株式会社soeasy 取締役 伊藤 彰洋
株式会社soeasyは「おしえあうって、すばらしい」を企業理念の柱とし、15秒のショート動画を配信するメディア事業と、人材育成のDX化を推進するツールを展開しています。事業を通じて教え合う文化を広め、組織内外での知識共有を促進することで、より良い働き方と学びの環境を提供しています。今回は、2019年に同社に入社し2020年に取締役に就任した伊藤彰洋氏に、事業内容や今後の展望などを詳しくお聞きしました。
ライフハック動画とDXツールで促進する教え合う文化
事業の内容をお聞かせください
当社は「おしえあうって、すばらしい。」を理念に掲げており、これを世界中に根づかせることが使命です。この理念を実現するために、2つの事業を展開しています。
1つ目は「soeasy」というライフハック動画メディアです。こちらは一般消費者向けのメディアで、家庭の知恵や裏技を動画で共有できるプラットフォームです。InstagramやYouTube、TikTokなどのSNSを通じて情報を発信しており、最近はとくに防災対策に関する動画が話題を集めています。
防災関連のコンテンツが注目されている理由は、台風や地震などの災害時に役立つ知識が十分に蓄積されていないためです。今年は例年以上に猛暑が続いたため、熱中症対策に関する知識がテレビやラジオでも取り上げられました。
「soeasy」の素晴らしい点は、言語の壁を越えて動画が世界中にシェアされることです。日本発の防災対策の知恵が海外でも共有されているのは、非常に嬉しいことです。たとえば、諸外国で地震があった際、ランタンがなくてもスマホのライトの上に水を入れたペットボトルを置くと、簡易ランタンになるというライフハック動画が話題になりました。このように、世界中の人々が知恵を教え合う場が生まれていることも、この事業の大きな魅力だと感じています。
2つ目の事業「soeasy buddy」は、教え合う文化を醸成するためにチームや組織内でアイデアやノウハウを動画またはテキストを使って共有できるDXツールです。私もコアメンバーとしてこの事業に携わっています。
どの組織でも、規模が大きくなるにつれ社内教育が難しくなり、従業員同士のコミュニケーションでは「言った」「聞いてない」といったミスコミュニケーションが生まれることがあると思います。これらの課題を解決するために、組織に教え合う文化を根付かせることで従業員が知識やスキルを簡単に共有できる「soeasy buddy」を提供しています。クライアントからは「教える手間が3分の1になった」「成長スピードが2倍になった」などの嬉しいフィードバックをいただいています。
たとえばある美容サロンでは、アシスタントがマネキンでカット練習を完了するまで通常1年かかるところを、「soeasy buddy」の導入後はわずか3ヶ月で達成しました。アシスタントが早くスタイリストになり、その結果、サロンの売上にも貢献できるようになったという良い成果が出ています。
「soeasy buddy」はSaaSとして提供しており、自社開発したアプリを販売し、サポートも行う形の事業です。2018年4月にリリースし、美容サロンや歯科クリニックを中心にすでに1,000社以上の組織に導入されています。
soeasyに入社されるまでのご経歴と入社理由をお聞かせください
私は理工系大学院を卒業後、電通国際情報サービス(現 電通総研)で金融機関向けの営業を担当し、そこで5年間キャリアを積みました。その後、医療系スタートアップのエムスリーに3年半在籍し、次にクックパッドで1年間勤務したのち、2019年2月にsoeasyに入社しました。
転職活動中にいくつかのスタートアップの面接を受けましたが、最終的に心に残ったのは知人の紹介で出会ったsoeasyでした。当時は会社が初期フェーズだったため、自分たちの手で事業を作り上げていけるという点に大きな魅力を感じたことが入社した理由のひとつです。また、当時はまだ珍しかった「動画を活用したSaaS」という事業にも大きな可能性を感じ、入社を決心しました。
私は10番目の社員として入社し、法人向けサービス「soeasy buddy」の初代営業担当者として、美容サロンや歯科クリニックへの導入を進める一方で、社内体制の整備にも取り組みました。そして、2020年11月に取締役に就任し、現在は全体の経営業務を担当しながら、新規事業の立ち上げにも注力しています。
コロナ禍で実感した仕事のやりがいと使命感
仕事におけるこだわりを教えてください
こだわりはこの仕事を通じてご縁をいただいた美容院や歯科クリニックに、今後も貢献し続けることです。それがこの仕事を続けるやりがいにも繋がっています。
そう思うようになった大きなきっかけは、コロナ禍で当社のサービスが「非常に役立った」とフィードバックをいただいたことです。
