株式会社ザオリク 代表取締役 田坂 学
「Web集客の売上・利益を最大化させる」ことをミッションに掲げる株式会社ザオリクは、フォーム離脱者を再び呼び戻すというニッチな分野に特化した企業です。同社は、完全成果報酬型でフォーム離脱ユーザーのみをコンバージョンポイントまで復活させるサービス「ザオリク」を提供しており、その導入の手軽さと高い効果で多くの企業から注目を集めています。今回は、代表取締役の田坂学氏に、事業内容や今後の展望について詳しくお話を伺いました。
新しい手法でWeb集客の利益を最大化
事業の内容をお聞かせください
Web集客支援にはさまざまなジャンルがありますが、弊社ではその中でもかなり特殊な分野に特化して事業を展開しています。
Web集客支援といえば「離脱防止」サービスを思い浮かべる方が多いでしょう。たとえばサイトからの離脱を防ぐ、あるいはフォームの通過率を向上させるといった取り組みが一般的です。しかしどれほど工夫を凝らしても、サイトから離脱してしまうユーザーは一定数存在します。
弊社が提供する「ザオリク」では、このようにフォームを離脱したユーザーを呼び戻す、つまり「復活させる」ことに特化させ、ウェブ集客の売り上げ利益を最大化させることに尽力しています。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
新卒で入社したときから、漠然と起業したいという思いはありました。とはいえ、何のために企業したいのか、はっきりとした目的はなかったです。30歳になるまでに起業しないとできないだろうとも思っていました。
しかしひょんなことから当時の代表と意見が衝突し、「それだけ言うなら自分でやってみろ!」と言われたことで、起業する決意が固まりました。正直、あの出来事がなければ今でも従業員のままだったかもしれません。
超ニッチなジャンルを極め続ける
仕事におけるこだわりを教えてください。
決めた軸をぶらさないことです。
具体的には、弊社が掲げるミッション「Web集客の売上・利益を最大化させる」ことに対して常に忠実である、ということです。あらゆる決断や行動をする際は、このミッションの達成につながるかどうかを軸に考えています。
時にはその選択が非効率に見えたり、コストがかかったりすることもあるかもしれません。しかしそれがミッションの達成に必要だと判断すれば、躊躇せずにやり遂げます。昔は「お金になりそうだ」と思えば、何にでも手を出していた時期もありましたが、今は違います。
たとえば、利益だけを見ればやった方がいいと思えることでも、弊社のミッションから外れるものであればやりません。ニッチな分野ではありますが、Web集客の売り上げと利益を最大化させるべく「フォーム復活」という特定の領域に特化し続けています。弊社はこの分野を徹底的に極めているので、上場企業が相手でも、海外の有名企業が相手でも負けない自信があります。
起業から今までの最大の壁を教えてください
起業して直面した最大の壁は、自分の適性や市場ニーズを正確に把握できていなかったことです。これにより、さまざまな困難を引き起こしました。
具体的に申し上げると、2021年は動画市場が急成長している最中でして、そこにビジネスチャンスがあると考え、新規事業を立ち上げた事があります。
当時、YouTubeやTikTokが伸びており、動画コンテンツの波に乗ろうと考えました。ただし、既存のプラットフォームでは個々のユーザーデータを詳細に把握することができません。ビジネスでこうした個人データを取得・活用するためには、自前の動画メディアやサービスが必要でした。
では、作ればいいのでは?という発想になりますが、実際に構築するには多大な時間と費用がかかります。そこで、簡単に動画メディアやサービスを作れる仕組みがあれば、需要があるのでは?と考えました。
しかし、典型的なプロダクトアウトの発想で、クライアント様の声に耳を傾けず、多くの本で「失敗する」と警告されている方法をそのまま実行してしまったのです。結果として、資金は大幅に減少しました。このままでは会社が倒産するどころか、人生そのものが終わるかもしれないと、本気で思いました。
しかし、他のメンバーがザオリク事業を着実に伸ばしてくれていたため、なんとか持ちこたえることができたのです。それ以降は、ザオリク事業に専念して奮起しました。
社内一丸となって出会った人をハッピーにする
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
