株式会社Nutrition CEO 坂本 慧太

株式会社Nutritionは、1人1人が自分にとって必要な栄養素とサプリメントの情報を理解し、最適な栄養バランスを手に入れている社会を目指しています。現代社会では、ほとんどの人の食生活で栄養の偏りが起きており、その偏りを補うためのサプリメントの情報も、大量かつ正誤入り混じって溢れています。そのような社会課題解決にむけ、公平な”栄養プラットフォーム”作りに注力する同社CEOの坂本慧太氏に、現状の業界課題や今後の展望など詳しくお話を伺いました。

 

1人1人が最適な栄養バランスを手に入れられる社会へ

事業の内容をお聞かせください

当社は、1人1人が今の自分にとって必要な栄養成分がわかり、その栄養成分が含まれているサプリメントに出会うことで、最適な栄養バランスを手に入れるためのプラットホーム構築を行っています。

 

現在、ドラッグストアや小売店を始め、WebやSNS上でも、数え切れないほどのサプリメント情報に触れることができ、カンタンに購入することができます。しかし、消費者にとって、どの成分が自分に必要なのか、何の成分が今の自分に足りていないのかなど、本当に必要な情報を理解できているかというと、ほとんどの人が理解できていません。

 

そのため、本当に良いサプリメントであっても、そのサプリメントを必要としている消費者の手元に届きづらい。どうしても広告力・マーケティング力勝負になってしまっているのがサプリメント業界の現状です。

 

我々は、世の中にある数多くの栄養成分・サプリメントについて、正しい情報が集まっているデータベースを構築しており、まずはそれをメディアとしてアウトプットするべく、動いております。ゆくゆくは健康診断や血液検査、人間ドックの報告レポートから、自分にとって必要な栄養成分が何かを導き出し、その栄養成分が最適に含まれているサプリメントを提案する仕組みをリリースする予定です。

 

弊社が作っているサプリメントを提案するのではなく、世の中に数多くあるサプリメントの中から、自分に最適なものが見つかるプラットフォームを創り上げることで、世の中に溢れているサプリメント情報の交通整理を行い、本当に良いサプリメントが、必要としている人々の元にたどり着く世界に変えていこうと活動しています。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

元々はサプリメント業界とは全く関係がなく、新卒で三井住友銀行に入社し、法人営業を担当した後、日本M&Aセンターにて中堅中小企業のM&Aアドバイザリー業務を経験しました。2社での業務を通じて、数多くの経営者と仕事をご一緒する中で、30代では自分も当事者として事業を作りあげる経験をしたい、と29歳の時に滑り込みで起業しました。

 

業種としては、私の親族が、医薬品の原薬・中間体メーカーとして代々経営しており、グループ会社に健康食品の受託開発工場を持っていたこと、私の社会人生活は一環として法人営業に従事してきたことから、クリニック・美容サロン・フィットネス施設・EC業者等の法人に対し、サプリメントの卸・OEMを提案する「⽩鳳化学(株)」を設立しました。

 

営業活動をしていく中で「坂本くんが言うなら、そのサプリメント飲むよ」「長い歴史のある製薬会社グループで作られているなら間違いないね」と、嬉しいお言葉をお客様からいただく機会が多くありました。

 

一方で、自信を持っておススメできる良い成分のサプリメントを仕入れたり、品質の高いサプリメントを自ら作っているものの、世の中に良いサプリメントがたくさん販売されている中で、目の前のお客様にとって本当に必要な成分・サプリメントは、果たして弊社の商品なのだろうか、と疑問に思い始めてしまいました。

 

どんなに良い商品でも、必要な人に届かなければ、効果の実感は薄く、サプリメントって効かないよなと、諦めてしまう悪循環が生まれてしまいます。そんなもったいないことが起きてしまっている業界を変えるべく、株式会社Nutritionを創業しました。

 

お客様が求めていることを考え抜き、信頼関係を構築

仕事におけるこだわりを教えてください。

お客様が私に対し、何を求めているかを徹底的に考え、実現させることです。よくお客様の立場になって考えろと言いますが、お客様の立場になって自分ができる範囲の中から提案するのではなく、自分ができることは一旦置いておいて、とにかくお客様が私に何を求めているか、だけに拘って考えます。その上で、求められていることをどこまで実現できるのか、たとえ業務範囲ではなくても、できる限り対応することが大切だと考えています。

