ユニークキャリア株式会社 代表取締役CEO 岸田 佳祐


令和元年に設立されたユニークキャリア株式会社は、インターネットメディアの運営を行っております。「未来を創るメディアを作る」のミッションのもと豊富な経験とノウハウを活かし、質の高いメディア構築を数多く手掛けているのが特長です。



代表取締役CEOを務めるのは、学生時代よりメディア事業に携わり複数の事業売却の経験も持つ28歳(取材時)の岸田佳祐氏です。24年3月には上場企業アイドマ・ホールディングスへのグループインを実行されました。今回は岸田氏に、事業内容や未来の起業家へのアドバイスなどをお聞きしました。

 

ユーザーにとって価値あるコンテンツを提供し、潜在的な課題解決をサポート

事業の内容を詳しくお聞かせください

             

我々は「未来を創るメディアを作る」をミッションに掲げ、ユーザーにとって価値あるコンテンツの提供に努めてまいりました。具体的には、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ユーザーの検索ニーズにマッチした質の高い情報を提供することで、「半歩先の未来が見える課題解決」 としてユーザーをサポートしています。

 

さらに、質の高いコンテンツを提供することでユーザーの皆様に信頼して頂き、サイトにて掲載した広告から収益を生み出しています。ユーザーが私たちのサイトを経由して広告主の商品やサービスを購入すれば、それに応じて広告収入が発生する仕組みです。無理に商品を訴求するのではなく、まず信頼して頂けるようなコンテンツ制作を第一に考えて事業運営を行っております。



当社の今に至るまでの大きな特長は、育てたメディアの売却を視野に入れた運営を行っていた点です。我々がメディアサイトをゼロから作り、人気サイトへと成長させた後に他社に売却することも過去に複数回ありました。※24年現在は売却を視野に入れた運営は行っておらず、キャリア(転職・就職)領域に選択と集中をしております。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

学生時代にベンチャー企業で半年間インターンシップを経験し、その際にメディア運営やコンテンツマーケティングについて学んだ経験が今に活きています。



インターンシップで体感した知識を活かし、学生時代に暗号資産(仮想通貨)に関するメディアを作ったのですが、それがすごく上手くいき、2018年に最も新しく検索された「仮想通貨とは」の検索キーワードで1位を取ることができました。当時、仮想通貨は怪しい情報が多かったので、しっかりと質の高いコンテンツを作成することで必ず上手くいくと確信していました。その成功を受け、波に乗れた段階で自分で作ったサイトの売却を決断しました。



同時期に、就職活動を支援するメディアを立ち上げたところこちらも成功し、わずか1年で上場企業への売却に至りました。新卒で会社員としてキャリアをスタートさせたのもこの頃で、半年間会社員として働いた後、起業しました。

 

起業しようと思ったきっかけは大学の教授に言われたある一言が影響しています。その教授は「仕事を作れる人間になれ」と授業で説いていたのです。当時2016年だったので今のようにAI関連の銘柄も盛り上がっていませんでした。「これからの時代は優れたAIが次々に出てきて、人間がやらなくていい仕事を代わりにやってくれるようになる」と。「だからこそ上流で仕事を作れるクリエイティブな仕事を作る側に回らなければならない」と。大学3年生の時にその言葉を聞き、私は「仕事を作れる人間」について素直に考えてみました。



自分の得意分野を活かして仕事を作ることを考えた際、まず思いついたのが文章を書くことでした。私は文章を書くことが昔から得意で、あまり勉強しなくても国語のテストでは高得点が取れていました。また、大学の専攻は経営学部ITビジネス科で、授業の半分はパソコンを使った授業でした。パソコンを使ってインターネット上でどのようなビジネスがあるのかを勉強し、インターネット広告のビジネスモデル、SEOについてを一通り学べたのも起業する上で大いに役立っています。このような背景から大学在学中に本格的にメディア運営を始めてみたのです。



ちなみに18歳の頃は「ECショップの社長になりたい」と漠然と思っていたものの、明確な起業の目標は持っていませんでした。ただ、親が自営業で自由に働いているのを見て育ったことから、会社員として縛られた環境で働くことはあまり想像できませんでした。そこで自分が好きなインターネットの分野かつ、強みを活かして独立できる仕事を考えてみた結果、行動に至りました。

 

今振り返ると、起業した当初の私は「意識高い関西の学生モブ」といった感じでしたが、特に周りの目を気にせずにやりたいことをやってよかったなと心から思います。これから起業したい方は周りの目を気にせずにチャレンジしたほうが良いかもしれません。周りを気にすると行動するのが億劫になったり、逆に承認欲求が強すぎるとチヤホヤされ足元すくわれます。当時はメディアに出てイケイケだったけど、自己破産した起業友達もいました。周りの目を気にせず「コト」にフォーカスするほうが結果が後からついてくるように思えます。