以前より「soeasy buddy」を導入いただいていた地方の美容院があり、2020年4月に緊急事態宣言が出た際、とても心配になり連絡を取ってみました。すると、お店を閉めざるを得ず、サロン内での新人教育ができない状況だということがわかりました。しかし、そんな中でも「soeasy buddy」を活用して自宅から教育を続けられ、とても助かったと感謝の言葉をいただきました。
サービス導入時から「非常に良いサービスだ」と言っていただいていたのですが、コロナ禍では「このサービスに出会えたのは運命だ」とまでおっしゃっていただきました。
その時、このサービスを通じて世の中に貢献できているという嬉しい気持ちと同時に、この素晴らしいサービスを一刻も早く多くの人に届けなければならないという、強い使命感を抱くようになりました。お客さまがこれほど喜んでくださっているのだから、「この仕事を全力でやり遂げよう」とその時にスイッチが入りました。
貢献する喜びと共に、教え合う文化を広げたい
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
モチベーションになっているのは、事業を通じた「貢献感」です。我々が提案する教え合う文化が広がり、多くの方々に喜んでいただけることが大きな原動力になっています。
今後は国内にとどまらず、事業を世界へと広げることを目指しています。私が目指しているのは、組織や文化、国境、年齢、性別を超えた教え合いの実現です。たとえば、日本の美容サロンでの知識や技術がタイの介護事業者にも役立つような、新しい化学反応を生み出せると考えています。今後は、業態や業種を超えた教え合いを広げられるプロダクトへと進化させることが目標です。
現在取り組んでいることは、全体のビジョンのほんの2%か5%に過ぎません。そのため、会社としてまだまだ伸びしろがあると感じています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
引き続き国内でビューティーとデンタルの両分野を事業の柱として育てつつ、将来的にはそれらをグローバル市場でも展開したいと考えています。
また、当社のサービスは、外国から来た外国人材の方々のトレーニングにも非常に役立っており、入国後8ヶ月で10名全員が国家資格に合格したり、定着率100%を実現できるなど圧倒的な効果が出ています。
さらに海外現地でもタイの歯科クリニックや、アメリカの歯科助手学校に導入されており、教育効果が高く評価されています。
こうした成功を土台に、海外展開を進めていきたいと考えています。
企業文化の醸成もサポート
サービスを利用する方へのメッセージをお願いします
当社のサービスは、教育や採用、人材の定着といった「人」にまつわる課題を抱えている企業には間違いなくフィットすると思います。また、働きやすい組織、つまり心理的安全性の高い組織を作るためには、教え合う文化を根付かせることが非常に有効です。こうした文化を醸成したいと考えている経営者やチームメンバーの方にも、当社のサービスが最適です。
アプリは「soeasy buddy」という名前の通り、非常に使いやすく、誰でも簡単に操作できるものです。しかし、企業文化を変えていくには大きなチャレンジが伴います。企業文化を本気で変えたいと考えている経営者には、私たちがしっかりサポートし、1〜2年という期間をかけて共に取り組んでいきます。
採用を強化されているそうですね。どのような人材が理想でしょうか?
当社はJカーブの成長を迎え、デスバレー(死の谷)を越えて大きく成長していくフェーズにあります。今は社員が30数名ほどですが、これから50名、100名と拡大していく段階ですので、そうした組織の成長を楽しめる方にはとても魅力的な環境だと思います。
また、サービス領域を開拓すること自体が新規事業となるため、新規事業の立ち上げや事業開発に興味がある方、または将来起業を目指している方にとっても、挑戦できる環境が整っています。
▼採用情報の詳細はこちらから。
https://www.green-japan.com/company/6671
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:伊藤彰洋 氏
「おしえあうって、すばらしい。」を企業理念とする株式会社soeasyにおいて、動画マニュアル&SNS「soeasy buddy for dental」を活用した歯科業界のDXを推進。数多くの歯科医院での教育コスト削減・売上向上の実現を支援している。歯科業界の教育DXに関するテーマでの講演実績多数。
▼Wantedly
https://www.wantedly.com/companies/soeasy/post_articles/252089
企業情報
法人名 |
株式会社soeasy |
HP |
|
設立 |
2016年12月 |
事業内容 |
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