株式会社Emooove 代表取締役 藤澤 諒一

株式会社Emoooveは、インサイドセールス支援、営業DX、フリーランスエンジニアと案件のマッチングを行うサービスの提供などを展開しています。特にLinkedInを活用した営業支援によって、一般的な営業支援サービスとの差別化を図っています。100億円規模の企業へと成長させるために、走り続ける同社の代表取締役の藤澤諒一氏に詳しくお話を伺いました。

 

LinkedInを活用した営業支援、エンジニアのマッチングサービスに注力

事業の内容をお聞かせください

現在我々が手掛けているのは、主に営業支援事業とシステム開発支援事業の2つです。

 

営業支援事業では、インサイドセールス支援、さらに営業DX支援に注力しています。具体的にはSalesforceの導入支援などを行い、営業プロセス全体の効率化を図る取り組みを進めています。

 

営業支援の手法として、特に注力しているのがLinkedInを活用した営業活動です。一般的なテレアポやメール営業と比較して、LinkedInはターゲット決裁者に直接アプローチできる効果的な手法です。

 

例えば、大企業の部長やスタートアップの経営者など、意思決定層に直接接触することで、質の高いアポイントを実現しています。この取り組みは国内ではまだ珍しいため、LinkedInセールスを本格的に手掛ける会社として、市場での差別化を図っています。

 

LinkedInは営業に非常に向いているSNSであり、営業に特化した機能が搭載されています。例えば、有料ツール「LinkedIn Sales Navigator(セールスナビゲーター)」を活用すれば、業種や規模、役職など詳細な条件でのターゲットの絞り込みが可能となります。

 

LinkedInは現時点では営業目的での利用者が少ないものの、直近は大企業や学生を中心にユーザー数やアクティブ数が右肩上がりに向上しております。そのため、我々はLinkedInを活用した営業支援を通じて、従来型の営業手法に対する新しい選択肢を提供したいと考えております。

 

システム開発支援事業では、主にフリーランスエンジニアと案件をマッチングさせるサービスを提供しています。当社の特徴は、エンジニアに寄り添ったビジネスモデルを採用している点です。

 

例えば、案件におけるマージンを明確に開示して、エンジニアが安心してサービスを利用できる環境を整えています。また、確定申告や税制面でのサポートなどを提供することで、他社との差別化を図っています。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

学生時代から漠然と「いつか起業したい」と考えていました。ただ、当時の自分には実力も経験も足りないと感じていたため、まずは社会に出てさまざまな人と協力しながら力を付けようと思いました。

 

そこで、新卒では新規事業開発を手掛けるコンサルティング会社に就職し、大企業やスタートアップの新規事業立ち上げをサポートする仕事に従事しました。

 

例として、ある大手企業が実施していた社内コンテスト形式の新規事業開発プログラムの運営支援が挙げられます。社員がアイデアを持ち寄り、優秀なものに予算を付けて実証実験を行い、さらに良い成果が出たものに追加投資する仕組みでした。

 

このような経験を通じて、ゼロから新しい事業を生み出すプロセスや、その難しさを学びました。

 

2年ほどで10以上のプロジェクトに携わり、短期間で多くの経験を積めたことは非常に貴重でしたが、同時に「いくら準備をしても、実際に自分で起業しなければ本当のスタートにはならない」と感じて、25歳のときに起業を決意するに至ります。

 

最初は新卒向けの人材サービス事業を立ち上げましたが、コスト面や市場構造が厳しいと判断し、早い段階でピボットすることにしました。

 

その後、創業メンバー全員の強みを活かせる事業に注力したいと考え、私たちの強みを活かせる営業支援やDX推進の領域に焦点を当てることになりました。

 

Salesforceの導入支援を入り口に事業を拡大していくなかで、多くの企業が「営業プロセス」自体に課題を抱えていることに気付いて営業代行サービスも開始し、現在ではこちらが主力事業となっています。

 

壁だと感じる瞬間がないことが、今後の壁になる

仕事におけるこだわりを教えてください。

大きく分けて2つあります。1つ目はスピードとやりきる力です。何事も迅速に行動し、徹底的にやり抜くことで結果につなげられると考えています。

 

2つ目は、誰もやっていないことに挑戦する姿勢です。同じことをしていては市場での差別化も難しく、関わる人々にとっての価値も限定的です。常に新しい発想や切り口を模索し、独自性を追求することを意識しています。

 

最近では事業ごとに会社を分割しつつ、「新しいことに挑戦する」姿勢をコンセプトに込めようと考えております。

 

常識や既存のルールにとらわれない第3の選択肢を模索することが、私たちの存在意義だと考えています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

正直にいうと、これまで「これは大きな壁だ」と感じるような瞬間はあまりありませんでした。

 

なぜなら、僕は堅実な経営を重視するタイプで、リスクヘッジをしっかり考えて起業したことが挙げられます。

 

まず、自己資金でスタートして、起業1年目に売上がゼロだったとしても生活に困らないように十分な貯金をしてから始めました。事業がうまくいかなくても大丈夫な状態を作る、いわゆる安全マージンを持った状態で動いてきたのです。

 

その結果、「資金が底をつきそうだ」「会社が潰れそうだ」といった状況には、幸いなことに今のところ直面していません。

 

ただ、そのような慎重な姿勢が逆に壁になっている部分もあります。会社をもっと成長させるためには、リスクを取る大胆さや、思い切った投資が必要になることが多いですよね。

 

例えば、リモートワークで十分回る部分にあえてオフィスを構えたり、一時的に無駄が出るとわかっていても、組織拡大のための先行投資をしたりといった意思決定が必要です。

 

