジョン】

人と向き合い、人を中心にした経営をする        

仕事におけるこだわりを教えてください  

こだわりは、とにかく人と向き合うことです。私はいつも「人」を中心にして考えています。事業の善し悪しや利益は結果に過ぎません。間違いない人材を採用し、間違いない人材に育てる。これが何よりも大事です。私は経営者としての責任がありますから、従業員が成長できているのか、皆が順調に仕事ができているのかなどをいつも気にかけています。

普段から「人を観察しよう」と思っているわけではないのですが、従業員のちょっとした変化にもすぐ気づくため、皆によく驚かれます。

基本的に人は自分の思い通りには動いてくれません。その分、苦しみがあるのも事実です。しかし、人と向き合うことや人を信じることを辞めた先にHappyなどないと思います。

採用でも、候補者の人柄が明らかになるまで向き合うのが弊社の方針です。採用のプロセスでは、最初に人事による書類選考があり、その後に人事面接をおこないます。次に各部署のトップが面接を担当します。面接を通過した候補者には適性試験を受けていただきます。

その面接を経て、部署のトップが「この候補者と一緒に仕事がしたい」「私が責任を持って育てるので、この人を絶対に採用して欲しい」と熱意を示した場合のみ、私が最終面接をおこないます。

採用でも人と向き合い、履歴書からは見えてこない人柄を見極めることに重きを置いています。

起業から今までの最大の壁を教えてください

起業してから今まで、自分の思い通りに物事が進んだ日など1日もありません。それを壁というなら壁ですが、壁と感じたことはありません。相手がいるわけですから自分の思い通りになるわけがありませんよね。

 

私が人生で一番しんどかったと思うのは、高校時代です。私が通っていたのは、弘法大師・空海が創設した歴史ある私立学校でした。世界遺産の中に建っている学校としても有名です。

 

高校は私にとって、修行の場でした。

 

家庭の方針で私は学費を自分で払わなければなりませんでしたから、朝は新聞配達から始まります。部活には間に合わず、必ず遅刻です。その部活というのも、日本一を目指して切磋琢磨する厳しい環境でした。

 

その上学業は、高校1年生の時から毎日5時間以上勉強しないと授業についていけません。なぜなら、最初の1年間で高校3年分の課程をすべて終わらせなければならない学校だったからです。



私も1年生の2学期の途中から、高校3年生レベルの勉強をやっていました。2学期以降は、ずっと受験勉強です。しかも、無遅刻・無早退で3年間皆勤の生徒が8割もいるという学校でした。厳しい環境が当たり前という環境で育ちましたので、あの時の苦しさが壁だとしたら他のことはマシに思えます。

 

他の人からしたら大ピンチの状況でも、仕事をしていて私がネガティブになることはありません。

 

日本中の全中小企業にWEBの恩恵を届ける。次の代の社長に想いを託し、会社として目標を実現

進み続けるモチベーションは何でしょうか?         

日本中の中小企業にWEBの恩恵を届けるために進み続けています。


現在、我々の支援は54,000サイト超に留まっていますが、日本には中小企業が380万社も存在します。この数字を踏まえると、私たちの取り組みは一代で完結するものではありません。


道のり半ばですからモチベーションは揺るぎませんし、本気で目標を追求する限りモチベーションが低下することもありません。私の代で終わらないことを見越して、次の代、その次の代の社長もすでに用意しています。

「日本中の中小企業にWEBの恩恵を届ける」という目標に向けて、今後取り組む予定の活動や施策をぜひお聞かせください

既存顧客でも見込み客でもない未顧客に、WEBの可能性を周知する活動を強化する予定です。可能性を周知できたら、次は啓蒙活動をします。

 

その次は、我々が企業HPを分析し、改善点やその理由を具体的にお伝えしていきます。



WEBの可能性を理解して、啓蒙を受け、改善点まで具体的にわかった状態で自社のHPをそのままにしておく経営者はいないでしょう。

 

他社はいきなり売るための営業をしますが、弊社のアプローチは違います。啓蒙活動やHP改善の具体的な提案を先におこなうのです。

 

