【#205】「月額制」のシステム開発で導入後のサポートまで一貫して伴走。生成AIの恩恵も活かし業務の効率化を目指す。|代表取締役 平本 健祐(株式会社コルモアナ)
株式会社コルモアナ 代表取締役 平本 健祐
システム開発や企業研修、AIコンサルティングなど様々な事業を展開する株式会社コルモアナ。代表の平本氏は金融業界やエンジニアとして働いた経験を活かし起業しました。現在は月額制のシステム開発事業に注力し世の中の課題解決をサポートしています。今回の記事では事業内容に加えて事業を始めた経緯や事業に対するこだわり、今後の展望などを詳しくお伺いしました。
月額制の受託開発や生成AIの基礎から応用まで学べる研修の提供
事業の内容をお聞かせください
システムの受託開発をメインとしています。一括ではなく月額で請け負っていることが他社との大きな違いです。
一括請負のデメリットとして、初期に支払う委託料が高額になることが挙げられます。人手不足で予算確保が困難な中小企業の中には、ハードルが高いと感じるところも多いのではないでしょうか。
月額制ならより少ない予算で開発を依頼できます。これまで同じフローでやってきた業務をシステムにより効率化できるため、人手不足で困っている中小企業の力になることが可能です。
システム構築に詳しい方ほど月額制について「こんな方法もあったのか」と感激してくれます。お仕事を紹介してくれるケースも多いです。
またシステム構築の他にも生成AIの基礎から応用まで学べる研修を提供しています。スキル自体がAIに置き換わる時代がきており、膨大な量の知識にアクセスし恩恵を受けることが可能です。例えば初めての仕事もAIのサポートによって経験のある人と同等にこなすことは夢ではありません。高度な知識や技術の民主化が進んでいると考えています。
世間ではAIによって仕事がなくなる怖さが叫ばれる一方で、我々は恩恵の方が多いと感じます。AIに関する理解を深め、多くの方が実務に活かせるようサポートしています。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
システム開発で不幸になる人を減らし、最終的にはゼロにしたいという思いから創業しました。
キャリアのスタートは、経営系の学部だったこともあり、自然と金融業界で働くことを志していました。しかし、銀行員として働く中でマージンで稼ぐのではなく、プロダクトの価値でお金をいただくビジネスをしたいと考えるようになりました。金融のドメイン知識があることを評価され、フィンテック系企業に未経験ながらエンジニアとして採用していただきました。
転職後、とある金融機関向けのシステム開発に携わる機会がありました。しかし、高い費用をいただいたにもかかわらず、開発したシステムが半年も経たないうちに使われなくなってしまったのです。この出来事は、システムを作った人も提供された人も誰も幸せになれなかったという衝撃的なもので、今でも忘れることができません。
この経験から、同じ過ちを二度と繰り返さないという強い使命感を持つようになりました。システム開発は納品して終わりではなく、実際に使いながら現場の意見を反映し、完成に近づけていくプロセスが欠かせません。皆が幸せになれるような開発事業を展開するために、現在の会社を創業し、今日に至っています。
受託開発の「月額制」によって理想を形にするサポートを
仕事におけるこだわりを教えてください。
2つあります。1つ目に納品のない受託開発の仕組みが弊社のこだわりです。システム開発後も実際に使っていただきながら修正を繰り返し完成度を高めていきます。
最初にシステムのイメージや希望をお伺いした上で、完成までの大体の期限をお伝えします。ある程度完成してからは現場の方の声も反映してブラッシュアップするのも大切な工程です。
使いながら調整する工程も含めると納期がないため、3ヶ月ごとのロードマップを作り共有します。1週間で完了したタスクと次週のタスクの確認は毎週欠かしません。企業様にとって優先順位が高い問題を解決できるようにタスク管理をしています。
また日々の報・連・相や進捗状況もまめに提出し、安心してお任せいただける体制を整えています。
2つ目に企業様のビジョンやミッションにも寄り添ったシステムを構築することも、弊社のこだわりです。
「こうしたい」とご相談を受けた際にもすぐにそのまま実行するのではなく、現状や社会に届けたい価値などをまずお伺いします。というのも、紐解いていくと別のシステムの方が適していることも往々にしてあるためです。