 

ペルソナを設定し、徹底的にユーザーの課題を洗い出す

仕事におけるこだわりを教えてください    

        

こだわりは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを作ることです。そのためにはまず、ユーザーがどのような人なのかを具体的にイメージする必要があります。

 

私がいつも行っているのは、まずペルソナを設定し、大学のゼミで学んだ「カスタマージャーニーマップ」を用いてペルソナの一日を想像することです。

 

このプロセスを通じて、ペルソナが何にストレスを感じ、不満を持つのかが鮮明にわかるようになります。また、日々の生活で問題が生じるタイミングやポイントを掘り下げることが、新たなビジネスチャンスにも繋がってきます。



たとえば、ペルソナで設定した架空の人物が通勤時の満員電車で誰かとぶつかり、朝から嫌な思いをしたとします。

 

我々はその体験をコンテンツに落とし込み、「電車でぶつかりにくい立ち位置の確保方法」といった具体的な記事に反映します。この作業を何度も繰り返すことで、ユーザーの人物像や課題を深く理解できるようになるのです。

 

人間は、自分が抱える課題や悩みをすべて認識できているわけではありません。我々の仕事はユーザーの課題を俯瞰的に見てそれらを言語化し、解決策を提案することです。

 

ユーザー視点で物事を考えることが、評価されるコンテンツ作りに繋がっていくのだと思います。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

過去には裁判をしたり、メンバーが離れることもありましたが、一般的には壁と思えることでも、私はそれらを壁だとは捉えていません。人間なので一時は辛い瞬間もありますが、寝たら忘れる性格だからかもしれません。

 

別の言い方をすると、手堅く事業を進めてきたため、大きな成長に繋がる大失敗を経験していないともいえます。

 

しかし現在は会社を成長させていきたいと考えているため、これからは組織構築に関する問題が出てくるのではないかと予想しています。我々はユーザーにとって価値のあるコンテンツを作ることを大切にしていますが、利益を度外視してその理念を徹底的に追及できる人は多くありません。

 

事業をする上で利益を一番に考える人は、短期間では結果を出せるのかもしれません。しかし長続きせず、途中で退場するケース、いつの間にか消えていたケースをこれまで何度も見てきました。

 

商売の本質はお客様に価値を提供することです。その本質を理解した上で、日々の行動に落とし込める人を我々は採用したいと考えていますが、そうした人材は稀です。採用を増やしても、いずれは費用対効果が見合わなくなる可能性があると懸念しています。

 

価値のあるコンテンツ制作を通じて、メディア事業でNo.1を獲る

進み続けるモチベーションを教えてください 

モチベーションになっているのは、やはりユーザーにとって価値のあるコンテンツを作りたいと思う理念です。これまでもその理念を大切にしてきましたが、まだ自分の力を120%発揮できていないと感じています。20歳から志が生まれ起業してから8年が経過しましたが、「まだ自分はやり切れていない」という思いが常にあり、素晴らしい事業を作れているかと問われれば、正直まだまだだと感じます。

 

最終的にはチームとしてメディア事業でNo.1を獲ることがモチベーションになっています。

 

私は高校時代にインターハイを目指していた経験があるのですが、当時は理想と現実のギャップに直面し途中で部活を辞めてしまいました。仲間と切磋琢磨しながら上を目指したいという思いが叶わなかったことが、今でも心の奥底に残るコンプレックスとなっています。そのため、メディア事業でトップに到達することで、学生時代に実現しなかった「優勝体験」を掴みたいと思っています。



もうひとつ、直近でグループインさせてもらったアイドマ・ホールディングスの三浦社長に貢献したいという思いもモチベーションになっています。三浦社長は非常に尊敬できる方で、「この人のために頑張りたい」と心から思える人です。正直これまではついていきたいと思える「尊敬できる方」とは出会えなかったのですが、アイドマ本社が掲げる「全ての人の夢の実現に貢献する」という理念にも強く共感しており、私自身も誰かの夢の実現を支援するための「きっかけづくり」として未来を創るメディアを構築していきたいと考えています。

 

私は幸運なことに、素晴らしい人との出会いがあり、これまでいくつかのメディア事業を売却できたり、M&Aが上手くいったりして、事業を軌道に乗せることができました。

 

自分がすごく恵まれていると感じるからこそ、一層懐を大きくし、今度は他の人の夢をサポートするために行動していきたいと考えています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

 

ブランドメディア構築の一貫として「一般社団法人キャリア協会」を立ち上げる

 

目下の目標は、爆発的な結果を出すことです。これを実現するためには、やはりメディア事業で1位を獲得しなければなりません。

 

