【#278】人と組織の「生き様」を磨き輝かせる企業支援で、中小企業に寄り添いたい|chief IKIZAMA officer 笠松 将志(株式会社IKIZAMA)
株式会社IKIZAMA chief IKIZAMA officer 笠松 将志
企業が成長・拡大する上で課題となる営業、採用、仕組化、事業開発をワンストップでサポートしている株式会社IKIZAMA。様々な目標に寄り添った伴走型支援で企業を強くさせるだけでなく、人や組織が「在りたい姿=生き様」を磨き、感動を生み出すチャレンジを大切にしている会社です。今回は、自らを「生き様 解放伴走人」と名乗る代表の笠松 将志氏に事業について詳しく話を伺いました。
人事採用や事業の立ち上げを一気通貫でサポート
事業の内容をお聞かせください
当社は、営業、人事、マーケティング、事業開発、この4つのセグメントで企業へのコンサルティングや実務支援を行っています。その中でも特に、人事における採用支援と、Saas型クラウドサービスの立ち上げ支援、この2つに注力しています。
昨今の人事採用では、人材を求める企業が増え続ける一方で世の中の労働人口が減り続けている課題があります。どの企業もそれなりにお金をかけて一生懸命採用活動をしていますが、成果を出せない企業が多数あるのが現状です。
高価なおもちゃを買ったけれどつまらなかった、というような採用活動を続けていくと、手元に手段が残らなくなってしまいます。重要なのは、何を得るためにどんなおもちゃを買って、それをどのように使い続けるかということや、失敗した時にどう改善をするかということを考えながら努力し続けることです。採用がうまくいかない企業はこの視点の細やかなコミットが欠けており、何を信じればいいのかわからない状況に陥ってしまっていることがほとんどです。そこで我々は豊富な知見と経験で採用活動をお手伝いします。
Saasプロダクトの立ち上げ支援については、エンジニアなど技術的な支援ではなく、作られたサービスをどのように世の中に認知させて売っていくかという営業戦略策定から実務代行までをサポートします。こちらも豊富な経験を元に、新規事業開発におけるプロダクトマネジメントをリードしていくのが我々の強みです。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)という人材会社に新卒で入社し、15年勤めました。最初は飛び込み営業、テレアポから始まり、その後、営業企画やサービスプロデュース部門で影響範囲の大きい企画を担当。とても大変でしたが、そこでExcelやPowerPointで企画経営、タスクも管理していたため、現在の事業に役立てられているように思います。
そこから現場のマネージメントに戻った時、私が担当していたアルバイトメディアが休刊となってしまったのです。大々的に部署移動が行われ、私も人事という未経験の職種に移ることになりました。そこではとある会社の人事代行を引き受けており、人事の年間採用計画からコミットした目標数字を達成するところまでを支援しました。そして最後に自分の意思でパーソルイノベーション株式会社に転籍させていただき、初めてSaasを経験しました。
前職で私は、営業や人事、Saas、事業的なほとんどの業務に関わらせていただき、これからの人生をどう生きるか考えていたところでした。規模の大きい会社のため、どうしても物事の意思決定が遅くなることや、自身が大切にしたいことを維持していく葛藤などを感じていました。日本の未来を考えた際に救われるべき企業があると考えていました。私は利害だけで物事を判断せず助けたい人を助ける、そのようなスタイルにしていくことを決意し起業しました。
起業してからも、パーソルキャリアでの経験は私にとって大きな力になっています。営業組織歴が長く、ExcelやPowerPointを駆使して営業戦略の分析やプレゼンを行っていた経験はとても活きていると感じます。また、人事の中途採用、エンジニアの面接や経理の面接などほとんどの職種を網羅してきたことで実際の現場を把握できているため、クライアントからのオーダーにも的確に応えることができていると思います。
期待値を超える感動を提供し満足してもらいたい
仕事におけるこだわりを教えてください
この先一緒に長く仕事ができるかどうかがベースになっています。その上で、相手が求めている期待を超え続けることで満足してもらうことがこだわるべきことだと思います。
相手によって求めているゴールは違いますが、共通しているのは期待値を超える水準で結果を出すと喜んでいただけるということです。この喜びが高ければ高いほど幸せになり、その対価として報酬があるため、結果的に相手に満足してもらうことが大事なのではないかと考えています。
この、相手の期待を超えると満足がこぼれてくるというのは「Win-Win」の考え方に似ていますが、私はこの考え方には疑問を抱いていて、「Win-Lose」の方が自分の感覚に近いと感じています。というのも私は両者が同時にWinを取ることは不可能なのではないかと考えています。どちらかが先に負けてどちらかに先に勝ってもらう、それが「ありがとう」に繋がるのではないでしょうか。原則的に相手はWin、自分がLoseの「Win-Lose」で良いのではないかと思っています。
それから、社名にもこだわっています。IKIZAMAは誰にも存在している「こうで在りたい」という姿のことを指します。IKIZAMAと言うと一見怖そうな雰囲気がありますが、そうではなく、人や組織の生き様を磨き輝かせると定義しています。
歳を重ねると良くも悪くも周りに染まり、夢や希望が否定されたり本来あるはずの意思が押し殺されたりしてしまいがちです。そのため、みんなが忘れている生き様に気付かせてあげたり我々が解き放ったりしてあげたい、そして時には一緒に夢や希望を言うことで自信を取り戻すお手伝いをしたい、そのような意味があります。
