株式会社LIBERTAD 代表取締役CEO 浜田 一郎
株式会社LIBERTAD(リベルタ)では世界で活躍する日本人を増やすことをビジョンとして、留学全般に関するコンサルティングを行っています。中でも、同社はスペインへのサッカー留学に特化した「サッカー留学支援」に強みがあります。
代表取締役CEOの浜田氏に、自身がスペインへのサッカー留学を経験して感じたことや、それが現在の事業にどう繋がっているのか、また事業を始めてからの最大の壁などについて伺いました。
ホスピタリティの高さがウリの留学支援
事業の内容をお聞かせください
当社ではいわゆる海外への留学支援サービスを展開しています。具体的には、留学相談から留学先決定までの事前コンサルや、行き先決定後の学校の手配、現地での住まい探し、ビザ周りのサポートなどです。また、他社にはなかなかないサッカーに特化した留学支援も行っており、これは当社ならではの大きな特徴かと思います。
留学対象国はスペイン、カナダ、韓国、ペルー、フランス、イタリアの6カ国で、スペインについてはサッカー留学支援を行っています。
私自身がサッカー留学をしていた学生時代からずっとスペインに住んでいることもあり、やはりスペインへの留学支援が一番得意としています。
しかし、どの国においても当社独自のネットワークを活かして手厚くサポートしております。その一例として、当社では留学前、留学中、留学後の3段階全てにおいてサポートを行います。
留学前の支援について、他社ではすでに留学者本人が決めたことをヒアリングするだけという場合が多いのですが、当社ではそもそも留学に対して抱えている不安や悩みなどを聞くところから始めて、留学先を一緒に考えていくスタンスを取っています。
その人にとって留学がベストな選択肢でないと判断した場合は、正直にそれを伝えることもあります。会社の売上だけを考えれば、本人の思いがどうであれ留学を勧めた方が良いのですが、そういうことはしたくないと思っています。
留学中の支援については、他社では斡旋だけして、現地に着いてからは自己責任でお願いしますというスタンスのところが多い中、当社は現地駐在もしくは在住しているスタッフが24時間土日も対応できるような体制を整えています。
送迎はもちろん自社スタッフが行いますし、スマホを無くした、具合が悪くなったといった日常的なトラブルにも、原則1時間以内に対応できるようにしており、この点は他社と比較して大きな強みとなっています。
また、留学後の進路相談や就活アドバイスも行っています。留学される方の大半は学生ですが、彼らに対して「留学」という経験を企業側にどうPRするかについての伝え方もアドバイスしています。
人材紹介業の資格を有している訳ではないので、出来るのはあくまでコネクションをつくるところまでですが、企業側に対しても「こういう子がいるけどどう?」という話をすることもあります。
とりわけ「サッカー留学」に関しては、自身がサッカー選手としてスペインでやってきた経験がベースにあり実状もよく分かりますし、そこで築いたサッカー界での人脈もありますので、万全のサポートができると思います。
例えばサッカー留学の場合、語学の勉強にプラスでサッカーの技術習得もあるので普通の留学よりもプレッシャーがかかり、メンタルサポートが大事になります。そういった細やかなメンタル面のサポートや、紹介できるチームの豊富さなどは、当社の大きな強みとなっています。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
元々サッカー選手を引退したら外資コンサルに行く予定で、内定まで貰っていました。ところが直前になって自身のサッカー人生を振り返った時に、どうしてもサッカー業界に携わっていたいという強い想いが湧いてきました。
おそらくこのまま就職してしまったら2度とサッカー業界には戻ってこれないだろうと思い、悩んだ挙句内定を辞退し、起業する決断をしました。
起業するなら、かねてより疑問を感じていたサッカー留学という分野で、そこに自ら変化をもたらしたいと思いました。というのも、自身がサッカー選手として海外で過ごす中で、周りのチームメイトから留学エージェントの話を聞くことがあったのですが、内容がひどいものが多いのをしっていました。
また、紹介できるチームが弱小チームしかなかったり、現地でトラブルがあってもほったらかしであったりと、果たしてこれで本当にエンドユーザーに対して満足を与えられているのか?と疑問に思いました。
だから自分がこのスペインで、これまで築き上げてきたサッカー関係の人脈を活かしてもっといいサービスをつくろう、そしてサッカー留学の活性化に繋げようと意気込み、起業を決意しました。
お客様がいるからこその起業
仕事におけるこだわりを教えてください。