まずは領域で一番を達成することで、業界のパイオニアとして新たな道を切り開けると思っています。具体的な目標は、あらゆる検索キーワードで我々のサイトが検索結果の最上位に表示されることです。特に、ブランドを創ることを意識して、「検索0位」に我々のサイトが常に想起される状態を目指しています。つまり会社の知名度を高め、誰もが知っているブランドになることが目標です。

 

我々が育てたメディアが多くの人の夢を実現し、未来を形づくる手助けができることを願っています。

 

行動する前に情報感度を高める努力が必要

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします     

何より重要なのは、情報感度を高めることです。行動量を増やすのは大事ですが、行動しつつも正確な知識を身につけることが必要不可欠です。なぜかというと、情報が不足していると他人に騙されるリスクが高まるためです。



たとえ大きな志と行動力を持っていても、情報が不足していると怪しいビジネスに誘われてバッドエンドを迎えるケースは少なくありません。いつの間にか本人が最初に掲げていた志から大きく逸脱している商売に手を出してしまうケースを過去に何度か見てきました。それは非常に勿体ない。

 

また、起業したとしても情報感度、アンテナが立っていないと、尊敬できる「メンター」に出会いビジネスパートナーとして関係を構築するのは難しいでしょう。「誰と共にするか」は想像以上に大切です。私はこれまでの経営者としての経験から、正しい知識を身に付けておくこと、勉強し続ける大切さを身をもって学びました。

 

正確な情報を学び、メディアや他人の意見に流されない判断力をぜひ養ってください。今はSNSを通じて起業に関する知識を簡単に得られますが、すべての情報を鵜呑みにせず「この人の言っていることは正しいのか」という問いを常に持ち続けることが大切です。そうすることで意思決定の質が向上し、大きな失敗を避けられると思います。

 

最後に、特に20代前半の若い人には大きなビジョンを掲げることをおすすめします。学校の課題にたとえるなら、60点を目指すよりも100点、いや120点、200点を目指すほうが結果として高得点を取りやすくなるのと同じで、大きな夢を持つことでより大きな成果を達成できると考えます。



私の失敗例を言えば、高尾山登頂には複数回成功しましたが、最初から富士山を目指していたほうが良かったと思うところがあります。なぜなら結果的に小さな成功しか実現できていないためです。

 

リスクはあるけれども、どうせやるなら最初からエベレストを目指すというのも今振り返れば選択肢としてあって良かったと感じます。ただし全てはリスク・リターンのため、自分が苦しくなるほどの選択には流石に及ばない方が良いため、ストレッチの効いた適切なビジョン設定が大事です。また、リスク許容度を高めるためには、結局、自身の懐や器を大きくするしかありません。それが「知識・リテラシーを身につけよう」という話にも帰着します。

 

採用を強化されているそうですね。どのような人材を募集されていますか? 

求める人物像の理想はメディア事業の経験者です。あるいはマーケティングの勘所を掴めている人や、伝えることが好きな人も向いています。ユーザーの反応を見ながらPDCAを回す過程を楽しめる人を歓迎します。

 

また、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを作るという我々の理念に共感し、泥臭い作業も前向きに取り組める姿勢を持っている人が理想です。

 

ユーザーの課題を具体的に洗い出すにはペルソナを明確にし、必要に応じてユーザーインタビューを行い、ニーズや課題を掘り下げる作業も求められます。

 

そういった作業もいとわず、常にユーザーファーストの視点で行動でき、誰かをサポートすることで、結果的に自分が主役に立てるような、先義後利の考えを持つ方と、ぜひ一緒に働きたいと思っています。

 

ぜひ一緒に業界No.1を目指し、多くの人生をポジティブに変えていけるような「ユーザーの未来を創る」仕事をしましょう。

 

採用情報の詳細はこちらから▼

https://1dau.co.jp/saiyo/

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

 

起業家データ:岸田 佳祐

1996年大阪府岸和田市生まれ。

2016年近畿大学在学中に上京し半年間インターンを経験。2018年在学中に50万サイトから選出され広告代理店のアワードを受賞し、金融系メディアをベンチャー企業に売却。2019年4月に就活事業を上場企業に売却と同時に新卒入社。2019年9月、100%自己資本で創業したユニークキャリア株式会社の代表取締役に就任。2024年上場企業アイドマホールディングスにM&A。一般社団法人キャリア協会(https://job.or.jp/)代表理事。国家資格キャリアコンサルタント。

 

企業情報

法人名

ユニークキャリア株式会社

HP

https://1dau.co.jp/

設立

令和元年

事業内容

インターネットメディアの運営・企業のオウンドメディア運営代行

 

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