ですが、そのような判断を下すことは僕にとってはまだ少しハードルが高く、リスクを避ける性格が、ここで少しブレーキになっていると感じています。

 

もう一つの大きな課題は、人材面です。僕を含めて役員3人が全員20代で、マネジメントや採用、組織開発の経験が浅いことが弱点です。

 

そのため、うまくいかないことも多々あります。例えば、役員候補として採用した方が、期待に応える前に辞めてしまったことがあり、自分たちのマネジメントの未熟さを痛感しました。このようなことは早急に改善していかないと、組織の成長に影響を及ぼしてしまうかもしれません。

 

仕事が楽しいこと、仲間と成長できることが原動力

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

僕の場合、言葉で説明するのが少し難しいかもしれません。なぜなら、仕事そのものが楽しいと思うからです。

 

確かに、日々の業務には面倒なことや辛いこともあります。細かいタスクに追われることも多いですし、問題が山積みになる瞬間もあります。でも、そのようなことを乗り越えたときに得られる達成感や、「やはりやってよかったな」と思える瞬間が、何よりの喜びです。

 

また、仲間と一緒に成長している感覚も大きな原動力です。自分ひとりでは到達できなかった地点に、チームで力を合わせて進んでいく過程に楽しさを感じますし、失敗があっても伸びしろだとポジティブに捉えています。

 

さらに、自分で何かを作り上げていく創造的なプロセスが性に合っているのだと思います。

 

だから、特別に「これがモチベーションだ」と意識しているわけではなく、むしろ「やらずにはいられない」「やるしかない」といった感覚に近いかもしれません。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

まず、長期的な目標は、会社を100億円規模の企業に成長させることです。それを実現するために、複数の事業を展開していく計画を考えています。

 

それぞれの事業が成功していれば、そこに新しい役割やポジションが生まれます。そのような新しいリーダーシップの場を提供して、より多くの人に挑戦の機会を作りたいと考えています。

 

社会貢献も重要なテーマです。規模が大きくなればなるほど、社会に与えるインパクトも大きくなるため、事業を通じてより多くの人に価値を提供し、社会に貢献したいと考えています。

 

短期的な目標としては、今取り組んでいる新規事業をしっかりと成功させることです。この事業で「BtoBセールスといえばこの会社」といわれる存在になることが直近のゴールです。その目標を達成するために、優秀な仲間をさらに増やしていき、人が増えることで会社の可能性も広がると考えています。

 

早く行動したほうがいいけれど、急ぎすぎる必要はない

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

もし起業を目指しているなら、まずは早く行動を起こすことが大事です。

 

失敗は成功へのプロセスでしかないので、できるだけ早く失敗を経験して学ぶほうが、次につながるスピードも速くなります。

 

それに、若いうちはリスクも少ないし、挑戦できる期間も長いから、そういった意味で、「失敗を恐れずにとにかくやってみる」姿勢が重要です。

 

とはいえ、急ぎすぎる必要はないとも思っています。結局、成長の鍵はどれだけ多くの経験や学びを得られるからです。

 

もし、他の会社で同じような成功プロセスを間近で見られる機会があるなら、その経験は大きな財産になるので、焦らずに自分のペースで進めばいいと思います。

 

早く行動することと矛盾する感じで恐縮ですが、自分のペースを守ることが大切だと思います。

 

採用を強化されているそうですが、どのような人物を採用したいと考えているかを教えてください。

このメディアを通じてお伝えしたいのは、採用についてです。

 

当社は現在、成長志向の高い人材を積極的に求めていて、一言で表現するなら、将来の理想の姿に向かって挑戦を続けられる人が、当社に最もフィットする方だと思っています。

 

具体的には、目標を持ち、その実現のために苦しい環境でも前向きに努力を続けられる方が、当社のカルチャーに合致すると考えています。

 

また、当社では、大きく分けて「営業支援事業」と「システム開発支援事業」を展開しており、特に力を入れているのが営業支援事業です。

 

この分野では、クライアントの営業活動を支援するポジションや、当社自身が新たな支援案件を獲得する営業職を募集中です。

 

営業のスキルを磨きたい方や営業全般に興味のある方には、当社の環境が非常にマッチすると思います。また、単なる業務の遂行にとどまらず、成長を目指す姿勢がある方にとっては、非常に大きなチャンスを提供できる会社だと自負しています。

 

▼採用情報

https://emooove.co.jp/recruitment

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:藤澤諒一 氏

神戸大学在学中に月間100万PVを誇る就活メディアを立ち上げ、上場企業を含む複数企業の採用や、旧帝/早慶上理大生を中心とする学生100名以上の就職活動を支援。大学卒業後は、新規事業開発やイノベーション創出を支援する株式会社Relicに入社。スタートアップから大企業まで企業規模を問わず、SaaSプロダクトのCPF支援やクリエイターエコノミー事業のアイディエーション〜PSF支援等を実施し、新規事業開発における企画 / セールス / マーケティングなどさまざまな角度から貢献。また、クライアントへの支援に限らず、社内におけるマーケティングファンクションの立ち上げを推進。定常的なリード獲得 / インサイドセールス機能立ち上げ / ナーチャリング仕組み構築など、マーケティング業務全般に従事。その後、株式会社Emoooveを設立。MA / SFA / CRMツールの導入支援事業や、営業 / マーケティングの支援事業を展開中。

 

企業情報

法人名

株式会社Emooove

HP

https://emooove.co.jp/

設立

2023年11月

事業内容

営業/マーケティング支援事業、MA/SFA/CRMツール導入/定着支援事業、IT人材事業、キャリアアドバイザリー事業

 

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