意思決定をする際に、エンドユーザーが満足できるかどうか?というのを最重視しています。
実際に満足してもらえているかどうかを確認するには、コミュニケーションを密にすることが大事なので、留学生の皆さんとは週に1回は連絡を取るようにしています。そうすれば一人ひとりがどんなことを考えているかが知れますし、今後のサービス改善にも活かせるので、自分としてはコミュニケーションを取るのは結構楽しくもあります。
また、今後は対面でのコミュニケーションも図りたいので、月1回程度、留学生同士が交流できる対面イベントも企画していければと思っています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
これまでに乗り越えた壁は二つありました。一つ目は起業なんてできる訳ないという周囲からの冷たい反応でした。
起業前からずっと無理だろうと周囲には言われており、それでも自分の中では今だと思ったタイミングで起業しました。しかし、いざ起業してみると全然経営が回らなくて、周囲からも「だから無理だって言ったじゃん」と追い討ちをかけるように言われ、半年間は精神的にも資金的にもかなり苦しかったです。
そんな中で有難くも留学生が一人見つかり、実際にその方への手厚いサポートの様子をSNSにアップしたところ動画がバズり、そこから会社に興味を持ってくれる人が増えて、それ以降は集客面での課題を克服できました。
もう一つの壁が、留学支援業というサービス柄、説得相手が留学者本人ではなく親であることでした。
SNSを通じて本人に興味を持ってもらえても、そこから実際に留学を実現するには親を説得しないといけません。留学には多大な費用がかかるので、そこまでしても行きたいという本人の情熱が親に伝わるかや、当社が親御さんに子供を預ける先として信頼してもらえるかどうかが重要になります。
その辺は誠意を伝えるしかないのですが、ある程度の実績が積み上がるまでの期間は、特に工数がかかって大変でした。
ドン底期を支えたのは、元チームメイトからの応援
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
自分を応援してくれる人のために頑張りたいというのがモチベーションとなっています。
自分一人の会社だったので、自分が心折れたらここで倒産するなと頭では分かっているのですが、やっぱり感情的にどうしても落ちそうな時がありました。
そんな時、選手時代のチームメイトがとても頑張って自分のために留学生の受け入れ先チームを紹介してくれている姿が思い浮かびました。
それと同時に、もし自分がここで諦めたら、彼らのように自分を応援してくれた人たちが間違いになり、起業を無理だと言ってきた人たちが正解になってしまう気がして、それだけは何としても避けたいという決意が芽生えました。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
今後はもっとサッカーの新規市場開拓に注力したいと思ってます。開拓先として考えているのはアジア、とりわけ中国です。
アジアにおいて日本はサッカー先進国なので、アジアのサッカーに注力してる国とのコーディネート、両国にとって良い合流、学びのある場にできたら良いなと思っています。
周囲の声は「聞くが、聞かない」。自分の感覚を信じて進め
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
最近は若者の間で起業ブームが起こっていますが、依然として日本では大半の人が就職し、起業する人はどうしてもマイノリティになります。起業すると周りと話が合わなくなったり、生活時間帯がズレたりして大変かもしれません。そもそも起業なんて無理だからやめた方がいい、なんて余計な言葉をかけてくる人もいるでしょう。
でも、どこで生きて何をしていても、自分が進む道の選択権は自分が持っています。だから皆さんには、周りの声を「聞くが、聞かない」という姿勢で上手に取り入れたり受け流したりして、自分の感覚を信じて突き進んで欲しいと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:浜田一郎
幼少期 香港に五年間、 16歳からスペインバルセロナへ サッカーをプレーするために移住。(現在も) サッカー選手 サバデルユース→オスピユース→レバンテユース →フピテル 2022にサッカー選手を引退。 2022年に、LIBERTADを立ち上げ。
企業情報
法人名 |
株式会社LIBERTAD |
HP |
|
設立 |
2022年 |
事業内容 |
サッカーを通じて日本と海外を繋ぐコンサルティング業 |
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