株式会社アーチャレス 代表取締役社長 石原 強

株式会社アーチャレスは、企業のマーケティングDX化サービスを提供し、デジタルテクノロジーを活用した伴走支援を行っています。Webサイトを「最前線で働く営業マン」と位置づけ、コンサルティングやCMSの開発など総合的かつ専門性の高い視点から、企業の顧客ニーズを満たす柔軟なサービスを展開しています。今回は、インターネット業界で豊富な経験を持つ代表取締役社長の石原強氏に、詳しい事業内容や今後の展望を伺いました。

 

オンライン上で顧客の心をつかむデジタルマーケティング事業

事業の内容をお聞かせください

当社は、デジタルマーケティングコンサルティングと、マーケティングWeb構築・運用の大きく2つの事業を展開しています。

 

デジタルマーケティングコンサルティングは、クライアントのデジタルメディア活用において戦略から企画、実行をお手伝いします。大企業における新規事業や、マーケティング部門が設けられていないベンチャーや中小企業などの支援を通して社内体制を強化し、最終的には社内で自走できる組織を作ることが目標です。

 

マーケティングWeb構築・運用では、クライアントの個別のニーズを最適化したWebサイトの構築と運用を行います。デジタルマーケティングの核はWebサイトだと言えます。しかし、特に少人数の企業ではうまく手を入れられず、放置状態であるところも少なくありません。当社は「Webサイトを優秀な営業マンに変える」をミッションとしており、積極的な活用や役割のあるサイト運用を提案します。

 

また、その中で「Tovira(トビラ)」という自社のクラウドCMSも開発しています。これは、Webサイト構築、顧客管理、Web接客をワンストップで提供するクラウドサービスです。これにより、Webサイトでの見込顧客とのコミュニケーションや運用業務の効率化が可能となり、人材不足のベンチャーや中小企業にWebサイトを武器にしてもらうことができます。

 

我々は、クライアントがビジネス成果を出すことを第一に考え、成果向上をお約束します。そのため、極端な話、クライアントがやりたいことでもOKしない場合もあります。何が課題なのか、何をやるべきかを同じ目線に立って精査し、優先事項を考えながら提案形でものづくりに入ります。こうしてきちんとしたプロセスを踏んでいくことで成果が生まれ、確実な信頼を得られていることが強みです。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

インターネット黎明期からこれまで、20年ほどインターネットを専門領域としてどっぷりやってきた経験があったので、それをうまく活かせると思ったのが起業の経緯です。

 

私が新卒だったのが1995年で、その時期は安価なWebプロバイダーが出始めたいわゆる日本の商用インターネット元年でした。私は美術大学を出ていますが、その時はデザイナーになろうと思って印刷会社に入りました。そして、ちょうど企業のホームページを作ることになり、ホームページ制作に関わり始めました。

 

入社してからやりたいことはできていたものの、印刷業界はそれなりに歴史がありガッチリした業界で、ヒエラルキーが強いのが悩みでした。一方、インターネット業界はそのようなものが何もなく更地みたいな状態だったため、若くても色々チャレンジできるのではないかと思い3年で制作会社への転職を決意しました。

 

”インターネット”という訳のわからない業界に飛び込んで親からは心配されましたが、大きな仕事も任されて、仕事に熱中しました。制作会社には5年ほど勤め、その後も広告会社や金融機関、マーケティング会社で経験を積み、大手企業のマーケティング支援にも携わりました。最終的には制作会社の役員として経営に関わっていたのですが、やっぱり自分の名前で、仲間と望む環境でやってみたいという思いがあり、2019年に会社を立ち上げました。

 

難易度が高い仕事で自分たちの価値を高めていく

仕事におけるこだわりを教えてください。

クライアントの成果が第一であることを軸に、自分たちにしかできないことをやるのがこだわりです。

 

せっかく独立して事業を行っているので、自分たちがやるべきことや価値があることをやろうと仲間と話しています。そのため、より複雑だったり難易度が高かったりする仕事も大歓迎です。その方が全力が出せますし、我々が選ばれたことで実績にもなる、そういうところがこだわりになっています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

現在6期目ですが、経営は壁の連続です。例えば、先ほどクライアントの利益を第一に考えると言いました。しかし、利益を優先するとこちらの商売と反するところがあって、どちらかというとクライアントに寄り添ってしまいます。信頼していただくほど相手の懐事情がわかるので尚更です。しかし、自分の会社も成長しないとお客様にサービスを提供し続けられなくなってしまうため、こちらの利益も大事にしなければなりません。商売の難しさを日々感じています。