社名は常に忘れないところに位置するため、わかりやすい言葉がいいと思ってこの名前にしました。自分たちがIKIZAMAのように、先頭に立って行動できる組織でいられるよう「生き様」を解放し続けていきたいと思っています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
壁は乗り越えることが当たり前だと思っているので、感じたことがありません。唯一あるとしたら、自分の健康かもしれません。
昔、高尾山に登った時に自分が思っていた以上に疲労を感じ、情けなさを感じました。これ以降自分の健康を気にするようになり、ウォーキングをしたり、登山に月4回チャレンジしたり、最近ではボクシングを始めました。かなり運動面を強化しているので、今後も健康には気をつけていきたいです。
湧き出てくる目標を虎視眈々と狙う
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
やると決めたら、モチベーションはなくても進めます。辛いとか、できないとか、人間は様々な感情が邪魔をするものですが、私はモチベーションというものに左右されず物事を決断できるように自分でセルフコントロールしてきました。強いて言えば、設定したビジョンがモチベーションではないでしょうか。やりたいことはたくさんあるので、虎視眈々とタイミングを狙っているという感じです。
私にはモチベーションはありませんが、私の思想を真似してほしいとは思いません。私は過去、社会人7年目くらいの時につまづいたことがありました。5人のスタッフをまとめていた時に何かうまくいかないなと思い、自分を客観視したところ、自分のやり方を周りに押し付けようとしていることに気づいたのです。そこで気持ちを切り替えて、彼らなりの正解に辿り着けるように支援をしました。
この経験から、モチベーションが上がらないという従業員に対しては、目標を達成するためにアドバイスを行ったり相談を聞いたりしています。例えば、彼女とうまくいっていないためにモチベーションが上がらないという従業員がいれば、仕事を切り上げて会いに行けと言います。それが一番の解決策だからです。仕事をする時間を失ったとしても、人生の時間を取り戻すことを優先させる、昔からそういうやり方で従業員のモチベーション対策をしています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
今後やりたいことは大きく2つあります。
1つは、学校法人を作って義務教育を変えることです。100点を取る授業も大事ですが、社会人になる前から仕事について教えたり体験できたりする環境を整えることが大人の役目だと思っています。これらが絵に描いた餅にならないために、まずは自分の認知をあげるなど前段を作っていくことが目標です。
もう1つは、海外を視野に入れた事業展開を考えています。まずは行動が必要なため、直近で香港出張を決めました。日本における需要が海外の需要とは限らないため、新規事業は流行るものや求められるものであれば何でも良いのではないかと考えています。例えば、寿司屋が儲かるらしいという話があれば、海外で寿司屋を経営してもいいかなと思っています。海外へのアンテナが急に立ち始めたので、海外ハブ会社のコンシェルジュを利用するなどして、自分が元気なうちにやりたいことに挑戦して、海外への事業も展開させていきたいです。
止まっている時間は意味がないしもったいない
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
こう見えて私はとても臆病で恐る恐る行動をするタイプです。否定されるのではないかと思ってしまい、新しいことや前例がないことをするのも苦手です。その上でセルフマネジメントをしていますが、何より最近感じるのは、立ち止まっていることは意味がないということです。
真剣に考えているのは止まっているということには含まれませんが、無駄に悩んでしまい、物事を決断しようとしていなかったり、人に委ねていたりする状態はとてももったいないと思います。その場所に居座り続けず前でも後ろでもいいから動くことが重要なため、立ち止まった時は健全なストップなのか、意思なきストップなのかを見極めてみてください。
自己資金で運営していく起業家においては、自分が行動しないと誰も助けてくれません。逆に行動した人には必ず救いの手が差し伸ばされるはずです。長く付き合える人は応援し続けてくれる人なので、Give&Takeという関係よりも人間的にきちんとお互いを理解する必要があります。行動し続けた先で自分が共感できる仲間を見つけ、人間関係を肉厚にしていってほしいと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:笠松 将志
1982年8月11日生まれ 立教大学大学院 理学部 数学専攻 株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)へ新卒入社、 アルバイトや正社員の求人メディア事業で、営業・営業企画・商品企画・マネジメントに従事。 所属事業の事業撤退を機に異動、人事採用RPOとしてお客様先の年度計画策定、 各社経営層へのコンセンサス、採用業務のオペレーション代行、マネジメントを管掌。 2019年、パーソルイノベーション株式会社へ転籍し、 Saasプロダクトの立ち上げへ参画。主に営業戦略・営業実務として2年間従事。 パーソルグループを2021年9月に卒業し、 2021年10月からは個人事業主として活動を開始。 Saasプロダクトの立ち上げ支援、中途採用支援、営業代行を主として活動した後、 仲間が組織へジョインするタイミングで、株式会社IKIZAMAを設立。
企業情報
法人名 |
株式会社IKIZAMA |
HP |
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設立 |
2022年9月1日 |
事業内容 |
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