売れる時は自然と売れます。頑張って売ろうとするため相手に逃げられるのです。相手から、こちらの方に来てもらえるようにしなければなりません。そうした活動を日本全国規模でおこなう予定です。 

 

小さなことをしっかりと積み上げて、頑丈な土壌を作る

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

「やりたいこと」と「できること」は違います。大きな目標を考える前に、小さな当たり前のことを確実にこなせる能力が必要です。たとえば、事業を継続するのに300万円が必要だとしたら、継続的に300万円を稼げる能力が不可欠です。起業を考えている人にこの質問をすると皆、「稼げます!」と言うのです。



しかし私が聞きたいのは、半年先、1年先も稼げるのかということです。しかも、継続的に稼ぎ続ける見込みがあるだけでは不十分で、一緒に働く仲間にそれを信じてもらわなければなりません。上を目指すのは、それからです。



時間は上ではなく先に流れています。時間は皆に平等で、誰も抗うことはできません。時間を過ごしたからといって、決して自動的に上に行けるわけではありません。時間を掛けて「最低限のものは絶対に自分のものになる」というコアを確立すべきです。



事業は雪だるまと同じですから、ふわっとした状態で始めても途中でポロポロと崩れていきます。反対に、たとえ小さくても丈夫なものを丁寧に転がしていったら、綺麗に大きくなっていくものです。最近は、基盤がないのに最初から上を目指してしまう人があまりにも多いと感じます。

 

木も一緒です。根も張っていない、幹もきちんと育っていない状態で育っても少し風が吹いただけで、ポキッと折れてしまう。とにかく土壌が大事なんです。

 

起業する際は、時間をどのように使って土壌を耕すのかをぜひ考えてみてください。私も起業してから最初の5年間は土壌作りに専念し、「自分たちの力を自分たちで証明する」という気持ちで仕事をしていました。

 

一切外注に頼らず自分たちの力で5年間続けた結果、1,500件の受注を獲得し、HPの契約継続率は5年で99%という数字をたたき出しました。普通はありえない数字です。

 

いきなり大きなことを成し遂げようとするのではなく、自分ができる小さなことを積み上げていき、しっかりとした土壌を作ることが大切です。

 

 

採用情報はこちらから▽
URL:https://guardian.jpn.com/recruit/

 

コーポレートサイト:https://guardian.jpn.com/

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:青山裕一

京服屋の長男として生まれ、洛南高校時代の恩師から教わった都の呉『社会の雑巾たれ』たる言葉を、人生の座右の銘として心に刻み込む。

社会人では、大手電子部品メーカーでアジア・ヨーロッパでのビジネスを経験し、東京海上時代は日本全国を駆け巡り、数々の賞を受賞する。

伝統工芸から先端テクノロジーまでのモノづくりとリスクマネジメントを知り尽くした上で、IT業界に入る。

今年でIT業界23年目を迎え、独自のマーケティング理論を駆使し、6,000を超えるWEBサイトを手掛けてきた経営者。

独自のWEB必勝法を伝授すべく日経BP社よりIT兵法本「5000サイト、200億広告運用のプロが教える 儲かるホームページ9つの兵法」を出版し、Amazonランキングで3部門1位を記録した。

また、マネジメント領域の会社経営においても、未経験、Non専門スキルの人材を積極的に採用し、特色豊かな人事制度を大胆に企画登用するなどして、人材育成において画期的な成果を上げ続けている。

講演や出版、寄稿の依頼が多数きているが、現状においては、全国の中小企業経営者様との面談を優先するため、すべてお断りする方針でいる。

 

企業情報

法人名

株式会社ガーディアン

HP

https://guardian.jpn.com/

設立

2011年2月4日

事業内容

・CMS(コンテンツ管理システム)及び関連ソリューションの開発

・PaaS 型 WEB アプリケーション構築環境『OWLet』ライセンス提供

・サブスク型ホームページサービス『SCSC(スクスク)』

※WEB サイト制作・運用支援

・WEB サイト診断及び広告・運用コンサルティング

・販売代理店の営業及び制作活動支援

・事業推進コンサルティング

・オンライン教育事業『WEB 人材創生スクール』

・受託 WEB システム開発

沿革

2011年 株式会社ガーディアン 創業

送る 送る

関連記事