会社が最も苦しかった時期のモチベーションは、周囲の人々への責任感でした。
あの頃は事業を支えてくれていた仲間や資金援助をしてくださった方々、支払いを待っていただいた取引先など、本当に多くの方々にご迷惑をおかけしていました。その状況で、迷惑をかけっぱなしで終わらせたくないという思いが、当時のモチベーションとなっていました。
現在のモチベーションは少し変わってきています。弊社は「出会った人をハッピーに」というコアバリューを掲げており、「田坂(私)に出会ってよかった」と言ってもらえるように、ハッピーにできる人を増やしたいという想いが、今のモチベーションです。
これは当社の行動指針にも表れています。当社には3つの指針がありますが、その中の1つに「ナイスゥゥゥ!言おうぜ」というものがあります。これは、どんなときでも常にポジティブであろうという姿勢を体現するために掲げています。
「無理です」「できっこない」ではなく、「できるかもしれない!」とポジティブに捉える姿勢を育むため、日頃から「ナイスゥゥゥ!」と言い合うようにしています。ポジティブであることは、私にとって非常に重要な要素です。
このように、周囲の人々への責任感、人々を幸せにしたいという思い、そしてポジティブな姿勢と発言が、私のモチベーションの源となっています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
「ザオリク」の導入をもっと手軽に、より多くの企業に利用してもらいたいと考えています。
ザオリクが対象としているのは、一般消費者向けにサービスを展開し、広告や集客に力を入れている企業です。ただし、自社サイトや自社のランディングページ、集客のみ対応可能であり、他社のポータルサイトやECモールでの離脱には対応できない点は注意が必要ですね。
導入の容易さについては、強い自信があります。基本的には、弊社のタグを埋め込むだけで利用が可能です。最近の商談でも「導入は難しいですか?」とご質問をいただきましたが、「仰向けで寝ていても、導入が進み、集客できる仕組みを提供します」とお答えしました(笑)
冗談みたいですが、本当にそのくらい簡単なのです。タグを入れていただければ、あとは弊社に丸投げしていただいてかまいません。ここまで簡単にしている理由は、実は私自身が非常にめんどくさがりだからです。「私でもできる」をペルソナにして開発しています。
システム導入の「複雑さ」、「面倒さ」といった障壁を徹底的に取り除き、誰でも気軽に使えるサービスにし、多くの企業に導入していただきたいと考えています。
事業が失敗してもどうにかなる
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
まずは行動してみることが大切ですね。多くの人は「失敗したらどうしよう」と、まだ起こっていない未来の失敗を想像して足踏みしがちです。実は私も以前はそうでした。
とくに、資金の問題や事業が潰れるかもしれないといった不安、人生が終わるのではないかといった恐れを想像する方が多いのではないでしょうか。
これらの恐怖に対する教訓を一つ挙げるとすれば、「死にそうは、死なない」ということです。
起業する前から失敗を恐れすぎないこと。失敗したときのことは実際に失敗してから考えればいい、くらいのマインドを持つことをおすすめしますね。最初の失敗なんて、全てどうにかなります。
もし自分にセンスがないと感じたら就職といった選択肢もありますし、別のアイデアがあれば新たな起業にチャレンジすることもできます。実際、一度自己破産を経験しながらも再チャレンジし、大きく成長している起業家はたくさんいます。
やりたいことがあるなら「とりあえずやってみる」といった姿勢が、成功への第一歩になるでしょう。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:田坂学氏
1988年愛媛県生まれ
青山学院大学国際政治経済学部卒業後、
株式会社ウィルゲートに入社。
IT系ベンチャー企業にて武者修行。
2019年 スタンドスプリング合同会社を設立。
2023年 法人名を「株式会社ザオリク」に変更。
企業情報
法人名 |
株式会社ザオリク |
HP |
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設立 |
2019年2月4日 |
事業内容 |
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