企業様が実行したいことと運用システムの相性がよくないことは結構ありますが、これはシステム開発者に責任があると考えています。単に作って納品するのではなく、打ち合わせなどを通して企業様や担当者様について理解を深めてから開発の方針を決めることを心がけています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
まだ創業したばかりであるため、壁らしい大きな壁には出会っていません。
ちなみに「友人同士での起業はやめた方が良い」と多くの人からアドバイスいただきましたが、3人で創業してから協力し合って今日に至ります。これからも世の中のために一緒に頑張っていけたらと思います。
創業前の話になりますが、金融業界の会社員から未経験でエンジニアとして転職した後は少し大変だったかもしれません。入社した会社が金融系のアプリを開発するために、金融業界経験者の私を採用してくれたのだと思います。しかし先輩が1ヶ月で海外へ出向することになり、エンジニアは未経験であったにもかかわらずすぐに一人立ちしなければなりませんでした。
しかも4ヶ月後には未経験の後輩が入ってきたため、先輩の立場で仕事を教えなければなりませんでした。とても苦労したものの、今思い返すと学びの多い良い経験だったと感じます。
納品後も伴走して世の中の問題を1つでも多く解決したい
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
システム開発にまつわる困りごとをなくしていきたいという想いがモチベーションの源泉です。
弊社も一括の請負型でご依頼を受けることもありますが、月額制の方が魅力的だと感じます。お客様が欲しいのはシステムではなく、抱えている問題の解決策です。納品後も伴走できる体制を整えておくことにより、現場で使われている方などのフィードバックを元に機能をブラッシュアップしていくことができると考えています。
またシステムを納品しても使いこなせない問題が発生することもあります。使い勝手の悪いシステムは維持コストが余計にかかる上に、残業を増やします。場合によっては人離れを引き起こしかねません。
企業様のITリテラシーに寄り添いながら、使い方をレクチャーしたり使いやすい方法を提案したりすることが重要であると考えています。
そのため、それぞれの企業様がお考えになる理想の未来を実現できないことは避けつつ、企業様のアイディアにより救われる人のためにも、必要なシステムを開発していくことをモットーにしています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
業界を限定せずに受託開発を進めていきます。また、受託開発の経験を活かした自社のプロダクトをつくり提供する野望も叶えたいです。
弊社の受託開発は月額制が基本です。なるべく多くの企業様に使っていただけるようにしていますが、それでもなかなか手が出ない企業様も多いです。世の中を良くしていきたい思いが強いため、より手の届きやすいかたちで使い勝手のよい共通システムを届けたいと考えています。
日々、各業界におけるAI活用の可能性にワクワクしており、私たちであれば必ずや業界を変革するようなプロダクトを作れるはず、作ろう!と仲間たちと議論は尽きません。
考えていることややりたいことを周りの人に伝えることから
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
今考えていることがあれば、ぜひ信頼できる人に伝えてみてください。やってみたいことや成し遂げたいことなどを話すことで、協力してくれる人と出会える可能性があるためです。
言葉に出しながら、同時に行動に起こすとよいのではないでしょうか。小さく始めながらフィードバックを繰り返すことで、自然と大きくなっていきます。
行動すればものごとは着実に変化していくため、どうか諦めずに継続して欲しいと思います。まずは、近くの人に想いを話してみてください。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:平本健祐氏
早稲田大学卒業。 大手金融機関へ総合職入社。中堅・中小企業様への法人営業に従事。その後、大手メガベンチャーへエンジニアとして転職。金融機関向け通帳・家計簿アプリ開発に携わる。その後人材系ベンチャー企業を経て、株式会社コルモアナを創業。現在は企業研修、AIコンサルティング事業、システム開発事業など様々な事業を展開している。
企業情報
法人名 |
株式会社コルモアナ |
HP |
|
設立 |
2023年9月6日 |
事業内容 |
AI活用に関する研修事業 AIを活用した業務改善コンサルティング 生成AIを組み込んだソフトウェア開発 上記各号に附帯関連する一切の事業 |
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