Next Medica株式会社 代表取締役 大川 裕輝

医師として働く中で課題だと感じた医療者の働き方を変革すべく、サービスづくりに注力するNext Medica株式会社の代表大川裕輝 氏。医師が自分の実績を正しく評価できたり、評価に見合った給料を提示できたりなど、希望の働き方を追求できるサービスを提供しています。今回は、そんな大川氏が事業を始めた経緯や仕事におけるこだわり、今後の展望などをお伺いしました。

 

医療者が正しく評価され、自分に合う働き方を選択できる世の中に

事業の内容をお聞かせください

医師が希望の給料、環境で働くことができるサービスを展開しています。具体的には、希望の病院で数回働き、その後に非常勤や常勤を選択できるしくみを提供しています。

 

採用する病院側も、医師の人となりや仕事のやり方を理解した状態で正式に採用できるため、ミスマッチが起こりにくいというメリットがあります。

 

医師と病院の希望がマッチして、正式に働くことが決まったときに、弊社は病院から手数料をいただきます。マッチした人材を採用できれば、トータルコストを減らすことが可能であるため、経営の観点からも理にかなった採用方法です。

 

また、求人へ応募する際に、医師から病院に対して希望の給料を提示できることも弊社のサービスの特徴です。そして、医師は勤務した病院からの評価を蓄積させていき、評価ランクを上げていくことができます。自身の評価内容やランクに見合った給料を交渉でき、努力した分の結果が得られやすい構造になっています。

 

今後は、ドクターから病院を評価する仕組みも作りたいと考えています。お互いの市場価値を正しく把握し、ミスマッチを減らせるサービスを目指しています。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

「医師の働き方を変えたい」という想いで事業を始めました。

 

私は、研修医時代を含めると、2017年より医師として働いています。当時から、医師の働き方はあまり良いものではないと感じていました。仕組み上、世の中の医療は医師の自己犠牲の元に成り立っているとも思います。

 

また、医師の実績や希望と、病院が求める人材のミスマッチも感じていました。業界的にも、努力してもなかなか給料が上がりにくいため、優秀な人が離れていくことが多いように思います。

 

弊社はさまざまなサービスを通して、医療者が仕事に対するやりがいや楽しさを感じられるようサポートします。日本の医療インフラも自然と整い、世界のモデルケースになっていけるのではないかと考えています。

 

圧倒的なスピードでこなしながら質を上げていく

仕事におけるこだわりを教えてください。

とにかくスピードが命です。60〜70点の仕上がりでまずは進めることを心がけています。

また、報連相も徹底しています。リモートワークを併用しているので、細かく連絡を取り合うことで認識のずれを埋めるようにしています。

 

そうすることで、エラーが起きた時の原因も見つけやすくなるため、同じ過ちを繰り返さないためにも、コミュニケーションを大切にしています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

以前に作ったサービスがうまくいかず、方針転換しなければならなかった時です。

 

最初は、看護師さんを対象とした事業を展開していました。看護師資格を持っているにもかかわらず、結婚や妊娠、出産を機に離職する方が多いという課題にフォーカスしたのです。実際に、家庭と両立できる働き方を提案できるサービスを考えましたが、ニーズと合わず撤退しました。

 

当時は少し落ち込みましたが、今となってはそれも良い経験だったと思っています。起業後、問題は日々起こりますが、辛さ以上に乗り越えたり追求したりすることに対する楽しさが勝っています。

 

壁にぶつかったとしても、目指す世界が明確であるため、何をすれば良いのかを迷うこともありません。

 

義理や人情を重んじ、簡単には諦めない

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

止まる理由が特にないため、進み続けています。何かに引っ張られている感覚はありません。

 

私が事業をやり続けることは、関わってくれている人たちへの責任だと考えます。たくさんの人を巻き込んでやっていることであるため、成果をしっかり出さなければなりません。

 

私は義理、人情を重んじる性格であるため、簡単に立ち止まることがありません。自分が想像している世界はたくさんの人が幸せになると信じているため、やり切ったといえるところまで進み続けます。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

病院が採用力を上げていけるよう伴走支援をしたいと考えています。

 

例えば、病院が求める医療従事者を自動的にマッチングし、面談をするかどうかは採用担当者が判断できるサービスの提供です。

 

求人情報には多くの病院が掲載されているため、そこから希望の人材に自分の病院を見つけてもらうことは、そもそも難しいのが現実です。同時に、病院側としては頭数を優先しているケースも多いため、採用のハードルを下げていることがほとんどです。つまり、本当に病院と医師が合っているのかが吟味される機会は多くはありません。

 

ミスマッチを無くし、医師が自分の望む働き方を実現するためには、双方が正しく評価できるしくみづくりが必要だと考えます。そこで弊社は、これまでのマッチングの良し悪しに関わる傾向を分析しつつ、良い提案ができるシステムを整えています。

 

より自分に合った職場との出会いを望んでいながらも、生活に困っていないことを理由に、現状を変えようとしない医師は一定数います。しかし、医療従事者が安心して働ける職場にいられることは、患者さんにも間接的にメリットがあると感じます。医療人は人であり、無理をして身体を壊してしまう環境下では、良い医療は提供しづらいためです。

 

そこで我々は、キャリアで悩んでいる医師や、新しい働き方に興味がある医師たちに、これまでにない経験を提供し、医師と病院がWin-Winになる結果を招くことができるよう、今後も精進します。

 

より良い世界を創造するための起業ならばぜひ行動を

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

自分の思い描く世界が現実とかけ離れており、解決したいと考えているなら起業するべきだと思います。

 

起業後は、正解を自分たちで見つけていかなければなりません。不安なことは無限に出てきますが、それらをただ見つめているだけでは現実は何も改善しないため、行動し続けることが求められます。

 

もちろん、起業自体が目的となっている場合は、一度冷静になった方が良いのかもしれません。しかし、自分が楽しさを感じられることや、より良い世界をつくることが起業と結びつく場合には、ぜひ行動して実現して欲しいと思います。

 

一度きりの人生において、リスクを恐れすぎずに、やりたいことにぜひ取り組んでもらいたいと願っています。私もまだやるべきことがたくさんあるため、お互いに頑張っていきましょう。

 

貴社に興味を持たれている方へ向けて、採用の詳細をお願いします。

僕の右腕的存在として活躍してくれる人材を求めています。

 

社会人経験者はもちろんですが、インターン生や第二新卒なども大歓迎です。経験や知識がなくても、学ぶことに貪欲で、チャレンジ精神がある人材を求めています。

 

医療業界に興味のある方や、世の中のために何かしたい方、失敗を恐れず一緒に突き進んでくれる方からのご応募を心よりお待ちしています。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

 

起業家データ:大川裕輝 氏

1991年生まれ、大阪府出身。株式会社CONNECTを2021年8月に創業。 

2017年    岡山大学医学部 卒業

        医師免許取得

        岡山済生会総合病院 初期研修

2019年    岡山大学整形外科 入局

2021年8月 株式会社CONNECT創業

2023年3月 整形外科専門医取得

    4月 法人活動に専念するため常勤を卒業し、非常勤医師として勤務(訪問診療:週2勤務)

        経済産業省主催 起業家育成プログラム「始動」シリコンバレー現地派遣メンバー選抜

 

企業情報

法人名

Next Medica株式会社

HP

https://nextmedica.co.jp/

設立

2021年8月2日

事業内容

  • 採用コンサルティング「DocToru」
  • 医師トライアル採用プラットフォーム「Pro Medica」
  • 医療求人プラットフォーム「Medica Bank」
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