 

また、全てを自分一人の力でやろうとするのではなく、得意な人を頼り、1人1人が得意な領域を分担しているようなチームを構築して、スピーディに対応することも大切にしています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

私は、三井住友銀行、日本M&Aセンターという業界大手の金看板の元で営業活動をしてきていたので、自分で起業し、看板が無くなった時、私のことを何も知らない0から創り上げていかないとならない大変さを心から実感しました。

 

そのためには、どうしたら目の前のお客様から信頼してもらえるのか、どのように進めたら実際のお取引につなげられるかなど、今まで以上にお客様の目線で考え抜きました。

 

仕事は好きなので大変と感じることは少ないです。仕事と趣味が一体化している感覚のため、平日と週末の境も全く意識せずに働いています。今は遊んでいるのか働いているのか分からないくらい楽しくやれています。

 

とはいえ、起業の過程で直面する厳しさやプレッシャーを無視することはできません。これから先、新しい挑戦をする中でさらに多くの壁にぶつかるかもしれませんが、周りに感謝しながらもっと前進していきたいと思っています。

 

サプリメントのあり方を変えたい

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

モチベーションはサプリメント業界を変えたいという強い思いからきています。最近、「こういうことが気になっているのだけど、何か良いサプリメントある?」などと相談を受けることが多く、目の前のお客様がどのサプリメントを選ぶべきか分からずに困ってしまっている状況をもどかしく感じています。

 

また、品質の良いサプリメントを製造・販売しているのに、伝え方・売り方がうまくいかず、埋もれてしまうことが多くあります。反対に、派手なプロモーションであまり品質の良くない商品が売られていることが非常に多くあります。

 

セールス・マーケティングが上手いことは決して悪いことではありませんが、現状、広告に莫大なコストをかけるために、商品の質が下がってしまっていることが多くなっていると感じています。

 

だからこそ、良い品質のサプリメントが、その成分を必要としている消費者の元に届くプラットフォームを作ることで、セールス・マーケティング勝負だけでない、品質勝負な業界に変えていけると考えており、強いモチベーションとなっています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

健康診断、血液検査、人間ドックなどのデータ連携を通じて、人々の健康を長期的にサポートする仕組みを作ることです。ほとんどの人が健康診断は受けているものの、各項目の詳細な数値までは確認し、把握していないことが多いと思います。

 

我々は、健康診断や血液検査のデータを元に、その人にとって必要な成分とその成分が含まれたサプリメントを提案するシステムを開発しています。我々の持つサプリメントのデータベースと最新のAI技術をかけあわせ、人々のパーソナライズデータに基づいて、最適なサプリメントを提案していきたいです。

 

まずは正しい情報を広めることから着手するため、メーカーやブランドにとらわれない上質な口コミを提供していくメディアの構築とECサイトの運営を進めています。当社のメディア記事からサプリメントに関心を持った読者が、正しい情報を得て、手軽に購入できる環境の提供をしていきます。近いうちに実店舗での展開も行い、Webとリアル両面からアプローチできるようにしたいです。

 

これらが仕組みとして軌道に乗れば、定期的に利用していただくことで、常に自分に必要な成分を摂取し続けることができます。サプリメントと健康管理の関係をインフラのように確立し、病気になる前の健康な状態をできるだけ長く維持できる社会を実現していきたいです。

 

ご縁とタイミングがくるまで動き続ける

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

これから起業を考えている方に伝えたいのは、「動き続けることの大切さ」です。たとえ今は新しいビジネスアイデアが思いつかない、資金が足りないと感じていても、焦らずに目の前の仕事に集中して続けていくことで、ご縁やタイミングが自然と巡ってくるものです。

 

私も22歳で就職したときには、31歳でこんなことになっているとは考えてもいませんでした。全て、ご縁とタイミングがくるまで真面目に動き続けた結果だと思います。無理に行動を起こすのではなく、できるだけ自然体で過ごしながらも、思いを大切に愚直に動き続けることが成功への鍵だと思います。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:坂本慧太氏
企業情報

法人名

株式会社Nutrition

HP

準備中

設立

2024年3月

事業内容

栄養・サプリメントについてのメディア・EC運営

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