【#248】生成AIをメンバーに入れたアプリ開発事業で、人々の限界を超えるものを創りたい|代表取締役CEO 佐藤 集(Next-Tek,Inc.)
Next-Tek,Inc. 代表取締役CEO 佐藤 集
AIとのモバイルアプリ開発事業や映像制作と映像配信の受託サービスを展開しているNext-Tek, Inc.は、AIとの未来創造をミッションに掲げ、人々がより豊かにイノベーションするために必要なスキルや技術の提供を行っています。これまで培ってきた専門的な高い知見をもとにコンサルティング業も行っている同社の代表取締役CEO 佐藤 集氏に、詳しい事業内容や今後の展望について伺いました。
AIとのアプリ開発と映像制作、ITコンサルティングが主軸
事業の内容をお聞かせください
AIを使ったアプリ開発、受託業務である映像制作、映像配信、そしてコンサルティング業の4つの事業を提供しています。
AIを使ったアプリ開発事業では、新製品「Apple Vision Pro」に適応したアプリがまだ少ないところに着目し、さらには、アプリをより身近なものとして発展させるためにどのように貢献できるかを考えながら開発を進めています。
映像制作事業では、YouTubeのショート動画やInstagramのリールを作成しています。私が在籍している情報経営イノベーション専門職大学(以下iU)の公式YouTubeのショート動画作成もそのうちの一つです。
内容としては、オープンキャンパスを担当している学生スタッフを主役として、入学理由やサークル活動、また卒業後にやりたいことなど様々なインタビューを撮影し、週一本アップロードしたり納品したりしています。
また、ショートだけでなく教授と企業の対談といった長い動画を作成することもあります。iUの強みである「企業との連携の強さ」をモチーフに、対談の収録から編集までを請け負っています。
また、映像に関連して学生時代に配信スキルを身に付けたこともあり、月に数回の映像配信を行っています。配信業務では教育ジャンル問わず、ゲーム配信、オンライン登壇者と会場登壇者とのインタラクティブな配信サービスも展開中です。
そして、4つ目のコンサルティング事業では、映像配信にどういう機材を使ったら良いのか、予算に対してどれくらいの対価を出すのが良いかといった相談を受けて、様々な疑問や課題を解決させるべくクリエイティブなコンサルを実施しています。
ある程度の経験があるクライアントでも、そもそも映像配信の本質をよく理解していない人や技術的に簡単だと勘違いしている人は多いのが現状です。そんな人に向けて、映像配信をより良くする方法を提案したり、機材の組み方を簡易化することで人員を減らしコストを抑える方法を教えたりしています。
また、近年はeスポーツが普及してきていることもあり、将来的にはeスポーツの配信もコンサル業に加えていきたいと考えています。その実現のために、eスポーツをより面白くする配信方法を提案し、それを後輩にも教えられるようになれたらと思っています。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
高校時代ICTとグローバルコミュニケーションについて力を入れて授業を受けていたこともあり、iUの学びの3本柱である「ビジネス」「ICT」「グローバルコミュニケーション」に惹かれたため、iUに入学を決めました。入学した当初は自分自身が起業をしようとは考えていませんでした。
アルバイト経験がなかった私は、入学後、先輩や教授が設立した会社合計3社に在籍させてもらい、業務に取り組みました。そして、1〜2年生の時に先輩と共に働いた経験から、3年生になった時に起業に対しての思いが強くなったのです。当時はAIが普及していて興味があったこともあり、AIを使って起業したいと思い、さらには、映像制作は中学生の頃から好きで、配信も年に数回遊び感覚で行っていたことが現在の事業誕生のきっかけとなりました。
今までの経験に誇りとプライドを持って仕事に取り組みたい
仕事におけるこだわりを教えてください
自分の思いを壊さないことと、会社のトップであるプライドを持つことが軸になっています。現在は社員を入れていませんが、自分の会社で自分が社長である以上は自信を持ってやっていきたいですし、これまで身に付けてきたスキルや経験を大事にしながら取り組んでいきたいです。
起業から今までの最大の壁を教えてください
起業においてよく言われることですが、会社を作ることは簡単でも持続させることは難しく、実際に自分もそれを痛感しています。
1期目よりも大事なのは2期目で、稼ぐために何をするべきなのか、どう持続させていくのか、そういったところを考えていかなければなりません。今までの既存の事業だけをずっとやっていても会社が立っているだけの状態になりかねないため、毎年新規事業の創出や開発を行ったり、強くてインパクトのあるサービスを打ち出したりする必要があるでしょう。私にとってそこを考えるのが壁となっています。
人と繋がることで自分自身が成長する
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