 

その他にも、より良いサービスを提供するには情報収集もしなければならないし、社員にいい環境を作ろうと思うと先行投資せざるを得ず、経営者はなかなか大変です。

 

私は性格的にミッションを与えられて実行することが得意なため、もしかしたら社長よりもナンバー2のポジションの方が合っているかもしれません。とはいえ、経営者でなければ見えないものもありますし、壁があることでクライアントの悩みや気持ちが理解できると思っています。社長として頑張るためには、むしろ課題を作って怠けないことも秘訣だと思うので、壁は壁でいいのかなというのが自分の考えです。

 

どんな壁でもこのメンバーで乗り越えたい

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

有形にしろ無形にしろ我々の施策が世の中に出ていき、それが拡散されることで成功を実感できることがモチベーションです。お客様が笑顔になったり褒めてくれたりすると社員だけでなく、会社としてもうれしいため、そのような景色を見られると非常に満足です。

 

それから、チャレンジングな案件でも社員が新しいことに取り組み、成功させて一歩ずつ成長することがやりがいに繋がると思っています。インターネット業界は進化が早く、次々に新しいものが生まれる特性があります。最近はAIなどの画期的なものに出会うと我々もやってやろうという挑戦意欲が湧き、新しい目標が生まれます。

 

このようにチャレンジを繰り返して、次の壁をこのメンバーでまた越えていこうと思える状態を作れていることがやりがいを感じる要因になっていると思います。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

自社の「Tovira」というツールを世の中で通用するものに育てていくことが次のチャレンジだと思っています。

 

様々なツールを使い分けるのは慣れていないと結構大変ですが、Toviraなら、デジタルマーケティングに必要な機能が全部1つのツールに統合されている点が強みです。見込顧客をWebサイトやメルマガで集客し、商談を獲得するまでのプロセスをAIで支援するので手間がかかりません。

 

また、ToviraはWordpressのリプレイスとして使えます。セキュリティ向上に加えて、業務に合わせたカスタマイズや関連ツールの連携を強化することで、運用効率がかなり良くなります。

 

このような特徴から、Toviraは、マーケティングに割ける人材が会社にいなかったり、営業人員が少なかったりするような規模感の案件に一番フィットすると思っています。あまりコストや時間もかからないため、様々な企業に導入していただけるでしょう。たくさんの企業に取り入れてもらうことはもちろん、最終的には”Toviraで商談獲得を全自動化する”、これを目指して機能をアップしているところです。

 

起業しようと思ったタイミングで行動を

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

私は起業したのが47歳だったので、もしかしたら年齢は高い方かもしれません。起業するなら早いうちにという考えもありますが、遅いからうまくいかないとか大きい仕事ができないという訳ではありません。人生100年時代と言われているので、いつからでもやりたいと思ったらチャレンジすることが大事です。

 

また、起業は周到に準備すべきと言われますが、慎重になりすぎるとリスクを取ることを恐れて現状維持を選びがちです。しかし、会社を背負ってみないとわからないことは多いですし、真剣度合いが異なれば必死さも違ってくると思います。

 

なので私は、どうしようかと悩んだらやってみることをお勧めします。失敗したからといって全てを失うわけではないので、やれるうちに一歩を踏み出してみてください。

 

デジタルマーケティングに悩んでいる企業様にメッセージをお願いします

マーケティングに様々な投資をしてみたけれどうまくいかなかった、そんな企業の方がいたら当社にお手伝いさせてください。「なぜうまくいかなかったのかわからない」「他の可能性を探している」という方は、是非声を掛けてもらえれば新しい提案やアドバイスをさせていただきます。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:石原強 氏

企業のデジタルマーケティングに関わり20年、現在はハンズオンで企業のマーケティングDXを支援。

高級スーパーの紀ノ国屋のEC運営や物流大手のロジスティード株式会社のマーケティング支援を手掛ける。

トヨタ自動車「レクサス」の日本サイトを開設(年間1000万人以上が訪問)、その他、キッコーマン、ゼンリン、KDDI等、大規模プロジェクトをけん引した実績。

 

企業情報

法人名

株式会社アーチャレス

HP

https://www.archeress.co.jp/

設立

2019年5月9日

事業内容

企業のマーケティングDX支援

  • デジタルマーケティングに関するコンサルティング
  • デジタルマーケティング内製化の伴走支援
  • マーケティングWebの設計・構築
  • オンライン集客、WebのCVR向上支援
  • クラウドCMS「Tovira(トビラ)」の設計・開発・販売
  • CMS、MA等、マーケティングツールの導入

 

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