タウンドクター株式会社 CEO 山上 慶


タウンドクター株式会社が展開する「N・Partner(ニューパートナー)」は、管理栄養士による質の高い食事指導をオンライン上で提供するサービスです。行動変容AIを活用した食事指導ツールを用い、管理栄養士が対象者一人ひとりに最適化された栄養指導を行います。テクノロジーと管理栄養士の専門知識を組み合わせ、革新的なサービスを展開する同社のCEO 山上 慶氏に、事業内容や今後の展望を詳しくお聞きしました。

対象者に合わせたオーダーメイドの栄養指導をオンラインで提供

事業の内容をお聞かせください 。       

    

当社は、管理栄養士による食事指導をオンライン上で受けられる「N・Partner」を展開しています。生活習慣病患者やその予備軍の方々を対象とした栄養管理サービスをBtoBで提供しており、主な顧客はクリニック、健康保険組合、自治体などです。


クリニックの顧客は内科が大半を占めています。内科では栄養指導が必要な患者さんが多いにもかかわらず、管理栄養士を常勤で雇うのが難しい現状があります。内科を訪れる患者数は月に1000人にも上りますが、患者さんが来るタイミングはさまざまで診察後にタイミング良く栄養指導をセッティングするのは困難です。医師の診察は1人の患者さんにつき数分と短いため、30分の栄養指導を診断後にスケジューリングするのは、時間の効率性を考えると現実的ではありません。

しかし、全国どこからでもオンラインでアクセス可能な「N・Partner」をクリニックが導入することにより、継続的な栄養指導を患者さんに行えるようになりました。

 

ある統計によると、生活習慣病の患者さんの約40%が治療途中で通院をやめてしまいます。しかし、「N・Partner」を導入しているクリニックでは、90%以上の患者が治療を継続しています。

「N・Partner」が患者さんのモチベーション維持に貢献していると同時に、患者さんが継続的に利用してくださることでクリニックの収益向上にも繋がっていると言えます。「N・Partner」は利用実績に基づいた従量課金制を取り入れているため、クリニック側は固定費を抑えながら安定した収益を確保できているのです。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

私は大学卒業後、コンサルティング業界でキャリアをスタートし、事業戦略を含む幅広い経営コンサルティングに従事していました。様々な業界のクライアントと働いていたのですが、起業のヒントを得たのは製薬会社のクライアントと働いていた時です。

我々が取り組んでいる生活習慣病の予防の領域は市場規模が大きいにもかかわらず、明確に市場をリードする企業が存在しておらず、市場全体が停滞しているようにも感じられました。しかし私は、その状況がかえって参入の大きなチャンスをもたらしていると捉えました。

私はもともと独立や起業を目指していたわけではなかったのですが、コンサルタント時代の経験が起業につながっているのは確かです。

 

2021年に会社を立ち上げた際、ちょうどコロナの影響でオンライン診療に対する関心が高まっていました。また、同時期に診療報酬の改定も行われ、多くの医療機関がオンライン診療の導入を進めていたことが事業推進の大きな追い風となりました。

 

大切にしているのはカスタマーファーストの精神

仕事におけるこだわりを教えてください。

お客さまを最優先に考える「カスタマーファースト」の精神を大切にしています。
これは従業員にも常に伝えていて、もし従業員が「自分ファースト」な態度を取っていたら即座に指摘しています。

 

「カスタマーファースト」を大切にする我々にとって、お客さまからポジティブなお声をいただくことが何よりの励みになっています。肯定的なフィードバックを受け取る度に、我々が作り上げたサービスの価値を再認識でき、前進するモチベーションにも繋がっています。

これまで以上にサービスを充実させ、顧客満足度を向上

今後やりたいことや展望をお聞かせください。

目下の目標は、食品流通事業に参入することです。具体的に言うと、管理栄養士のアドバイスを反映した食事を、実際に患者さんに届けるサービスを構想しています。

現在「N・Partner」でサポートできているのは栄養指導のみで、食事を実際に準備するのは患者さん自身です。しかし我々が食事の用意までを一貫しておこなうことで、より顧客満足度の高いサービスを提供できると考えています。

 

会社員を続けながら起業するのも一案

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします。

私が大学を卒業した10年前と比べ、今は起業しやすい環境が整っていると感じます。また、世の中に起業家が増えたことで、起業に挑戦しやすい雰囲気もあるのではないでしょうか。

 

起業を考えている人にアドバイスできるとしたら、「まずは一歩を踏み出してみてください」ということです。現在は一部の業務をアウトソースできるサービスも充実しているため事業を始めやすく、資金調達のハードルも以前に比べ低くなっています。

 

私は会社員として働きつつ自分のビジネスをしていた時期が2年ほどありました。自分の経験からも、会社員を続けながら起業する道も一つの方法としておすすめできます。

 

貴社で働きたいと考えている方へ、職場環境について詳しくお聞かせください。                    

当社には医師、管理栄養士をはじめとした医療従事者チームとエンジニアチームがあり、多様な専門職が一緒に働く、ユニークな職場環境があります。

 

通常、医療関係者がエンジニアと交流することは少なく、エンジニアも医療従事者との接点はめったにありません。しかし当社では、同じ目的のもと、お互いの異なる視点を生かしながら協力してサービスを展開しています。


また、当社は独自のITシステムを構築しており、経験の浅い管理栄養士でも活躍できる環境を用意しています。さらに、それぞれのライフスタイルに合わせてキャリア形成ができるよう、フレキシブルな勤務形態を整えているのが特長です。リモートワークが可能であるため、子育てや介護などで時間に制約がある方も働きやすい環境だと思います。

 

■ 採用情報の詳細はこちらから

https://npartner.notion.site/974f340091874a269c4125591b6974bc 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:山上 慶氏

京都大学工学部物理工学科卒業、京都大学大学院エネルギー科学研究科修了。日本総合研究所(リサーチ・コンサルティング部門)、Field Managementに勤務。ヘルスケア・医療業界にて新規事業・事業戦略PJに従事した後に、当社を創業。

企業情報

法人名

タウンドクター株式会社

HP

https://npartner.jp/

設立

2021年3月24日

事業内容

生活習慣病患者向け食事コーチングサービス /「N・Partner(ニューパートナー)」の展開 / 医療機関・健康保険組合・自治体に展開

 

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