会社運営において、周りの人との協力や関係性が私のモチベーションになっています。学生や友人、またインターン関係の社会人の方との繋がりなど、様々なコミュニティの中で人との関わりを大事にしています。
また、事業の一つであるコンサルティング業務においては、自分の好きなことを周りに広めている感覚が非常に楽しいです。自分が得意なことを他人に教えることで、更なる学びがたくさん生まれると実感しています。
そのような経験を重ねるうちに反省点や改善点が生まれ、足りない部分を補ったり、次はここを深く伝えたいという想いが生まれていったりするところがコンサルティング業の魅力だと感じています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
展開中の事業でいうと、もっと広い範囲でクライアントを獲得できるようにしていきたいです。現在の顧客は元々の知り合いがほとんどで、今後は身内以外にもサービスを拡充できればと思います。そのためにもたくさんの実績を作り自社のホームページに掲載するなどして、サービスを見える化することが目標です。
また、現在展開している事業は継続させつつ、今後はもっと収益を増やせるような仕組みづくりを行っていきたいと考えています。
具体的には、サブスクや会費比率化、有料アプリの提供などです。ユーザーからのコメントを元にバージョンアップしていくアプリを作ることができれば良いなと思います。そしてそれらで得た収入で映像制作や配信に必要な機材のグレードアップを図ったり、将来的にはスタッフを増やしたりすることも思案中です。数年後はその可能性もあることを見据えながら頑張っていこうと思います。
そして、AI事業に関連して、Webサイトの制作も今後やりたいことの一つです。現在自社サイトも改装中ではありますが、AIを使ったサイト構築を少しずつ進めています。「Webサイト制作にAIを使用するとここまでできます」といった宣伝方法で広めていき、一つの事業として確立させていきたいというのが展望です。
それに付随して、今後はAIという技術をどう理解しどう利用してもらうかが大きなカギとなるでしょう。未だ世の中には「AIに仕事を奪われてしまう」といったネガティブな考え方の方が多いかもしれません。しかし、私はむしろ逆だと思っていて、AIは一緒に仕事をするパートナーのような存在であり、社員の一人として一緒に並走していく考え方に近いです。
業種にもよりますが、人間ができることをAIに覚えさせて、人間は新しくできることをどんどん開発していく、このステップが大事だと思います。常に先を見据えつつ、AIと共存できる世の中にしていけたら嬉しいです。
起業する前にリアルな現場を体験してほしい
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
大きく分けて2つあります。1つは、インターンを受けることです。これは弊社にという意味ではなく、自分が興味のある会社に対してインターンをしてほしいということです。
インターンをするメリットは、社会人の人と働くことで多くの学びが得られるところにあります。外に出ることで習得できるスキルは多く、それと共に社会人との関わり方を体験することも非常に大切です。
アプリ開発現場においても、社会人と一緒にリアルな議論やディスカッションができることはかなり魅力的だと言えます。更に、チームプロジェクトがどのようにして動くのかを体感できたり、学校では教えてもらえないリアルさが味わえたりします。自分自身と経験が近い人が多いからこそ特別な相談もしやすいため、起業の前にまずインターンを受けることをおすすめします。
もう1つのアドバイスは、年齢が近い人との関わり方や起業前後の人間関係に注意していただきたいということです。親しい間柄だと思っていても、距離が近いからこそ揉めてしまったりトラブルになったりするケースもあると思います。もし危険を感じることがあったらすぐ逃げる、又は相談できる環境を用意しておくと万が一の時も安心でしょう。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:佐藤 集 氏
iU 情報経営イノベーション専門職大学 在学
企業情報
法人名 |
Next-Tek, Inc. |
HP |
|
設立 |
2023年6月8日 |
事業内容 |
AIとのモバイルアプリ開発事業、映像制作、映像配信 |
関連記事
RANKING 注目記事ランキング
- 【#063】すべての人に目標達成の喜びを伝えたい|代表取締役 李 佑記(イ・ウギ)(株式会社Humans)起業家インタビューインタビュー
- 【#055】顧客満足度世界NO.1の営業支援会社となる|代表取締役社長 鈴木 徹(株式会社アイランド・ブレイン)インタビューその他 インタビュー
- 【#176】継承と革新―給食サービスの家業を守り、進化させる3代目の挑戦|専務取締役 荻久保 瑞穂(株式会社東洋食品)インタビューその他 インタビュー
- 【#056】カットをもっと手軽にしたい。男性専用美容室にサブスク導入|代表取締役 大谷 優太(株式会社EN)起業家インタビューインタビュー
- 【#197】人財を大切に、介護業界で1兆円規模の企業を創る|代表取締役 山下 和洋 (株式会社ヤマシタ)起業家インタビューインタビュー